2019年01月01日

2018年ベストアルバム

🐱三🐱三🐱三🐱三🐱

去年はいつにも増して時間がなかったため、上半期に選出したものはその流用だし、
新たにランクインさせたブツのコメントはまだ書けていないという体たらくぶりですが。。。
いつも通り、リンク先は視聴先。画像はほぼamazonリンクです。

・Judas Priest [Firepower]

脳漿を沸騰させる説明不要のファイアーパワーでねじ伏せるメタルゴッドの最新作。
「Defenders of the Faith」や「Painkiller」のようなスリリングさは本作には確かに無い。
しかしながら、熟練されたフックの効いた王道を行く正統サウンドに勝るものは無いと
世界へ証明を果たした珠玉の14曲が収められた強力盤でございます。メタルの優勝。

・Deafheaven [Ordinary Corrupt Human Love]

アメリカのポスト・ブラックメタルバンドの4作目。
脱出不可の仄暗いBlackgazeの海原へ挑んだ前作に対し、
今作はパステルカラーな「Sunbather」とはまた一味違った、優しく美しい叙景が浮かぶ路線で、
儚いギタートーンが写し出す構築美の前に思わずはにかんでしまう一枚。

・Infernal Coil [Within A World Forgotten]

Dead in the Dirtのメンバーが在籍しているメリケンのブラッケンド・デスメタルバンドの1stアルバム。
鼓膜を決壊して脳髄に汚染しに押し寄せてくる瘴気に塗れた音の濁流と
虚空な闇が支配するエクストリームミュージックの極地がここに顕現。

・Vein [Errorzone]

ボストンのハードコアバンドのデビューアルバム。
不協和音をはじくトリッキーなカオティックサウンドからモッシュパートにドラムンなビートなど
多彩な音を詰め込みながらも、コンパクトに要素を凝縮させた巷の評判通りの痛快な一枚。

・Peste Noire [Peste Noire – Split – Peste Noire]

Bandcampで購入したら速攻で削除されて泣いたフランスのブラックメタルバンドの7作目。
前半「Traditional」と後半「Degenerate」という特殊構成や、過去曲の再録など盛り沢山な新作。
後半部のラップ／トラップ要素からかmetallumでは早速20%という低評価が投稿されているものの、
個人的にはこういった周囲の影響とか咄嗟の思いつきでやったようなイキったアレンジも
Famineのやることだから…ということで、なんだか納得いっちゃうんですよね。

・Amorphis [Queen of Time]

クイーン・オブ・タイム【通常盤CD(日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

フィンランドの叙情メロデスバンドの13枚目のアルバム。
オリエンタルなフレーズが増し増しになった本作もバランスが崩れることのない
超安定の出来映えで、「あぁ～！北欧の音ォ～！」と悶絶すること必至の良作。

・Maison book girl [Yume]

4人組のニューエイジ・ポップ・アイドルグループの新作。
旧作はやんわりチェックしていて、ライブもヤなミューの企画で何となく一度観ただけですが、
これを聴いてからこれは再度しっかり耳をかっ穿じって刮目せなイカンなと決意するのでした。

・Gnaw Their Tongues [Genocidal Majesty]

オランダのアヴァンギャルド・ノイズ・ブラックメタルプロジェクトの10作目。
前作やDragged into Sunlightとのコラボ作を更に悪趣味にしたようなドス黒い空気を帯びた曲群で、
Moriesおじさんのここ数年の作品の中ではダントツに狂気に塗れたアルバムでした。

・Daughters [You Won't Get What You Want]

USロードアイランドのノイズコアバンドの復活作にして8年ぶりの新作。
無機質なエレクトロビートと共にぐわんぐわん捏ね回される不穏極まりないリフ、
そして虎眼先生よろしく曖昧ヴォーカルによる妙技が、長時間労働で疲れた五臓六腑に染み渡ります。

・Tribulation [Down Below]

