2008年12月27日

12/27 ベルグラの横向沢で足尾氷初め

2008Dec27足尾08 "帰ってきたなあと懐かしくなる冬の松木" 

 くやしいから何度でもしつこく書くが11月22の過去最速のアイスシーズンインのあと、仕事と用事とパートナー不在で、ようやくそれらがない自由な週末の一日を手にして八ヶ岳アイス第2弾と思ったら足の故障で、さらに2週間を棒に振り、結局「失われた一ヶ月」のあげく、ようやく12/24の古賀志でリハビリのスタートラインまで戻して、今日の土曜、Nさんに都合付けてもらって、8時半清滝集合で足尾アイス偵察の計画となる。なんせ3ヶ月ちょっとしかないアイスシーズンで1ヶ月の空白は痛い。


 寒波は金曜から到来なので土曜だとまだちょっと冷え込み期間が短いのだが日曜は仕事なので選択の余地なし。まあNさんとなら、悪氷だろうが薄氷だろうが、氷さえ着いていれば登れるので、大空振りはないだろうが、一応まったくのオケラのときにそなえ、古賀志転進セットも用意。

 8時半清滝のコンビニ集合と打ち合わせたのだが、7時前に家をでたので、Nさんに電話して「早く出たので、先に足尾に行って偵察しています」といおうと思ったら、Nさん「もうコンビニつきましたア」。そそくさと車をはしらせ、7時45ころ清滝到着。Nさんなんと5時頃には家を出たたらしい。
 食料調達し、N号デポ。00号で雪の舞う中、足尾に向かう。ダム駐車場に車を置いて8時45スタート。まだ歩行時の痛みがあり、ダブルストック+スパ長。氷の状態よりも、アイスの道具や靴込みで17〜8kgのザック背負っての2時間弱の歩きに耐えられるかどうかがさしあたっての関心事であり懸念材料。無事氷までたどりつけたら、まだその組み合わせで使っていない、「ファントムライト+dartwin+クオーク」セットの試運転ができればいうことなしなんだけど。
 奥のゲート手前辺りからは車のトレースなく、踵上の雪を踏んでゆく。出だしからあった足の痛みは幸い途中からむしろ軽減して一安心。しかしダブルストックでゆっくり歩いているのに足が少しだるくなり、決して本調子ではない。
2008Dec27足尾01 "奥のゲート対岸の氷、殆ど見えず"


 ジャンダルムの辺りからはふくらはぎ辺りまでの積雪で無論ノートレース。吹きだまりは膝くらいのラッセル。ダブルストックに助けられる。寒波流入中の割に気温は思ったより低くなく、黒沢手前までの氷はまったくダメ。
2008Dec27足尾02


 黒沢の状態が気になるが、次第に風雪が強まり、黒沢が見える辺りでは吹雪で全然、氷が見えない。
 目出し帽を着用し、とりあえず、一番早く氷る横向沢へむかう。10時15分着。で、滝はどうかというと、写真の通りで、氷はあるが、半分は岩が露出し、スクリューが決められるところはない。
2008Dec27足尾03

「ま、のぼれるよ」とNさんの一言で、ザックをおろして登攀準備。ファントムは、初使用の裏同心ではちょっと左足の小指が当たる感じがあったが、そのあとの古賀志での履き慣らしで、足に馴染んできたようで、今日は厚いウールの靴下でも当りは殆ど感じられない。
 以前薄氷のときにやったように、右から行けば登れるかなとちらっと思ったが、ノープロかよくてプアプロ。右足もアイゼンでのたち込みや蹴り込みでどの程度痛くなるのかわからないので、しゃしゃり出るのは遠慮して、Nさんにゲタを預ける。Nさん動ずるところなく、最初からランニング取らずフリーソロのつもり。流石にこっちが心配なので、短いスクリューを2本持って行ってもらう。
 いつもは何の緊張感もなく登る出だし部分も雪の下を水が流れ、氷は殆どないかシャーベット状態で、アックスにもアイゼンにも耐えないので、ドライツーリングというかウエットツーリングで慎重に登ってゆく。垂直部手前で飛沫が氷った氷塊があり、一本スクリューを埋めるが、こんなものは墜落すれは、絶妙のダイナミックビレーをしない限り、氷ごと岩からはがれるだろう。
 垂直部基部を右にトラバースするところがきわどそう。さらに右トラバースから上部のスラブに上がるときに反時計方向にほぼ180度向きを変えねばならないのだが、ここも使える氷がなく、スラブ部分の、氷というよりザラメ雪と右上の遠い位置の氷だけなので、ほぼ岩に引っかけでのぼっており、みていてもハラハラ。もし落ちたら、どのくらいロープを流せばあのショボ氷に埋めたスクリューで止められるだろうかと、イメトレする。さすがにビレーしながらNさんの勇姿を写真にとる余裕はなし。
 スラブに無事乗り上がるとあとは姿が見えないが、ここも氷がないと厳しいところ。ロープの動きとるベルソに神経を集中させ、ているとほどなく「ビレー解除!」の声で、どっと緊張が緩む。
 あとはお任せして、こちらもファントムにdartwinを装着。この組み合わせだと、チベッタ+グリベルの縦爪よりも両足併せて6〜700g程度軽い筈。たしかに足さばきは楽そうだが、無理にひねるとちょと足首がいたいので、今日は無理は出来ないでしょう。
 00登る前に、NさんにTRで中央氷柱、左氷柱と続けて登ってもらう。
2008Dec27足尾04

