2013年10月

2013年10月18日

トーマスの恋

この街に引っ越してから、朝7時の普通電車に乗るようになった。
東京圏ならめずらしくないのかも知れないが
俺がいる街から都心まで、最速の新快速で40分だ。
ところが、これが普通電車だと倍以上の1時間半かかる。




理由は簡単で、座れるからだ。





昔で言う国電区間のはずれにあるこの街は
始発駅の隣にある。








もちろん、この時間でも
新快速とかの速い列車が走っているのだが、
なにしろ、そういう列車は、
始発駅がうちよりも遙かに田舎なので、
この時間でさえ座れない。

何度か乗ったことがあるが、
都心まで2時間という距離に乗ってくる連中の
座席に関する執着はすさまじい。

乗車時間40分くらいで座ろうと思ってはいけないのである。






そこにいくと俺が乗るのは
始発駅の隣なので各駅停車なら座れる。

乗車時間はたしかに新快速の倍以上かかるが
『座れる』というのは、何物にも代え難い。

これは遠距離通勤をする人にはわかって貰えるだろう。
40分早起きしてでも、乗る価値は、ある。






そして、始発駅の隣なのだが、既に先客がいる。

ひと月も乗り合わせると、
同じ人が同じ場所に座っていることに気づく。
縄張り意識のようなものがあるらしい。

みんな、見事に寝ている。








隣の始発駅から5分。
折り返しのための待ち合わせがあって
10分くらい停車するとしても
15分か20分くらいで、よくもここまで熟睡できるものだと思うが
みんな寝ている。

俺は、酔っぱらっていればともかく朝の電車では寝られない。
それでも坐って通勤できる、と言うのはちょっとした特権だ。

嫁が実家に近いこの駅前に住みたい、
と言った時は猛反対したのだが
早起きも悪くない。





もっとも、嫁はとうの昔に逃げた。










乗車率は、と言うと俺が乗る時で座席の2割くらいだ。
その中でどこが『特等席』か、と言うと
これは眠れるところであろう。


深夜ならともかく、早朝であれば座席に寝そべる人はいない。
窓なり、壁なりに体をもたせかけて、それで眠るのだが
出来れば、窓だけではなく壁にも寄りたい。

そうなると、一車両での『最上席』は
車両の隅の4席だけ、ということになる。

そして、実際はそのうちの1席は『優先座席』なので
3席ということになる。








そのうちの一席に『トーマス』がいた。
あ、別に本名は知らないのだが
なんとなく、きっちりした髪型といい、服装といい、
そして力が抜けきった、寝姿を見ると
どうしても、腹話術の人形を思い出してしまう。

これで、背中に誰かの手が入ったら、きっと魂を得たごとく
しゃべり出して止まらないんだろう。

しかし、会社に着く前だけは、はこうやって、
楽屋の片隅に置かれたかのように
くずおれているんじゃないだろうか。

なんか、マリオネットの人形の話で
そんなのがなかったっけ。









だけど、俺の心の中では、
おそらく一生仕事でまみえることのない
その人物は『トーマス』と呼ばれることになった。

子どもの頃、近所の公園に紙芝居をする人がいて
この人が、月に一度の近所の神社の縁日の時だけは
出演時間が余ったんだろう、
腹話術をやったりもしていて、
その人形の名前が、たしか『トーマス』だった。








なにしろ俺が乗った駅では、既に熟睡しているので
いかなる人物なのかわかりかねるのだが
七・三にきっちり分けた頭髪。

きっちりクリーニングの効いたコートと
生地の良さそうなスーツ。
おそらく、エリートなのだろう。

彼は、直射日光の刺さない側の『特等席』を常に占拠していて
すでにうちの駅についた段階で、豪快に寝ている。
どのくらい『豪快』かというと
コートをはだけて、斜めに坐り、
高そうなスーツも皺だらけだろうな、という
だらけきった姿勢で眠っている。