スウェーデンのゴシック・ブラックメタルバンドの4作目。
初期のドブみたいな汚いブラッケンド感は彼方へ…という妖しい路線が極まり、
程よいテクニカルさとデスメタル畑らしからぬ上品さ漂うゴシックな装いがなんとも素晴らしい。

・Eartaker [Harmonics]

Goth-TradがMasayuki Imanishiなどのノイズアーティストを迎えて結成されたノイズユニットのデビュー作。
圧殺されるような激重ベースにメキョメキョ鼓膜を金属棒で掻き回されるようなインダスノイズ、
そして伝説の山田たえちゃんのような呻き声が渦巻く鉄臭い地獄がここに。恐ろしい。

・Palm [To Live Is To Die, To Die Is To Live]

TO LIVE IS TO DIE,TO DIE IS TO LIVE (通常盤)

大阪のハードコアバンドによる約6年振りのフルアルバム。
閉塞感に包まれた現代社会を踠きながらどう生きるかを問う前作以上に堅牢なサウンドは
圧倒的ブルータリティを打ち鳴らす今年を代表するハードコアとして間違いない一枚である。

・Sargeist [Unbound]

フィニッシュブラックメタルバンドの大御所による5作目。
一貫して荒涼としたUSサウンドを垂れ流す作風は本当にいつも通りっちゃいつも通りなんだけど、
タイトルトラックのあまりの熱血さに感服しました。

・Sleep [The Sciences]

アメリカのドゥーム・ストーナーバンドの15年の沈黙を破りリリースされたニューアルバム。
耳から摂取する大麻で宇宙へトリップという捻りもクソもないそのまんまな表現がしっくりきます。

・Oneohtrix Point Never [Age Of]

Age Of [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック1曲収録 / 初回盤のみ特殊パッケージ仕様 / 国内盤] (BRC570)

m9(＾ｖ＾)

・Anaal Nathrakh [A New Kind Of Horror]

UKのV.I.T.R.I.O.L.とMick Kenneyが率いるエクストリームメタルバンドの10作目。
またお前らかよ！あまりに変わらなすぎる、故に最高なのである。

・High On Fire [Electric Messiah]

USカリフォルニア州オークランドのドゥームメタルバンドの8作目。
タイトルトラックとか、実質Motorheadの新曲じゃないですか？最高です。

・L'Enfant De La Foret [Strangled]

PerturbatorのJames Kentがやっているエクスペリメンタル・トリップホップの2ndアルバム。
硬質なノイジーなダンサブルビートと陰湿でオカルトチックなアンビエントの絡みが絶妙であり、
時にブラックメタル要素すら巻き込んでくる、躁と鬱が目紛しく展開する怪作。

・Necrophobic [Mark Of The Necrogram]

スウェーデンのメロディック・ブラックメタルバンドの8枚目のアルバム。
ネクロロードさんのアートワークが光る本作を引っさげて、来日してくれと願うばかり。

・Portal [Ion]

オーストラリアのブラックメタルバンドの5作目。
未知なる領域からひり出てくる圧倒的な轟音が耳を蹂躙してくる平常運行のポータルさんでした。
バンドとは関係ないが、次世代機でPortalの続編も早く出してくれValve Corporation。

・illiya [Microcosmos]

日本は東京で活動を続けるハードコア・パンクバンドのファーストアルバム。
バンド名だけでもジャパニーズクールなんですが、中身も拳を振り上げたくなる滾るアグレッションと
日本歌詞、そして泣けるギターフレーズの氾濫にヘヴィローテーションが止まらなかった一枚。

・Kamijo [Sang]

VersaillesをハブられたKamijoさんのソロプロジェクトの2枚目のアルバム。
華麗で美しいメロディフレーズとかみじょうさんのスウィートな歌声を前に、
薔薇の上で横たわりしたくなりますね。働きたくない。

・Outre [Hollow Earth]

ポーランドのDeathspell Omega大好きっ子による2ndフルアルバム。
同系統の音楽性やってるDevouring Starの新作も
良かったっちゃ良かったんだけど、個人的にはカッチリした音作りのこっちの方が刺さりました。

