2012 第5回梨本塾 レポ④ K-RUN-GP Bクラス

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白熱のAクラス決勝の後は、Bクラス。レース出走前にはショートブリーフィングが行われる。このときにバイクが自立している必要があるために、梨本塾ではサイドスタンド着用を義務付けしている。

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フロントローにはデイトナ、そしてCBR600RRの2台が並ぶ。全10台がグリッドに整列し………
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グリーンフラッグで各車一斉にスタート。イン側の渡辺(祐)が一瞬フライングしかけたが、前に飛び出したわけではなかったためレースディレクションはこれを却下(明らかにフライングスタートが確認された場合にはペナルティ措置がとられる)。

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ポールスタートのデイトナ生駒、そして渡辺CBR600RRが好スタート。セカンドグリッドスタートのレプソル三柴は若干遅れる。

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生駒、渡辺、三柴、R1八木、VFR佐藤、CBRホワイトベース中島、CBR-F4竹内と続く。

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VFR佐藤のイン側に中島が鼻先をねじ込むが………。竹内の後方にはGSXR加野、同じくGSXR濱安、そしてNSRの小野寺と続く。

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中島のファーストアタックを交わした佐藤がS字から帝王侵入でR1の八木をパス。これで4番手に浮上。

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復活の元チャンプ生駒、これに若い渡辺が張り付いていく。

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3番手の三柴にアタックする佐藤VFR。

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八木、中島、竹内、加野の4台による5位争い。

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加野の後方には濱安をパスしてきた89NSRの小野寺が9番手に浮上。

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1周目終わりのオーダー。早くも生駒がレースをリード。

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八木を先頭とする5位争いも激しさを増す。

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3コーナーでリードを広げていく生駒デイトナ。久しぶりの参加となったが、タイムアタックではデイトナでの自己ベストを更新する27秒594をマークしてポールを獲得した。2番手渡辺とのタイム差は0.15秒ほどだ。

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その渡辺と同じく予選では27秒7をマークした#21三柴。国内仕様の渡辺に対し、こちらはフルパワー仕様レプソルカラーである。すぐ後方には訳あって前回のR6ではなくVFRで参加する佐藤。タイムアタックでは28秒を切れていない。

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ゴル耐で手に入れたブリヂストン製S20を装着してディープバンクへと持ち込む八木R1が2台のCBRをリードする。

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GSXR1000加野を追うのは、同じくGSXRユーザーでありながらマシントラブルにより急遽NSRでの参加となった小野寺。予選タイムは28秒766をマーク。

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その後方にも同じくGSXRの濱安。

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久しぶりのトップ、ホームストレートを颯爽と走り抜けていく生駒デイトナ。基本に忠実でセーフティマージンを残したライディングは、多くのアマチュアライダーの模範である。

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トップを走るオーバーフォーティになんとかして喰らい付いていきたい梨塾ヤングマンズ。全員20代での熾烈な2位争い。

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さらにその後方にはアラフォー世代による5位争い。久しぶりの参加となった#24中島にしかけていく#27竹内だったが………

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やや勝負を急いたか。3コーナーでは止まりきれずにあわやコースアウトというオーバーランを喫してしまう。

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もちろんこれを黙って見逃すほど、今回のBクラスライダーたちは優しくない。

すかさず加野がインを奪いポジションを上げ………

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さらに後方から迫っていた小野寺が………

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「いただきます」

とアイコンタクト。

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「お粗末様で」

と殊勝にインを明け渡すしかなかった竹内はこれで一気に9番手へと後退。

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腰の入ったライポジ、懐のある上半身、そして遠い視線と三拍子揃った生駒の美しいライディングフォーム。

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後輪計測で70馬力強しかないCBRで奮闘する渡辺。

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渡辺の背後にはいるものの、前に出るほど決め手がない三柴。

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フロントにR10、リヤにディアブロコルサを装着したVFRを駆る佐藤。

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このクラスの中で唯一ツーリング系タイヤで孤軍奮闘する八木。恐るべきロングライフというブリヂストンS20は、梨本塾で通用するだろうか。

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かなりのブランクを経ての参加だっただけに、ややペースに乗り切れていない中島。

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これに対し加野GSXRは絶好調。どんどんペースを上げ中島の隙を狙う。

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NSRの歴史の中で唯一「迷いが生じたモデル」といわれることも少なくない89年型を駆る小野寺。梨本塾でも充分通用するパフォーマンスを持っている。

