2012 梨本塾 GOHOKU TOUR レポート ①

あの震災から、2度目の夏。

今年も梨本塾ではチャリティを目的とした復興支援ツーリングを実施。目的地はもちろん、東北。

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集合場所は大文字焼きで有名な京都、ではなく、東北の玄関口でもある栃木は佐野SA。

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前週から天気予報は最悪だったにも関わらずの快晴、しかも昨年よりもはるかに涼しく絶好のツーリング日和となった。梨塾ウェザーここにあり。

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お盆休みということもあり、SAバイクパーキングエリアには続々とライダーがピットインしてくる。

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もちろん梨本塾メンバーも次々に集結。

「朝2時に起きて横浜から下でここまで来ました」

という鬼の気合は写真中央渡辺選手。若者ならではの体力勝負倹約術だ。久々のナオジェットこと柴田選手(写真左)はR1、そして山本(玲)選手はZX10Rでの参加。

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今回の参加賞は、2012GOHOKU TOUR特製キャップ、そしてステッカー(ともに非売品)。

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これを着用しての出陣式撮影。

朝8時の集合にも関わらず、首都高~東北道にかけてはすでに激しい事故渋滞が始まっており、全員が集合したのは制限時間ギリギリ(芹沢太麻樹選手は給油トラブルにて8分ディレイ:笑)。

なお別枠はここにいなかった人の写真だ。

走行グループ

メンバー、車両、及び道程表。梨本塾ツーリングでは事故や社会的責任を踏まえセッションごとに小グループ走行としている。またこれらのグループはセッションごとに組み替えられるため、違うメンバーとも一緒に走れるのが特徴だ。

道程表を少し見ると………非常に厳しい区間があるのは一目瞭然だ。最高気温予測は35℃らしいが、果たしてコトはすんなり運ぶのか。

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1stセッションは準備運動的な意味合いも兼ねて軽めの走行。8時30分佐野SAを出発、東北道で西那須野塩原まで流し、そこから湯の香ライン400号を北西へ上り関谷北交差点のセブンイレブンへ。ここから山形まで、あとはひたすら下道である。

この400号でも避暑地へ向かう行楽客渋滞を覚悟していたが、かなりスムースに走ることが出来た。9時半到着。

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関谷北交差点では生駒選手と合流。

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まずは塾長と一緒に走ったリッターSSグループ、そして篠塚選手のグループが到着。

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旅の始まりということだけでなく、明らかに気温が低いおかげもあって疲労はまったくない。昨年猪苗代磐梯高原インターについたときは、すでに灼熱地獄が始まっていたが、今回は那須塩原地方らしい湿気のある冷気に包まれている。

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西村選手(CB400SF)を筆頭に、後続グループが到着。愛知県から参加の山田選手もいる。

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軽く飲み物などを摂った後でブリーフィング開始。

冒頭でも少し触れたように、実はこの2ndステージが早くも本日最大のヤマ場となる。

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関谷北から塩原ダムを左に望みながらバレーラインを駆け上がり、温泉宿ホテル街を潜り抜けて中塩原バイパスから121号会津西街道へ。田島まで北上して再び400号に戻り、田島バイパス経由で北西方向から252号に入り沼沢湖をグルリ一周、会津西方から再び400号で磐越越えを目指す、という長丁場。下道、しかもワインディングメインの125km超である。

この間いくつもの山を越えていかなければならず、ここをノントラブルでいけるかどうかでこのツーリングが決まるといっても過言ではないだろう。

塾長はそれを見越してか、まるでK-RUN-GP直前ブリーフィングのようにしっかりと注意事項を確認。

「3コーナーから最終コーナーまでは、いかなる理由があろうとも追い越し禁止です」

とは言わなかったようだが………。すでに浮かれ気分で話を聞いていないメンバーが2人ほどいるのが心配だ。

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夏風邪上がりでやや本調子ではないという中尾選手。

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10時前後に関谷北を出発。

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果たしていきなりの長丁場を乗りきれるか。

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ある程度の行楽客があった塩原バレーラインだが、渋滞するほどの交通量でもなく景色を楽しむ余裕を持ちながら一行は北西へと進む。日光街道に合流してからはペースも上がり、会津鉄道と並走しながら一気に南会津の田島へ。

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ここでもセブインイレブンで小休止。

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関谷北交差点からは50km弱ほどの距離であったため、11時過ぎに難なく到着。但しこの辺りで気温は急上昇し、かなり暑くなって来た。

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皆藤号CB750F。

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2ndステージの長丁場も、実はひとつのハードル設定さえなければどうということはなかったのだが………。

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ひとつのハードルとは、ランチを喜多方ラーメンの名店で摂る予定となっており、そこまでの時間と距離がギリギリの設定であるということだ。2ndセッション終了までは残り80km弱あり、さらにそこから50kmほど行かなければラーメンにはありつけない。しかもそのタイムリミットは、午後2時である。

