9/30 エナジー@浦和・初見参10/14 癒しいや肥やし系ハイク@前日光

2007年10月08日

10/7 谷川岳・烏帽子岩南稜

2007Oct7谷川南稜線02二子中央稜で一応の本ちゃんデビュー以来、一年ぶりの本ちゃん。谷川は事故や落石が多いので不安が募るが、南稜は比較的易しいルートのようだし、練習してきた実績に自信を持って、そして絶対無事に戻ってくるという根拠はないが気を入れて臨む。


”←テールリッジを登る途中、国境稜線に朝日があたりはじめる”

前夜、栃木市運動公園で00と合流してからベースプラザに向かう。9時ころ着いて6Fのフロアに行ってみると、すでに多くの人たちがシュラフにもぐっていたり、宴会をしている。賑わいを避け、00にお勧めの個室に連れて行かれ、そこで寝酒を飲んでから眠りにつく。00の鼾や、エレベーターの昇降するモーターの音が結構響いて熟睡というわけには行かなかったが、幾分は寝れたようで、緊張もあるのだろうがおきても寝不足感はなかった。寝覚ましをかけたが、それよりも早く00が自然覚醒して、3時前に撤収して地下の駐車場に向かう。仕度をして、3時半前に行動開始。まだベースプラザの登山者で行動しているものもなく一番のようだ。暗い中ヘッドランプをつけて林道を歩く。
4時半ころ一の倉沢出合いの駐車場について、暗い中装備をつけてから、いよいよ出発。水量は少ないようで、暫くゴーロ歩き。それから高巻き道に入って、懸垂下降地点に着く。新しいフィックスロープがつけられていて、00が最初に懸垂で下りてゆく。そのあと09が続いて、テールリッジの取り付きにつく。初めてみるテールリッジは、それを登るだけで十分のような気がする。フィックスロープがいたるところに張られているので、とにかくスリップしないように気を使う。半分ほど登ったところで、テールリッジの取り付き辺りでヘッドランプの灯りが見えて後続のパーティーがやってきている。中央稜基部から南稜テラスへのトラバースも、フィックスもほとんどなく結構スリルなところをトラバースする。岩のいたるところに落石の傷跡がついていて、ぞっとする。幸い登攀者はまだいないので人為落石はないが、とにかく祈るしかない。
南稜テラスには6時半ころ到着。広いテラスでホッとする。ここで靴を履き替え、ロープを出して登攀準備。すでにテールリッジを登ってくる何人かのパーティーが見える。登攀前にエネルギー補給でおにぎりを食べるが、緊張の所為か、半分しか口に入らない。早速、00がリードで1ピッチ目を登る。1ピッチ目の面白いところであるチムニーを09のために残して、手前でピッチをきる。そしていよいよ09谷川初リードでチムニーにトライ。支点が何処にあるかよーく探して登っていく。離陸して、幾つかホールドを手にしながら見ていくと少し上に素晴らしいガバがあり、それをとるために足と背中で突っ張りながらズリズリと這い上がる。とにかく落ちてなるものかと必死なもので、とても華麗な登りとは程遠い姿だろう。そのホールドを取ってからようやく両足で立ち上がることが出来てホッとする。そのあとはチムニーを抜けて、続けて2ピッチ目のフェイス登り。出だしあたりだろうか、チムニーを抜けてからつかんだ大きな石がぐらついたのでびっくり。横にはぐらつくが踏みつけるには大丈夫なので、これを足がかりにしてフェイスに取り付く。ホールドもたくさんあり、傾斜もゆるく、快適なクライミングだろうが、やはり必要以上に神経質になって足場を確かめる。お気に入りだった「ニュートン」だが、最近たまにスリップしたりして、ちょっと不信感があるので余計に慎重になってしまう。傍からみたら、ナマケモノのような動きだったろうが、ともかく終了点について00を迎える。3ピッチ目は00がそのままロープを引っ張って確保無しで登っていき、続いてグリップビレーで09がフォロー。4ピッチ目は09、フェイスを登り、ハングした岩の下を巻いて、テラスに出るが、もうひとつ上のテラスの終了点まで登る。このときにロープに石が引っかかって、短い落石を起こしてしまった。落とされるのも嫌だが、落とすのも嫌だし、ほんと気を使う。5ピッチ目は00。ここが馬の背リッジかと思ったが、00は違うんじゃないといいながらすぐ上のリッジを登っていく。支点が見つからないようでカムを使いながら登っていき、終了点につくと、そこは最終ピッチの垂壁のした。やはり今のところが馬の背リッジなんだ。高度感抜群のリッジというけど古賀志の獅子落しのほうが凄いぜと00は言うけど、やはり眼下に広がる谷と周りを囲む切り立った壁を見ると、エライところにいるんだと怖気づいてしまう。
