なぞらえ屋 舞録

制作だより

『なぞらえ屋 〜開闢九重千曳〜』DVD好評発売中!http://www.lamoonbatake.net/shop/bando グッズもあるよ!
予告PV http://youtu.be/tMmDgdy2r3g 舞台ダイジェスト http://www.engeki-d.com/unit_info/etc/pg605.html

舞台写真 PART17

事件は解決して、一同は坂東へ戻ってきます。
nazoraeya_gene001933最後の最後で、別部屋に飛ばされたしほりは、特ダネを撮り損ねたと残念がりますが、それは日頃からの心がけのせいだと、光剣と叶慈は茶々を入れます。nazoraeya_gene000527nazoraeya_gene000529
しほりは全くひるまずに、今回の立役者に非道い言いようだと抗議します。
久遠を連れてきたのは誰だ?と。
すかさず、咲姫がそこに、「まさか、真沙美ちゃんまで一緒に行ってるとは思わなかったわ。しかも、久遠を預かることになるなんて。辛かったわね、真沙美ちゃん」と、狐憑きになって帰ってきた真沙美をいたわります。

真沙美は、どうしても皆さんの足でまといになりたくなかったと笑顔を見せます。
でも、亮輔はこの事件で、おじいさんとお兄さんをいっぺんになくしてしまったと、声をかけられず沈みます。
そこへ。nazoraeya_gene000868nazoraeya_gene000530nazoraeya_gene000871nazoraeya_gene000534
nazoraeya_gene000531nazoraeya_gene001931「よ〜う、事件は解決したかな?」と明るい声がネット電話を通して響き渡りました。
それは死んだはずの、鬼王@坂東厳斎でした。
驚く一同。それもそのはず、厳斎は、サイパンにいるというのです。
「じいちゃん、生きてるの?」
nazoraeya_gene000536「なーにを辛気臭い顔しとる。この通り、ピンピンのピンで生きとるわい」
葎の郷で大きな穴に飲み込まれた厳斎は、必死でもがいて出た先がサイパンだったというのです。
「さすが、歌舞伎町の鬼王だね。転んだ先がサイパンとは」
しほりは苦笑いです。
nazoraeya_gene001945お、まだおったのか小娘。特ダネは撮れたか?」
「残念ながら。でも、小さい鬼がちゃんと解決したよ。ほら、よかったね!」
nazoraeya_gene000873「なんじゃ、亮輔、辛気臭い顔しおって。なんだ、泣いとるのか? 子供じゃのう。みやげにな、サイパン○ー買ってってやるからの。わしゃ、もう少しこのリゾートを満喫してから帰るからの」
「クソじじぃー、帰ってくんなー!!!!!」
「バナナボート? 乗る乗るーっ!」
終始、鬼王厳斎はマイペースで、ネット電話は切れるのでした。

nazoraeya_gene000540nazoraeya_gene001948nazoraeya_gene000874そして、清々しい気持ちで、真沙美は学校へ。
仲良し四人組のいるところに、返事を待つ彰司がやってきます。
nazoraeya_gene001951「榊原……」
「斉藤君、ありがとう。あたし、決心したんだ。あっちの世界で生きていくって。だから、ごめんなさい」
真沙美の固い決心を見た彰司は、笑顔でそれを受け入れます。
「そうか、わかったよ。幸せに、な」
すれ違う亮輔にも、彰司は笑顔です。
nazoraeya_gene000541nazoraeya_gene000875nazoraeya_gene001958nazoraeya_gene001960nazoraeya_gene000544そして、真沙美と亮輔は、初々しい逡巡の後で、見つめ合います。
「亮輔くん……」
「ありがとう、榊原。一緒に帰ろう!」
「うん!」

そして物語は続くのでした。
『なぞらえ屋〜開闢九重千曳〜』(完)

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春に向けて、新しい展開を見せるなぞらえ屋をこれからもよろしくお願いします!!

舞台写真 PART16

 nazoraeya_gene001894nazoraeya_gene001891       nazoraeya_gene001889
            







          イザナミノ命申す

      (うつく)しき、我がなせの命、かくしたまわば

      (いまし)の国の人草(ひとくさ)一日(ひとひ)千頭絞(ちがしらくび)り殺さむともうす

      しかして、イザナギノ命のりたまわく

      (うつく)しき我がなに()の命、汝然(なれしか)せば、

      吾一日(あれひとひ)千五百(ちいお)産屋(うぶや)立てむとのたもう

      (ここ)()一日(ひとひ)千人死(ちたりし)に、一日(ひとひ)に必ず千五百人(ちいおたり)

      生まるるなり

      しかして、この黄泉の坂に(さや)れる岩は

      道反之大神(ちがえしのおおかみ)(めい)ずくなりnazoraeya_gene001899

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断ち切れ死尼神、
なぞらえ、巡ります!

