2012 第6回梨本塾 レポ③ K-RUN-GP Aクラス
バイク乗りにとってはあまりに心地よい風が吹く中で、K-RUN-GP、Aクラス決勝。
全10台がグリッドに整列。フロントローは1台のナンバー付き、そして2台のレースベースCBR600RRが占めることになった。2列目にはデイトナとやはりCBR600RRが続く。
グリーンフラッグとともに各車一斉にスタート。好スタートを切ったのはセカンドポジションから飛び出した篠塚。
その篠塚がインサイドからトップ奪取を狙う。やや出遅れた中尾(青CBRR)の後方からは坂垣内(赤CBRR)が迫っている。
恐らくこの瞬間にすべてをかけていたであろう篠塚が、スルリとインを奪って見せた。さらに坂垣内が外側から中尾に仕掛けていく。
トップに篠塚、2番手に山中、3番手争いはイン側に中尾、外側に坂垣内、その直後に中村デイトナ、生駒デイトナ、さらに岩根GSXR1000、澤田DUKE、渡辺CBR、八木R1と続く。
3位争いはどうやら中尾が制したようだ。
スタートダッシュを見せた#1篠塚。
当然ここに山中が食い下がっていく。
ひとまず3番手をキープした#3中尾だが、その後方には坂垣内、中村が続く。
さらに生駒デイトナ、その外側から仕掛ける岩根、澤田。
Aクラスではディアブロコルサ、レーステックというハイグリップタイヤ装着者ばかりの中で、ディアブロロッソ、そしてS20というタイヤをそれぞれ装着している渡辺と八木。これもひとつのスタイルだ。
1周目を終えた時点でのオーダー。#2篠塚、#1山中が集団をリード。
この2台によるハイペースレースになると誰もが予想したのだが………。
ラップペースに勝る山中が、早くも篠塚を追い立てていく。
ラインやバンクアングルも大きく異なるトップ2。
ここまで優勝2回、2位1回と波に乗りまくっている山中に対し、昨年度チャンプの篠塚は未だ勝ち星なし。果たして明暗を分けるのは?
一方3番手の中尾は、今週2度にも及ぶ転倒の影響か、ラップペースが上がらない。そこへ容赦なく坂垣内と中村が襲い掛かる。
その中村の後方ではもう一台のデイトナ生駒が、初参加の岩根GSXR1000をリード。
8位争いはDUKEを筆頭にこの3台。
レース序盤、まず動いたのは3位争いだった。
ホームストレートから1コーナーにかけて、
#4坂垣内が得意の前後連動ABSディープブレーキングでマシンを中尾のインに潜り込ませる。
キレイに内側に入ったかに見えたが………
しかし中尾も諦めず、一旦立ち上げた製動力を抜いて………
再び外側から並びかけていく。
2台のCBRは完全に並走する格好に。
そして一瞬中尾が前へ出る。
しかしその内側で坂垣内もガスオン。
チラリと外側に視線を送って中尾とのスペースを確認………
その上でしっかりと前に出て見せた。
「してやったり」
そう言わんばかりの目線を送りながら3位を奪取。トップ2を追う。
一方でトップ争いは膠着していた。
ここのところ完全に6秒前半というタイムを手中にした山中だったが………
予想外に上がらない篠塚のラッペペースにやや翻弄される格好となる。
「決勝前にエンブレを10%落としたら、ぜんぜん走れなくなった(篠塚)」
レース後そう語ったように、実はセットを大幅に変更した篠塚はまったくといっていいほどペースを上げられずにいたのだ。このトップ争いのアベレージは27秒フラット近辺である。
しかし走りつくしているともいえるトミンモーターランドでは、互いになかなか決め手が見つからない。そのまま周回数を消化、状況は動かずレースは後半戦へ。
独走3位は坂垣内。
4位争いは4台に。中尾、中村、生駒、そして岩根。
さらにその後方に澤田、渡辺。
10番手には八木R1と続く。
次回7月15日(日)梨本塾、受付開始。
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今年は山形県へと向かいます。下道300kmを含む楽しい梨塾ツー。
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本来4位争いを牽引するはずの中尾だったが、やはり転倒の影響だろう、残念ながらペースが上がらない。これをなんとかして攻略したいのは#5中村デイトナ。
さらにその後方から差を詰めてきたのは「1年かけて恐怖心がなくなってきた」という09-10年度2年連続チャンプの生駒デイトナ。その後方、初参加の岩根GSXRもこれに続く。
そこから少し間を開けた8位には澤田DUKE。
その澤田になんとかして追いつきたい渡辺は9位。
いつもどおりアウトラインすれすれに立ち上がるのは八木R1。
いよいよレースは最終局面へ。
篠塚の背後にピタリと張り付く山中だったが、しかし逆にそれが仇となってなかなか前に出るチャンスを作りだせない。
幾度となく1コーナーではインを狙うものの、しかし篠塚もそれを簡単には許さない。
アベレージタイムだけでいえば当然山中に分がある決勝レースだったが、チャンプの意地だろう、しっかりと要所を抑えて周回を重ねる篠塚CBR。
これに対し、どうにかして突破口を見出したい山中。
余談になるが、新調したヘルメットのデザインマッチングも影響してか、そのライディングフォームは250cc時代の原田哲也に近似している。彼のようなクレバーなレース運びが出来るだろうか。
一人旅を続ける坂垣内は3番手のままだ。トップ争いのペースからは僅かながら遅れている。
いよいよレースは動かぬまま最終ラップへ。
ここでちょうどバックマーカーが絡む格好となりイン側に篠塚、アウト側に山中というポジション取り………
唯一にして最大のチャンスを得た山中は外側から一気に勝負を仕掛けていく。
だが、当然チャンプ篠塚もこれを読んでいた。ガッチリとインをキープ、そしてガスオン。山中に付け入る隙を与えない。
