2014年度 第10回 梨本塾 なし耐 トミンモーターランド レポ④ K-RUN-GP Aクラス

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10月梨本塾、一つ目の決勝レースはK-RUN-GP Aクラス なし耐30LAP―。

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タイムアタックを終え、各クラスグリッドが決定し、いよいよAクラスのなし耐が始まろうとしたそのときだった………

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まさかの天候急変。かすみがうら地方のみに雨雲が垂れ込める。いつもの梨塾ウェザーとは逆の展開。

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すぐに雨粒は降り止んだものの、予断を許さない状況。その中でフリー走行開始。

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「皆さん、気をつけて」

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一気に暗くなってしまったホームストレートに、全10台が集結。フロントローにはCBR600RRレースベース、CBR600F、そしてFZ750が並ぶ。

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天高く日章旗が掲げられて………

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振り下ろされると同時にスタート。好ダッシュを決めたのは………

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やはりポールポジションスタートの#1篠塚。

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2番手に高橋、3、4番手争いに佐々木と中村、5番手に尾崎、6番手に加野、7番手に堀口と続く。

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8番手に榎本、9番手に新井、10番手に大木。

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トップは帝王コーナーから3コーナーへ。3番手のポジションを奪ったのは二列目スタートの中村。

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リードを拡げて1周目を制した篠塚。このまま一気に先行するパターンかと思われたが………

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2番手にはタイムアタックで26秒7と大躍進を遂げた#4高橋。同じく後方#22中村も飛躍、午前Bクラスからのジャンプアップライダーがこの位置を走るのは非常に珍しい。

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スタート後の1コーナー処理をミスした#2佐々木は四番手、すぐ背後には#7尾崎が迫る。

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さらにその後方も加野、堀口と続く。

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雨粒は止んだものの、路面はフルドライとは言いがたく、一見乾いて見えるがいつもよりもスリップする状況。

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この中で、特にAクラス常連者たちはコンディションを確認しながらの走行となっているため………

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まだそれほど全体ペースは上がっていない。トップ篠塚でさえ27秒台だ。

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これはなし耐30周回を意識したものというより………

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足元をすくわれないためのペースだろう。

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ここで高橋がプッシュ。

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先行する篠塚になんとか追いすがろうと、2位集団から抜け出した。

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#22中村も必死に追走を試みる。

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激しい6番手争いは#6加野と#5堀口。その後方に榎本………

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そして9位に新井、10位に大木。

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このまま中村の後方に甘んじていたらトップが逃げてしまうと………

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佐々木FZ750が猛プッシュ。

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しかしなかなか前に出られず、逆に2位の高橋は後続を突き放す。

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このまま1~2位が安定飛行、さらに3位争いは苛烈になるだろと思われたそのとき………

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突如としてイエローフラッグが。

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コントロールラインでもイエロー振動となり………

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レースはフルコースコーションへ。


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急に雨が落ちてきてしまい、さらにそれが「気になるレベル」だったための措置。

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梨塾ルール通り、各車30km/h制限がかけられるが、厳密にいえばファイナルレシオやタイヤサイズも異なるマシン同士が混走しておりメーター表示の30kmだけでは「それまでと同じディスタンス、アドバンテージにならない」、またイエローに気付くのが遅れたライダーは間合いを詰めてしまったりしたために、フォーメーションが崩れた。

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数周後、雨量が減り始めたため、隊列を誘導しつつなるべく元の状態に近付けて、イエローコーションは残り1周であることが告げられる。

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アンフェアなことがないよう全車のフォーメーションを確認し………

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グリーンフラッグにて再スタート。

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およそイエロー前の状態と同様のフ隊列へ。

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ここでもまた#1篠塚が飛び出し、高橋がこれを追い………

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さらに3番手争いはこの3台で。

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なんとかして中村の前に出たい佐々木、さらにその佐々木をかわしたい#7尾崎。

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そして6位争いも再接近。



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レース再開後、再度乾いた路面でペースアップするトップ2。

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その後方で依然続く3番手争いは………

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大ベテランの#2佐々木が何度となく仕掛けるが………

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中村が「Aクラス新人」とは思えない手綱さばきで、これを凌ぐ。

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これに苛立ったのか………

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佐々木がコーナー毎にアタックを始める。

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それでも中村は先行を許さない。

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そんな中で、佐々木は前ばかりに集中していたのだろう………

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今度はそれまで後方にいた尾崎が、インを割った。

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しかしやや強引なブレーキングだったのか………

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ラインブレイク。この隙にインを奪い返せるか………

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返せず。

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これで佐々木は5番手へ、尾崎は4番手へ。

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この混乱により、後方6番手の#6加野と7番手の#5堀口も急接近。そして3コーナーでは堀口が仕掛ける。

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しかし加野がこれを防いだ。

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「やられっぱなしではいられない」とばかりに………

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今度は佐々木がレイトブレーキング。

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先程インを奪われた1コーナーで………

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3位を奪い返した。

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クリーンパッシングで抜き去った後でも「この余裕」。

アマチュアライダーはかくあるべきといったお手本シーン。

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もう一度、前を走る中村にターゲットを絞り込む。

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フロントリフトする#7尾崎も、もちろんまだまだ諦めていない。

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6番手争いも熱いままだ。

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アベレージラップに勝る堀口デイトナ675がなんとか前に出ようと、再三再四にわたって加野に仕掛けている。

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#2佐々木が再度中村のインを狙ったその後方で………

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#5堀口が………

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はじめて加野のインを割った。

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これで6番手へと浮上。

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さらに前方の尾崎を追う。

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堀口に抜かれた加野は………

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一気にペースダウン。長丁場だけに、やや疲れが出たてきたか。

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レース中断以降もうまくペースコントロールしながら、いよいよ30LAP目に突入する篠塚。

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高橋も大健闘と言えるが………

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まだまだ役者は篠キングが一枚も二枚も上手か。

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「見える範囲」にいながら、まったく付け入る隙を与えずに、残すコーナーは2つのみ。

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一方後続の4台による3位争いも佳境へ。

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このグループを終始リードした中村が………

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最後の佐々木のアタックを………

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なんとか防いで3コーナーを立ち上がる。

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その後方では、榎本が加野に追いついた。

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最後までトップを譲らず、篠塚が首位を守ってゴール。これで今季8勝目をマーク。大健闘の2位には高橋。

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最後までもつれ込んだ3位争い、先頭でゴールしたのは同じく大健闘の中村、次いで佐々木、尾崎、堀口。

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最後は僅差の7位争い、辛うじて逃げ切った加野、惜しかった榎本。その後方には最後までタレなかった新井。

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そして10位に大木の順でゴール。

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不安定なコンディションの中でも強さを発揮した篠塚。

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「雨が止んで、乾いているように見えて実際はかなり滑りました。凄く難しかったです」

とコメント。


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先日の筑波選手権での好調さをそのままトミンモーターランドに持ち込んだ格好。

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次回はタイムアタックGPへの出走を表明している。

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おめでとう!




つづく。


文中敬称略。ご了承下さい。


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