第八回 梨本塾レポ 4 K-RUN-GP Bクラス
続いてBクラス決勝。いつも通り、決勝前フリー走行の後はグリッド上にて直前ブリーフィング。ここでルールの再確認を行う。梨本塾には独自ルール※梨本塾のルール参照があり、これを遵守することが大前提となっている。
フロントローに並んだのはGSXR600、CBR600F4i、そしてGSXR1000。タイムは28秒前半だ。
各車一斉にスタート。ホールショットを決めたのは海老沼GSXR。珍しくクラスダウンとなった中でのBクラス出走だけに忸怩たる思いを解き放つかのように飛び出していく。その後方には竹内CBR、さらに好ダッシュを決めたS1000RR池原、乗り換えたばかりの07年型R1八木と続く。3番手の西村(健)は出遅れる格好。
その後方、6番手にはグース350の安倍、めでたく29秒入りを果たした皆藤CBR600F4i、さらに西村(行)CB400SFと続く。
海老沼がややリードする形で帝王コーナーへ。
早くも後続を引き離しにかかる。
3~5位はリッターSS三台が並ぶ。この先頭は池原S1000RR。
CBR954、そしてCBR1000RRではなんなく27秒台で走れていたものの、600に乗り換えてからどうにも8秒の壁が崩せなくなっている海老沼。しかしBクラスではレースを牽引する。
これになんとかついていきたい竹内。
リッターSS同士の戦いをリードする池原。
バトルを開始したR1とGSXR。5年以上の年代違いではあるものの、梨本塾においてそれぞれのマシン的な差はほとんどないに等しい。きちんとしたセットアップが出来るかどうかが鍵だ。
SS群の中に割って入った安倍グース。
その後方に皆藤。
さらに西村CB-SFが追う。
クラスダウンとなった海老沼は、せめてベスト更新をと気迫の走り。
一方で竹内もなんとか海老沼の背後に迫り、もう一皮むけたいところ。
安定して29秒台でラップを刻めるようになってきた池原。トップ2についていけるか。
前日シェイクダウンとなった八木R1だったが、ファイナルレシオがロングすぎていつものような鋭い走りが出来ずにいる。ラップタイムに勝る西村は、なんとかこれを攻略したいところ。後ろの安倍も離れない。
すでにタイムアタックでの快挙を経て気分はGOHOKU TOURな皆藤。ようやく手にした29秒台、今後はこのBクラスでどこまで這い上がれるかが大きな課題となる。もちろん最終目標は26秒台だ。
細かいセットアップを煮詰めてBクラス入りを果たした西村。先月、CBに装着したオーリンズが盗まれるという悲劇を味わうも、そこからパーツ手配を済ませむしろグレードアップさせて出走。経営者はただでは転ばない。その効果も如実に現れている。
名機と名高いGSXR600K7。エッジで走れにおいては、フルストックの国産4発600ccでもっとも速いラップタイムをマークしたマシンだ。その運動性は、兄貴分の1000、中でも名機といわれるK5-K6モデルに近似している。
トップは早くもバックマーカーに追いつく。
海老沼はマシンのアドバンテージを生かして………
難なく西村をラップダウン。しかし竹内はここに引っかかる。
ここでやや離される格好となった竹内。再度追い上げなるか。
一方でリッターSS群の3位争いをリードする池原。
そのスーパースペックを誇示するかのように、R1、GSXRの先行をけして許さない。
レースは残り半分ほど。もっとも順位入れ替えがありそうなのはこのグループだったが………。
虎視眈々と池原の隙をうかがう八木。しかしいつもの加速力は得られず、抜きあぐねている。西村もまた然りだ。
そこに周回遅れの西村(行)が絡む格好となる。
ホームストレートをフル加速する西村だったが………
ここに3位争いが絡み、三車難なくパスしたものの、八木R1が3コーナーでミス。立ち上がりで大きく遅れる。
しかしそれでもここで絶対に追い越してはいけないのが梨本塾ルール。これまで左立ち上がりから最終コーナー進入での接触により、入院を必要とするような、或いは選手生命を左右するような大事故、大怪我が絶えなかったことによる措置である。
だが、競り合っていたライバルのミスにより、思わず#23西村は前に出てしまった………。