亮輔の文書が完成し、宗輔は死尼神で一閃されるのでした。nazoraeya_gene000860nazoraeya_gene000861
重々しく閉じてゆく岩戸。
その岩戸に命を彫り込み千曳の岩となった伴閃が姿を現します。

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DSC_0645「火月よ、今こそ約束を守ろう。お前がくれた命をお前に返そう」
「伴閃様!」
「人の世の禍、津波のごとく。だが、人よ、古き轍が生きている限り絶望はするな。人の世は、何度でも、何度でも生き返る」
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ゆっくりと体を起こす宗輔。
一度手にした銃を、静かに床に置くと、立ち上がります。DSC_0648
「なぞらえ屋、おまえたちの勝ちだ。だが、この国のパンドラの箱は開いたままだぞ」
「わかっているさ、それを何とかするのも、俺たちなぞらえ屋の仕事だ」
「大きくなったな、亮輔」
nazoraeya_gene001915nazoraeya_gene001913背中で語る弟に頼もしさを感じるのか笑みを浮かべる宗輔、そのまま倒れている鳴鈴のもとに行きます。
DSC_0657こと切れた鳴鈴を抱き上げ、宗輔は亮輔に優しく語りかけます。


「では、イザナミは黄泉路を下るとしよう」

道反之大神の文書が完成したということは、宗輔はイザナミになぞらえられ黄泉の国に戻るということになるからです。
DSC_0654nazoraeya_gene001925nazoraeya_gene001926「鳴鈴にまだ伝えてない言葉があるんだ。そして、お前にも……」
「何を……」
「ありがとう。愛していたよ」

「兄ちゃん!!」



nazoraeya_gene001927「さらばだ、なぞらえ屋」

鳴鈴を抱きしめて、宗輔は黄泉路を下ってゆくのでした。






舞台写真 PART15

nazoraeya_gene000838nazoraeya_gene001883nazoraeya_gene001882「大きくなったな、亮輔」
優しい笑顔を見せる王龍に、「なぞらえ屋での俺の名前は小鬼。ちょっとでも身内の顔をするのはやめろ王龍!」と拒否する亮輔。
それは済まなかったと、余裕でまた微笑み返す王龍。
なぜなら、彼には絶対的な自信があったのです。
「発動している轍は、天岩戸。UZUMEを止めることはできん」
nazoraeya_gene000845久遠は九尾で数字は9。岩戸(1い+8は=9の次はと)は10番目の扉なのでした。
「久遠を使ってもUZUMEは止められん。それに、狐を憑かせている娘は、訓練もなしにいきなりの荒行は無理だ。死ぬぞ」
苦しそうな真沙美に目配せし、王龍は亮輔に言います。nazoraeya_gene001865
「それは、あなたのUZUMEも同じよ宗ちゃん」
咲姫以下、なぞらえ屋のメンバーが駆けつけます。
nazoraeya_gene001868同時に、死んだはずの大巫女、火月もその姿を現します。
「馬鹿な、大巫女は確かに死んだはず」
王龍にうろたえが走ります。
「くっ、影武者か」
各務が火月の代わりになるのはずっと昔から決まっていたことでした。
「咲姫ねぇ、UZUMEが同じってどういうこと?」
亮輔の質問にみんなが答えます。
代償なしに、巨大な力を引き出すことは不可能。
UZUMEはいずれ、鳴鈴の命を奪うだろうと。
「王龍、鳴鈴を解放しろ!」亮輔の悲痛な叫びが響きます。
nazoraeya_gene000508DSC_0619「UZUMEは私、私がUZUME、王龍の理想は誰にも邪魔させない」
鬼気迫る鳴鈴に、必死に呼びかける亮輔。
「鳴鈴、あなたは騙されてる! 廟の扉を開けたら溢れ出るのは災厄と禍いだ。沢山の人が苦しみ死ぬだろう。それが理想なんて間違ってる。赤い靴に縛られちゃダメだ!」nazoraeya_gene001879
nazoraeya_gene000512「亮輔、ありがとう。それでも私は宗輔に新しい明日を見せてnazoraeya_gene000514あげたいの。私の命に代えても!UZUME!!」nazoraeya_gene000853nazoraeya_gene000850
鳴鈴の叫びにDSC_0620呼応するように、UZUMEの力は膨れ上がり、久遠を圧倒します。
「亮輔、この国に今必要なのは破壊だ。中途半端な復興など為政者たちの偽善に過nazoraeya_gene000521DSC_0627DSC_0633ぎない。このままズルズルと破滅に向かうのを見ていてはダメだ。パンドラの箱は完全に開かなければ希望は見えない」
破壊へ走る王龍が本音をぶつけてきます。
「沢山の人の涙と血の上に築く理想なんて俺は認めない。お前が1000人殺すというなら、俺は1500人助けてみせる!」
なぞらえ屋の意地をかけて、亮輔は叫び返します。
UZUMEのパワーに、開き始める岩戸!

