2012 第9回 サシ塾レポート(追走動画、走行写真、GPSデータあり)

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本年度最終回、梨本塾特別レッスン【2012年度第9回サシ塾】に参加された皆さん、お疲れ様でした。

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前日はかなりの雨量となった茨城県でしたが、開催日は打って変わっての晴天となり、残ったウェットパッチも走行開始までには乾きそうです。

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本年度第9回目となるサシ塾、今回は1レッスン1時間という拡大版です。

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晴れ渡っているため、日向に出れば暖かいものの、日陰ではご覧の通りの外気温。今年は低音警報が出るなど、例年では考えられないほど気温が低いようです。

参加者の皆さんの走り、及びマシンについてのレポート、ならびに追走動画、走行データやマシン試乗があった場合にはインプレッションを掲載いたします。

なおサシ塾では自走参加者の方にペースを合わせるため、極力タイヤウォーマーを使用せずに先導を行っています。このときのペースもぜひご参考にして下さい。

※ 文章内敬称略、レポートはインプレッション形式の記述になります。ご了承下さい。



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① 山本選手

マシン ZX10R(05)  タイヤ SC2(リヤ200サイズ) 

本人ベストタイム 28.0 今回のベストタイム 28.0

塾長タイム 27”2


GPSによる最高速  122.6km/h(塾長試乗時) 


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走り………この10Rに乗り換えてからちょうど1年という山本選手。28秒前半にまでタイムを延ばしているが、もう一歩先へ進むことが出来ずにいた。マシンは基本的にストックだが、フロントのスプリングレートを1kg程度のものへ換装し、非常に強い舵角がつく特性を少しでも解消しようと努力している。これに加え、今回はこれまでのメッツラーK2、K3という組み合わせから、ピレリのSC2、そしてリヤは200サイズへと換装してタイムアップを狙った。しかしリヤグリップは上がったものの、車高も同時に上がってしまったためフロントの舵角は解消せず、バランスはもうひとつとのこと。確かに後ろから走りを見ていても、気持ち良さそうに乗れている雰囲気はない。早速試乗してマシンバランスを確認する。

マシンインプレッション………SC2セットを入れたことでグリップ感に関しては及第点、しかし前回サシ塾に参加した八木選手のR1のように高バランスとはならず、懸念されたフロントの切れ込みはありえないほど強いものになってしまっていた。この初期型ZX10Rは当時から特異なハンドリングという印象だったが、現行タイヤとの組み合わせではよりそれが顕著なものとなっていた。

そこでリヤイニシャルを抜き、ダンパー類を微調整したところ、多少はマシな動きになった。しかし軽くプッシュしてもタイムは27秒台前半と思わしくない。コーナー後半部分ではいい感じでアクセルも開けられ、かつグリップ力も強いことからリヤ周りに不安感はないが、いかんせんフロントの切れ込みが強く、コーナーアプローチでは思うようなブレーキングやバンキングが出来なかった。すでにフロントのプリロードはマックスに近い状態まで締め込まれており、また突き出しも減らすことは出来ないため、やれることがなかった。

今後常識的な範囲でバネレートを上げていっても、この「切れ込み」とは付き合わざるを得ないので、それならば今回はライダー側である程度まで慣れるしかない、という結論に達する。

今後の課題と目標………乗り出し当初は戸惑いを見せていた山本選手だったが、その後タイミングやこの切れ込みに合わせたライポジ、及びライディングフォームへと徹底変更したことで徐々にアベレージラップは上がり、最終的にはほとんどベストタイムで周回できるようにまでなった。まず狙うのは27秒中盤でのアベレージだが、そのためには適切なフロントサスペンションのバネレート、及びリヤの車高やイニシャル量なども設定する必要があるだろう。リッターSSマシンの中でも、かなりハードルが高いモデルといえる。



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② 森選手

マシン Z1000(05)  タイヤ SC2 

本人ベストタイム 30.0 今回のベストタイム 30.0

塾長タイム 27”313


GPSによる最高速  113.7km/h(塾長試乗時) 


走り………前回第7回サシ塾からはほとんど走行していなかったようで、走り出し当初は視界の狭さ、体のオフセット量の少なさ、前乗りなど課題が多く見受けられたが、先導している間に少しずつ感覚を取り戻されたようで、タイムもベスト近辺を連発するようになった。今回からタイヤをSC2に換装(以前はパワーワン)したことでグリップ力は格段に上がり、さらに今後の飛躍を予感させるものとなった。後はいかにタイヤの過渡特性を体に覚えこませて限界を引き上げていくかだ。

