第11回 梨本塾 レポ⑥ K-RUN-GP Dクラス

11月梨本塾、いよいよ最後のレースとなるDクラス決勝。

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この日は今期最大となる参加数。

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スタッフも緊張感を持って望んだ。

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梨本塾オフィシャルカメラマンの影兄も数千枚のシャッターを切りまくる。残すは1レースのみだ。どうにか皆が無事にゴールラインを通過できるよう祈って………。

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出走者のヘルメット、三者三様。ナカノRR5。

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マモラブルー。

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そしてGO PRO ON THE TOP。

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片岡選手がリヤサスペンショントラブルにより出走取り消しとなり、1台減の全10台がグリッドに整列。

フロントローはCB400SFにR15、そしてZX10Rだ。

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グリーンフラッグとともに、各車一斉にスタート。ポールポジションの梨本CB400SFが絶妙なスタート。逆にフロントローから出た安藤ZX10Rは大きく出遅れる。

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その隙を狙って外側から藤田CBR250R、太田ZX14R、さらに大外から西村CBR600RRが被せてポジションを奪い合う。

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その後ろには佐藤R1、さらに平沼GSXR1000,武藤NSR250Rと続く。

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そして初参加の大塚NSR250R。

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トップグループは帝王コーナーへ。

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早くも3コーナーでは小澤R15が仕掛けるが………

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梨本がうまくこれを交わしてトップを死守。3番手をもぎ取ったのはは#62藤田。

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4番手に西村CBR600RR、5番手まで落ちてしまった安藤ZX10R、

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そして太田ZX14R、佐藤R1、平沼GSXR、武藤NSR。

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一周目でリードを広げて戻ってきた梨本亮。今回からディアブロロッソへと履き替えたのが功奏したか。1~3位は400cc、150cc、そして250ccという布陣。

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4番手西村以降は大は器量が続く。600cc、1000cc、1400cc、1000cc、1000ccと合計なんと5リッターの軍団となった。

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小排気量車からなるトップ3台と、

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ミドル及びリッターSS、

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そして1400ccを含む5台の4位争い。

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国内4メーカーがすべて出揃う格好の5000ccバトル。

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その後方にはGO PRO装着の武藤。

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そして初K-RUN-GPとなる大塚。

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序盤、タイヤ温度が上がらず大排気量勢のペースがまとまらない中で、小排気量の特性を生かして梨本亮がリードを広げる。これをなんとか食い止めたい小澤R15。

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さらに藤田もこれを必至に追う。

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新しい相棒とはじめてのK-RUNに挑む西村。

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久々に復活した安藤はかつてのパートナーZX9Rからの乗換えだ。

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二度目の参加となる太田はもちろん今回も1400ccで勝負。「実は来年1月発売の月刊モーターサイクリストでは13年型の14Rにガンガン乗ったんだけど、相変わらず最高のバイクだったよ」とは塾長のコメント。

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7番手はやはり久しぶりの参加となった佐藤R1。バックステップの導入で大分ポジションが楽になったようだ。

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さらに8番手には平沼GSXR。今回こそもう一踏ん張り前に行きたいところ。

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未だ美しいロスマンズカラーのNSRは武藤。GO PRO映像が楽しみだ。

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トップグループは早くもバックマーカーに追いつく。

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ストレスなくこれを交わして周回を重ねる。ストレートではビハインドを追う小澤も、なんとかこれを追従している。

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互いに切り札を隠したまま争っているように見えるトップ3。

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しかし徐々に#53西村が忍び寄ってくる。

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その後方では安藤もバックマーカーをパス。

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佐藤、平沼もこれに続く。

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レースも中盤を迎える頃、トップグループのペースは31秒台から32秒台前半といったところ。

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その後方、6位争いでは動きがあった。

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ややペースが落ちてきた太田ZX14Rを、佐藤R1、そして平沼GSXRが立て続けにパッシング。これでそれぞれ6、7位に浮上、逆に太田は8位に陥落してしまう。

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見上げれば文字通りの霜月。ほぼ日が落ちてトミンモーターランドにも冷気が忍び寄る。




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さてトップ争いはダブルバックマーカーの集団へと突入。ここで#63梨本がフル加速し………

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武藤、大塚を立て続けにパッシングしたまでは良かったものの………

「塾長から大目玉食らっちゃったよ(梨本亮)」

と後に語ったように、実はこの抜き方は紙一重だった。まだ抜き切っていない段階でマシンを左に寄せてしまったため、武藤は一瞬行き場を失いあわや接触大転倒となりかねななかったのだ。

「政治家じゃなくても、暴走老人は許しません(塾長)」

というように訓戒処分となった。アマチュアライダーがパッシングする際には、絶対に相手側にマシンを寄せてはならないということを念頭においてもらいたい。

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レースは残り8周。

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やや強引だったものの2台を一気に抜き去ったことでトップと2~3位が離れる格好となった。

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逆に小澤R15は抜け出せない。

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結局丸々一周バックマーカーの背後にくっついて走行することになってしまった。ラップペースには数秒の違いがあるため、ここまで一切のブルーフラッグは振られていない。

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なかなか前に出れない小澤の背後に、藤田CBRが再び近づいてきた。

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さらにその後方からは西村が猛烈な追い上げを開始。

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そして未だ6位争いは3台によって続いていたが………

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トップ梨本はここにも追いついてパッシングを試みる。

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ZX14RとCB400SFが真っ向勝負するシーンは全国的にも珍しいケースだろう。

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勢いの止まらぬ梨本が1コーナーで前に出てパッシング成功。

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単独5位を走る安藤はなんとか先行する西村についていきたいところだったが………

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6位争いをリードする佐藤。

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これをなんとかしとめたい#66平沼だったが、背後にはトップの梨本が張り付いた。

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残りはいよいよ三周だ。

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200馬力のモンスターを器用に操る太田。

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さらにその後方には9位の武藤、そして3位の#62藤田に#53西村が追いつく。

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これまで都合3年以上梨本塾に通いながら、未だ未勝利という#53西村。参加当初はビューエル、その後CB400SFに乗り換えてからは何度も惜しい戦いを繰り広げてきたが、土壇場で勝てずの2位が続いた。

そんな教訓からか「狙った獲物はすぐに抜く」という気概が、ニューマシンの赤牛とともに強く感じられる。

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欧州フルパワーモデルのCBRを生かして、アジアンCBRを撃破、豪快にインを奪ってみせた。

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レース終盤まさかのパッシングに、藤田もふんどしを締めなおす。再逆転なるか。

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一方でトップ梨本は6位争いの中から這い出すことが出来ないまま………

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残り2周へ。

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帝王コーナーから3コーナーにかけて7位の平沼をパスしてなんとか面目躍如。

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2位の小澤は残念ながら大きく離れてしまった。

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ついにトップはラスト一周へ。

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一度もトップを譲ることなく20周を終えようとしている梨本。

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最終コーナーを立ち上がり、そのままチェッカーかと思いきや………

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ここでなぜか思いやりのアクセルオフで平沼を同一周回ゴールさせるという茶目っ気を見せる。

「いや、それも後で塾長に怒られちまってよ、最後まできっちり走れってさ(梨本亮)」

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48台エントリー、すべてのクラスのレースが無事終了してみんなが安堵。

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久しぶりの親子2ショットに、二人とも少し照れ臭そうだ。

梨本自身は今年3月以来となる久しぶりの勝利で今期二勝目をマーク。同時に梨本塾史上での最高齢勝利を72歳7ヶ月にまで続伸させた。さらに最終戦で勝ち星を伸ばすことが出来るか。

つづく。

文中敬称略。ご了承下さい。



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