始発駅の折り返し時間を考えても
20分くらいで人間、ここまで崩れられるだろうか。











年齢がよくわからないが、まだ若そうだ。
30代半ばではなかろうか。

私もトーマスも意図的に1時間半の通勤をしているが
本来なら『新快速』で半分の時間で通勤できる。

高級住宅地、とは言わないが
うちの近辺なら戸建てでも分譲でも高価だろう。
彼は、いかなる人物なのだろうか?
降りる駅もわからない。

ゆっくり走る普通電車だが、30分も乗ると
『通勤時間』に入ってしまうので、立つ人も増え
彼の席が見えなくなるのだ。

興味もないけど。













俺の『定位置』はトーマスの斜め前、乗車口の横の
手摺に寄りかかる。
壁により掛かることが出来なければ
43φの鉄パイプとはいえ、体を預けられる貴重な存在だ。




眠りはしないが、窓外の風景は至福である。
この路線は海のすぐそばを走る。
うちの駅を出ると、高架線が、ぽおんと
海と空の間に投げ込まれるようになって
朝日に照らされた海が見える。

海は青いな大きいな、と思ったら大間違いで
毎朝、みるたびに色が違う。



晴れていれば、確かに青い。
曇っている日は鉄錆びた色になる。

さらに、季節によっても違っていて、
夏空の下だと、空気が湿っているから
意外に青くない。

むしろ、冬の日の朝の遅い日、
まだ空の半分くらいが濃い蒼色をたたえている時などが
びっくりするくらい深く、青い。

そして、一番好きなのは台風かなにかが近づいた日。
あたたかい水にあらわれた海は
すっかり風で泡だって、エメラルドのような碧色になる。




だから、俺はこの電車に乗る。
トーマスは、眠りに乗るのだろうが
俺は景色と、うつらうつらした陽光が好きなのだ。

もっとも、その至福も半分ほど乗った元町のあたりで
乗客が増えてみられなくなるのだが。
   
















隣に、最近女の人が座っているようになった。
始発駅から乗ってくるんだろう。
彼女も眠らないタイプらしく、文庫本を読んでいる。


20代半ばだろうか。
ショートカットにしているので、細いうなじが一層細く見える。
もっとも正面からはどんな顔かは見られないのだが…

スマホじゃなくて、文庫本というのが、またいい。
さらにこの娘、しおりの代わりに定期を挟んでいるのだ。
悪いと思ったが内容を読んでしまった。

乗車区間は元町まで、名前は、小さい字で読みにくいが
『青木さん』らしい。

だから、心の中で彼女のことを
『青木さん』と呼ぶことにした。







彼女は神戸駅をすぎると、読んだページに丁寧にひもを掛け
定期券を、紅の薄い口にくわえると、
鞄の中に文庫本をしまう。

そして、元町駅まで来て、
車両が止まりかける頃に立ち上がって
定期券を掌の中に戻して軽く握り、立ち上がって降りていく。

その、一連の動作が、
化粧といい、服装といい、およそ艶っぽさのない彼女が見せる、
唯一の色気で、初めて見た時は不意を衝かれてどきっとした。

もちろん本人は意識していないのだろう。
しかし、俺は毎日彼女の隣で、この動作を見ることが
楽しみになった。








そんな『愉しみ』が一週間も続いた時
なんとなく、彼女が降りていくのを目で追っていたら
トーマスも降りていった。

彼がどこで降りるのか、なんて
興味もないから気にしていなかったが
野郎、この駅で降りるのか。

最初はそんなくらいに思っていた。





変化に気がついたのは次の日からで、
俺が自分の駅から乗り込むと、
トーマスが起きている。

ははん、と思ったがよく考えたら間抜けな話だ。
彼女がこの電車に乗り始めて一週間以上経つのに
熟睡していたおかげで気がつかなかったらしい。

そればかりか、操り手のいない、
魂の抜けた抜けた人形のような寝姿を
彼女の目の前に晒していたわけだ。

はて、どうなることかと
俺は意地悪く、2人が降りていく様子を
目で追うことにした。
























俺の密かな楽しみは、二週間後に終わった。










俺が、その電車に乗り込むと、そこに彼女はおらず、
『定位置』でトーマスが抜け殻のように寝ていたからだ。






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natsu_0117 at 19:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年10月08日