最終ラップの3コーナー、万事休す。
今まさに絶好調といえる山中の前に立ちはだかったのは、やはり分厚い壁だった。
そのまま最終コーナーへとなだれ込むトップ2。
まだ諦めない山中は外側から再度勝負を仕掛けていくが………。
結局篠塚は20周に渡りトップを堅守し、昨年のチャンピオンズカップ以来半年ぶりとなる、今期一勝目を上げた。山中は悔しい2位。
3位には坂垣内。
そして4位を守り抜いた中尾、5位には中村。
6位に生駒、7位に岩根と続いた。
レース終了後、互いの健闘を称えあうAクラスの戦士たち。
半年振りとなるガッツポーズ。まさかレースベース車両の導入がここまで苦労することになるとは思わなかったが、その分喜びもひとしおだろう。
まだまだ試行錯誤が続く愛機だが、走行量は裏切らない。近い生来必ず実を結んで自身のベストを上回るタイムをたたき出すことだろう。
つづく。
文中敬称略。ご了承下さい。
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カメラ: 梨本塾オフィシャル 影兄 中尾氏
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全10台がグリッドに整列。フロントローは1台のナンバー付き、そして2台のレースベースCBR600RRが占めることになった。2列目にはデイトナとやはりCBR600RRが続く。
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3位争いはどうやら中尾が制したようだ。
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当然ここに山中が食い下がっていく。
ひとまず3番手をキープした#3中尾だが、その後方には坂垣内、中村が続く。
さらに生駒デイトナ、その外側から仕掛ける岩根、澤田。
Aクラスではディアブロコルサ、レーステックというハイグリップタイヤ装着者ばかりの中で、ディアブロロッソ、そしてS20というタイヤをそれぞれ装着している渡辺と八木。これもひとつのスタイルだ。
1周目を終えた時点でのオーダー。#2篠塚、#1山中が集団をリード。
この2台によるハイペースレースになると誰もが予想したのだが………。
ラップペースに勝る山中が、早くも篠塚を追い立てていく。
ラインやバンクアングルも大きく異なるトップ2。
ここまで優勝2回、2位1回と波に乗りまくっている山中に対し、昨年度チャンプの篠塚は未だ勝ち星なし。果たして明暗を分けるのは?
一方3番手の中尾は、今週2度にも及ぶ転倒の影響か、ラップペースが上がらない。そこへ容赦なく坂垣内と中村が襲い掛かる。
その中村の後方ではもう一台のデイトナ生駒が、初参加の岩根GSXR1000をリード。
8位争いはDUKEを筆頭にこの3台。
レース序盤、まず動いたのは3位争いだった。
ホームストレートから1コーナーにかけて、
#4坂垣内が得意の前後連動ABSディープブレーキングでマシンを中尾のインに潜り込ませる。
キレイに内側に入ったかに見えたが………
しかし中尾も諦めず、一旦立ち上げた製動力を抜いて………
再び外側から並びかけていく。
2台のCBRは完全に並走する格好に。
そして一瞬中尾が前へ出る。
しかしその内側で坂垣内もガスオン。
チラリと外側に視線を送って中尾とのスペースを確認………
その上でしっかりと前に出て見せた。
「してやったり」
そう言わんばかりの目線を送りながら3位を奪取。トップ2を追う。
一方でトップ争いは膠着していた。
ここのところ完全に6秒前半というタイムを手中にした山中だったが………
予想外に上がらない篠塚のラッペペースにやや翻弄される格好となる。
「決勝前にエンブレを10%落としたら、ぜんぜん走れなくなった(篠塚)」
レース後そう語ったように、実はセットを大幅に変更した篠塚はまったくといっていいほどペースを上げられずにいたのだ。このトップ争いのアベレージは27秒フラット近辺である。
しかし走りつくしているともいえるトミンモーターランドでは、互いになかなか決め手が見つからない。そのまま周回数を消化、状況は動かずレースは後半戦へ。
独走3位は坂垣内。
4位争いは4台に。中尾、中村、生駒、そして岩根。
さらにその後方に澤田、渡辺。
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篠塚の背後にピタリと張り付く山中だったが、しかし逆にそれが仇となってなかなか前に出るチャンスを作りだせない。
幾度となく1コーナーではインを狙うものの、しかし篠塚もそれを簡単には許さない。
アベレージタイムだけでいえば当然山中に分がある決勝レースだったが、チャンプの意地だろう、しっかりと要所を抑えて周回を重ねる篠塚CBR。
これに対し、どうにかして突破口を見出したい山中。
余談になるが、新調したヘルメットのデザインマッチングも影響してか、そのライディングフォームは250cc時代の原田哲也に近似している。彼のようなクレバーなレース運びが出来るだろうか。
一人旅を続ける坂垣内は3番手のままだ。トップ争いのペースからは僅かながら遅れている。
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3位には坂垣内。
そして4位を守り抜いた中尾、5位には中村。
6位に生駒、7位に岩根と続いた。
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つづく。
文中敬称略。ご了承下さい。
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