最終ピッチはいよいよ核心のフェイスで09リード。支点はたくさん打ってあるというが、あまり使いすぎると上でヌンチャクが足りなくなってしまっては大変なので、ランナウトできるところはランナウトしようと思ってはみたものの、いざ目の前に支点が現れると使ってしまう。最期、終了点のテラスに登りあがるところで、体を右に振りたかったのだが、上手い手が見つからず。いいと思った手がかりは水で濡れていて、思いっきりがつかない。そして、結局まあいいやとヌンチャクつかんで思いっきり持ち上げてテラスに出た。そして8時半過ぎくらい、00を迎えて、記念に握手。最期は得意のA0だったが、ともかく谷川南稜をクリアした。
このあと、後続のパーティーがすぐ追いついているので、もうひとつ上のテラスまで上がって、靴を履き替え、ロープもしまって、小休止のあと、このまま一ノ倉岳目指してさらに登りつめていく。
ところが、この日の核心はどちらかといえばこちらの方が核心の山行だった。一部装備を解除したが、この先も今までと似たような岩場が続出し、慎重に登っていく。そして5ルンゼの頭付近の岩場に着いて、立ち止まる。何処のルートを登るのか、どこも岩が脆そうでぐらついた岩ばかりだ。00がルートファインディングしながら、右の方に回り込み、草付のところから上がり始めるが、ここから長い時間の苦闘が始まる。いい手がかりがないようで苦戦を強いられる。しかも落ちれば下まで一気に落ちてしまうところで緊張が走る。頭に出れば、ロープを出してくれるということだったが、自分も待っている間にジワジワと登りはじめてしまい、途中に目に付いたハーケンにセルフをとって待機する。しかしよく考えれば、もし00がロープを出せないようなことになってしまえば、自分もここでにっちもさっちも行かない状態になってしまう。下の安定したテラスで待機しているべきだったと反省。
00がようやく渾身の力で突破して頭に出、支点を作ってからロープを落としてもらい、確保して貰って、やっと難所を抜け出ることが出来た。本当に本日最大の緊迫した瞬間だった。
これでやっとあとはラクチンかと思いきや、まだまだナイフリッジが出てきたり、息がつけない状態は続き、ようやく熊笹の斜面に出て、稜線に向けて長い登りが続く。踏みあとを熊笹が覆っていて見えにくいが、熊笹がちょうど手すりのようになってくれて幾分楽だが、もう緊張と、疲れと、大量の発汗でヘトヘト。ただひたすら笹を掻き分けて、ようやく11時半ころ、一ノ倉岳に出ることが出来た。一般の登山道に出たときは、人里の村に出たような安堵に包まれた。
居合わせたハイカーに暖かく迎えられて、大休止。エネルギー補給をしてから西黒尾根に向かうが、一旦下降してから見上げるオキの耳がものすごく高く見える。これはまだ下山じゃなく、ピーク目指した登山の途中じゃないかと思いながら、すでにふくらはぎがパンパンの足を引きずりながら歩いていく。ああ、まだまだ先が長いな。オキの耳あたりからはハイカーがどっと増えて、渋滞か起きている。肩の小屋の売店で冷たいジュースを買ってガバッと飲んで、西黒尾根に入る。この先まだ鎖場などもあるので、疲れた足で躓いて転ばないよう気をつける。あとは下りだけだが、ガイドテニーのうすいソールで、足の裏が痛い。樹林帯に入るとぬかるんだ道も出てきて、長靴を恋しく思いながら下っていく。最期の方はもう00の姿も見えず、15時半、西黒尾根登山口に降り立った。00はもう駐車場の方に行っているようで、あとを追って、林道を駐車場に向かう。
二子中央稜で一応本ちゃんデビューだったが、行動時間の長さ、アプローチの質など全く別物という感じ。アプローチからして緊張の連続で、二子山くらいで十分かなとトーンダウンしてしまう。毎度のことながらメンタル面の弱さ、スタミナ、瞬発力、などなど、課題だらけだ。(09)