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つまりこの時点で残り130kmほどの下道を、3時間弱のペースで走りぬかなければならなかった。

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暑さも手伝ってやや疲労の色が見え始めたが………

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ルートを再確認して足早に休憩ポイントを立つことにした。





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田島からはバイパスを経て山間部を縫うように北西へ。

沼沢湖を左から回って会津西方をなめ、今度は西方バイパスで険しいワインディング区間に入っていく。

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磐越道を越えて越後街道49号線に合流。ようやく道の駅にしあいづへ到着。

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時刻はすでに1時を回っており「ここで昼飯でいんじゃネ?」的なムードに支配される中で………

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「乗るか反るか」の協議を皆で重ねた結果………

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「予定通り喜多方ラーメン」


にすることに決定。これは若い世代にはやや堪えるか。

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給油と水分補給のみを済ませて………

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早速出発。

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ここで休んでいる暇はない。

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50km先の名店を目指しての3rdステージが始まる。

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しかし設定された3rdステージは、そもそも近道ではない。しっかりとワインディングを堪能するために作られた、いわば「遠回りだが楽しいだろう」ルートである。

すでにお腹が空きまくっている状態で果たしてワインディングが楽しいかどうか大いに疑問だったが、しかしこれも当初の予定通りルート変更はなし。

徳沢から水そばの名店集落がある杉木峠を抜けるルートで、喜多方ラーメンを目指すことになった(この水そばランチも当然視野にあったが………観光地での蕎麦で2500円コースはありえない、ということで却下になった)。

ちなみにこの区間の459号線は「お腹さえ空いていなければ」結構楽しめるワインディングが続く。しかし曲がりくねった道が茹で上がった麺に見えてしまうような極限状態ではなかなかそうもいかず、集団からは焦りと苛立ちが見え隠れしていたが、ルートそのものはけして悪くなかったのではないだろうか。

なおこのセッションでは空腹が先行してか、3グループ15台が連なって走行、これを牽引し続けたのは西村選手だった。

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そしてようやく目指したメーランが近づいてくる。

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目指したのは、喜多方清水が丘1丁目にある「さゆり食堂」である。

集団ツーリング途中でのランチなどには様々な条件がついて回るため、案外チョイスが難しい。今回も200件近くからこのお店を選んだという。

その条件とはまず第1位に当然

「おいしくてリーズナブルであること」

そして2番目に

「20台程度のバイクがちゃんと止められること」

そして3番目に

「GOHOKU TOUR中に、開店していること」

である。

当然といえば当然なのだが、実は人気店ほどこの条件を満たしていないケースが多い。そのために多くの情報を集めて「さゆり食堂」としたようだ。

さらに2日ほど前に直接電話にて確認。

「間違いなく20台とめられますよね?」

「ハイ」

「開店してますよね?」

「ハイ」


時間的には午後2時のリミットを数分オーバーしていたものの、20名もの旅客が駆け込めば鍋火を落とすわけにもいかないだろう。ここまでおよそ170kmにも及ぶ区間の間、恋焦がれ思い描いた喜多方メーラン、果たしてその全貌は………。






























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………なにか人気店の割には、人の気配があまりないような気がするが。いや、あまりないどころか、ぜんぜんない。人もいなければ暖簾も出ていない。いやな予感と共に近づいてみると………。

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ウソだろ。

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ウソだろう。

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あれほど確認したのに都合により休むって、一体どんな都合なんだ………。

戸は、あまりにキチンと閉まりすぎていた………。

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ガックリ。

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すぐに予定を変更し周囲でランチを摂れる場所を検索。

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程近い場所に道の駅「喜多の郷」を発見、時間的にもスペース的にもチョイスはそう多くなかったため、ここに決定。

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メンバーも早速レストランへ。

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目指した喜多方ラーメンとは違うが、ちゃんと店内に暖簾も出ていた。

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ここでメンバーのオーダーはおよそ二手に分かれた。

チャーシューメンやラーメンなどの麺系、或いは「ラーメン丼」というどんぶりモノ。

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ラーメンに関しては「喜多方ラーメンライクな~」という意見が大半を占めた。

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それでは、ラーメン丼とはナニか。

ラーメン出汁で炊き込みご飯を作りそのうえにラーメン用の具材を載せたものだ。アイデアとしてはアリだろうということだったが………。

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残念ながらレンジでチンな調理方法だったようで、チャーシュー以外はすべて振動熱により味覚成分が破砕されており、やや残念な結果に。

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「その分夜ゴハンはおいしいだろう」


一行は気を取り直して、次の目的地へ進むことにした。



つづく。

文中敬称略。ご了承下さい。


なおGOHOKU TOURに参加された方で「こんな写真あるよ」「自分のブログにもレポートしたよ」と言う方はぜひコメント欄にリンクをお願いいたします。



2011年 GOHOKU TOUR


梨本塾東日本大震災復興支援活動






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