

2016年度 第7回 梨本塾 トミンモーターランド レポ3 K-RUN-GP Aクラス

7月梨本塾、花形であるK-RUN-GP Aクラスがコースイン。全9台がグリッドに整列。

フロントローには2台のCBR600RRがS1000RRを挟む格好。偶然にもレーシングスーツは全員がブルー&ホワイト系。

トップタイムは全体シーズンベストとなる26秒187、ボーダーは27秒266。果たして勝利するのは誰か。

勢いよく日章旗が振り下ろされて、決勝がスタート。全車勢いよく飛び出した、かに思われたが………

ポールポジションの篠塚、サードグリッドの榎本が前に出る中、セカンドグリッドだった高橋はまたしてもスタートに失敗してしまう。
さらにその後方では、ローンチコントロール付きバイクのような全開スタートを試みた安野1199パニガーレSが、まさかのエンジンストール。
そもそも1199パニガーレには、ローンチが付いていないため完全に制御不能となった模様。

真っ先に1コーナーに飛び込んだのは………

アウトから被せた篠塚。

2番手に榎本、3番手にはセカンドローからロケットダッシュを決めた宮原ZX6R、4番手には高橋S1000RR、5番手に佐々木FZ750、6番手に山中CBR600RRと続く。

さらにその後方、7番手に磯山R1、8番手に柴899パニガーレ。

全車が帝王コーナーから3コーナーに差し掛かる頃………

黄旗が提示される。

エンジンストールした安野パニガーレだったが………

その後再度点火せず、ここでまさかのリタイヤとなる。

3コーナー内側のエスケープゾーンへ。

この結果、コースクリアとなるまで二周回に渡ってイエローコーションが続き、3周目にグリーンフラッグで再度ローリングスタートとなった。

先程と同じように………

まずは#1篠塚が引っ張る格好に。

3番手以降も順位はそのままだ。

いきなりの混乱から始まったが………

ひとまずレースは落ち着きを取り戻す。

但し隊列は、早くも縦長に。

トップ2の序盤ペースは………

26秒5辺り。

この2台がレースを引っ張る格好となり………

その後方で、宮原は26秒台後半ペース。

さらにその後方では、一度離れた高橋が26秒3ほどをマークして、一気に宮原に追いついた。

#4佐々木を筆頭とした5位争いは、27秒前後の争い。

序盤ペースを引き上げて………

後続を突き放したいトップ2。

#2高橋もこれに遅れないようにと、ややペースの上がらない#5宮原の内側にマシンをねじ込む。

しかし宮原も譲らず………

外から被せていく。

ここからこの2台による………

長いバトルが始まった。

26秒6~7アベレージの篠塚、榎本に対して………

3位グループは0.2~0.3秒ほどずつ遅れている。

一刻も早く前に出たい高橋だが………

焦るほどにスペースは狭くなっていく。

2台のペースは27秒台にまで落ち込んでしまう。

また5位争いでも、ペースの上がらない#4佐々木の前に何とか出たい#7山中だったが………。

トップ2台と3位争いの2台とは、すでに2秒近い差が生まれてしまった。

高橋は、試行錯誤しながらパッシングを試みるが………

レースは早くも折り返しを迎える。

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レース中盤を過ぎて………

#1篠塚はペースコントロールする余裕が生まれた様子。

ここで一度27秒フラット辺りまでペースを落とした。

3位争いの2台が前に追いつくチャンスでもあるのだが………。

一方5位争いも激しい攻防。

先月このクラスで勝利した佐々木の背後から………

2012年度チャンピオンの#7山中が激しいプレッシャーをかける。

トップ2と………

3位争いの2台もそれぞれ距離を詰めていく。

先程までよりも………

トップグループと3位争いの距離も詰まってきた。

しかし、距離は詰まるが、なかなか前には出られない。

これは5位争いも同じ展開。

単独7位は磯山R1………

同じく8位は柴899パニガーレ。

二人の差は、1.5秒ほどだ。

恐らく意図的にだろうが………

#1篠塚がアベレージタイムを落としている。

しかし締めるところは締めているため、榎本もインには飛び込めない。

鬼バンクの2台のランデブーも続く。

27秒を前後するペースだが、もう少しでトップ争いにも追いつきそうだ。

こちらは中盤に入って………

なかなか27秒を切れなくなってきた#4佐々木に対し、いよいよ痺れを切らした山中が………

ジャンプ。

このギャップを通過していては、チャンスもないように見えるが………。

トップが見えてきたことで………

俄然気を吐く3位争い。

しかし#5宮原も、限界に近い走行なのだろう………

ラインワークが乱れており、通常のアウトインアウトが取れずにいる。インミドルイン、ときにアウトと安定しない。

その結果………

後方の高橋は翻弄されることとなり、チャンスを見いだせない。

逆に5位争いの前を走る佐々木には、まったくブレがない。

最終コーナーを立ち上がって、ホームストレートのほぼ真ん中を走っている宮原に対し………

高橋がさらにそのイン側を狙うも、スペースが足りない。

さらにレース終盤へ来て、トップの篠塚が一気に26秒5ほどまでペースアップし………

後続を引き離しにかかった。

なんとか付いていきたいところだが………

2番手の榎本のみが辛うじて背中を追えている状況。

そして3位争いは、ホームストレート半分よりも内側を走行するという………

かなり荒れた展開に。

これではさすがに高橋も打つ手がないか。

トップの篠塚は、僅か数周のみで3秒近く離れてしまった。

山中を鼻先を抑え続ける#4佐々木。

こちらも最後までもつれ込みそうだ。

そしてレース最終盤というタイミングで………

勝負をかけに高橋が、大きくバランスを崩す。

なんとか転倒は免れたものの………

一気に宮原との差が開いてしまった。万事休す。

まるで後ろに目が付いているかのように、レースを完全に掌握してペースコントロールして見せた篠塚が、最後の最終コーナーへ。

1周目の1コーナーからトップを譲らずに………

そのままチェッカーへ。2位には榎本。

そして最後まで続いた3位争いを制したのは宮原。ガッツポーズで喜びを示す。悔しい4位には高橋。

やはり最後まで続いた5位争い、思わず最終コーナーで追突しかけるものの………

佐々木、山中の順でゴール。7位には磯山、8位には柴。

随所でバトルが見られたが、その中でトップ2のペース自在な走りが印象に残ったレースとなった。

「梨塾の良心」と言われる安野1199パニガーレSだが、今回は残念ながらスタートできず。

梨塾のクイーンがオフィシャルとして見守る中でのK-RUN-GPとなった。

先月初の土が付いたものの、これで今季6勝目となったキング篠塚。勝利数もぶっちぎりのトップだが、速さのみならず、巧みさが光るレース運びが特徴。

どんな走行でも試行錯誤を重ね、走りとマシンチェックを怠らない。

それを誰よりも真剣に繰り返し続けているからこそ、調子が悪いときや、自身よりも速いラップタイムのものが現れたときでも「勝負出来る」のだろう。
今回よりレーステックK1からディアブロスーパーコルサV2のSC1に履き替えたが、シーズン後半戦は久しぶりに25秒台が見えてくるかも知れない。
つづく。
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