2012 ZX14R 試乗テスト
市販車200馬力オーバーの時代に入った。実走テストでは、その圧倒的なエンジンパフォーマンスに度肝を抜かれることになる。とにかく、デタラメに速い―。
2006年に発売されたZZR1400は、これまで「最高のバイク」と太鼓判を押してきたモデルでもある。このカテゴリー中で、これ以上の完成度があるのかというほど、お気に入りの一台でもあった。素晴らしいエンジンパワー&フィーリング、そしてツアラー然としない機敏な運動性は非常に魅力的だったが、これに対し新型は、エンジンパフォーマンスを大幅に向上させての登場となった。
89cc分の排気量増と共に車重も増し(実測266kg)スタンド状態からの引き起こしでも今までとは異なる重さを感じた。同時に走り出すとやや重心位置が下がった印象を受ける。サスペンションはストロークスピードが上がってピッチングが得やすくなりこれまでよりもソフトな感触となった。従来型のスポーツタイプというよりむしろ安定巡航型といった味付けである。この時点では「スペックのみの肩透かしか」とやや落胆した。従来型との違いは顕著だが、市街地ではその良さを凌駕する部分はあまり感じられなかったからだ。むしろ柔らかなサス設定という安心感、低重心さから来る直進安定性の高さ、そんな「普遍的なバイク」になってしまったことへの寂しさも感じられた。
しかし、実際にエンジンを回しきってみると新型は豹変する―。
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市販車200馬力オーバーの時代に入った。実走テストでは、その圧倒的なエンジンパフォーマンスに度肝を抜かれることになる。とにかく、デタラメに速い―。
2006年に発売されたZZR1400は、これまで「最高のバイク」と太鼓判を押してきたモデルでもある。このカテゴリー中で、これ以上の完成度があるのかというほど、お気に入りの一台でもあった。素晴らしいエンジンパワー&フィーリング、そしてツアラー然としない機敏な運動性は非常に魅力的だったが、これに対し新型は、エンジンパフォーマンスを大幅に向上させての登場となった。
89cc分の排気量増と共に車重も増し(実測266kg)スタンド状態からの引き起こしでも今までとは異なる重さを感じた。同時に走り出すとやや重心位置が下がった印象を受ける。サスペンションはストロークスピードが上がってピッチングが得やすくなりこれまでよりもソフトな感触となった。従来型のスポーツタイプというよりむしろ安定巡航型といった味付けである。この時点では「スペックのみの肩透かしか」とやや落胆した。従来型との違いは顕著だが、市街地ではその良さを凌駕する部分はあまり感じられなかったからだ。むしろ柔らかなサス設定という安心感、低重心さから来る直進安定性の高さ、そんな「普遍的なバイク」になってしまったことへの寂しさも感じられた。
しかし、実際にエンジンを回しきってみると新型は豹変する―。
1速は「ギヤがないのではないか」と思うほど即座に終わり、2速、3速と上げていくほどパワフルさを増していく。
高いギヤになるほど従来型との エンジンパワー差は歴然であり、余裕さえ漂わせながら、凄まじいまでの速度域に簡単に突入していった。恐らくすべてはここを基準としたことによる、設定変更である。
例を見ないストロングエンジン、これに車体を合わせるには、同じく相当に強靭で安定したものである必要がある。従来型も十分に速かったが、新型 のパワフルさは、明らかにそれを超えているのだ。これならKTRC、いわゆるトラクションコントロールが標準配備されることも頷ける。冷間時は、トラコン がなければバイクは前に進まない―。まさに恐るべき動力性能である。
この速攻試乗テスト後、実はパワーチェックを行った。
ちなみにこれまでのハヤブサ、及びZZR1400の実測パワーデータは以下のようなものだ。
ハヤブサ
最大馬力 173.1PS 最大トルク 14.2kgm 装備重量 263kg
ZZR1400 ※東南アジア仕様
最大馬力 166.3PS 最大トルク 14.2kgm 装備重量 260kg
これに対し新型ZX14Rは、我々も驚嘆するほど前代未聞のとんでもない数値を叩き出した。
次回は、その驚愕のパワーデータをご紹介する。
つづく。
なお12年型ZX14R速攻試乗は下記月刊モーターサイクリスト2月号に詳細記事が掲載されています。
………今年の8月梨本塾チャリティツーリングに行くなら、恐らくコイツが筆頭マシンにになるだろう………。
高いギヤになるほど従来型との エンジンパワー差は歴然であり、余裕さえ漂わせながら、凄まじいまでの速度域に簡単に突入していった。恐らくすべてはここを基準としたことによる、設定変更である。
例を見ないストロングエンジン、これに車体を合わせるには、同じく相当に強靭で安定したものである必要がある。従来型も十分に速かったが、新型 のパワフルさは、明らかにそれを超えているのだ。これならKTRC、いわゆるトラクションコントロールが標準配備されることも頷ける。冷間時は、トラコン がなければバイクは前に進まない―。まさに恐るべき動力性能である。
この速攻試乗テスト後、実はパワーチェックを行った。
ちなみにこれまでのハヤブサ、及びZZR1400の実測パワーデータは以下のようなものだ。
ハヤブサ
最大馬力 173.1PS 最大トルク 14.2kgm 装備重量 263kg
ZZR1400 ※東南アジア仕様
最大馬力 166.3PS 最大トルク 14.2kgm 装備重量 260kg
これに対し新型ZX14Rは、我々も驚嘆するほど前代未聞のとんでもない数値を叩き出した。
次回は、その驚愕のパワーデータをご紹介する。
つづく。
なお12年型ZX14R速攻試乗は下記月刊モーターサイクリスト2月号に詳細記事が掲載されています。
………今年の8月梨本塾チャリティツーリングに行くなら、恐らくコイツが筆頭マシンにになるだろう………。
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