「全員もっと腰を落として、ハイレグを股に食い込ませなさい!!」
「「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」」
 教官の強くそれでいて透き通る様に可憐な声が響く。
 ここはハイグレ青年隊ヨコハマ支部ハラマキレディース隊の隊舎訓練場。私、橋本 愛梨彩はここで日夜ハイグレ魔王様の手足となるべく訓練と任務に励んで居た。
 8年前、ハイグレ魔王様がこの地球に舞い降りて下さり、私たち人類を崇高なハイグレ人間として生まれ変わらせて下さった。
 私たち未成年はハイグレ軍にはまだ入れない。しかし子供であれど私たちもハイグレ人間である。私を救い導いて下さったハイグレ魔王様の為に役に立ちたいという思いは大人も子供も変わらない。そこで設立されたのがハイグレ青年隊である。
 ピッーという教官の笛が今日の訓練の終わりを告げる。
「よし、今日はここまでだ。今日も一日ハイグレと魔王様のお陰で過ごせたこと、そして今後より一層の忠誠を誓ってハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
「「感謝と忠誠を誓って!!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」」
 訓練の終わりはいつもハイレグが汗で張り付き、身体のラインも胸も股も透け透けになっていた。
「あぁ~汗でベトベトよ!早くシャワー浴びたい!」
 通気性と発汗性に優れたハイレグといえど訓練はそれを軽く凌駕するハードさと汗を与えてくる。
「ホントにそうですね!でもこの張り付きがまたたまらなかったりしますよね~」
「確かに!私なんて上も下もベトベトヌルヌルよ!」
 同じ青年隊で同期の美希と優奈が汗びっしょりでやってくる。2人とも股も乳首も汗で透けて見えている。
 美希は少し男勝りで勝気だがとにかく行動あるのみの前線タイプ。一方優奈はおっとりとしたお嬢様の様なタイプであり、情報収集や医療の面に特化している。2人もまた青年隊の中でも優秀な人材であった。
「というか美希、股の毛丸見えよ!上以上に濡れてるし!」
「いいじゃない毛を生やすのもある意味お洒落よ!!それに股の濡れはよりハイグレに没頭してハイグレを感じた証拠なの!つまりは私は誰よりもハイグレを誠心誠意行って感じたのよ!」
 その一言に私も優奈も慌てて自身の股の濡れを確かめた。するとそこへ私の名前を呼ぶ声がした。
「橋本さん」
 声の主はあなた憧れの貫井教官だった。
「は、ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!教官!」
「今ちょっといいかしら?」
「は、ハイグレ…」
 私は何事かと思うもまるで呼ばれる心当たりがなく、ただただ嫌な予感しかしなかった。
 何かヘマしちゃったかな…。
 そんな不安な私を見て励ますどころか茶化してニヤニヤする美希と優奈。
「ドンマイ愛梨彩!!もしジャージの罰になっても私たちは友達だよ!!」
「そうだよ!情けないかもだけどジャージ姿になったら愛梨彩の分まで私たちがハイグレしてあげるから!」
 こいつら…。楽しんでやがる…。しかし、2人もこの呼び出しは説教と考えているのだろう。ジャージなんて死んでも嫌だ!!ハイグレを脱ぐなんて…。
 考えてても仕方なく、とにかく私は教官と共に教官室に向かった。
「は、ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!失礼します」
「まぁ楽にしなさい」
「は、ハイグレ!」
 楽にしろとは言われても出来るはずもなく、足は震え、変な汗も出ている。
「実は貴方に…」
 降格?除隊?やっぱりジャージ!?ハイグレをして紛らわせたい!!1人この不安を救えるのはハイグレだけ!なのにそれが出来なくなるかも!!
 いやぁあああああ!!
