３つ目のレースとなるＫ－ＲＵＮ－ＧＰ Ｃクラスがコースイン。
傍らには、ヒッソリと訪れる観客？の姿も。
先程よりも幾分風が出て、気温も落ち着いてきたようだ。
全９台がグリッドに整列。フロントローにはＳ１０００ＲＲ、ＺＸ６Ｒ、そしてデイトナ６７５が並ぶ。ポールポジションタイムは２８秒０、ボーダータイムは２９秒６と、ＡクラスとＢクラスに対しては、若干の幅を持ったＣクラス。
勢いよく日章旗が振り下ろされて、決勝がスタート。
好スタートを切ったのは、予選２番手の吉田ＺＸ６Ｒ、同じく３番手の川畑デイトナ６７５。
１コーナーのブレーキングでは………
吉田が前へ。さらに外側から………
ポールポジションの勝野Ｓ１０００ＲＲが被せていく。
４位争いを下田Ｓ１０００ＲＲと山内１１９８Ｓ、６番手に西村ＣＢＲ６００ＲＲ、７番手に吉村ＲＳＶ４Ｒ、８番手に妹尾Ｒ１Ｍ、９番手に戸村ＣＢＲ６００ＲＲと続く。
集団は帝王コーナーから３コーナーへ。
ロケットスタートで飛び出した＃４吉田。予選タイムでは僅かに＃４７勝野が勝ったが………
３番手争いは川畑と４位争いで前に出た下田………
山内、西村の５位争い………
そして吉村、妹尾、戸村の７位争いと続く。
リードを拡げて戻ってきた吉田ＺＸ６Ｒ。
しかし２番手の勝野Ｓ１０００ＲＲも、前日練習では２７秒中盤をマークしており、このまま引き下がることはないはず。
予選タイムにはそれほど大きな差はなかったが、レースでは早くも縦長の隊列となりはじめた。
「２８秒アベレージならコントロール下にある………」
「しかしそれ以上となると………」
そんな雰囲気に包まれる今回のＣクラス。
その中で、ややアドバンテージを握り始めたのがトップの吉田。
早くも２８秒台前半に入れ、後続を引き離し始めた。
そしてこちらは８位争い。
７位の吉村の後方で、妹尾と戸村が激しくやりあう。
トップグループの中で、ただ一人予選タイムを上回るハイペースで………
２位以下を引き離し始めた吉田。＃４７勝野もなんとか食らいつきたいところだが………
さらにその後方３位争いは、２８秒中盤といったペース。
レース中盤に差し掛かると、トップと２番手集団との間には、２秒以上の差が出来てしまう。
ここへ来てペースダウンしてきた勝野の後方には………
川畑と下田が迫る。
そんな後続を尻目に………
なんと吉田はベストラップを２７秒台にまで引き上げた。
当然これが「初の２８秒切り」であり………
自身にとっても未知のハイペースとなる。
これではいくら後続が粘っても………
その差は開く一方だ。
梨本塾において、Ｃクラスのレースが２７秒台で展開されたのは、はじめてではないだろうか。
単独５位には山内、６位には西村。２８秒後半から２９秒前半と言ったペース。
そして接戦の７位争い。
再三に渡って戸村が仕掛けるが………
今大会より、これまでのＧＰＺ１０Ｒ（９００Ｒ）からこのＲ１Ｍへと、本格的な乗り換えを行った妹尾も、ナイスセーブを続ける。
レースは後半戦へ―。
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後半に入ってもペースダウンせずに疾走する吉田ＺＸ６Ｒ。まるで昨今のＷＳＢＫ、ジョニー・レイを彷彿とさせるような安定した速さで、２８秒フラット付近のアベレージ。
これに食い下がりたい勝野………
川畑………
下田だったが………
一周にして、０．３～０．５秒ほどもペースには差がある。
吉田はすでに、４秒近いアドバンテージを作り上げた。
下田Ｓ１０００ＲＲも積極的に川畑のインサイドを狙うが………
さらに８争いでは………
戸村がなんとか前に出ようと………
インを覗う。しかし妹尾も譲らない。
後続を引き離したまま、単独トップで吉田がファイナルラップへ。
２位集団は、３．５秒ほど後方。
すでにペースダウンするほどの余裕を見せ………
淡々と３コーナーへ。
最後の難所をクリアして………
文字通り「ぶっちぎりの展開」に持ち込み………
チェッカーへ。
異様なほどレベルの高いＣクラスを、独走で制した。
最後まで接戦となった２位争い、真っ先にゴールしたのは勝野。３位には川畑、４位に下田。
５位山内、６位西村を挟んで、７位に吉村。同じく最後まで続いた８位争いを制したのは妹尾、９位に戸村。
全員が無事にゴールした。
下馬評ではベストタイムに勝る勝野の独壇場かと思えたが………
終わってみれば吉田の圧勝という展開に。１４年度の第１１回大会Ｃクラスでの優勝以来、およそ１年半ぶりの勝利をもぎ取った。
なお、このときのＣクラスポールポジションタイムは２９秒４５３、すなわち今回とは１．４秒ほども遅かったことになる。参考までにＡクラスのタイムを見れば、２番手以降（２７秒１４１～）は、今回のタイムに換算すると全員が「Ｂクラス行き」となる。
今回の吉田の予選タイム、及び決勝アベレージであれば、１年半前のＢクラスで優勝に手が届いていた、かもしれない。
久々の勝利によって、今後さらに弾みがつくか。
おめでとう！
つづく。
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