2008年06月10日

『乾いた花』5

今日の我的アジアニュースは伊藤淳史が主演する映画「フィッシュストーリー」の
撮影の様子をテレビで見ました。その時はへぇ〜、伊藤くんベース弾けるんだ〜ぐら
いの軽い気持ちで見てましたが…なんと!原作は伊坂幸太郎さん!監督は「アヒルと
鴨のコインロッカー」の中村義洋監督!というだけでも見たい!となりますが「アヒ
ル〜」でも好演していた濱田岳くんや…大森さんも出演します!!キャ〜大森さんと
濱田くんが同じ画面に?楽しすぎます。他にも森山未来くんや多部ちゃんが出演。
そうそう、伊藤くんのバンドのボーカルがえらい男前だねぇなんて思ってたらそれは
高良健吾くんでした。いろんな繋がりがありますねぇ。来年の公開が待てません!


乾いた花






「乾いた花」をみた。
「池部良特集」が決定したので、この映画をどうしても見なきゃ!となりブログ仲間
の方からDVDをお借りしてやっと見る事ができました。ありがとうございます!
映画を楽しみたい!と思ってどんな内容なのかはほとんど情報を得ず、とりあえず
池部さんが主演♪っというだけでワクワクしていました。

人を殺し3年ぶりに刑務所から戻ってきた村木は、ある賭場で無謀な賭け方をする
冴子と出会います。彼女に惹かれた村木は彼女のためにもっと大きな勝負の出来る
賭場へ案内する事になり…っという話でめちゃくちゃ面白かったです。最初から最後
までずっと痺れっぱなし。ほんと格好良かった!!
村木という男は自分の事をクズだと思っていて、特に希望もないし、やりたい事も
ない…ただ生きている。そんな感じがしました。人を殺した時も別に義理でもなく
ただ順番が回ってきてやる人がいなかったから殺しただけと思ってる。
よく考えるとちょっと捻くれちゃってるんじゃない?って思ってしまうけど、きっと
ヤクザの世界に入っていろんな汚いものを見て、やって、生きていくのが面倒臭く
なったように見えました。付き合っていた新子のもとへ行っても、新子とどうにか
なるっていうわけでもなく、他の男と結婚したほうがいいと言うし。まぁ、その方が
幸せになれるって見てる自分もわかるんですが、新子が村木に心底惚れるのも凄く
わかるんですよねぇ。なんだろう…なげやり人生だし、それをわかってても何もしな
いし(何かしても無駄って思ってそう)酷いこと言うし。でもなぜかめっちゃ惹かれ
てしまうんですよ。立ってるだけで寂しさとか人生の空しさが漂うんです。それで
思わず追いかけてかけてしまうんです。きっとこの人に惚れたら自分はダメになる
ってわかってても、明るい未来は見えないって知っても惚れられずにはいられない。
村木はそんな魅力のある男でした。

そんな村木が出会った女、冴子。彼女は一体どういう人物なのか、なぜいつも大金を
用意できるのかわかりません。ただ2人は決まった時間に決まった場所で待ち合わせ
をして賭場へ向かう。それだけの関係でした。だけどお互いに何も語らなくても通じ
合うものがあるのが最初に賭場へ行った時でわかります。さりげなく冴子をフォロー
する村木。そのフォローと存在感だけでなぜか凄く安心できたから初めての賭場でも
冴子はやってみよう!と思えたんじゃないでしょうか?そしてお互いに言葉には
しないけれど(会話出来ない雰囲気だもんね)目で会話をする。そして大金を手にいれ
冴子は大喜びして2人で帰りの車の中大笑いするけれど、なぜか切ないんですよね。
空しさも感じるというか。。。世の中こんなもんなのかい!って思っちゃいます。
村木は冴子をどう思っていたんでしょう?冴子に出会ってから新子の所にも行かな
くなりましたし。最初は惹かれてるのかな?って思ってたんです。賭場でガサ入れが
あったに良い雰囲気になったのでね。このシーンはドキドキですよ。カモフラージュ
するために服を脱いで布団に入るんですもん。キャ〜!ってなりましたけど特に何も
せず。冴子を庇う二の腕がセクシーなのにちょっと残念…じゃなくて、村木は冴子に
自分自身を見たんじゃないのか?って思いました。彼女も世の中に希望を持ってな
くてただ何となく生きている。賭場だってスリルを求めるためにやってるだけで儲け
なんて気にしない。勝ったら嬉しい、負ければ悔しい。そう思うのは一瞬だけで後は
また現実に引き戻される。そんな人生をつまらなく思っていそうでした。そんな彼女
は今は村木がいるからいいけれど、放っておけば何をするかわからない危なさを感じ
る。だから守ってあげたくなったのかもしれません。道をはずさないようにね。