nazoraeya_gene000524その時。
「この轍読めたり!」と虚空から声がします。
「さあ、小さき鬼よ、文書を唱えて宗輔からわしを切り離せ。わしが千曳の岩となろう」

nazoraeya_gene001880「なんだと?」
「小鬼、天の岩戸を千曳の岩に!」
咲姫に促され、亮輔は轍の文書を詠唱する体制に入ります。
「わかった、轍の文書『道反之大神(ちがえしのおおかみ)』!」

舞台写真 PART14

DSC_0588nazoraeya_gene000805nazoraeya_gene000806五組目は、叶慈vs木跳。
木跳が使っている鎖鎌は、葎の郷で、葎が使っていたものです。
叶慈と葎は、実は仲の良い呑み友達でした。
叶慈の怒りが伝わったのか、鎖鎌は木跳の言うことを聞きません。
癇癪を起こして、捨てる木跳。
「この外道がーっ!!」
怒りをあらわにする叶慈。
nazoraeya_gene000807nazoraeya_gene000808nazoraeya_gene000810身体能力の高い二人の戦いは、スピードと高さがあります。
軽口を叩きながら、スレスレの攻撃をかわす叶慈。
「オラオラオラ、おとなしく逝っちまった方がいいんじゃないのかい? ハゲのおっさん」


DSC_0591DSC_0594「頭の形には自信があるんだぜ。小僧にはわからんだろうがな」
nazoraeya_gene000812DSC_0595「はっ、わっかんねーよ。とっとと死ねや!」
その時、叶慈は木跳の二股剣を二の腕で受け止めます。
「なっ、なんだって!?」
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「俺の体にもちっとばかしわけありの神様が棲んでてな。それがお前を食いたいそうだ」『なぞらえ屋〜初巡七福人〜布袋尊<般若>の巻』参照)
叶慈の背中にくっきりと現れたのは、叶慈が自らの体に封印している禍神。
「テメェも化物かよ!」
木跳は、果敢に禍神の力を解放する叶慈に挑みます。
「神をも恐れぬ蛮行を繰り返してきたんだろう?地獄に落ちても怖いものなんてねぇんじゃないのかい?」
木跳の僅かなうろたえに、叶慈は不敵に笑います。

nazoraeya_gene000816DSC_0597DSC_0600nazoraeya_gene000482「ああそうだ、俺たちには王龍がいる。本物の龍になった王龍がな!」
自らの迷いを吹き飛ばすように、木跳は、さらに叶慈に挑みかかっていきます。
「お前たち永世九龍は、何のために日本に来た?」
この国の新しいうねりに乗じて新しい国を作るためと答える木跳。
その瞳には、希望と狂気が渦を巻いています。
「宗輔はそんな途方もない計画を立てていたのか?」
nazoraeya_gene000822DSC_0602UZUMEを手に入れた王龍に怖いものはないと言う木跳に、「バカな、あれは人が作り出す魔物だ。無限の力があるわけはねぇ。このまま力を解放させ続けたら、あの娘は死んじまうぞ!」と、訴える叶慈。
「俺たちはこの国でやり直すんだ! 邪魔させるかよ。うわーっ!」
「南無三!」
「兄貴ーっ!!」
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自らの刃に倒れた木跳に叶慈は静かに手を合わせ呟きます。

「地獄で、真っ当な国づくりを学んでくるんだな」


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nazoraeya_gene001843nazoraeya_gene001844nazoraeya_gene001845五爪竜となぞらえ屋の死闘の最中、廟の最深部の岩戸もまた、その重い扉が開こうとしていました。
残った嶽比丘尼、桃李、真菰、七夕の三人は、特殊な詠唱を持って、その力と拮抗していました。
岩戸の前で繰り広げられる、UZUMEと久遠の激しいバトル。nazoraeya_gene000835nazoraeya_gene000823nazoraeya_gene000500nazoraeya_gene000499nazoraeya_gene000498nazoraeya_gene000495nazoraeya_gene000494nazoraeya_gene001852DSC_0614nazoraeya_gene000486nazoraeya_gene000488nazoraeya_gene000490nazoraeya_gene000492DSC_0608
美しく燃え上がる炎のようなUZUMEを、草木の精霊のように伸び上がる久遠が迎え撃ちます。

