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金田一耕助ファイル2本陣殺人事件 横溝正史
 江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた……。アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場作品となる表題作ほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二編を収録。


【今日の晩ごはん】

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トンカツ弁当・野菜サラダ・味噌汁

☆夕食が弁当なのは久しぶり。ふとヨメが食べてるのを見ると煮染めの総菜だけだったので「ごはんはないの?」と聞くと、「え? もう2か月くらい私ごはんは食べてなかよ」と衝撃的な告白をされた。毎日一緒に食事してて気付かない方が悪い気もするが。



【今週の一曲】

【中森明菜】スローモーション



【今週の詰将棋】

新規棋譜0手
雑兵の夢(9手詰)


 こんにちは、WEB官能小説界のアウトロー及び平成の読書王、前科4犯の二次元世界の調教師です。

 「金田一耕助ファイル2本陣殺人事件 横溝正史」に収録されていた本陣殺人事件以外の2作について感想文。「車井戸はなぜ軋る」では金田一耕助が出てくるのは名前だけで、ほぼ何も活躍していない。外見がソックリの異母兄弟、違うのは目だけ。が、一人は資産家の御曹司であるのに対して、もう一人は没落した家で貧窮している。二人は同じ戦地に赴き、一人は戦死するがもう一人の資産家の御曹司は両目を失う大怪我を負いながら復員して戻って来る。だが戻って来た彼はまるで別人のように妻さえ遠ざけてふさぎ込んでおり、病弱な妹は二人が入れ替わっているのではないかと疑うのだが・・・と言うストーリーで、妻を初め次々に家族が死んで行き、やはりこの男が入れ替わって復讐しているのかとミスリードされる。果たして真相は? と言うストーリーも面白いが、「本陣殺人事件」と同様に妻の貞操を疑っての殺人と言うのが時代を感じさせるところだ。
 「黒猫亭事件」は密室殺人などトリッキーな犯罪を知りたがっている探偵小説家(横溝正史?)に、「顔のない殺人」だとして金田一耕助がよこした手紙を小説として構成したと言う趣向。徴兵された金田一が戦地で麻薬をやっていたなどと言うエピソードも出て来て、とても興味深い。で、復員した金田一が「獄門島」(次に読む予定)の事件を解決して一躍有名となり警察も一目置く存在となっている設定。考えてみれば当たり前だが名探偵のシリーズものはそれぞれの事件がつながっているのを再認識。それと金田一の捜査法や存在感は誰かに似てるなと思ったら、この間読んだエルキュール・ポアロだった。これは当然横溝正史の方が西欧ミステリーの影響を受けているわけだが。さて作中に「顔のない殺人」について言及されており、ほとんどが被害者と容疑者が逆になるトリックで、それが途中でバレたら探偵小説としてはまずいのだとか。そんな余計な情報まで与えられて展開する「顔のない殺人」劇、作者の思うツボとは思っても疑心暗鬼になってしまい、意外な真相まで一気に読ませてくれた。
 2作とも名作とされている金田一耕助初登場の「本陣殺人事件」に劣らないレベルの作品だった。現代の目からは考えられない犯行動機だったりするが、それをも含めて横溝正史の味である。そしてコナン君を生み出した金田一耕助は実に魅力的で、やはり今でも日本が誇るナンバーワンの名探偵だな。