第五回レポ1 午前フリー
例年より半月近く早い入梅、さらにそこへ非常に強い台風二号が重なる形となった週末。さすがの梨本塾晴れ伝説も適わず、朝からドシャブリの雨に見舞われることとなった。
雨に煙るトミンモーターランド。一面水浸しだ。
そんな中で、参加者有志による「自走者救済案」として、自発的に追加テント設営が行われた。「少しでも自走の方が楽になるように」と榎本、篠塚、皆藤、西村らが先頭に立って、豪雨の中懐かしのテントが建てられる。計4つものテントが設営されたことにより、自走参加者は非常に快適なスペースを手に入れることになった。
午前9時半、定刻どおりまずはAクラスのフリー走行が始まる。
基本的に梨本塾では「レインタイヤはご法度」とう意識がある。そもそも自走参加者にはノーチョイスの問題でもあるし、また「トミンモーターランドのウェットはドライタイヤでも十分グリップするし、ドライにせよウェットにせよ、ただ単にタイヤのエッジグリップに頼った走り方では、いずれ走りは破綻する」という塾長の考え方が浸透しているからでもある。
だが、この日ばかりはさすがのトミンモーターランドでも、ご覧のようなハードウェットコンディション。中尾のCBR600RRはブレーキング中にも関わらず、フロントタイヤが浮いているように見える。「これはさすがに厳しいかもしれない………」数多くの場面に遭遇してきた塾長でさえ、そう感じたという。
自走参加組の一人である山中に至っては「グローブカバー」まで装着して走るほどのヘビーレイン。「日本でも世界各国でもレインは走ってきたけど、サーキットでさすがにあのドラえもんスタイルは見たことがない(苦笑:塾長)」。しかし実際にはそういった手法も有効なのではと思えるほど、ひどい雨だ。
篠塚、渡邉の二台ももちろんドライタイヤ装着。やはりタイヤは浮いている。
そんな中で、一台だけアメンボのように快適な走行をしている者がいた。ハニービーカラーのCBR600RR、人見である。聞けば以前関係者よりレインタイヤを手に入れたとのことで、この日Aクラスでは唯一のレイン装着車となった。
レインタイヤとドライタイヤの違い、それはどれほどのものだろうか。消しゴムとガム、プラスティックとゴムほどの違い、といえばわかってもらえるだろうか。この連続写真で検証してみたい。前を走る中尾はドライ、後ろの人見はレイン装着だ。
最終コーナーを立ち上がる二台のCBR。ブルーの中尾はなるべくバイクを起こそうとしている様子が伺えるが、人見はこの雨量でもあまり神経質なライディングを強いられている様子はない。
さらにカメラを寄ってみると一目瞭然だ。左のドライタイヤに対し、水を砕いて弾き、多量の細かな飛沫として飛ばしているのが、レインタイヤ。水はけのよさとコンパウンドの柔らかさは、ドライタイヤと比べ物にならないほどだ。当然それは大きなラップタイム差となって現れることになる。
先月CBR954RRからデイトナ675へと乗換えを行った生駒は、よりによってこの日は新品ドライタイヤへと換装しての土砂降り走行。百戦錬磨のチャンプも、この日はさすがに苦労を強いられる走行となった。
さて、レインタイヤの人見と同じように、実は地味ながらも非常に強い武器を引っさげている者がもう一人いた。CBR600RRに乗る坂垣内である。この写真を見て、もうお気づきだろうか。ブルーのCBR600RRホワイトベースに乗る中尾、そして赤いCBR600RRに乗る坂垣内。カラーリングやベース仕様違いのみならず。この二人には大きな違いがある。
ブレーキレバーにまったく触れていない中尾に対し、坂垣内は三本もの指がかかっており、しかもどうやらバイクが寝ているにもかかわらず、効力がかかっているようにみえる。坂垣内ももちろんドライタイヤ装着だ。このコンディション下でのタイヤの限界性能はほとんど差がない。ではなぜ、これほどスリッピーな条件にも関わらず、バンキングしている最中にもブレーキレバーに指をかけていられるのか。
「あれこそが、ホンダのSS用ABSのポテンシャルだ(塾長)」