・Tim Hecker [Konoyo]

カナダ人エクスペリメンタル・コンポーザーTim Heckerさんの新作。
東京の郊外の寺で雅楽団体・東京楽所のメンバーらと共同制作し諸行無常を描く「この世」は、
「あの世」との境界を曖昧にする恍惚ドローンの傑作でございまました。
ちなみにライブでは冷房がダイレクトに直撃しまくって、寒さで本当にあの世が見えそうでした……

・Panopticon [The Scars of Man on the Once Nameless Wilderness, Part 1]

アメリカはミネソタのカスカディアンブラックメタルバンドの大御所の新作。
自然派ママもにっこりのカントリー／フォークな曲メインで作られたPart2も同時発売されたが、
リピートするのは持ち味の苛烈なカスカディアン節が容赦無く発揮されるこちら。

・Nine Inch Nails [Bad Witch]

説明不要インダストリアル・ロックの重鎮バンドの最新作。
正直なところ「Hesitation Marks」以降にちょくちょく出ていた音源にはあまりノレなかったんですが、
程よいキャッチーさや憂いの表情を含む静寂を保ちつつ膿んだような尖った毒気も見せてくる本作は好きでした。
何よりソニマニでガチムチレズナー御大が拝めたし、パフォーマンスも最高だったので言う事はないのだ…。

・Behemoth [I Loved You at Your Darkest]

アイ・ラヴド・ユー・アット・ユア・ダーケスト【日本盤限定ボーナス・トラック収録】

ポーランドの大御所ブラックメタルバンドの5年ぶりの11作目。
当初は前作「The Satanist」ほどガツンと来るものを感じなくて、さほど好印象ではなかったんですが、
聞き込むほど深みが出るとかいうありきたりな感想が湧いて出たというか、気づけばそれなりによく聞いていたなと。
曲ごとにブルータル一辺倒でない多種多様なアレンジを組み合わせながらも、
神にヘイトをぶつけていく一徹したスタンスが、アルバムの統一感にも表れております。

・Derdian [DNA]

クサメタルの聖地イタリアのメロディックパワーメタルバンドの7作目。
ファンタジックなカヴァーアートから脱却してもなお、
日本人の琴線に触れる豊穣な抒情フレーズを靡かせた楽曲群は文句無しの仕上がり。
活動歴とクオリティの双方から最早ベテランと言っても過言ではないでしょう。

・Mitski [Be the Cowboy]

ニューヨークを拠点に活動する日本人とアメリカ人のハーフ・シンガーソングライターの8作目。
こういうの普段は聴かないけど、世間での評判が良いようなので聴いてみたら良かったですね。

・Jesus Piece [Only Self]

USのブルータル・ハードコアバンドのデビューアルバム。
説得力のある音源、ライブ共にフィジカルの強さをまざまざと見せつけられました。筋肉は正義だ。

【次点】
・At The Gates [To Drink From The Night Itself]

スウェーデンのメロデスバンドの6枚目のアルバム。
Blinded By Fearの二番煎じみたいなオープニングの時点で超最高なんですが、
アルバム通してなかなか粒ぞろいのアグレッシヴな楽曲が並んでおり爽快な一枚でした。

・Dodsrit [Spirit Crusher]

Totem Skinメンバーによるによるブラッケンド・クラストコアバンドの2ndアルバム。

・Black Reaper [Celestial Descension]

中国のメロディック・ブラックメタルバンドのデビューアルバム。
EPの時点でDissectionじゃん…これDissectionじゃん…！ってなってましたが、
本作もそのまんまのサウンドを昇華した作風でお見事でした。

・The Caretaker [Everywhere At The End Of Time - Stage 5]

UKのJames Leyland Kirby氏によるThe Caretaker名義での全6部作からなる白痴シリーズの第5弾。
愈々クライマックスへと向かう本作ではStage1や2で聴けたようなノスタルジックな情景は薄れ、
壊れたレコード盤のように自我の崩壊が始まっているように思えます。

