バーチャル内現実にワシハマっている。
いまゲーム、メタルギアソリッド5をやっている。
プレイヤ―は伝説の『スネーク』を演じ、仇敵サイファーの復讐を果たすため、様々なミッションをこなしながら、
自らの組織「ダイアモンド・ドッグ」と、その基地「マザーベース」を拡大させていく。
アフガニスタンやアフリカの荒野に点在する敵地での戦闘になる。
ゲーム進行の物語はもちろん、面白いのだが、例によって、ワシはそこには心は無い。
何に魅力があるかと言えば、一番はゲーム内の「リアルさ」だ。
なので、ウチのスタッフにスネークになってもらい、ワシは傍らで観戦しながら、
リアルさがどこまで進化してきたかとか、映像のディテェールを注視する。
すでに、最近のリアルバーチャルゲーム、バーチャル世界は実写とほぼ同じである。
主人公のスネークも、登場人物も、馬も、半裸に近い女スナイパーも、俳優が演じているのではないかというほどリアルだ。
顔の表情で演技できるところまで来ている。
これで人工知能AIで「心」が形成され、それが彼らに装着されると、
その中で、住むことになり、ワシの小説の中に出てくる「バーチャル・アナザー・ワールドVAW」が実現したことになる。
自分がスネークになって、このゲーム世界を歩いたり、走ったり、銃撃したりしていると、
周りの景色があまりにも現実的で、ゲーム空間にいることを忘れてしまう。
入りこんでしまうのだ。
まるで、テレビモニターの画面を境に、こちら側の世界とあちら側の世界があって、
ちょっと頭をヘンに?すれば、あちら側に住んでいてもいいような気がする。
どういうことかというと、ゲームをする時間は、例えば、5時間やったとしよう。
その5時間は事実、ゲーム空間にいた時間だ。
人間が作った虚構空間だ。虚構だから、無駄な空間、つまり無駄な時間をここに費やしたのだ。
以前のワシだったら、明らかに、ゲームやっている時間は人生において無駄な時間だと切って捨てていた。
それが、本当に様変わりして(笑)、ワシは5時間、そのゲーム空間に住んでもいいかな・・・と思えるほどになってしまったのだ。
なぜ、そんなふうになってしまったのか、
ワシがこの世、つまり現実時空間もバーチャル空間と同じだと思えるようになったからだ。
ワシの理論、非風揺葉理論が、ワシにとって、体に染み込み始めた、血となり肉となり始めたからだ。
今では、この世も、何かは分からないが、電気的な原理で構成されていると確信している。
電気的と言わざるを得ないところがはがゆいが、これの原理を「空界原理」と呼んでいる。
ゲーム空間における「空界原理」に当たるものは、「コンピュータのプログラミング」だ。
さらにプログラミングを構成する「オン・オフの意味あるスイッチングの連続列」だ。
つまり、ゲームは「1001010010111001010100100010100・・・・・」という、オン・オフの数列で出来上がっているのだ。
この場合、2進法だが、10進法でも、100進法でも構わない。
つまり、モニターに見えるものが、こんなふうな情報を乗せたタダの数列に還元できるということだ。
ワシは同じように、ワシらが住む現実時空間も、数列、あるいは、振動から成っていると考えるのだ。
振動から成っているという、最新の理論が発表されている。
この世界は微細な振動するヒモのようなものからなっているという「超弦理論」が現れた。
まさしく、ワシの非風揺葉理論の「空界原理」と似ている。
そういうこともあって、ワシは「空界原理」にますます自信を深めて邁進(笑)している状態なのだ。
なので、いまや、ワシは、ゲーム世界のバーチャル空間と、我々が住む現実空間とを、分け隔てることはしなくなった。
そんなワシがメタルギアの空間で遊んでいて、特筆すべき面白いと感じたことがある。
スネークが敵地で敵兵を捕える。
その敵兵が役に立つスキルを持っていた場合、生かしたまま、基地「マザーベース」の建設要員、傭兵とすべく、拿捕して基地に送るのだ。
その送り方がメチャ面白い。
捕えた敵兵に風船(バルーン)をつけると、ものすごい勢いで空高く上昇して行く。
バルーンは点となって空の空間に消えて行く。
それは、ちゃんと基地「マザーベース」に届いている(笑)。
逆に、「マザーベース」からスネークのところに必要な機材、火器などが、要望すれば、今度は、超スピードでパラシュートで届けられるといった具合だ。
笑っちゃうのが、補助してくれる犬や、露出過多のスナイパー女も空から降ってくる(笑)。
先ほどのバルーン輸送は、大きなトラックでも、コンテナでも、やろうと思えば、バルーンを取りつけて、空高く舞い上がらせることができるのだ。
こういう漫画的なことは、こういうゲーム空間だからこそできることで、我々現実空間ではあり得ないことである。
バカにするほど滑稽なことである。
にもかかわらず、いったん、このゲーム空間に“住んで”しまったワシから見たら、別に不思議なことではないのである。
ここが、ものすごく面白いところだ。
バーチャル空間では、敵兵やトラックをバルーンで基地に送るのは「現実」なのだ。
滑稽なことではなく、通常の光景である。
いわば、「バーチャル内現実」ということになる。
バーチャル内では現実だから、なんの違和感も非現実感もなく、漫画のようだと笑い飛ばすこともない。
粛々とバーチャル空間の物理に従って任務を遂行するだけである。
ちなみに、敵兵をバルーンに繋げて舞い上がる瞬間、敵兵が悲鳴を上げながら、
重たい体を重たい重力の法則通り、ブランブランと揺れるさまは、ここまでやるかというくらい良く出来ている。
脱帽である。
スナイパー女のオッパイ半分見せ、胸下露出姿は、ワシを楽しませてくれる。
この女は実は人間ではない。人工人間で、時速500キロくらいで砂煙を立てながら走る(笑)。成田アキラの電子書籍