「喜楽クイズ(第10回)」の「漢字問題」を更新しました。



[問題]


Ⅰ 漢字問題

    次の二つの文章を読み合わせて、「 」に共通に入る漢字を答えてください。


問1


● 「伊豆の踊子(第10回)」

   夜半を過ぎてから私は木賃宿を出た。娘たちが送って出た。踊子が下駄を直してくれた。踊子は門口から首を出して、明るい空を眺めた。
   「ああ、お月さま。――明日は下田、嬉しいな。赤ん坊の四十九日をして、おっかさんに櫛を買って貰って、それからいろんなことがありますのよ。活動へ連れて行ってくださいましね」
   下田の港は、伊豆相模の温泉場などを流して歩く旅芸人が、旅の空での故郷として懐かしがるような空気の漂った町なのである。
       *   *   *   *
   芸人たちはそれぞれに天城を超えた時と同じ荷物を持った。おふくろの腕の輪に子犬が前足を載せて旅馴れた顔をしていた。湯が野を出はずれると、また山にはいった。海の上の朝日が山の腹を温めていた。私たちは朝日の方を眺めた。河津川の行く手に河津の浜が明るく開けていた。
   「あれが大島なんですね」
   「あんなに大きく見えるんですもの、いらっしゃいましね」と踊子が言った。
   秋空が晴れすぎたためか、日に近い海は春のように霞んでいた。ここから下田まで五里歩くのだった。しばらくの間海が見え隠れしていた。千代子はのんびりと歌を歌い出した。

   途中で少し険しいが、二十町ばかり近い山越えの間道を行くか、楽な本「 」「 」を行くかと言われた時に、私はもちろん近路を選んだ。     川端康成(注1)


●  「 」「 」や はてなく見えて 秋の風         村上鬼城(注2)


問2

 

● 不幸にして生涯を共にするに足らぬ妻であると知った時とるべき途は二つのみだ。一つは共に破滅するのだ。もう一つは断然「 」「 」するのだ。いずれとも決心したら決して迷ってはならぬ。批難はすべて自ら負うのだ。     森 鷗外(注1)


● 「 」「 」ということは、男にとっては妻を失い、家庭を失うことであるけれども、それだけのことだ。それが女にとっては、人生を失うことなのだ。そこから新しく生きる道を探さなくてはならない。人生がそこで断絶するのだ。
   「 」「 」には愛情がない。妻を殺して自殺する男には、愛情がある。「 」「 」されるくらいなら、殺される方が女にはうれしいかも知れない。     石川達三(注2)


問3


● オ母様サヨナラ!
  逢わずに、まっすぐに戦線へ消えます。
  あちらには冴えた零下45度の陽が待ってるでしょう。(中略)

  お母様。サヨナラ。
  北陸の初冬は「 」の多い季節です。
  時雨が、さっと去り、
  ぱっと「 」が出たら、手をかざして眺めて下さい。
  その「 」を渡り
  豆粒の私は帰ってくるでしょう。     山本和夫(注1)


● 人生楽ありゃ苦もあるさ
  涙のあとには「 」も出る
  歩いてゆくんだしっかりと
  自分の道をふみしめて

  人生勇気が必要だ
  くじけりゃ誰かが先に行く
  あとからきたのに追い越され
  泣くのがいやならさあ歩け     山上路夫(注2)

   

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[答]


Ⅰ 漢字問題の答


問1 街道
  注1:  大正・昭和の小説家。横光利一らと新感覚の雑誌「文芸時代」を創刊。「伊豆の踊 

     子」で注目された。昭和43年ノーベル文学賞受賞。その4年後に自殺した。
  注2: 明治から昭和の俳人。「鬼城句集」に収載


問2  離婚
  注1: 明治・大正の小説家・軍医。長男に言った言葉。鷗外自身も最初の妻を九ヵ月で離

      縁している。故事ことわざ研究会編「人物一日一言事典」より
  注2: 昭和の小説家。「蒼氓」で第1回芥川賞を受賞。「充たされた生活」より


問3  虹
    注1: 昭和・平成(8年没)の詩人・童話作家。「遺書」(抄)。高田敏子著「詩の世界」より
   注2:  昭和・平成の作詞家。水戸黄門の主題歌「あゝ人生に涙あり」(抄)