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マシンインプレッション………SC2に変えたことで、試乗時のタイムは27秒7から27秒3までアップした。路面温度の低さを考えれば充分なタイムアップであり、マシンにも余裕が生まれたといえる。フロントの切れ込みはやや強いものの、足回りのセットアップはそこそこバランスしており、大きく変更する必要はなかった。気になったのはクラッチのキレがもうひとつで、シフトアップ&ダウン双方で操作に確実性がなかったこと。これは社外のクラッチレバーを入れている車両に多く見られる傾向でもあるので、静止時のポジショニングや握り心地のみならず、実践的な操作性も踏まえて換装するのが望ましい。また、リヤタイヤのグリップ力が上がったことで最高速も4km/h弱ほど向上したが、森選手のマシンのバッフルはかなり小径となっており、音量的には充分消音されている反面、パワー感は相当に削り取られているので、この辺も今後対策したい部分だ。

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今後の課題と目標………このままの仕様で春先までに28秒中盤程度のアベレージタイムがマークできるようになれば、路面温度がグッと上がる4月以降には27秒台にまでタイムを延ばせる可能性もある。広い視野と丁寧なマシン操作、そして体のオフセット量に注意して走行したい。


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③ 村雲選手

マシン ZX6R(06)  タイヤ SC2 

本人ベストタイム 30.0 今回のベストタイム 29.75

塾長タイム 27”1


GPSによる最高速  119.8km/h(塾長試乗時) 


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走り………ここのところ積極的に梨本塾に参加している村雲選手。前回梨本塾でもタイムは30秒台にまで上がってきて調子は良さそうだ。追走してみると、豊富な運動量、重心移動でマシンへのストレスを減らしているのが見て取れた。アクセルワークもバンキングも丁寧であり、危なっかしさは見当たらない。恐らくこのまま転ばずに走行量を稼げれば、間違いなく28秒前半程度まではタイムを延ばしてくるだろう。現状のスピードレンジにおいては、ラインワークも含めてそれほど大きな問題はなかった。

マシンインプレッション………但しマシンのほうは大きくバランスを崩していた。まずはフロントサスペンションのセッティングだ。まるで25秒台で走るバイクのようにガッチガチに閉めこまれており、ストローク感は皆無に等しかった。まずはこれを緩めて正常な動きをするようにイニシャル、ダンパー類をリセット、かなり大きく振ったところ、大分スムースな動きになった。このマシンもフロントが切れ込む傾向が強くかなり個性的なハンドリングだが、それにしてもフロントは明らかに締め込みすぎ。恐らく村雲選手のタイム帯では、ほとんどリジットに近い感触だったはずである。

リヤに関しては着座位置そのものは低いものの、やはりストローク感がなくタイヤのグリップ力も分かりにくい。但しファイナルレシオが3~4丁近くロングであり、今回の試乗でも1速しか使用できなかった。まずはしっかり1~2速を併用し、アクセルのオンオフで正規のピッチングを引き起こしてから、足回りのセットアップを煮詰めたい。

トミンではS字区間以外、すべてのコーナーがロングで思ったような加速力は得られなかったが、それでも最高速は120km/h弱をマークし、試乗タイムも27秒1とけして悪くない。ファイナルさえ合わせれば、まだまだ飛躍的に伸びる可能性を秘めている。

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今後の課題と目標………今回の走行で晴れて30秒きりを果たしたので、まずはしっかりと安全マージンを残した上での29秒アベレージを目指したい。ファイナルさえ変更すれば一気に28秒台にまで駆け上がる可能性もある。但し大きくレシオを変更することで当然加速力も変わり、アクセルワークも神経質になるので、その辺に留意しながらスピードアップを目指したい。




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④ 太田選手

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マシン CBR954RR(02)  タイヤ M5 

本人ベストタイム 初走行 今回のベストタイム 30.1

塾長タイム 28秒台(完熟のみ)


GPSによる最高速  118.7km/h(塾長試乗時) 


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走り………桶川などを走り込まれているようだが、トミンは今回が初という太田選手。マシンは一時期梨本塾を賑わせたCBR954RRだった。個人的にもこのマシンは相当量走らせており、けしてトミンとのマッチングは悪くないことも実証済み。