村木はある日夢を見ます。それは冴子が賭場で出会った麻薬中毒の危険な男、葉とい
う男に薬を撃たれる夢。必死に止めようとしても声は届かず、ただもがいて何もでき
ずに見ているだけ…冴子は葉という男、薬にも興味を持っていたので嫌な予感がする
と思いましたが、村木のほうにも用ができる。兄貴を殺した組の組長をやることになっ
てしまうのでした。
村木が人生をこんなもんかと思っている理由の1つに組の方針があると思います。
自分が命をかけて殺した相手の組と刑務所に入っている間に手を組んでいた。それは
組織を守るため、時代が変わるからしかたないってわかっていますけど、やりきれま
せんよね。組長も村木のことをちゃんと考えてないというか。ほんとは村木にやらせ
たいと思ってても最初から口にするわけじゃなくて遠まわしに、村木から自分でやる!
というふうに仕向ける。簡単に言えば卑怯ですよ(笑)でも世の中の組長っていうのは
そんなもんだぜって村木の声が聞こえてきそうです。とにかく相手の組の組長をやる
事になった村木。その前に…気になる冴子に会いたいと思う。だけど連絡先も知ら
ない、賭場にも現れない、しかも葉と会っていたという証言まで。でもどうする事も
出来ずに実行の日がやってきて…突然冴子が現れます。そして村木は自分が今から
人を殺す所を冴子に見せる。。。
村木は冴子に何が言いたかったのかわからないけど、お前はこんなふうにはなるな
よって言いたかったんだと思いました。会わないうちに薬に手をだしてしまった冴子。
もうやらない!と言うけれど村木は見張ることも出来ないし、彼女が約束を守る保障
もない。だから村木の、人間のダメな部分を見せてこうなったらおしまいなんだよ!っ
て教えたかったんだと思います。それが村木の冴子に対する愛…なのかなぁ。。。
だけど冴子は…結局そんなものなのかという事になってしまいますが、村木はそう
なるとわかっていて静かに現実を受け入れたように見えました。

主演の池部良さんは正直自分の中での格好良いマックス!は「雪国」だと思っている
ので、どうかなぁ〜なんて失礼な事を思っていたんですけど、何これ!めちゃくちゃ
格好良いじゃないですか!とビックリしました。そりゃ歳をとりましたし、それなり
に老けてますけど、若い時には出てなかった哀愁とか、男の色気とか…何よりも存在
感が半端ないです!いるだけで目が追ってしまうんですよ。何か出てるんじゃ?って
言いたくなるぐらいです。昔は髪の毛でも語ってるね♪なんて楽しんでましたけど、
もう存在だけで語るぐらいの俳優さんになっています。もともと立っているだけで
目をひきますし、歳をとってもスタイルの良さは変わらず綺麗な体のラインをして
るなぁってウットリしますけど(特に夢のシーンの軽やかさは素晴らしい)それだけ
じゃないです。村木の思いっていうのが身体、仕草から滲み出てるのかなぁ。池部さん
ってこんな演技の出来る人だったのね!って思いました。あと、表情もよくってね。
相変わらずたくさん笑ったりはしないです。でもこの映画では目がで言いたい事が
わかりますよ。気にしないようにしてても心配しているのがわかる、酷いことを言っ
てもそれが本心じゃない事がわかる、どうしようもないって思っていても、ほんとは
このままじゃいたくなっていうのもわかる。言葉にしなくても全部伝わってきて悲し
くなったり切なくなったりするんですよね。凄いなぁ。それに帰ってきてから新子に
会いに行くシーンなんてこんな荒っぽい池部さんなんて見たことなかったので、ギャ!
エロ格好良い!ってテンション上がっちゃいました。なのに暗すぎてよく見えないの
がもったいない。何してるのか気になっちゃいますよ(笑)まぁ〜いつのまにこんな
女性を惹きつける大人になって…ってなんだか母親?気分です。ほんと良い男でし
たよ。う〜ん、あまりに素敵だったのでこの映画を「昭和残侠伝」シリーズを見る前に
見たかったなぁって思っちゃいました。シリーズ中も池部さんは格好良かったですし、
存在感もありましたけど、この映画を見てたらもっとその上手さやありがたさが
わかった気がするんですよね。ちょっともったいない事しちゃったかなぁ。好きな
俳優さんの映画を見る。出演しているのならどんな映画だって、いつの時代だって
かまわない!って思うんですけど、やっぱり順番に見ていくって大事なのかもしれま
せんね。若い時とは違い、年齢を重ねて演技が変わり他の魅力が出てくる。その変化を
見ていくって素敵ですし、なんだか一緒に歳を重ねてるようで嬉しいかも。まぁ、そん
な事いっても見れる映画の数も少ないから無理がありますし。見れるだけでありがた
いって思わなくちゃダメよね。
加賀まりこさんは可愛かったですね♪その可愛さで周りをパッっと明るくさせてい
ます。確かにあんな男ばっかりのむさ苦しいギラギラした場所に可愛らしい少女と
いう言葉が似合いそうな女性が来たら誰だってウキウキしちゃいますよ。そんな
彼女が村木を惑わす。最初はちょっとした興味からだったかもしれませんが無邪気
で小悪魔のような笑顔、どこか危険を感じる雰囲気、どうにでもなれ!という考え方。
そこにいつのまにか惹かれてしまって自分の中の大事な花となり守りたくなった…
ほんと花って感じでしたね。綺麗で、棘や毒がありそうで美しい時間は短く儚くてさ。
個人的に良いなぁと思ったのは若くて池部さんより背が高い?ちょいと軽めな杉浦
直樹さん、刺そうとしたけど失敗して結局弟分のようになる中原功二さん(池部さん
とのシーンはほのぼのしますね)、危険な香りのする藤木孝さん(もしかして台詞な
かった?)、そして村木の組長の宮口精二さんとほぼ一緒にいる仲のよさげな東野
英治郎さんです。あれ?敵対していた組ですよね?って聞きたくなるぐらい楽しそう
なんですけど(笑)この2人の組長を見てたら、そりゃ組も危なくなりますよ!って
言いたくなるぐらいノンビリしてるので笑っちゃいました。特に宮口さんは子供生ま
れそうなのに女遊びが激しい。組の者がやられたっていってみんな集まってるのに
緊張感なしで愛人に今日どうしようか?なんて連絡してます。もちろん組の者は呆れ
てる。自分の大好きな久蔵(七人の侍)がこんなキャラかい!って思いましたけど、
似合っていたので許しちゃいます♪
はぁ〜この映画が映画館で見れるんですか。。。素敵すぎじゃない?企画した自分が
1番楽しみです。


