2005年11月08日

第7章 ゆきえの存在

 

屋久島生活も半月ほど過ぎた頃、

源三を手伝うある女性のことが気になっていた。

源三は50代だが、どう見てもその女性は一回り以上年下の

30代前半に見えた。

 

質素な和服が似合い、

わた雪のようにやわらかく、ふくよかな体つきで、

名前をゆきえと言った。

 

ゆきえは、岩手の生まれで、

厳しい冬を大家族のもとで暮らしてきたらしい。

味噌に漬け込んだにしんや具だくさんの鍋料理を得意としていた。

 

リョウタの話によると、

5年前にここへやってきて、住み着いたと言う。

影で源三を支える内縁の妻といったところだそうだ。

 

5年前まで、源三は失った息子のことでひどく荒れていた。

それが、ゆきえがやってきてから、すごく落ち着いたそうだ。

東北の女性のせいかわからないが、

とても繊細で気のつく女性であり、

ここぞというときは、大胆に源三を後ろ盾する強い女性だった。

 

首すじがとても美しい。

髪をきれいにたばねているため、うなじの線がくっきりと見える。

 

僕は、彼女にいままで胸につかえていた疑問を投げかけた。

 

 



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1. クリスマスに向けて☆ミ  [ クリスマスに向けて☆ミ ]   2005年11月08日 07:14
来月はクリスマスって・・・気が早い??

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