【ちょうど10年前、2002年当時の映像。2台の仕様違い954RRを走らせた】



海老沼選手のCBR964RR。



向笠選手のCBR954RR。

さて今回トミンは初めてという太田選手の走りだが、まずライポジが前寄りで横方向のオフセットが足りず、それほどグリップのいいタイヤを履いているわけではないにも関わらず、バンク角は深めだった。コーナリング中、マシンセンターに対してライダーの重心位置は外側になってしまっており、このため旋回性を引き出せずにバンク角のみでスピードを上げようとしているようだ。これでは早晩転倒してしまうので、まずはライポジのリセットを行い、もっと寝かしている時間を短くすることをテーマとした。これまでのライポジ、リズムが体に染み付いているために矯正にはやや時間がかかりそうだが、一度タイムを度外視して走りの構成を再構築しなければ、いくら走行量を稼いでも転倒リスクが減ることはないだろう。

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マシンインプレッション………現行リッターSSと比較すれば、走行中のマシンパッケージは非常にコンパクトで、エンジンも中間回転域で扱いやすいために、本来はかなり乗りやすいマシンであるはずだった。しかしこの954RRはどうやらフロント廻りに何か問題があるようで、まず走り出しの状態ではフロントサスペンションがアクセルを戻しただけでほぼフルストロークしてしまうほどプアーだった。これを解消すべくプリロードをかけてみたが、最強付近まで締め込んでも反応に乏しく、また右側のアジャスターは通常作業では感じられないようなゴリゴリ感が出ており、内部が正常に動作していない印象を受けた。それほど遠くない過去にオーバーホール済みとのことだが、その作業過程で何か異常があったのか、もしくはその後こういった現象が表出したのかは定かではないが、いずれにしても本来の操縦性とはかけ離れたものなので、まずはこれをきっちりと解消したい。

それとライポジに関しては、やはり大き目のタンクパットがあると自身のライポジ矯正はもとより、954が求める重心位置を取るのにも楽なように思う。海老沼選手の954RRにもFRP製のタンクパットを取り付け強制的にポジションを後ろにしたところ、フロントへの過荷重特性がかなり軽減されてハンドリングに自由度が出たのを覚えている。

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今後の課題と目標………まずはマシンの運動性をストックのものに近づける必要がある。特にフロントサスペンションに関しては、伸圧側はもとよりスプリングそのものがほとんど仕事をしていないような状態であったことから、これは信頼のおけるプロショップなどで診断してもらう必要がありそうだ。

恐らくきっちりとしたサスストロークが得られるだけで、29秒台は問題なくマークできる。さらにタイヤをハイグリップ換装すれば28秒台も現実的なラインだ。但し同時に走り方やライポジも大きく変えていかなければ、転倒リスクがなかなか減らない。マシン調整と共に、自身の走りもぜひ再構築したい。



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⑤ 松野選手

マシン SMR449  タイヤ F レーステック K1 R SC1 

本人ベストタイム 30.6 今回のベストタイム 29.78

塾長タイム 28.5(完熟のみ)


GPSによる最高速  109.2km/h(塾長試乗時) 

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マシンインプレッション………BMWG450Xをベースとしたエンジンを搭載する希少種モタード。試乗するのは初めてだったが、特異と思われがちな構成ながらも、実際にはとても扱いやすく実践的なパッケージだった。ノーマルのままでは若干低中回転域でトルクの薄さがあるようだが、パワーコマンダーにて調整済みという松野選手のマシンは、コーナー立ち上がりでも充分なトルクを発揮しており、実際のストレートスピード(109.2km)よりも速い印象を受けた。コアキショルトラクションシステムという面白い構造のリンクを採用しているが、少なくともオンロードスタイルで走る限り神経質な面は一切なく、極めてオーソドックスな運動性だった。2~3速で回るには若干ファイナルがロングであったので、これをしっかりと合わせていけば最高速はまだまだ上がるだろう。これに合わせてサスも煮詰めれば27秒台アベレージはそれほど難しくなさそうだ。

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走り………前回梨本塾に初参加し、30秒台をマークしてCクラス出走した松野選手。追走してみるとアップライトでロングストロークなマシンとの相性はよく、コーナリング中の挙動も安定していた。主だった問題は見当たらなかったので、そのまま引っ張りに入って数十周を連続走行、これだけでベストタイムは29秒台に突入した。装着タイヤも細いためライダーに伝わる情報量も豊富で、それをしっかりと享受しながら操作しているようだ。但し部分的にややバンクさせすぎなパートがあったため、今後はいかに「寝ている時間を短くするが」が課題となるだろう。但しこれはファイナルさえ合ってしまえば、案外早く解決する問題かもしれない。