二年前、雨のもてぎにて試乗テストを行った際に驚愕したというCBR600RRのABSシステム。これを最大限の武器としたのが、坂垣内だった。この日、ドライタイヤ装着車としては信じられないような制動力を武器にして、この後レースをかき回すことになる………。
雨は一向に弱まる気配がない。
ABS坂垣内との競り合いで感じるところがあったのか、中尾はブレーキの調整を行う。しかし残念ながらこのホワイトベースに、ABSは装着されていない。
降りしきる雨の中、それでも徐々にペースを摑み始めた塾生。
ピットボックスからもっとも遠い帝王コーナーは、雨粒で霞んでみるほどだ。
台風を伴った梅雨前線は、思いのほか強力だった。しかしそれでもいざ走り出してしまえば、バイクは楽しいものでもある。
Bクラスでは八木が元気だ。怖いくらいバンクアングルが深い。
ASアオヤマカラーのAPEで参戦は、かつて梨本塾レーシングもて耐チャレンジで表彰台に上がった萩原。
「勝利コメントは考えました」と本気で優勝を狙っているようだが、どうやら昨今の梨本塾のレベルを知らないようだ。
久しぶりに参加の池原は当然S1000RRのトラクションコントロールを目一杯効かせての走行。
NINJAにAPE、そしてNSFという布陣が並ぶ。時代とともに梨本塾も闇鍋化している。
グース安倍にとってはまさに絶好のコンディション。このチャンスを生かせるか。
初参加ながらセンスのよさをうかがわせた渡邉。「あの子は多分、速くなる(塾長)」と、非常に難しいコンディションの中で巧みにマシンコントロールをする姿を見てそう呟く。エキゾチックなカラーリングのCBRとともに、今後急成長なるか。
NSFで参加の古溝(女性)。前日は桶川の耐久にも出走していたというほど。
前回に引き続いての参加となった西之原(女性)。慣れないレインコンディションの中で恐怖心と戦いながら必至に頑張っている。
近年では非常に気象となりつつある初期モデルのVγで初参加となったのは高島。「この型のRGV-γといえばチャウチャウの渡辺学。とても懐かしい(塾長)」コンディションのいい状態でマシンは保たれている。
一本目から快走した西村、そして「前日12時に出てきました」という愛知県から参加の山田。ともに小中排気量のネイキッド特性を生かして、いいペースで走れている。
ASアオヤマ系、もう一台のエイプで参加は初参加となる花木。CB1300系のカラーリングという、茶目っ気のあるエイプだ。
Cクラスの最後に、ほんの少しだけ小ぶりになってきたか。
これだけのコンディションにも関わらず、午前の走行では転倒者はゼロ。梨本塾でのクラッシュ率の低さがここでも証明されたと同時に、トミンモーターランドはハードレインでもドライタイヤで十分走行可能だということも証明された。
また、この日はキャンセルもゼロ。合計29人の参加者たちは、お弁当を食べた後、いよいよタイムアタックに突入する。
つづく。
※ 全リポート文中敬称略。ご了承下さい。
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【 リアルな梨本塾初ナマ体験!! 第五回モニター参加者の声 】
・ 石亀様
マシン GPZ900R Cクラスにて参加
「色々と勉強になりました。雨でも良かった気がしました」
今後も梨本塾に参加してみたいと思いますか?
「Yes。もっとスムースにバイクに乗れるようになりたいです」
・ HPT様
マシン CBR600RR Cクラスにて参加 決勝Bクラスへ!
「同じような人と走ることが出来てラインなどが勉強になった」
要望
「胃もたれしない弁当にして欲しい」
………今回は雨ということで、少しでも皆さんが元気になるようにと、いつもよりもスペシャルな弁当メニューにしたのですが………お好みに合わなかったようで残念です(梨本塾)。
今後も梨本塾に参加してみたいと思いますか?
「Yes。参加している方々の雰囲気もよく、同じレベルの人と走れるから怖くなかった」
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梨本塾事務局
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