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9位に転落した竹内だったが、ここで切れることなく再度上位進出を伺う。この持久性集中力の発揮も、マラソン効果か。

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なんとかその竹内を追従したい濱安K8。「ハマちゃんのバイクは相当にいいエンジンを積んでいる」と塾長がこぼしたGSXRは、発売から4年を経ても美しい容姿を保っている。

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レースは半分を消化。生駒が微妙かつ完璧な距離を保ったままトップで周回。4位の佐藤が若干遅れ始めている。

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3台による5位争いは変わらず八木R1がリード。

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8位の小野寺を視界に捕らえた9位の竹内。

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レースは後半戦へ。




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レースはいよいよ残り10周を切って終盤戦へ。生駒は27秒台で周回を重ねている。

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これに付かず離れずといった距離感で2番手争いが続いている。

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国内仕様という大きなハンディを跳ね除けて力走する渡辺。

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久しぶりの参加ながらブランクを感じさせない三柴の鋭走。

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パワー不足をコーナリングスピードで補う佐藤の流走。

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5位争いを牽引し続けるR1の八木。

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初めて履くタイヤながらもそのパフォーマンスを存分に発揮している。

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なんとかその八木の隙間を狙いたい中島。

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さらにこの二人の後方から追い上げを開始した加野。

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8番手小野寺が後方を気にしている。その目線の先では………

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竹内が猛然とスパート。小野寺との距離を縮めていく。

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濱安はこのペースについていくことが出来ない。

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CBR954RRからデイトナへの乗り換えには思ったよりも手こずったが、ようやく本領を発揮してハイペース周回を重ねる。

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この中で余裕があるのは生駒だけのようだ。

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残り6周を切った時点でトップグループがバックマーカーをパスしていく。

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さらに再燃するのが5位争い。

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R1、CBR600RRレースベース、そしてGSXR1000というコントラストは強烈だ。

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#24中島に対し………

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立ち上がりで車速を乗せてインからパッシングを試みる#28加野。中島のフロントホイールがリフトアップしている。

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しかしGSXR1000といえども、ここトミンモーターランドでの加速競争では安々と前に出ることは出来ない。ほとんどの場合600の加速力が勝るからだ。リッターSSでミドルSSに打ち勝つには、相当のスキルと、それを夢見るロマンを必要とする。

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3台が連なるように1コーナーへとダイブしていく。残り周回数は僅か。果たしてチャンスはあるか。

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ここまで単独8位を堅守してきた小野寺だったが………

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いよいよその背後に竹内が追いついた。

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翌周のホームストレート上では迷うことなくCBR600F4を加速させ………

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小野寺をパス。

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これで8番手に浮上。

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3コーナーを立ち上がる5位争い。その向こう側に見えるのは、同一周回で先行する2位争いである。

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最終クリップ付近から車速を伸ばしていく八木、加野に対し中島がやや遅れる。

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そのインを突きたい加野だったが、しかし中島もそこは緩めない。

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その頃トップ生駒はいよいよファイナルラップへと向かう。

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磐石ともいえるプランニングペースでレースをリード。若者に付け入る島を与えない。

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さすが2年連続チャンプという感じの風格ある最終ラップ、3コーナー飛び込み。

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しっかりと安全マージンを残した上でトラクションをかけていく。

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一度もトップを譲ることなく最終コーナーへ。

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そのまま20代の若者を振り切って………

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見事トップでチェッカー。

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2、3番手には渡辺、三柴。

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4位にはやや遅れて佐藤。

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そして白熱した5位争いは………

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まず八木がトップでゴールし………

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その後方に中島、そして惜しくもパッシングはならなかった加野と続いてゴール。

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見事昨年10月以来の優勝を飾った生駒。

しかしこのときのタイムアタックでは、今回ほどタイムは伸びていない。ライバル勢のタイムも同様だ。

それを考えれば、今回が真の意味での「デイトナでの初優勝」ということになるのかもしれない。27秒台中盤程度のハイペースを保ちながら後続を振り切った勝利は大きな自信となるだろう。今回のこのクラスは、かつてのAクラス優勝タイムにも匹敵するレベルである。

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もちろん今後はさらなるベスト更新、そしてAクラスへの再昇格が目標となるだろう。

梨本塾アラフォー世代のけして諦めない粘り強さがよく現れたグッドレースとなった。

おめでとう。


つづく。

文中敬称略。ご了承下さい。


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カメラ: 梨本塾オフィシャル 影兄 中尾氏 佐藤氏 佐々木氏





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