史上最高の店

気になっている店ではあった。
ただ、単にそういう文句を書いている店ならいくらでもある。

『世界一安い』とか。

でもその店は、その文句を幟にして飾るわけでもなく
投げやりに、カレンダーの裏側にマジックで書くわけでもなく、
店の入口の扉の横に、しかし視線よりもだいぶ高い
気づいて欲しいわけでもなさそうな位置に
一見重々しそうな彫金で彫られた小さな看板が
出ているのだ。





Meilleur magasin jamais』、と。






気づかなければ一生気づくまい、という位置に
高々と、そして控えめにかかっている。


文字の意味は、ネットで調べた。
『史上最高の店』、という意味らしい。

発音は、『メジャー マゲゾン ジャメー』というらしい。
これはフランス語に詳しい奴に聞いた。
『なんで、こんな単語の意味を知りたいんだ?』と
言って笑っていた。

『史上最高』という意味を知り、
更にそれが金色の看板に刻まれている事実を重ねて見ると、
逆に俺は、寡黙になった。
『そのうちに教えてやる。』

もっとも、何が『史上最高』なのかわからないが
この店には、密かな誇りがあるようだ。

自身で名乗っているだけなのか?
ミシュランのようにどこかのお墨付きがあるのか?
それすらわからない。





現に、俺も3年この通りを通っていたが
まったく気がつかなかった。

そして、それが、ひょっとして以前のオーナーが掲げたもので
いまはマスターさえ忘れている、というのなら
それは、やっぱり気にならない。

しかし、真鍮板を陰刻したその銘板は
見る限りいつも埃が払われていて、
金メッキの文字面などには
常に鈍い光さえ、たたえられているのであった。

大事にされているらしい。





そうなると俄然気になる。

昼は喫茶店、夜は酒も出すらしいその店は
店構えとしては、あきれるくらい普通だ。

『洋風』としか言いようのない、様式不明な扉。
張り出しのあるドーマー窓。

外壁は漆喰風の塗り壁だが漆喰ではあるまい。
店構えとしては標準以下に貧しい、といっていい。

しかし、あの看板だけが俺の心を捕らえるのだ。 









なにが『史上最高』なんだろう。
コーヒーか?
こうみえて、ジャコウ猫のうんこから採った豆を
ふんだんに使っているとか
そんな高級店なのだろうか。

あるいは焙煎やコーヒーを入れるテクニックが尋常じゃなくて
『水から出すから3時間待ってろ』  といった、
奇跡の技術を見せてくれるんだろうか。

あるいは、酒か?
スコットランドのハイランドの
特別なディステラリーから買い付けてきた
スコッチとかを特別に出してくれるのだろうか。





とにかく入ってみなくてはなるまい。
といって、休日にこのために、ここに出てくるのも面倒だ。

だから、俺は今日、事務所を出る時に
本来必要な時間よりも30分余分に付け足して
ホワイトボードに外出予定を書き、打ち合わせに出た。

まずは昼間に行こう、というわけだ。




30分の余裕を見ていったのだが
気が焦っていたのだろう。
40分以上早く着いた。

店には窓があるから中の様子がわからないことはない。
もっとも、カットガラスばかりなのでよく見えない。

商店街の中なので、あまりうろうろしていても
怪しいだけだ。
だから、入った。





昭和の匂いがする。

床は深紅とも茶色とも言いかねるカーペットで、
低い天井には派手なペンダントライトが下がっていて
この時間には、当然点いていない。

店内は10席ほどのカウンターと
5卓ほどのテーブルがあり、それぞれは木製だと思うのだが
天板はガラスで、そこにカットガラスの大きな灰皿が乗っている。

俺が行った午後3時には、カウンターには客はおらず、
4つのテーブルに、それぞれご老人が
眠るがごとく、新聞を眺めていた。

俺も、当然のように残ったテーブル席に座る。
そうすると、カウンターの中にいたマスターがやってきて
メニューを出す。





俺は当然、『史上最高のメニューを』と言いたいわけだが
そんなこと言えるはずもない。

しかも、このマスターが、やたらに、『いい』のだ。

糊の利いたワイシャツに黒のボウタイ。