残念ながらこの時点で西村は失格対象審議入りが決定、厳重訓告処分となる。見た目の順位は3位池原、4位西村、5位八木だが、実質は八木が4位だ。
その後方で淡々と6位を走る安倍。
周回遅れの上手な処理もあって独走態勢を築きつつある海老沼。
タイムアタック時のキレはなく、安倍にも先行を許す皆藤。しかし大きな目標をすでに達した今回は、これでいいのだろう。
7位皆藤に追いつくトップ海老沼。
これを難なくラップダウン。
それを追う2位竹内。
竹内も皆藤に襲い掛かる。はからずもCBR600F4i同士の戦いとなる。
発売から10年近い時を得てなお立派なツールとして存在するF4シリーズ。
ナンバー付の#26皆藤号に対し、レース用に特化した#24竹内号。
周回遅れとはいえ、レベルアップした皆藤はそう易々とパスさせてくれない。またも竹内が引っかかる。
3コーナーでなんとかインにマシンを滑る込ませるものの………
すでに時遅しでゴール。Bクラスのレースは、まさに海老沼の圧勝といえた。
最後まで続いた3位争いだったが、結局はそのままの順位でゴール。
レース終了後、トミンモーターランドコースレコードホルダーであり、今回の梨本塾計時主任を務めた石川選手を交え審議入り。ビデオ確認も済ませ、やはり先ほどのパッシングはレギュレーション違反であると判断。残念ながら、西村は失格処分となる。常に命の危険があるために、ルールを守ってこそのサーキットラン、K-RUN-GPであることをぜひとも理解してほしい。その上で正々堂々と戦うのがライダーであるはずだ。
優勝した海老沼。しかし開口一番出た言葉は
「全然ダメですね………」
だった。目指すところはもちろんAクラスでの勝利、そして6秒入りだろう。しかも最近はメキメキと頭角を現してきた栃木スピードの後輩達が、Aクラスで立派に走ってもいる。総裁として、そろそろ本気を見せなくてはいけないところなのだ。
600に乗り換えてからまだ実力を発揮できずにいるが、近い生来、ホンダしかいないAクラスにきっちりと殴り込みをかけてくれることだろう。
文中敬称略。ご了承下さい。
つづく。
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フロントローに並んだのはGSXR600、CBR600F4i、そしてGSXR1000。タイムは28秒前半だ。
各車一斉にスタート。ホールショットを決めたのは海老沼GSXR。珍しくクラスダウンとなった中でのBクラス出走だけに忸怩たる思いを解き放つかのように飛び出していく。その後方には竹内CBR、さらに好ダッシュを決めたS1000RR池原、乗り換えたばかりの07年型R1八木と続く。3番手の西村(健)は出遅れる格好。
その後方、6番手にはグース350の安倍、めでたく29秒入りを果たした皆藤CBR600F4i、さらに西村(行)CB400SFと続く。
海老沼がややリードする形で帝王コーナーへ。
早くも後続を引き離しにかかる。
3~5位はリッターSS三台が並ぶ。この先頭は池原S1000RR。
CBR954、そしてCBR1000RRではなんなく27秒台で走れていたものの、600に乗り換えてからどうにも8秒の壁が崩せなくなっている海老沼。しかしBクラスではレースを牽引する。
これになんとかついていきたい竹内。
リッターSS同士の戦いをリードする池原。
バトルを開始したR1とGSXR。5年以上の年代違いではあるものの、梨本塾においてそれぞれのマシン的な差はほとんどないに等しい。きちんとしたセットアップが出来るかどうかが鍵だ。
SS群の中に割って入った安倍グース。
その後方に皆藤。
さらに西村CB-SFが追う。
クラスダウンとなった海老沼は、せめてベスト更新をと気迫の走り。
一方で竹内もなんとか海老沼の背後に迫り、もう一皮むけたいところ。
安定して29秒台でラップを刻めるようになってきた池原。トップ2についていけるか。
前日シェイクダウンとなった八木R1だったが、ファイナルレシオがロングすぎていつものような鋭い走りが出来ずにいる。ラップタイムに勝る西村は、なんとかこれを攻略したいところ。後ろの安倍も離れない。
