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従来型VFR、そのインプレ中で「足りないのはトラクションコントロールのみ」と記してきたが、今回のマイナーチェンジモデルはまさしくそのトラコンが装着されたものである。テスト車両は「デュアルクラッチトランスミッション」で、クラッチレバー、シフトペダルのない画期的なフルオートマチック仕様だ。

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最大馬力は同じ(111PS)だが、発生回転数は1000rpmダウンの7500rpmへ、同トルクは0.9kgmほども向上し、さらに発生回転数は500rpmダウンの5500rpmへ。より低中速域でのレスポンスの良さを狙ったものとなっている。

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いよいよ配備されたトラクションコントロール。ABSとの相性は?

どのモードにおいても3~5000回転程度の反応が早くなった気がする。但しドライブモードにおける変速は相変わらず紳士的であり、その恐ろしく静かな排気音と相まって「静寂そのもの」である。かつてのVFR(800)のファンの一人としていえば「大人しすぎる」とも感じる。

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ライポジに大きな違いはないが、今モデルからシフトペダルオプションが導入された。

肝心のトラコンだが、意識的にスリッピーな路面に突入してアクセル全開にしてみたところ、リヤスリップ感知で即座にパワーカットされた後は、すぐにパワー復帰しない。すなわちカット直前のパワーデリバリーとはならないのだ。もっと馬力を抑えたところからのリスタートとなり、またその後の回転上昇もかなり抑えられる。

一度トラコンが作動すると、レインモードのようなパワー特性となるのだ。

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取材経路は東京からアクアラインを抜けて千葉方面へ。

なお、このデュアルクラッチトランスミッション仕様には、今回からオプションでチェンジペダルキットも用意される。指先ではなく使い慣れた足先でのシフト操作に対応するもので「どうしても馴染めない」ユーザーには嬉しい装備といえるだろう。

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取材途中海ほたるで立ち寄った「佐世保バーガー」。この日梨本は完璧な風邪を召しておりすでに味覚を失っていた。何物の味も分からなくなっていたため「見て楽しめるもの」とオーダー。「見た目は旨い」とのこと。

このインプレションはダイジェスト版です。実測燃費など詳細記事は月刊モーターサイクリストのバックナンバーをご参照下さい。