***写真とコメント by 00***

2007Oct7谷川南稜線01
”暗闇の中、一番乗りでヒョングリの滝上に下降”




2007Oct7谷川南稜線03
”上部スラブ手前でようやく日の出”






2007Oct7谷川南稜線04
”振り返るテールリッジ”











2007Oct7谷川南稜線05
”ダイレクトカンテ−1”













2007Oct7谷川南稜線06
”ダイレクトカンテ−2”












2007Oct7谷川南稜線07
”09、4Pリード”










2007Oct7谷川南稜線08
”稜線方向を見上げる。晴れたときにまじまじ見るとやっぱ岩だらけ”






2007Oct7谷川南稜線09
”5P終了点から振り返る馬ノ背リッジ。まあ爽快だが、獅子落としにくらべたら物足りない高度感と傾斜。”






2007Oct7谷川南稜線10
”09も余裕のフォロー”











2007Oct7谷川南稜線11
”最終6P目核心部をリードする09”











2007Oct7谷川南稜線12
”6Pで終わりだとおもいきや、苦難の道は続く。ロープ仕舞ってシマってこりゃ仕舞ったと後悔しつつ6P目上のIII〜III+級ピッチを登る”











2007Oct7谷川南稜線13
”傾斜はさほどでないが落ちたら止まらなそう。外皮ズルむけの古い残置ロープはさすがに勘弁”











2007Oct7谷川南稜線14
”コップスラブ側〜一ノ倉尾根をみおろす。陽射しが強いが風が涼しい”











2007Oct7谷川南稜線15
”しばらく平穏な草つき”












2007Oct7谷川南稜線16”脆くて悪い、と聞いていて懸念していた5ルンゼの頭手前の岩場が見えてくる。とりつきまで行って岩に触ると、想像以上のモロさで、これではロープつけてビレーしてもらいながら登ってもランニングとれないので、フリーソロで登り上がってから09にロープを投げ下ろすことにする。3〜4m右上に残置スリングが見えるが、これは多分行き詰まり懸垂撤退した時のものだろうと読んで、多少岩がしっかりしている岩場右の薮をのぼったが、これも大誤算で、でぐらぐらの細木と草の根を必死につかんで、泣きながら「前傾ヤブ」あるいは「薮ルーフ」をよじ上る。下は切れ落ちていて見えないし、本日の断トツ核心。土に埋まったダミーの浮き石を投げ捨てつつ、難しくはないが今あるホールドで体をあげても次の岩や木が信頼できるかどうかわからないので常にクライムダウン可能なムーブとホールドセレクションで行かねばならない「限定」がなかなかしょっぱい。九死まではいかないが、三死に一生くらいはしたかも。その証拠に、最後稜線に登る上がるときに、まだ口をつけていない新品のペットボトル麦茶が薮に引っかかり落ちてゆきました。きっと身代わりになってくれたんだろうと、思わず黙祷。この間09もピンチに陥っていた模様。翌日になっても必死に草の根というか土をつかんだ右手の爪には泥が一杯つまっていて、激闘の名残をしばし感慨深くみつめる。が、要するにルートファインディングがなっちゃない、ってだけのこと;上からで詳細不明だが、後続のガイドパーティーはもっと左寄りから登って来た模様。”

2007Oct7谷川南稜線17”苦闘の岩場を脱して見る紅葉はことさら心に沁みる感じ。”






2007Oct7谷川南稜線18
”まだまだ痩せた岩稜が続くので、緊張は解けないが、一ノ倉の山頂が見え始める”







2007Oct7谷川南稜線19
”逆光に陰鬱な凄みを漂わせる岩の要塞。魔の山ってのも大げさではないなと、さきほどの苦労を振り返って思う。”






2007Oct7谷川南稜線20
”ロープつけていない分、この辺りの方が馬の背リッジなんかよりよっぽど高度感あり。実際後続のガイドパーティーは終始アンザイレンで上がって来たようだ。”






2007Oct7谷川南稜線21
”紅葉に彩られ始めた一ノ倉岳もなかなか堂々とした山容”






2007Oct7谷川南稜線22
”登山道に出る直前の笹薮からの谷川岳”






2007Oct7谷川南稜線23
”いやはやおつかれでした。こうしてみると南稜6ピッチなんてのは、全体の中では一番安全地帯だったんじゃなかろうか?6ピッチ目終了して6ルンゼから懸垂下降してしまうと「南稜?ちょろいぜ」という不遜な気持ちになるけど、やっぱ勝負は5ルンゼの頭じゃなかろうか?”