「聴いてる?」
「あっ、はい!申し訳ありません!!大丈夫です!」
「そう。今回貴方にはイギリスのオックスフォード支部からの留学生のバディ兼案内係をしてもらいたいの」
「えっ?あっ、ふぁっ?」
 突飛な事に間抜けな声を出してしまった。
「えっ?留学生ですか?」
「そうよ。彼女、ジャンヌ=ティーダ=アルティナ。オックスフォード支部ハラマキレディース隊所属。実技、座学共にトップの成績で次期にはハイグレ隊への入隊も視野に入ったエリートよ」
 先程の不安から一転、私は安堵でまた若干話を聞いていなかったがハイグレ隊に入る予定のエリート!?
「えっ!?あの、そんなエリートの方の世話係をなんで私が?」
「世話係?違うわ。彼女は今も言った通りのエリート、おそらくこちらの世話になる様な事は無いはず。そうではなく貴方には彼女のバディ、相棒として彼女の滞在する期間行動を共にし、場所などの案内などをしながら切磋琢磨してもらいたいの」
「は、ハァ…」
 またしても間抜けな声を漏らしてしまった。
「到着は明日の正午だ。成田のエアポートまで迎えに行ってあげてくれ」
「は、ハイグレ!」
「話は以上だ。しっかりやりなさい」
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!失礼します!」
 教官室を出て一先ず溜息をつく。それが安堵か緊張か不安と重圧からのモノかは自分でも分からなかった。しかし、海外のエリート…か。
 隊舎寮に戻ると優奈と美希が待っていた。
「良かったじゃん愛梨彩!ハイグレ姿で!」
「ほんと、やっぱりハイグレだよね〜!」
 からかっているのか本気で喜んでくれるのか全く分からない。
 とりあえず部屋に戻り、三人でお茶パをすることにした。
「で?教官の話ってなんだったの?」
「う、うん…」
 私は教官室での話を2人にした。
「えーーー!あのジャンヌさんのバディ!!?」
「嘘でしょ!」
 2人のリアクションに私は余計に驚いた。
「な、何!何?そんな有名人なの?」
「有名人なんてものじゃないわよ!」
「というかあんたが知らない事に驚きよ!!」
「そうなの…」
「ジャンヌって言ったら未来のハイグレ軍女性官僚候補期待の星でハイグレティーンのトップモデルよ!」
 そう言って美希が世界的なティーンモデル雑誌『ハイグレディティ』を出してトップページを見せてくる。そこには東洋人とはまるで違う、大きい所は大きく、細い所は細い、正にグラマラスなボディに流れる様に澄んで淀みのないブロンドの女性がラメの入ったメタリックパープルのハイレグを着ていた。
 妖麗?綺麗?とにかく美が輝いているようだった。
「美しさ、強さ、賢さを備えた存在よ!同い年とは思えないわよね!」
「彼女、ハイグレ隊にも即時入れたらしいのに、自分の実力ではまだまだって言ってハラマキレディース隊にいるんですって!」
「ふへぇ…」
 輝かしき経歴に私はただただ溜息をもらすだけだった。
「しかも彼女、覚醒ハイグレ人間ゴードン様のお嬢様だしね!」
「えっ!?あのゴードン様の!」
 覚醒ハイグレ人間とはハイグレ魔王様の支配以前よりハイグレを知り、ハイグレを身に付け、ハイグレを行い、ハイグレ魔王様を崇拝していた最高位のハイグレ人間の方々である。この方たちは私たちの様に光線によってやっとハイグレの素晴らしさを知った人間とは天と地の差があるほどに誇らしく素晴らしい方々である。ゴードン氏はイギリスにおいてその覚醒ハイグレ人間の第一号であった。そんな方のお嬢様が…この私と…。
 その晩、私は当然眠れなかった。2人の話を聞いて、微量の期待と莫大な不安と緊張が体全体を巡っている。
「ダメダァ〜!!」
 眠れない!私は寮の屋上に上がって夜風に吹かれながら、気持ち落ち着ける為にハイグレを一晩繰り返した。
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!ハイグレぇ!!・・・」
 明日から…どうなるんだろ…。