 いずれもつららがつながっておらず、しかも細く、脆そう。とくに左のラインは、水がじゃあじゃあ落下していてシャワークライミング必至。
 Nさんは危なげなくどちらもあっさり登り、ついで00。氷柱は見るからに00には無理なので、右ラインを目指すが、そもそも出だしからデリケート。アックスも足も岩のエッジに置いて動かさないでそっと体を上げる。Nさんの登りをみていて難しそうと思った通り、トラバース部分も、スラブへの乗り込み部分も、氷も岩も使える部分が限定されており、こんなところとてもじゃないけどリードなんて出来ません。足の調子良くて、うっかり「リードしてみます」なんていって登ってきても、スクリュー効かないし、おそらく降りる事すら出来なくなっていたんじゃなかろうか?
 細い氷柱は近くでみると表面を水が流れ、岩との接着も弱そう。氷柱のところどころに薄い羽のような透き通った氷ができており、その表面には細かいさざ波模様がついていて、これがとてもきれいだが、写真撮ってる余裕なし。しかし氷瀑がこういう過程を経て育って行くんだなあと、こんな早い時期の氷を登ったことはないので、新鮮な発見。
 どえらい苦労をして漸くスラブに登り上がっても、そこに有るのは厚さ1cm程度のザラメ雪が固まっただけの斜面。アックス1本では静荷重も支えられないので、正に3点確保の神髄で、苦労して探した3点に荷重を分散し残りの1点を上げてのろのろとずり上がり、ようやく終了点。ひたすら緊張で、靴とアイゼンの組み合わせやアックスの感じをいろいろ試したり確認する余裕なし。
 そのまま続けて中央氷柱もとりついてみるが、全然はなしにならない。横から蹴るとどんどん壊れるので、3手程でギブアップ。
 一旦おりて、00は夏小屋の偵察。夏小屋は遠目には細くつながってはいるが、氷自体はおそらく横向の氷同様で、まずスクリューは使えないでしょう。
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 もどって、00今度は左ラインをのぼり、そのまま左の氷柱も滝に打たれつつ、2/3ほどは頑張って登るが、ここで手詰まり〜パンプアップで「てんしょ〜ん」。降りてくるとメガネはシャワークライミングのしぶきでびっしり氷っていた。

2008Dec27足尾06

 今日のこの氷だとこれでやり尽くしたでしょうということで、1時過ぎ撤収。行きに見えなかった黒沢は、やはり全然氷がない。水も流れていないので、どのくらいで登れる程に発達するのかしないのか見当つかず。
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 帰路の林道歩き後半では、さすがに右足首がまた少し痛くなるが、大事にはいたらず。
2008Dec27足尾09










 駐車場につくと2時半前で、これから古賀志に行くにはもう遅いしと、定番パターンのスーラータンメンで体をあたためて、本日終了。
2008Dec27足尾10

 遠路はるばる来ていただいたNさんには、歩く時間の方が長く氷登ったのは3本だけと、くたびれ儲けのようになってしまい申し訳なかったけれど、おかげさまでこちらは、足首のチェックも出来たし、これ以上早い氷は登れないという極限のアイスクライミング、いやベルグラミックスクライミングをさせていただいたし、いうことなしの「悪氷ルンルン」ってところ。
 どのくらいの氷ならどの程度の荷重に耐えるかという見極めは、不安なら登らずに帰ってくればいいゲレンデアイスには不要でも、アルパインには極めて重要だと思うので、今回もいい経験をさせてもらいました。フツーの氷は誰と行ってもいいけど、やはりせっかくNさんといくなら、悪氷、薄氷のチャンスを増やしたいもの。またよろしくお願いいたします。
 
 

nccnet1 at 21:57│Comments(0)TrackBack(0)活動記録 | 日光/足尾/安蘇

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