両者一歩も譲りません。

目の眩むような、美しい舞が岩戸の前で繰り広げられます。

UZUMEが押せば久遠が引き、久遠が押せばUZUMEが引きます。

そのコントロールを握っているのは、鳴鈴と真沙美でした。

UZUMEと久遠の後ろで、全身全霊の祈りを持って、鳴鈴と真沙美は対峙するのです。

nazoraeya_gene001863nazoraeya_gene001864岩戸の前の美しいダンスバトルは、いつ果てるともしれない饗宴を映し出していますがnazoraeya_gene000500nazoraeya_gene000499
やがてそれを割るようにして、運命の兄弟はお互いの顔を見るのでした。

舞台写真 PART13

nazoraeya_gene001787nazoraeya_gene001784三組目は、柾善vs金算です。
どちらも、とぼけたところのある二人ですが、持っているのはノートパソコンとそろばんという対照的なアイテム。

「どうやら、閉じられた空間みたいですね」
「はぁ、びっくりした。どうも、じゃ!」
「ジャじゃないでしょう、ジャじゃー!!」

金算は、のらりくらりとかわす柾善にどんどん詰め寄っていきます。

nazoraeya_gene000444nazoraeya_gene000443「この国の将来について憂いたことはありませんか?」
「はぁ?」
「我々永世九龍はこの国を助けるために来たのです」
金算は、真顔で柾善にそう言うと、自分たちに協力すれば命を助けてやると申し出ます。
DSC_0560DSC_0566「それなりのサラリーも約束します」
「僕達はお金で動いたりしません。見くびらないでください」DSC_0563
それでは仕方がないと、いきなり襲ってくる金算。
驚くような疾風の速さです。
nazoraeya_gene000448nazoraeya_gene000445しかも、金算のそろばんは、その目が刃物で出来ている凶器だったのです。
「願いましてはー?」柾善に暗算を仕掛けてくる金算。
「4649円!」傷を負いながらも、正解する柾善。
nazoraeya_gene000452nazoraeya_gene000450「なかなかやりますね。でも、次で終わりだ。願いましては?」
nazoraeya_gene001796「ポコスケ、電磁波アタックだぁ!!」
nazoraeya_gene000461電撃を受けながら、問題を出題する金算。
「596329674円!!」
「御名算……!」nazoraeya_gene000462nazoraeya_gene000463



「ごくろうさんにくむなよか、洒落にならないよ。イテテ。ありがとうポコスケ」
柾善は、頼もしい相方の活躍で、辛くも難を逃れるのでした。

次の対戦は、弦也vs火粧。
nazoraeya_gene001800nazoraeya_gene000467DSC_0572nazoraeya_gene000465「美しいですね……」舌なめずりをするように、火粧は弦也を値踏みします。
「僕は美しい男が好きなんです。上着を通してでも、あなたの鍛えられた筋肉のラインがわかります」
「悪いな、俺は全くそっちの趣味は無い」一蹴する弦也。
「初めて殺した相手は父でした。僕は眠っているような父の顔を残したくてその皮を剥いだ。以来、殺した相手の顔の皮を残すようにしています」
自らを異端とする火粧の独白を嫌悪を持って弦也は聞きます。
「愉快犯か始末に悪いな」nazoraeya_gene000471DSC_0578
nazoraeya_gene000469火粧のナイフをかわしながら、弦也もまた隠されている自らのアイテムを解放します。
「確かに大したナイフさばきだ、悪いが俺も得物を使わせてもらうぞ。目覚めよ、ロンギヌス!」
nazoraeya_gene000472弦也の手には眠っていた聖nazoraeya_gene001809遺物の槍が現れます。
「生身の人間に使うのは反則だが、お前は人間の皮をかぶった化物らしい。手加減はしないぞ」
nazoraeya_gene000475「化物。そう、僕は化物だ。そんな僕が生きる道を示してくれたのが王龍です。だから、あなたがたに王龍の邪魔はさせません。
ここで死んでいただきましょう」
nazoraeya_gene000480

nazoraeya_gene000477DSC_0582DSC_0584DSC_0585DSC_0586
激闘の末に弦也の槍に刺し貫かれる火粧。「美しい……王龍……」
弦也の勝利もまた、苦い思いを残しました。

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