2012 第4回梨本塾 ゴル耐レポ ③ K-RUN-GP Aクラス

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午後2時過ぎ、いよいよ決勝レースが始まる。恒例塾長のグッドラックサインからフリー走行へ。

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5分程度のフリー走行を終えてグリッドに整列。まずは花形、Aクラスから。

フロントローにはCBR600RR三台がズラリと居並んだ。タイヤはすべてディアブロコルサ、タイムは26秒台だ。

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シグナルグリーンで一斉にスタート。30LAPのガチンコ勝負が始まる。

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まず好スタートを切ったのは予選2番手の#3山中、#1の篠塚。

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ポールスタートの#2人見はやや遅れる格好。その内側から予選5番手の#4坂垣内が猛ダッシュを決めて人見のインの狙うが………

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山中、篠塚、人見、坂垣内が激しくポジション争い。

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その後方にデイトナ中村、GSXR1000の米山と続き、渡邉GSXR1000は外側に弾かれる格好。さらにその後ろ、8番手に中尾。

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帝王コーナー(2コーナー)までに人見が篠塚をパスして2番手へ。

さらにその後方では米山をパスした渡邉が6番手へと浮上。

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ここでひとまずポジションが落ち着いたかに見えたが………

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#2人見がアウトから猛然とプッシュ。早めにトップに出たいようだ。

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篠塚を筆頭にした3位グループ。

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その後方にも集団が続く。

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1周目を終えた時点でのフォーメイション。

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やはりトップ3がやや抜け出る格好となる。

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双頭龍ともいえる#2人見、#1篠塚を従えてトップを走る山中。百戦錬磨の二人の鬼相手に、どこまで立ち回れるか。

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スタート直後はややトップ2台に離される篠塚。

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激しい4番手争いになりそうな3台。

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その直後にも2台が続く。実質5台による4位争いは、それぞれのベストラップが26秒後半~27秒前半という僅差によるものだ。

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レコードラインで走る#3山中に対し、懐を探るようにマシンを泳がせる#2人見。

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600、600、1000、1000という4位争い。

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#9米山は予選8番手からひとつポジションを上げて7番手を走行。その後方#7中尾は予選7番手からひとつ順位を落としての力走だ。

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さらにその後方では唯一のクラスアップを果たした#21渡辺が9位を走行。その後ろに#10柴田と続く。

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レースは膠着状態のままスタートから13周が経過。

トップ山中は、この際どい状況の中でもどうやらペースコントロールをしている!?26秒8~9というタイムでずっと周回を重ねつつ、2番手人見に隙を与えない。

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もちろんその後方には篠塚もいる。ここでトップ争いは早くもバックマーカーをパスしていく。

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三者三様3コーナー。

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1コーナーのライン取りもそれぞれだ。

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4番手争いも続いている。

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前後連動ABS仕様のCBR600RRを駆る#4坂垣内を筆頭に、デイトナの中村、GSXR1000K6の渡邉………

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同じくK6の米山、さらにCBR600RRハルクプロ製コンプリートを駆る中尾。この中では中尾のペースが上がってきている。

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それもそのはず予選では坂垣内から中尾までの差は僅かにコンマ1秒ほどだ。前週6秒台をたたき出した力が発揮されるか。

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唯一の国内仕様、さらにモデファイされていないCBR600RRを駆る渡辺も力走している。最大出力は実測後輪で70PS前後、すなわちこのクラスを走る他のモデルに対し、最低でも30PS以上、後ろの柴田R1とはほとんど2倍ほどのパワー差があるが、それを気合で埋める渡邉。KDC製タンクパットの装着で着座位置も安定したようだ。

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病み上がりの柴田R1。ガッツある走りが身上だが、どうやら体力的にやや不安を抱えているようだ。

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この面子の中でよくぞ、といった安定感のある走りでトップを快走する山中。

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大鉈と棍棒を引っさげた二人の鬼を従えて涼走するシーンには凛々しささえ感じられる。

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しかし人見、篠塚の両名もただ黙って若者を見過ごすつもりはない。

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レース終盤にかけて、いよいよハードプッシュを開始していく。

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残りは13LAP。果たして笑うのは鬼か、それとも―。

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4位争いからやや遅れ始めた#9米山と、これに痺れを切らしつつある#7中尾。

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今シーズン初めてといっていいほど久しぶりのライディングだが、タイム的には十分なペースで周回を重ねる米山だったが………

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しかしレース後半になるにつれて、やはり体力不足だろう、4位グループから脱落してしまう。その結果………

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今年の板橋シティマラソンでも好結果を残した中尾が、その体力の片鱗を見せ付けるかのようにして米山をパス、7番手に浮上する。



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4位争いを牽引する#4坂垣内以降の布陣は変わらずだったが………