そして、これも真っ黒なボトムスにサスペンダー。

なんか、『最高のコーヒー』が期待できるではないか。





俺は、ろくにメニューも見ずに『コーヒー、ホットで』と言った。
そうするとマスターは微笑みながら
『メニューをご覧になって、選んでくださいね。』という。

確かにメニューを見ると、ブレンドからはじまって
十種類のコーヒーが並んでいた。
照れ隠しに『ブレンドを…』というと、
マスターは、再び少し微笑んで
メニューを持ってカウンターの奥に消えた。





しまった。メニューは置いておいて貰うべきだった。
ひょっとしたら『最高のコーヒー』のヒントがあったかも知れないではないか。

と思いつつ、顔を見上げると
そこは平日の午後3時で、こんどは内側から眺める窓の外には
買い物籠を提げたおばさんが歩いて行く。

褪色した光のなから眺めると
彼女たちの動きが、うんとゆっくりみえる。

もちろん店内には、相変わらず爺さん達が埋もれるがごとく
新聞に顔を沈めていて、彼らは、あのメニューの中に
『最高のコーヒー』を見つけ出しているのだろうか?













出てきたコーヒーは、至極『普通』であった。
値段を裏切らない、という意味ではまっとうだが
あの『史上最高』の看板との折り合いは
どうつけてくれるのか?

結局、1時間ほどその店にいたが
爺さん達は、それぞれの『最高のコーヒー』をすすりつつ、
微動だにしなかった。

事務所に戻った俺は、遅刻を咎められた。
事務の村崎さんが、うつむいて笑っていた。







その日の夜に、改めて行くことにした。


『本領をあらわすのは、夜かも知れない』とは、
俺も昼間に思ったのだ。

最後に会計をする時に、
さりげなくカウンターのマッチなど貰いつつ


『へえ、マッチとはめずらしいですね。』

『いや、もう在庫だけで。』

『へえ、夜もやってるんですか。』


と、わざとらしく聞いておいたのだ。
だから夜に来た。

ひとりで来るのは昼よりも躊躇するところがあったが
やはり、ひとりで『史上最高』の秘密の深奥に触れてみたい
という密かな憧れがあった。






夜10時の商店街はすっかり明かりが落ちて
いまの時間だけ見たらシャッター商店街のようだ。

屋根があり、照明があるから
危険な感じは何一つないが、逆にいえば、うらさみしい。

地下鉄のある通り、といっても
この時間だとただ、タクシーがまばらに並んでいるだけだが
そこを南に折れると、その店のある商店街に行ける。






だから、さっき言った通り、
ほとんど人通りがなくて閑散としているのだが
その店だけは、明るかった。

昼間みた、流行遅れの窓も、扉も、漆喰風の壁も
そして、なにより、誇らしげな
『Meilleur magasin jamais』の看板が、
疲れ果てたドラクエの勇者を
優しく迎え入れてくれるかのようではないか。








俺は、半ば期待を込めて扉を開いた。


そこには、昼間、眠るがごとくコーヒーをすすっていた爺さん達が
カラオケを歌っていた。












俺は、未だに『史上最高の店』の意味がわからない。










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natsu_0117 at 22:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2013年10月06日

紫煙の向こう側

ええ、山岡はタバコにはこだわりがあったようです。
国産は好きではなくて、カリブ海の、なんとかいう銘柄を
いつも吸っていました。

いえ、紙巻きタバコです。
彼にいわせると、パイプなんか使う奴は、半可通だと。
一度吸わせて貰ったことがあるんですけど
とてもきつくって、吸えませんでした。

日本だと、自販機はもちろんコンビニにも売っていなくて
元町のタバコ専門店まで買いに行っていました。




タバコそのものはそれほど高いものではなくて、
いや、国産のタバコよりずっと高いらしいんですが
それよりも、『専門店は保管が違う。』とかいって
1カートンしか買ってこないんです。

