殺陣

これは競技じゃなく演技なんです



殺陣の講師が言っていた


人を斬って気分すっきりってわけじゃないんだ


でも3回の講習をやってきてようやくペアで演技とやらをすることになった

斬るほうと斬られるほう


どちらもお互いの動きを察知して斬り斬られる

それはとても難しい

一歩間違えると、いくら練習用の木刀とはいえ怪我をする


意外や意外

斬るほうも斬られるほうもどちらも気分がいい

演技だというところがまたいいのだろうか


心のリハビリにピンポイントで効きそうな気がしてきた

ようやく元の自分に戻ってきた感じがしてきた

だけどリセットボタンを押すのが怖い


押すということは新しい世界にまた飛び込むということ


またやり直すってことは

「また失敗するってこと」という考えに行きついてしまう


そうじゃないんだって言い聞かせてみても

失敗が怖い・・・


失敗を恐れるなとか

失敗は成功のもととか

ダメでもともととか

今まではそうやって生きて来たけど


石橋を叩いて渡るとか

転ばぬ先の杖とか

先の先まで考えたってどうしようもないんだけどね


これからどうやって生きていこう

毎日毎日忙しくて仕方ない時なんてそんなこと考えなかった

大事なものを守ることは優先順位としても

どうやって生きていこう何をして生きていこう


自由なのか

不自由なのか


思考は自由だ

行動は不自由だ


そうかな


養う
食べていく
貯える

基本以外に自分は何を求めてるんだろう


30後半になるとそんなこと考えるんだろうか


何かやってみたい

でも何かって何さ


夢ばかりみている年じゃないし立場じゃない


そう言われたら人生終わってる


そんな気もする


でも何かって何さ


殻に閉じこもり恐怖で動けなかった自分からの脱却

徐々にできてきたけど

次にやってきたのは中々たどり着けない探し物だったみたい


殺陣はよかった

相手との関わりを持てるから

避けて来たことと向き合えるから


そして鏡に写った自分の姿を直視できるから

鏡に写った自分はまっすぐだったから


リセットボタンを押すのはもう少し先でも

何かを探してみようか・・・