2007Oct7谷川南稜線24
”一ノ倉から登山道を下る途中。惚れ惚れするようなカッコよさのオキの耳の鋭峰。”






2007Oct7谷川南稜線25
”西黒尾根の下りかけから、名残を惜しんで振り返るトマ、オキ。なんせ無雪期天気の良いときに登ったことがないので、岩登りなくても、え〜こんなに鋭いカッコ良い山だったんだ、と驚きの気持ち”

備忘録:
 4年前の初見参以来、昨年夏の濡れヌメ敗退、今春の新雪敗退(今回改めて確認したけど、Nさんが外傾つるつるテラスで撤退を決めた5Pでだしは、リッジの左側を巻けば無事馬の背にのれたんじゃなかろうか)と2回の敗退後ようやく快適な再登。
 雪渓無い時期のヒョングリの高巻きは初めてだったので、ヘッデンでのアプローチ心配だったが、滝下で右岸リッジを登り、最後懸垂下降地点への短いトラバースの踏み跡を見落とし、5mほど直登してしまい引き返した以外は問題なし。しかしあの部分水量が多いと相当困難だろう。左岸通しの通過ルートも要確認。
 
 南稜、先行パーティーなしのおかげで、各ピッチ40〜45m伸ばせた今回の切り方が決定版。特に1P、2P目の区切り方は、やはりテラスから登り始めて、チムニー手前で1Pを切り、チムニーから2Pめをつなげて草つき手前で切るのがロープの流れからも適切だろう。
 6P終了後、お初の一ノ倉岳山頂までのルートが、先行パーティーなしはうれしいけどやはり大変。5ルンゼの頭は、もう一度ちゃんとしたルート取りで登ってみないとと思う反面、もう行きたくない気持ちと半々。でもあの身代わり麦茶ペットボトルを回収してあげたいところ。
 今回ずっとクラッグホッパーで通してみたが、南稜であればこれで問題なし。しかしこないだの北岳の下山で、体重重いのに調子に乗ってクラッグホッパーの名の通り岩をぴょんぴょん渡り歩いて下ったツケか、はやくもクッションがへたり気味で西黒尾根の下山は足裏が痛くなった。更に磨かれたつるつるの岩の上に砂や泥が付いているとさすがのステルスも、ただのスベルスラバーに格下げ。09のガイドテニーも同様。

 いわゆる「南稜」部分は、高度差150m、2時間程だし、山頂までの1200m、8時間の中でクライミング技術が問われる部分は更に僅か。装備絞っても重いロープ、ガチャ等登攀/撤退装備があるので、登攀中のザックは軽いけど、終始10数キロまとってアプローチから登攀〜下山をこなすわけで、やはりアルパインルートはまず脚力、担荷力ありき。登攀はいざとなればエイド、ゴボウもありだし。
 冬期アイスマルチだと更に数キロ以上重量増。スピード=安全のアルパインの世界、やっぱ普段ボッカトレで25〜30kg、1500m、10時間行動あたりを標準設定にしないとなあと改めて思う。
 

nccnet1 at 17:47│Comments(1)TrackBack(0) 活動記録 | 谷川岳

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この記事へのコメント

1. Posted by 00   2007年10月10日 08:41
 後続ガイドパーティーは、風の谷の山田さんご一行様でした。5P目終了点で合流したのでご挨拶したのですが、その時は「ああ、そういえばインターネットで風の谷というの見たことがあったような」程度でそれ以上思い出せなかったのですが、あの山田哲哉さんだったんですね。「山は真剣勝負」読んでいたのに全然著者とは気づかず、ボケでした。
 そういや山頂で見たらたしか山田さんもクラッグホッパーだったな。

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