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2007年10月25日

「岩角テスト」と登山用ロープ強度規格

 ダブルロープ(正確にはダブル・ハーフロープ)Mammut Phoenix 8.0m購入の際、エーデルワイス・Oxygen 8.2mmと比較検討し、Oxygenは「岩角テスト合格」とあって惹かれたのだが、ICI宇都宮の新しい店長さんに聞いたところ、国内で販売されている登攀用ロープはすべて、「岩角テスト合格」とのことで、大事な点なのであらためて再確認してもらったうえで、値段と外皮の丈夫さと、50gの軽さ(?!)から、Phoenixを選んだのだが、この辺の具体的な内容を調べた結果:


 国内で行われている「岩角テスト」は、正式には、「せん断衝撃試験(鋭い角のある岩にロープが接触した場合の安全性を確認するための試験)」といい、消費生活用製品安全法に基づき、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)(http://www.nite.go.jp/index.html)の北関東支所にて実施されている。
 
 ●検査方法:
 せん断衝撃試験強度:有効長さ2.8mのロープの先端に80kgのおもりを付けて、支点である面取りを施さないステンレス鋼棒(日本工業規格 G4303)に90度の角度で落下させた際のせん断衝撃応力を測定。

 (参考)落下衝撃試験強度:有効長さ2.8mのロープの一端を固定し所定の支点の上方2.5mの高さから、ロープの先端に80kgのおもりを付けて自然落下させた際の衝撃応力。

 ●基準:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S49/S49F03801000018.html
  経済産業省関係特定製品の技術上の基準等に関する省令
 (昭和四十九年三月五日通商産業省令第十八号)
  最終改正:平成一九年四月五日経済産業省令第三六号


 消費生活用製品安全法 (昭和四十八年法律第三十一号)及び消費生活用製品安全法施行令 (昭和四十九年政令第四十八号)に基づき、並びに同法 を実施するため、通商産業省関係特定製品の安全基準等に関する省令を次のように制定する。


「2.登山用ロープ(身体確保用のものに限る。以下「登山用ロープ」という。)」のみ抜粋

 1 すれ、傷その他の欠点がなく仕上げが良好であること。

  2 落下衝撃試験を行つたとき、初回にはロープの衝撃応力が、技術上の基準の欄の4(2)の表示のあるものにあつては7,845.3ニュートン以下、その他のものにあつては11,768.3ニュートン以下であり、2回目にはロープが切断しないこと。

 3 せん断衝撃試験を3回行つたとき、ロープのせん断衝撃力が、4(2)の表示があるものにあつてはいずれも980.7ニュートン以上、その他のものにあつてはいずれも1,471.0ニュートン以上であること。

  4
  (1)届出事業者の氏名若しくは名称又は経済産業大臣の承認を受けた略号若しくは記号が容易に消えない方法により表示されていること。
  (2)二つ折り又は2本で使用するものにあつては、1/2の記号が容易に消えない方法により表示されていること。
  (3)登山用ロープを安全に使用する上で必要となる使用上の注意事項の表示が容易に消えない方法により適切に付されていること。


 ●疑問点:エーデルワイス社のいう「岩角テスト」、マムートの「sharp edge test」いずれも90度の岩角への衝撃的落下における破断のテストである点は同じだが、ロープ長や荷重等の条件が同一かどうかは不明。

 ●まあ、いずれにせよ、一定レベルの耐剪断強度は保証されているということである。無論細いダブルロープのほうが、シングルより低いのは当然で、2本とも切れない、あるいは、おきて破りの一本使用でも安全なんてこたあない。
 しかしそれはそれとして、特定のロープのみ「岩角テスト合格品」をセールスポイントとして謳う、宣伝文句(メーカーではなく登山用品店の宣伝に多い)は再考されるべきだろう。
 当面00としては、気になるのは、古賀志で一本でぶら下がってみてPhoenixはセミスタティックといっていいほど、伸びが少ない点。のぼりかえしにはいいけど、リードで落下時の支点への負担が気になるところ。やばいランニングで登る時はダイナミックビレーか?

nccnet1 at 18:54│Comments(2)TrackBack(0) 技術・知識 

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この記事へのコメント

1. Posted by 冬野の案山子   2010年02月23日 11:38
4 登山用ロープに8ミリ、9ミリをダブルにして使えると書いてあるHPなどがあるが、危険です。「石岡繁雄が語る氷壁・ナイロンザイル事件の真実」(あるむ刊)を読めば、解ります。ナイロンザイルは素材がナイロン(重合物質)である限り、岩角での特性(弱さ)は避けられない。一部の輸入品の中には90度の岩角に0.85ミリのアールをつけて、岩角衝撃テストをして切れない、としているものがあるが、アールをつけた段階で、その岩角は90度でなくなる。「90度の岩角のテスト」はアールなしでなければ意味がないし、登山者の安全は保てない。そもそも8ミリ、9ミリは登山用として日本では認められていないはずです。UIAA規格は引っ張りの強度を重視している。一方、日本の消費生活用製品安全法は岩壁登攀の実情にあった岩角衝撃試験をしていることでUIAA基準より登山者の安全面で優れている、といえる。これは、1955年に起きた前穂高東壁でのナイロンザイル事件(井上靖の「氷壁」の素材になった三重県鈴鹿市の岩稜会に起きた事件である)で登山者の安全のために、ナイロンザイルの岩角で野弱さを明白にすべきであると主張し続けた石岡繁雄氏の努力によるところが大きい。
2. Posted by 00   2010年03月01日 07:53
 冬野の案山子様、情報いただきありがとうございます。古い記事へのコメントであったため気づくのが遅く返信が遅れ申し訳ありませんでした。

 私はザイルの材質に関する専門知識は全くありませんが、ナイロンザイルの岩角での弱さが避けられない点は同意です。ですから径の如何にかかわらず「ダブルにすれば絶対切れない」ということではなく、「ダブルロープ登攀の場合は(ツインロープとは違って)2本のロープの走行は通常異なるので、2本が揃って同一の岩角で同様の剪断負荷を受けることが少なく、従って2本が同時に切れる確率は、いずれか1本が切れる確率より少ない」という意味での、あくまで相対的な「安全性」があるということだと理解しています(そもそもたとえ絶対に切れないロープがあったとしても、絶対に壊れない支点を岩壁や氷壁に構築する事は不可能ですので、いずれにせよ登攀において墜落のリスクはゼロになりませんが)。

 ただ「8ミリ、9ミリは登山用として日本では認められていないはず」という一文については、驚きでした。
 登山用ダブルロープは、通常目にするいずれのメーカーのものも径は9mm以下であり、日本の登山用品店で販売され、また実際に登攀で使われているダブルロープもここ10年以上9〜8mm径が主流と認識しております。
 これらが「日本で認められていない」というのは、「日本では製造も販売も使用も認められていない」ということでしょうか?あるいは「製造も販売も認められていないが、ユーザーのリスクの理解を前提として、販売〜自己責任での使用は黙認されている」ということでしょうか?
 このあたり出典を含め、もう少し詳しい情報をいただければ幸いです。

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