・Funeral Mist [Hekatomb]

スウェーデンのブラックメタルバンドの3作目。
ジャケットはなんだかおとなしくなったものの、そんな不安は杞憂の
9年振りのアルバムというブランクを感じさせない背徳絵巻を繰り出す強力盤。

・Powerwolf [Sacrament Of Sin]

パワーウルフ『ザ・サクラメント・オブ・シン』【初回限定盤CD+ボーナスCD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

ドイツのパワーメタルバンドの3年ぶりの7作目。

・YOB [Our Raw Heart]

USのドゥームメタルバンドの8作目。

・JPEGMAFIA [Veteran]

アメリカはメリーランド州のアンダーグラウンドラッパーの新作。

・Bliss Signal [Bliss Signal]

Altar of PlaguesのJames Kelly氏によるインダストリアル・ブラックメタルバンドの1st。

・Cor Scorpii [Ruin]

ノルウェーのフォーク・メロディックブラックメタルバンドの2ndアルバム。
今は亡きValfarの息吹をビシバシ感じる郷愁メロの嵐に、Windir信者おじさんもガッツポーズ必至。

・Birds In Row [We Already Lost The World]

WE ALREADY LOST THE WORLD(ウィ・オールレディ・ロスト・ザ・ワールド: +3 bonus tracks)

フランスの激情・エモバイオレンスバンドの2ndアルバム。

・DIR EN GREY [The Insulated World]

メタラーからサンドバッグにされがちながら、ジャンル問わず不動の地位を築いているヴィジュアル系バンドの新作。

・Evoken [Hypnagogia]

USのフューネラルドゥームバンドの6年ぶりの6作目。

・Stortregn [Emptiness fills The Void]

こちらのスイスのメロディックブラックメタルバンドの4枚目のアルバム。
北欧特有の冷徹な旋律を仄かに引き継ぎつつ、Obscureなテクデスタイプの繊密なリフを刻んで突き進む、
Dissectionのコピーから脱却路線が非常に板に付いてきた飛躍作。

・In Vain [Currents]

ノルウェーのプログレッシヴ・デスメタルバンドの3枚目のアルバム。
前作「Anigma」が傑作であったが故にハードルが上がりまくっていたわけですが、
それを超えるような突き抜けた良さはなかったものの、強力な叙情性が付き纏う良作でした。
何にせよ、やっぱりこのバンドのクリーンVoは格別に心地良い…。

・SWARRRM [こわれはじめる]

日本のグラインド・ハードコアバンドの5枚目のアルバム。
ネットで見かけた「グラインドコア版の長渕剛」という表現が合致するような
濃密且つ凄まじい熱量の篭ったブルータルなサウンドと共に愛を語る人間味溢れる力作。

・Parasite Inc. [Dead and Alive]

ドイツの4人組によるメロディック・デスメタルバンドの2ndアルバム。

・Esoctrilihum [Inhuma]

フランスのブラックメタルバンドの3rdアルバム。
I, Voidhanger Recordsらしい魔改造された気持ち悪い不浄さや悪意が発露した独自の世界観を地で行く一枚。

・Zeal & Ardor [Stranger Fruit]

アメリカのエクスペリメンタル・ブラックメタルバンドの2作目。
尺が短かった前作は軽い自己紹介、というくらいの大ボリュームでお届けされる本作は
ブラックミュージックにブラックメタルを融合させた路線を煮詰めた
ポスト・ブラックメタルをネクストレベルに引き上げる可能性を秘めた濃厚な意欲作。

・Death Grips [Year Of The Snitch]

ノイズ・コア／エクスペリメンタル・ヒップホップバンドの新作。

＋

以上、こんな感じでした。

去年は、Red Dead Redemption 2が発売されたばかりに更新が滞り、
アニメは、ゆるキャン△とグリッドマンとゾンビランドサガが面白かったです。
他は特に何もありませんでしたね。

というわけで、今年も緩く更新していくと思います。

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