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今後の課題と目標………想像よりも遥かにエンジンが元気であったため、乗り手次第ではかなり面白い存在となりうる。ホイールベースが長く小柄なマシンではないものの、操作性は抜群に軽く、また運動性は出力特性も含め極めて素直なため、スーパースポーツに対してアドバンテージとなる部分も多く持っている。何より体力的に厳しくない面がいい。まずは29秒フラット近辺でのアベレージを、いかに楽にマークしていけるかが鍵となるだろう。

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問答無用の「耐久引っ張り」で強引に松野選手のベストタイムを引き上げに成功して談笑。また今回も、昨年度K-RUN-GPチャンプである篠塚選手がセッティングやタイムキーパーなどを担ってくれた。


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⑤ 高土選手

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マシン CBR600RR(03)  タイヤ SC1 

本人ベストタイム 29.84 今回のベストタイム 30.2

塾長タイム 26.85


GPSによる最高速  117.6km/h(塾長試乗時) 


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マシンインプレッション………ミスター絶好調こと高土選手のマシン。今年ベストラップは29秒台に突入したものの、その後足踏み状態が続いており、もう一歩先へ進みたいところ。ステム廻りに異常をきたしたり、これまでいくつか解決しなければならない問題があったが、それらもすでに対応済みとのことで、早速試乗してみることにした。またタイヤもこれまでのパイロットパワーからSC1へと換装されており、心配だった部分はほぼ解消されていた。まずエンジンは発売からほぼ10年を経ても元気そのもの。まったくといっていいほど問題はなかった。次に車体だが、この初期型ユニットプロリンクのCBR600RRは、現在走らせるとかなり特異なハンドリングであることに気付く。ライダーの乗車位置や重心としての頭部からヘッドパイプの位置が非常に近く、その上フロントタイヤも手前にありながらサスストロークはほとんど感じられず、しかし舵角の入り方はかなり強くて、さらにリヤサスはリジットのように動きが渋い。プロライダーのように前後に高負荷をかけられるライダーであればなんとか合わせられるだろうが、そうでない場合には苦労させられることが多い。高土選手のマシンの場合、突出しているのはフロントの舵角の強さだった。しかしすでにイニシャルは最強近くまで締め込まれている。ならば突き出し量を減らすか、後はバネレートを上げるしかない。それぞれ現場では対応不可能だったため、ある程度プッシュしてそのままでも26秒台に入ることを証明してから、徹底的に追走と先導を繰り返すこととした。

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走り………まず追走していて感じたのは「バンクタイミングを逸している」ことだ。恐らくこれまで、グリップしないタイヤや異常が生じていた車体で長く乗ってたせいだろう、体が拒絶反応を起こしてバイクを寝かせられない状態に陥っている(2012年度11月の山中選手もこれに良く似た症例)。但しこの問題は「大丈夫だから寝かせて」といって解決するものではない。ライダー自身が自分で「大丈夫だ」と思えるようになるまでは、走行と調整を重ねていくしかない。

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このためもう一度ライポジ、フォームからおさらいをした。高土選手の場合身長があるので、これを生かさない手はない。マシンは後ろ乗りを求めている、さらに切れ込みが強いハンドリングである以上はそれに見合ったバンキングスピードが必要であり、よりイン側へと重心位置を移動させる必要もある。これを実現するために大幅にフォームとタイミング修正を行った。

若いせいもあるだろう、ライポジの変更は思ったよりもスムースに実践できたが、しかし問題のタイミング変更はなかなかまとまらなかったため、通常は絶対に行わない提案だが「とにかくコーナーの最初から最後まで膝を擦ってみよう」と助言、これを実行してもらった。するとわずかずつだがタイミングが変わり、かすかに光明が差し込んだように見受けたれた。

そもそも高土選手の走りのリズムは、25秒で走る人ととも大きく違わない。ブレーキングからバンキング、クリッピングポイント、そしてアクセラレイションまで、ほとんど同じタイミングなのだ。ラインワークも合致している。つまりそれぞれの通過速度が遅いだけで、基本は間違っていない。

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写真を見ると、これまでとは雰囲気が変わってきたことが分かる。12月塾ではさらに加速するか。