そういえば映画にはまったく関係ありませんが、昨日ラジオで沖縄だけがフォーク
ダンスで「青い山脈」を踊るという話題で盛り上がっていました。出回ってないそう
ですがフォークダンス用の音楽もあるらしいです。フォークダンスは運動会などで
やりましたが…そんな覚えはないんですけどね(笑)だけど、何だか池部さんって
凄いなぁと思ってしまいました。

natsu_2046 at 12:31│Comments(4)TrackBack(0) 昭和の日本映画 

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この記事へのコメント

1. Posted by weiyang   2008年08月10日 23:00
natsuさん、こんばんは!と〜ってもお忙しそうですが、夏バテには気を付けて、今の環境をいっぱい楽しんでくださいね。ブログは毎日チェックしていますので、更新があってもなくても楽しみにしてます^^
2. Posted by weiyang   2008年08月10日 23:02
『乾いた花』。中年男の倦怠感や空しさを、こんなに格好良く魅せられるなんて!痺れますよねぇ、ホント。
池部さんの演技力、存在感の成長振りには、おっしゃる通り母親の気持ちになっちゃいます。池部さん、陰でいっぱい努力したんだろうなぁ。頑張ったね、えらいねって(笑)。えらくもなく下っ端でもない、中堅やくざならではの仕草や雰囲気も見事でしたよね。
そうそう!周りの若い俳優さんも良いですよね。市川コン監督の初のTVドラマは『恋人』のリメイクだそうですが、杉浦直樹さんが誠ちゃんの役をされたそうですよ。うふふ♪やっぱり甘い男前じゃないと、あの役は駄目なんですよね^^
池部さんと杉浦さん(かな?)がりんごをかじりながら歩くシーンが好きでした。荒い画像が凄く格好良かった!!
やくざの親分が宮口精二さんと東野英治郎さんで、最後に殺されちゃうのが山茶花究さんで。隅々までホント豪華な映画ですよね。スクリーンで見られたnatsuさんが本当に羨ましいです!!
3. Posted by natsu   2008年08月11日 19:38
weiyangさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
仕事のほうは落ち着きましたが、ワークショップの方がバタバタしています。もっと冷静に考えたらいいと思うんですけど、あれも!これも!となると、気持ちだけがせかせかして上手くいきません。。。だけど!楽しいからやる!という気持ちで頑張りたいと思います。ブログも自分にとっては大切な場所なので無理せず更新しますのでおつき合い下さいね♪
4. Posted by natsu   2008年08月11日 19:41
今、自分が書いた感想を改めて読んでみたんですが…恥ずかしいですね〜何熱く語ってるのこの人は!という感じで(笑)でも!それぐらいこの映画の池部さんは格好良かったですよね。
まぁ!weiyangさんも母親気分になりましたか!池部さんの本を読んでからはますます池部さんはめっちゃ努力したんだねぇと思いましたし、「青い山脈」の爽やか青年が十数年たつとこんなふうになるとは思いもしませんでした。若い時も綺麗で大好き♪なんですけど歳をとっても輝き続けるって素晴らしいですよね。
『恋人』のリメイクの誠ちゃんは杉浦直樹さんだったんですか!すご〜い!見てみたいです。杉浦さんの誠ちゃん…これまた背が高くて格好良いでしょうね。
やくざの親分の宮口精二さんと東野英治郎さんもいい味だしてますよね。ピリッと緊張感がある中での2人のノンビリした会話には思わず笑いそうになりました。

スクリーンで見れて本当に良かった!と終わった後もクラクラしてましたが、お年寄りには難しい映画かなぁと思いました。今度はもっとわかりやすく池部さんの魅力がわかる…「雪国」あたりを是非!と思ってます(笑)

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