事件は解決して、一同は坂東へ戻ってきます。
最後の最後で、別部屋に飛ばされたしほりは、特ダネを撮り損ねたと残念がりますが、それは日頃からの心がけのせいだと、光剣と叶慈は茶々を入れます。
しほりは全くひるまずに、今回の立役者に非道い言いようだと抗議します。
久遠を連れてきたのは誰だ?と。
すかさず、咲姫がそこに、「まさか、真沙美ちゃんまで一緒に行ってるとは思わなかったわ。しかも、久遠を預かることになるなんて。辛かったわね、真沙美ちゃん」と、狐憑きになって帰ってきた真沙美をいたわります。
真沙美は、どうしても皆さんの足でまといになりたくなかったと笑顔を見せます。
でも、亮輔はこの事件で、おじいさんとお兄さんをいっぺんになくしてしまったと、声をかけられず沈みます。
そこへ。
「よ〜う、事件は解決したかな?」と明るい声がネット電話を通して響き渡りました。
それは死んだはずの、鬼王@坂東厳斎でした。
驚く一同。それもそのはず、厳斎は、サイパンにいるというのです。
「じいちゃん、生きてるの?」
「なーにを辛気臭い顔しとる。この通り、ピンピンのピンで生きとるわい」
葎の郷で大きな穴に飲み込まれた厳斎は、必死でもがいて出た先がサイパンだったというのです。
「さすが、歌舞伎町の鬼王だね。転んだ先がサイパンとは」
しほりは苦笑いです。
「お、まだおったのか小娘。特ダネは撮れたか?」
「残念ながら。でも、小さい鬼がちゃんと解決したよ。ほら、よかったね!」
「なんじゃ、亮輔、辛気臭い顔しおって。なんだ、泣いとるのか? 子供じゃのう。みやげにな、サイパン○ー買ってってやるからの。わしゃ、もう少しこのリゾートを満喫してから帰るからの」
「クソじじぃー、帰ってくんなー!!!!!」
「バナナボート? 乗る乗るーっ!」
終始、鬼王厳斎はマイペースで、ネット電話は切れるのでした。
そして、清々しい気持ちで、真沙美は学校へ。
仲良し四人組のいるところに、返事を待つ彰司がやってきます。
「榊原……」
「斉藤君、ありがとう。あたし、決心したんだ。あっちの世界で生きていくって。だから、ごめんなさい」
真沙美の固い決心を見た彰司は、笑顔でそれを受け入れます。
「そうか、わかったよ。幸せに、な」
すれ違う亮輔にも、彰司は笑顔です。
そして、真沙美と亮輔は、初々しい逡巡の後で、見つめ合います。
「亮輔くん……」
「ありがとう、榊原。一緒に帰ろう!」
「うん!」
そして物語は続くのでした。
『なぞらえ屋〜開闢九重千曳〜』(完)
春に向けて、新しい展開を見せるなぞらえ屋をこれからもよろしくお願いします!!
最後の最後で、別部屋に飛ばされたしほりは、特ダネを撮り損ねたと残念がりますが、それは日頃からの心がけのせいだと、光剣と叶慈は茶々を入れます。
しほりは全くひるまずに、今回の立役者に非道い言いようだと抗議します。
久遠を連れてきたのは誰だ?と。
すかさず、咲姫がそこに、「まさか、真沙美ちゃんまで一緒に行ってるとは思わなかったわ。しかも、久遠を預かることになるなんて。辛かったわね、真沙美ちゃん」と、狐憑きになって帰ってきた真沙美をいたわります。
真沙美は、どうしても皆さんの足でまといになりたくなかったと笑顔を見せます。
でも、亮輔はこの事件で、おじいさんとお兄さんをいっぺんになくしてしまったと、声をかけられず沈みます。
そこへ。
「よ〜う、事件は解決したかな?」と明るい声がネット電話を通して響き渡りました。
それは死んだはずの、鬼王@坂東厳斎でした。
驚く一同。それもそのはず、厳斎は、サイパンにいるというのです。
「じいちゃん、生きてるの?」
「なーにを辛気臭い顔しとる。この通り、ピンピンのピンで生きとるわい」
葎の郷で大きな穴に飲み込まれた厳斎は、必死でもがいて出た先がサイパンだったというのです。
「さすが、歌舞伎町の鬼王だね。転んだ先がサイパンとは」
しほりは苦笑いです。
「お、まだおったのか小娘。特ダネは撮れたか?」
「残念ながら。でも、小さい鬼がちゃんと解決したよ。ほら、よかったね!」
「なんじゃ、亮輔、辛気臭い顔しおって。なんだ、泣いとるのか? 子供じゃのう。みやげにな、サイパン○ー買ってってやるからの。わしゃ、もう少しこのリゾートを満喫してから帰るからの」
「クソじじぃー、帰ってくんなー!!!!!」
「バナナボート? 乗る乗るーっ!」
終始、鬼王厳斎はマイペースで、ネット電話は切れるのでした。
そして、清々しい気持ちで、真沙美は学校へ。
仲良し四人組のいるところに、返事を待つ彰司がやってきます。
「榊原……」
「斉藤君、ありがとう。あたし、決心したんだ。あっちの世界で生きていくって。だから、ごめんなさい」
真沙美の固い決心を見た彰司は、笑顔でそれを受け入れます。
「そうか、わかったよ。幸せに、な」
すれ違う亮輔にも、彰司は笑顔です。
そして、真沙美と亮輔は、初々しい逡巡の後で、見つめ合います。
「亮輔くん……」
「ありがとう、榊原。一緒に帰ろう!」
「うん!」
そして物語は続くのでした。
『なぞらえ屋〜開闢九重千曳〜』(完)
春に向けて、新しい展開を見せるなぞらえ屋をこれからもよろしくお願いします!!