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そこに米山を交わした#7中尾が猛追し、一気にその差を詰めてくる。

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一方トップ争いは未だ3台が接近したままだったが………

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残り周回数を意識して人見が積極的にラインを変更。

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これに気づいたか、山中がここへきて周囲も驚くほどの余力を見せる。

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なんとスパートをかけて見せたのだ。

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これにはさすがの人見、篠塚の両名も面食らったに違いない。

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それでもそう簡単に勝たせはしないと追走していく。

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このトップ争いからやや遅れる格好となった4位争い、その筆頭に立っているのは坂垣内。

予選まではややバランスを欠いて自信を失っていたようだが、決勝ではしっかりとバトルを制している。

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その坂垣内に続くのが中村。それぞれラップタイムには差がないだけに、追走は出来るが前に出ればないという状況が続いている。

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昨シーズン第11回大会から1000に乗り換えた渡邉も着実に進歩している一人だ。いよいよこのクラスの、このポジションを争えるようにまで成長した。27秒前半アベレージがいかにリッタークラスではしんどいか知っている人は、梨本塾の中でも少ない。

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残り10周を切っている中で、勝負を仕掛けられるか。

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ビタリと張り付いてトップ山中を追う二人。

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3コーナー立ち上がりでは………

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対照的なラインワークを見せる。

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レース最終盤、山中がさらにペースアップ。

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これにより篠塚がやや離れ、人見だけが追走することになる。そして8位を走る米山をバックマーカー処理。

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残りは僅かに4LAP。勝負の行方は果たして―。

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同じくスタートから続いてきた4位争いも佳境へ。

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坂垣内の後方でやや疲労していたのか、デイトナ中村のインを#6渡邉がブスリと突き刺す。

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これで5番手に浮上した。7番手の中尾も必至の追走。

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さらに渡邉は坂垣内にも襲い掛かる。

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このグループ最後尾の中尾までが、4位争いだ。

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最終局面までペースコントロールするだけの余力を残していた#3山中。

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しかしそれでも地力に勝る人見は………

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コーナー毎にインにマシンをねじ込んでいく。

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一方篠塚はバックマーカー処理に手間取り、その間にさらにトップとの差が開いてしまった。

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27秒前半で展開される4位争いも熾烈だ。

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なんとかして坂垣内を攻略したい渡邉、そして中村を追う中尾。

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トップはついに30LAP目に突入。

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人見にとっては恐らく最後のチャンスであったはずの3コーナー。

ここでも山中はしっかりとインをキープした。

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3番手篠塚とは2つのコーナー分のアドバンテージ。

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最後の最終コーナーへ。

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これをきっちりとクリアし………

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力強く立ち上がって………

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山中がトップでチェッカーへ。

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山中は先月に引き続いての2連勝を飾ったばかりでなく、人見、篠塚という二名を従えての優勝を果たした。これでK-RUNシリーズランキングも80ポイントを獲得し、一気にトップに立つことになる。

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3位には篠塚。ホワイトベースとなった愛機のセットアップにはもう少し時間が必要そうだ。

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そして最後までもつれ込んだ4位争い。最終コーナーを立ち上がり、#4坂垣内のインを狙う#6渡邉、そして#5中村のインを狙う#7中尾だったが………

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坂垣内、渡邉はそのまま4位、5位でゴール。

しかしその後方ではなんとゴールライン直前で中尾が前へ。これで6位にジャンプアップ。中村は悔しい7位へ転落となった。

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レース終了後、互いの健闘を称えあうAクラス戦士たち。もちろんラップタイムチェックも忘れない。

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文字通り最強レギュラーメンバーの中で優勝を果たして見せた山中には、惜しみない賞賛が送られる。

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塾長もその成長に大喜び。Cクラスでの初参加から3年、昨年からの急成長には目を見張るものがある。

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今から3年前、2009年5月参加時の山中選手(写真:ymkzblogより)。そのときのリザルト。

山中の何よりすごい部分は、このマシンに乗ってそのまま自宅まで帰れることだ。自走信念を貫徹した稀有な例ともいえるだろう。

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ようやく本人も納得できる形での勝利を収めた。しかもそのときが両手に花となれば喜びもひとしお、忘れ得ぬ一勝となったのではないだろうか。

梨本塾においてモチベイションの大小はあっても世代交代という概念は一切ない。しかしその中で新たな息吹を吹き込む存在として、今後もますます上を目指して頑張って欲しい。

つづく。

文中敬称略、ご了承下さい。


なお、本ブログに使用されている写真は、参加者の方に限り二次使用OKとします。但しその際には以下リンククレジットを挿入するようお願いします(1記事に対して1箇所。1カットごとにではなくてOKです)。

写真:梨本塾「2012ゴル耐」:http://kei74moto.client.jp/


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