宮若市宮田町の天照神社境内には板碑に転用された古墳石材が存在する。神社の説明板には「古墳の枕付石棺」と記載されているが、おそらく石棺底ではなく同じ遠賀川流域にある桂川王塚古墳の石屋形に見られる石枕と同種のものと推定できる可能性が高い。
 具体的に石材が出土した古墳は不明であるが、近くには桂川王塚古墳と同じく彩色装飾と石棚を有する竹原古墳が存在している。石材がどのように使われていたかは推測の域を出ないが、桂川王塚古墳の石屋形・石枕は熊本県の臼塚古墳や馬出古墳からの流れとも言われている。遠賀川流域では他にこのような石枕が確認されている石室は確認されておらず、天照神社石材の存在はそれに類似する埋葬施設(石棚直下の屍床・石屋形など)があったと言える貴重な資料となっている。
 ちなみに遠賀川流域における造り付けの石枕は高塚古墳だけではなく中間市瀬戸14号横穴墓(消滅:装飾古墳)の様なタイプもあり、必ずしも石棚や石屋形に付随するものではないという事にも留意したい。

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 この記事を書くのに筑後国造さんの山歩き 古墳巡りにあったこちらの記事を参考とさせていただきました。

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 天照神社参道脇、板碑に転用されている古墳石材。

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 石材は現状でも高さは170cm近くある。

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 石枕部。

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 中央が丁寧に彫り込まれている。

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 風化が著しく板碑の文字も判別困難。

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 表面には赤色顔料と思われる部分が確認できる。(石枕部)

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 これも赤色顔料か?

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 古墳石材転用板碑の裏。

〜参考画像〜
桂川王塚古墳の石枕
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 玄室内部には石棚と石屋形が併存。(写真はレプリカ)

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 石屋形内の底にある石枕。

瀬戸14号横穴墓
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 調査時の写真。床に造り付け石枕が並んでいる。

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 玄室内の様子。(レプリカ)