昭和33･34年生まれの誇れる同級生①玉置浩二 : てれびとえいがのはなし

ちょっと前になるけど、テレビで久しぶりに玉置浩二の歌を聴いた。

1人のミュージシャンにスポットをあてて、その人となりや音楽活動を、じっくりと追うドキュメント番組「みゅーじん・音遊人」（テレビ東京）という番組の、9月9日放送の第47回が、玉置浩二だった。

めったにこのようなドキュメント取材を受けない玉置浩二が今回は、けっこう密着されていた。

シャイでとっつきにくく、特にマスコミ関係者には愛想がいいとは言えない玉置浩二が、次第に取材チームに心を開き、本音や素顔を少しずつだが、見せていくのがわかっていいドキュメントだった。

玉置浩二は、1981年に「安全地帯」のボーカルとして上京、井上陽水のバックバンドなどを経て、1982年にメジャーデビュー。
そして、1983年発売の「ワインレッドの心」が大ヒット。続いて「恋の予感」「悲しみにさよなら」などのヒットを連発。ヒットチャートの常連となった。その後、安全地帯を解散してソロで活動、俳優としても高い評価を得る。

作曲家としての才能に加え、艶のある声と圧倒的な歌唱力を持ったボーカリストとしても、天才だと思うけど、俳優としても、ボクが言うのもなんだが、相当いい線をいっていると思う。

この番組で、玉置浩二は「ワインレッドの心」を録音スタジオで歌った。
CDで聴く「ワインレッドの心」とは違い、玉置浩二の歴史や生き方がにじみ出ていて、いいものを聴かせてもらったという感じだった。

この「ワインレッドの心」が発売された1983年（昭和58年）、ボクは25歳だった。

ボクはそのころ、新卒で入社した会社を早々と辞め、知り合いの紹介で、深夜スナックの店長をやっていた。店長と言っても、従業員は3人、カウンターといくつかのボックス席だけの小さなスナックだった。

夜の7時ごろ開店して、朝の5時ぐらいまで営業していたので、クラブのホステスがアフターにお客さんを連れてきたり、ホステスが仕事帰りにカラオケを歌いにくるような店だった。

店では、いつも有線で邦楽のヒット曲を流しており、そのころはちょうど、「ワインレッドの心」が発売されたばかりで、まだブレイクする前だったが、急にリクエストが増え、1日に何度も何度も耳にするようになった。

初めて聴いたときから、玉置浩二の声と歌唱力には驚き、誰が歌っている曲かを調べた覚えがある。井上陽水にちょっと似てるけど違うし、誰だこれはという感じだった。あとで陽水のバックバンドをしていたと聞いて、なるほどと思った記憶がある。

ボクにとっては始めての水商売だったので、けっこう苦労することも多く、いい思い出ばかりではないが、このときの経験は、とても勉強になり、その後の一つの財産になった。

だから、この曲を聴くと、そのころのことが少し思いだされ、ちょっと微妙な、なつかしい気持ちになる。

そのときに、カウンターの中で、カラオケをよく歌ったので、その後もカラオケでよく歌った。
ボクにとって、もしかすると一番、思い入れのある曲かもしれない。

明日10月7日放送の「「みゅーじん・音遊人」は南こうせつなので、絶対に見逃せない。