2016年度 第5回 梨本塾 トミンモーターランド レポ③ K-RUN-GP Aクラス
5月梨本塾、ひとつめのレースとなるK-RUN-GP Aクラスが………
コースイン。
すでに30℃近い気温の中………
全9台がグリッドに整列。フロントローにはS1000RR、CBR600RR、そしてZX10Rが並ぶ。タイムは26秒3~26秒6。なお、今回のAクラスのボーダータイムは、27秒0である。
同日、ツインリンクもてぎにて行われている全日本選手権同様、路面温度は50℃を軽く超えている。
勢いよく日章旗が振り下ろされて、決勝がスタート。
好スタートを切ったのは、予選2番手から出た#1篠塚CBR600RR。ポールポジションスタートだった#3高橋は、またしても大きく遅れてしまう。
1コーナーでは尾崎ZX10Rとつばぜり合い。篠塚が前に出て、尾崎は2番手に。
3位争いは山中CBR600RRと高橋、さらに5番手には榎本CBR600RR、6番手に佐々木FZ750、7番手に皆藤CBR600RR、8番手に安野1199パニガーレS、予選で初の26秒台をマークして6番グリッドだった緒方CBR600RRは、9番手まで落ちてしまう。
1コーナーからS字に書けて、高橋と山中がラインを奪い合うが………
帝王コーナーでは高橋が前に出た。3番手と4番手の間に少しスペースが生まれる。
トップからボーダーまでタイム差が少ないため(0.688秒)、ワンミスが命取りとなりそうだ。
1周目を終えてトップグループが戻ってくる。
3番手の高橋が………
スタートの遅れを取り戻そうと、尾崎のすぐ背後へ。
このままトップ3が抜け出す格好となるか………
それとも、4番手以降も接近するか。
トップ集団のターゲットタイムは、26秒中盤辺りだろうか。
三周目には早くも………
その26秒台中盤に突入。
これに対して、4位グループは27秒を前後するペース。
#5榎本は、早く#6山中の前に出たいところ。
6位争いの先頭は#8佐々木。背後に皆藤、安野を従える。
26秒6から7といったペースで周回を重ねるトップ集団。
しかしこれよりペースを上げるのは難しそうだ。
ということはつまり………
それぞれの持ちタイムで考えると………
ほぼ全員がトップ争いを展開出来てもおかしくないということになる。
しかしレースは「水物」。
例え直前練習で26秒前半が出ていても………
「なぜか本番では出ない」
そんなことが頻繁に起こる。
それはタイヤや路面温度………
FIやサスペンションの反応などが………
前回の走行と異なり、刻一刻と移り変わっているからでもあり………
また自身の走りのリズムが、第三者と一緒に走ることで崩れてしまい………
その結果として「なぜかタイムが出ない」という状況に陥ってしまう。
特に似たようなペースで、しかし自分より少しだけスピードが遅い人が前にいるときなどは………
こういった現象に陥りやすい。これをなんとか打破しようと、#3高橋が果敢にアタックを繰り返すが………
#2尾崎も………
これを許さない。
さらにその後ろの4位争いも同様の展開。
7位争いも然り。
緒方CBR600RRは単独9位を走る。
レースは早くも折り返しへ。
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レースも折り返しを過ぎると、トップ3と4位以降の差は4秒以上に拡がる。
しかしトップグループも、思ったよりはペースが上がらず、26秒中盤から後半、時折27秒台にまで落ち込むことも。
一方4位争いは27秒前半といったところ。
ほぼ同じペースで、6位争いが続く。
それぞれペースアップを図りたいところだが、いつもよりも早い真夏日の到来に、体力的にもタイヤ的にも厳しそうだ。
その中でも果敢にアタックするのは、#3高橋。
#2尾崎との、ギリギリの攻防が続く。
写真で見ると「後一歩」だが………
実際の現場では、この一歩がとてつもなく長く感じられる。
この二人が競り合ってくれることで、逆にトップの篠塚は前だけに集中出来るはず。
後半になって、ややペースの上がらない#6山中の後方から………
佐々木、皆藤、安野の3名が距離を詰めてきた。
#5榎本も当然これを察知、なんとか鼻先を突っ込みたいところだが、山中も力を振り絞る。
Aクラス最年長56歳とは思えぬ頑張りで、前との距離を詰める皆藤CBR600RR。
単独走となっていた緒方に対し、ここでブルーフラッグが提示される。
予選では、今のトップグループのペースとほぼ同じ26秒8をマークしていたが、決勝では残念ながらラップダウンされてしまう。
ここではトラブルなく全員が前に出た。
さらに4位グループもバックマーカーに追いつき………
そのすぐ背後へ。
しかしタイミングよく前に出られなかったため………
一気に後続が近づくことに。
そしてトップグループは………
いよいよファイナルラップに突入。
高橋が最後の勝負を仕掛けるが………
尾崎も譲らない。
4位グループもファイナルラップへ。
バックマーカーを交わし前に出る。
ここで皆藤が「自分がブルーフラッグを振られた」と勘違いしスローダウン、その隙を安野がついてポジションが入れ替わった。
土壇場で痛恨のミスを犯してしまったが………
取り戻せるか。
トップ3は3コーナーを立ち上がり………
最終コーナーへ。
最後まできっちり手綱を握り続けた篠塚が………
そのままトップでチェッカーへ。
2位に尾崎、3位に高橋。
そして4位争いも………
順位はそのままにチェッカーへ。4位に山中、5位に榎本………
そして6位に佐々木、7位には最後に逆転した安野、8位に皆藤、9位に緒方の順で是認がゴール。
トップグループは今回も順位変動こそなかったものの、見ているものを思わず唸らせるような、非常に高い技術のバトルを繰り広げてくれた。
だからこそ、レースを終えたら互いを称え合えるのだろう。
「ズルかったっすか?」
「ッぐ」
今月はそれほど調子がよさそうではなかったが、それでも終わってみれば土つかずの今季5勝目をマーク。
「勝って奢らず、負けて腐らず高笑い」
そんな言葉がもっとも似合うキングの後ろ姿。
おめでとう!
つづく。
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