今後の課題と目標………マシン面ではフロントの突き出しの変更、それで足りなければ今後はバネレート換装も視野に。但しマシン的には26秒で走れる力を持っているので、それを踏まえた上で自身のライディング向上をはかり、29秒アベレージはもちろんのこと、早い段階で28秒台に突入したい。

【 オマケ オイル噴出とコース洗浄 】

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コースにオイルが出た日は、このようにすべての走行終了後に施設管理者が入念に路面を洗浄する。4サイクルマシンのケースが割れてオイルが大量に路面に流れた場合は、その後のマシンの引き起こしからコースサイドへの運搬まで含めて、レコードラインを跨がず、なるべくオイルを垂らさないよう慎重に行う必要がある。一度路面に入ったオイルは、なかなか出て行かないからだ。もちろんピットに戻る際にはダート上を押してくるのが常識である。

また無闇にオイルが流れた部分に石灰をまくと化石化し、そのままアスファルト交換するまで固着してしまうケースもある(最終コーナーなど)。貸切走行などを行う場合は、その責任者がしっかりとこれらの認識を持って対応して欲しい。

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【サシ塾後記】

とにかく今回は「フロントが切れ込む」マシンが多いサシ塾だった。たまたまの巡り会わせだとは思うが、ほとんどのオーナーは自身のマシンに乗る機会しかないため、果たしてそれがどういうレベルのものなのか、自己判断がつきにくい。加えてメンテナンスを請け負っているショップなどでも、この手の異変に気付けるほどの経験を持っているお店は少ない。マシンを整備する能力と味付けする能力は、本来まったくの別物だ。また、未だに2000年~程度からのSSマシン全般が現役として中古車市場を賑わせている現実があるが、それぞれエンジンに問題はなくとも、タイヤを含め車体には何らかの経年劣化が見られるケースは多い。これらを総合的に判断するのも、プロライダーの仕事だと感じる。 ※ アマチュアの友人同士などでマシンの貸し借りやセットアップ依頼などは、よほどの事情がない限り避けたほうが無難。何かあった場合に、友人関係に終止符を打つだけでは済まず訴訟にまで発展するケースもある。

中でも太田選手のCBR954RRと高土選手のCBR600RRに関しては、スポーツライドする場合(いや、恐らくは普通に街中を走っていても)には非常に転倒リスクが高い構成となっていた。「いいバイク、いいセットアップ」というのは、何も一部限定的なユーザーやライダーに対してのものではなく、多くの人に愛されるようなものである。例えばトミンで25秒台を目指すのであれば、ある程度特化せざるを得ないセッティングとなるが、26秒台以降であるなら、30秒台の人が乗っても「気持ちよく走れる」のが普通だ。自分が「何かおかしい」と感じるなら、サシ塾に限った話ではなく、なるべく早い段階で「未だにしっかりとしたスピードで走れるプロライダー」に判断を委ねるのが得策と思う。

今シーズンは全9回に渡ってこの個人レッスンを開催させてもらったが、雑誌仕事で行う試乗などとはまったく違った意味で、大いに勉強になった1年となった。梨本塾では外からしかライディングを見ることが出来ないが、サシ塾では「なぜそのライダーがそういった走り方だったのか」を内側から見ることが出来る。一緒に走り、そしてそのマシンに乗ることで、およそのヒントや回答は得られたように感じる。もちろん鳴り物入りでデビューを果たしたマシンの、その後のリアルな感触も知ることが出来るのも特権だ。

来シーズンももっともっと内側からライディングやマシン分析を行って、少しでもライダーがうまくなれるように全力で取り組んでいきたい。



【追走動画】




【ご参考】




【来期日程等】

サシ塾参加の皆さん、お疲れ様でした。2013年度は3月以降随時開催いたします。

詳細日程が決まり次第お知らせいたします。お申し込みはコチラから。 

※ なおサシ塾参加者の方に限り、掲載写真の二次使用を許可いたします。その際はかならず記事中に以下クレジットをお願いいたします。

写真提供 梨本塾 特別レッスン サシ塾 http://kei74moto.client.jp/  佐々木氏




次回12月23日()第12回梨本塾は【チャンピオンズカップ】併催。

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10位、20位、30位………と100位まで全員に賞品をご用意!

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※ 同ポイントの場合は勝利数にて決定、互いに未勝利の場合は、最終ポイント獲得日時がシーズンエンドに近いものが上位。

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