すでにタイムアタックでの快挙を経て気分はGOHOKU TOURな皆藤。ようやく手にした29秒台、今後はこのBクラスでどこまで這い上がれるかが大きな課題となる。もちろん最終目標は26秒台だ。
細かいセットアップを煮詰めてBクラス入りを果たした西村。先月、CBに装着したオーリンズが盗まれるという悲劇を味わうも、そこからパーツ手配を済ませむしろグレードアップさせて出走。経営者はただでは転ばない。その効果も如実に現れている。
名機と名高いGSXR600K7。エッジで走れにおいては、フルストックの国産4発600ccでもっとも速いラップタイムをマークしたマシンだ。その運動性は、兄貴分の1000、中でも名機といわれるK5-K6モデルに近似している。
トップは早くもバックマーカーに追いつく。
海老沼はマシンのアドバンテージを生かして………
難なく西村をラップダウン。しかし竹内はここに引っかかる。
ここでやや離される格好となった竹内。再度追い上げなるか。
一方でリッターSS群の3位争いをリードする池原。
そのスーパースペックを誇示するかのように、R1、GSXRの先行をけして許さない。
レースは残り半分ほど。もっとも順位入れ替えがありそうなのはこのグループだったが………。
虎視眈々と池原の隙をうかがう八木。しかしいつもの加速力は得られず、抜きあぐねている。西村もまた然りだ。
そこに周回遅れの西村(行)が絡む格好となる。
ホームストレートをフル加速する西村だったが………
ここに3位争いが絡み、三車難なくパスしたものの、八木R1が3コーナーでミス。立ち上がりで大きく遅れる。
しかしそれでもここで絶対に追い越してはいけないのが梨本塾ルール。これまで左立ち上がりから最終コーナー進入での接触により、入院を必要とするような、或いは選手生命を左右するような大事故、大怪我が絶えなかったことによる措置である。
だが、競り合っていたライバルのミスにより、思わず#23西村は前に出てしまった………。
残念ながらこの時点で西村は失格対象審議入りが決定、厳重訓告処分となる。見た目の順位は3位池原、4位西村、5位八木だが、実質は八木が4位だ。
その後方で淡々と6位を走る安倍。
周回遅れの上手な処理もあって独走態勢を築きつつある海老沼。
タイムアタック時のキレはなく、安倍にも先行を許す皆藤。しかし大きな目標をすでに達した今回は、これでいいのだろう。
7位皆藤に追いつくトップ海老沼。
これを難なくラップダウン。
それを追う2位竹内。
竹内も皆藤に襲い掛かる。はからずもCBR600F4i同士の戦いとなる。
発売から10年近い時を得てなお立派なツールとして存在するF4シリーズ。
ナンバー付の#26皆藤号に対し、レース用に特化した#24竹内号。
周回遅れとはいえ、レベルアップした皆藤はそう易々とパスさせてくれない。またも竹内が引っかかる。
3コーナーでなんとかインにマシンを滑る込ませるものの………
すでに時遅しでゴール。Bクラスのレースは、まさに海老沼の圧勝といえた。
最後まで続いた3位争いだったが、結局はそのままの順位でゴール。
レース終了後、トミンモーターランドコースレコードホルダーであり、今回の梨本塾計時主任を務めた石川選手を交え審議入り。ビデオ確認も済ませ、やはり先ほどのパッシングはレギュレーション違反であると判断。残念ながら、西村は失格処分となる。常に命の危険があるために、ルールを守ってこそのサーキットラン、K-RUN-GPであることをぜひとも理解してほしい。その上で正々堂々と戦うのがライダーであるはずだ。
優勝した海老沼。しかし開口一番出た言葉は
「全然ダメですね………」
だった。目指すところはもちろんAクラスでの勝利、そして6秒入りだろう。しかも最近はメキメキと頭角を現してきた栃木スピードの後輩達が、Aクラスで立派に走ってもいる。総裁として、そろそろ本気を見せなくてはいけないところなのだ。
600に乗り換えてからまだ実力を発揮できずにいるが、近い生来、ホンダしかいないAクラスにきっちりと殴り込みをかけてくれることだろう。
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つづく。
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