それを2週間くらいで吸って、また元町まで行くんです。
でも、まあ2週間に一度くらいだったらいいかな、と。

それ以外には飲みに行ったりしない人でしたから。
それはいいんです。
でも、そうすると外泊になるんです。

それは、うちは田舎です。
でも、元町まで日帰りできない距離じゃないです。
たかがタバコを買うだけなのに、
なんでそんなに時間がかかるんでしょう。 




ええ、同じ店に来島さんが来ていました。
夫と同じ銘柄を買っていたようです。
申し合わせていたのかどうかは知りませんが
そんなこともあって、なんとなく落ち合わせていたようです。

どんなことをしていたのかは知りませんが、
飲みに行っていたのは確かなようです。

ときどき泊まっていた相手があの人だと思うと
なんだか釈然としません。


















そうです、来島さんとはあの店で知り合いました。
マスターが、『あんたと同じタバコを買ってく人がいるよ。』
と言ってたんで気になっていたんです。

向こうもそうだったんでしょうね。
飲みに行くだけですよ。
神戸の酒場というのは、震災以降、元町から東側は
すっかり落ちぶれてしまって、
花隈とか山手とか、海岸通りとか
少し歩いたところに、いい店があるんです。

で、彼はそういうところをよく知ってるんですね。
そんなに高くはないです。
共通の話、といってもタバコの話くらいですが、
これが尽きないんですねえ。

どこで吸ったタバコはこんなだった、なんて
彼は、外国のことにも詳しいんです。 
僕も10ヶ国以上には行きましたから
話をするんですけど、なんだか見透かされているような
気になるんですなあ。 

結局は、いま吸ってるタバコが一番いいよね、という
話で終わるんですが、
そんな話だけで終電を回ってしまうんですなあ。




















ええ、山岡君とは元町の、
あの店のマスターから話を聞きました。
僕がいつも土曜日の午後に買いに行くので、
それに合わせたようですよ。

最初見た時は僕よりも少し年下かな、くらいに思ったんですが
話を聞くと10も下なんで驚きました。

話はね、もうタバコの話ばかりです。
僕は大学で言語学を教えているんですが
彼は事務職なんで、…うん、
共通の話題というとそれしかありませんでね。

海岸通りのバーとかに連れて行くと感心してくれましてね。
しかし彼は10時くらいに元町を出ないと帰れない筈なんですよ。
大丈夫かい?って聞いたら、
大丈夫です。サウナに泊まりますから。っていいましてね。

まあ、お互い大人ですからそれ以上はいいませんでしたが。


















ええ、うちは店と家が別にありますんでね。
店は夜の8時までです。
それから在庫を調べたり発注書を書いたり、
それにうちの商品は大抵が輸入品ですから
インボイスをかいたり、
注文書なんかもいまは英語でも通じますけど
親父から引き継いだ時には、スペイン語だとかね。

もうわかりゃしないんですよ。
うちのやつは手伝いませんしね。
それから帳簿付けたり。

それでまあ、とっておきのタバコをね、
一服だけ吸うんです。
ええ、刻みタバコです。
これをいまは手に入らない象牙のパイプで吸うんです。
店には出しません。
愉しみがなくなっちまいますし、
なにしろ値段がつけられませんからね。

それと、バーボン。
タバコ吸う時にヰスキー飲む人がいますけどね。
しかも水割りとかハイボールとかで、わざと薄めて。
うえっと来ますね。気持ち悪い。
でも、これは『至福の一時』といいますか…
ふふふ…

しかし、こんなことやってると、もう12時すぎちまうんですなあ。
あ、いけねえってことで店を出るんですが、
その日はねえ、うちの店のお客さんの
来島さんと山岡さんが店の外で倒れてたんですよ。

シャッターにね、もたれかかって。
うちで買ってくれたタバコの包みをもってね。

ふふふ…
   









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