鴨がネギしょってやってきた

こんにちは!ここは読み終わったミステリ小説や漫画の感想などを綴ったブログです。

2014年05月

今日届いた本

まだ5月なのに夏日ですよ皆様
家にいても暑い(;´д`)
カレンダーめくったらもう8月とかじゃなかろうか。

先週も読書が進まなくてねー
録画しといたガンダムUC見てたせいかなぁ。まだエピソード7は見に行ってません

先週の本が4冊に今週の本が4冊で合計8冊かー。一週間じゃ無理かなー

植田文博 経眼窩式
ジャレッド・ケイド なぜアガサ・クリスティーは失踪したのか?
北森鴻 親不孝通りディテクティブ
長岡弘樹 傍聞き

以上を借りました。
植田さんはばらのまち福山ミステリー文学新人賞の方ですね。タイトルの漢字が難しいですねーケイガンカシキと読むようです。

クリスティー本は古典海外ミステリ探訪記の渕上さんからのオススメです。自伝読んだら読もう。

北森さんはまだ読んでなかったシリーズもの。

長岡さんは図書館ですぐ借りられたものを。

とりあえず今は野崎まどの2を読んでます。

米澤穂信編 世界堂書店

米澤穂信が選んだ15編収録のアンソロジー。
何となくミステリじゃない作品が多そうだから、読むのをためらったのだが、やはりミステリ以外が多かった。
それでも十数年ぶりにベン・ヘクトの「十五人の殺人者たち」を再読できたし、パノス・カルネジスの「石の葬式」というサスペンス小説が読めるのは価値がある。
以下印象に残った作品の感想を。

マルグリット・ユルステナール「源氏の君の最後の恋」
あの光源氏が亡くなるシーンは源氏物語には題名だけで存在しない。
それを花散里メインに描いた作品。
源氏はもう目も見えなくなって花散里の顔も確認できない。別人として源氏の世話をするのだが。
ベルギー人が源氏物語の贋作を書いているというのが面白い。
米澤穂信の解説を読んでみると確かにヒロインは花散里ではなく末摘花の方が正しそうだ。末摘花はこんなキャラではないかもしれないが。

張系国「シャングリラ」
奇想SFといった作品で宇宙の生命体に麻雀を教えるという着想が可笑しい。

ジュール・シュペルヴィエル「バイオリンの声の少女」
話す声がバイオリンの音になるという特異体質の少女の物語。
彼女が家に帰ると突然普通に話せるようになったのは。
少女の時代の終りが、特異体質を終わらせたのか。

キャロル・エムシュウィラー「私はあなたと暮らしているけれど、あなたはそれを知らない」
ヒロインは同居人の女性に気付かれないまま一つ屋根の下にくらしているという。
タイトルをよく考えると怖いが、ヒロインは同居人に恋をさせようと奮闘したりと悪意はないようだ。
ヒロインがどういう存在なのかはっきりしないところが印象的。

レーナ・クルーン「いっぷう変わった人々」
空に浮かんでしまう少女と影のない少年と鏡に映らない少年が仲良くなり、オリジナル・クラブを結成する。
何とも楽しい作品。オチも良い。

ベン・ヘクト「十五人の殺人者たち」
江戸川乱歩編集の「世界短編推理傑作集」に収録されていた作品。高名な医学者達が、医療ミスで殺してしまった患者のエピソードを披露しあうという集まり。
そこでは本当は何が原因で、どういう治療をすればよかったのかと推理しあうのが恒例となっていた。
新入りが少年を死なせた話をするのだが。
何とも素敵な真相が面白い。

パノス・カルネジス「石の葬式」
地震で出て来た棺には石を削って作られた心臓が十八も入っていた。神父はどういうことか調べるのだが。
このアンソロジーで一番濃いのがこれ。
ある家族の物語が描かれるのだが、妻が双子を出産して死んでしまい怒った夫は双子を監禁して虐待をする。言葉も教えられていない双子は何とか逃げ出すのだが。
残酷な物語だが読みごたえのある力作だ。このオチでよかったのかと悩んでしまうところだが。
これは連作のうちのひとつらしいので、近いうちに「石の葬式」という本を読んでみようと思う。

一冊全部ミステリーだったらなと思うのだが、北村薫のアンソロジーみたいな感じなのだろうか。

アントニイ・バークリー 服用禁止

私の友人ジョン・ウォーターハウスが体調を崩して死亡した。医者のブルームは病死だとしたが、ジョンの弟のシリルは兄嫁による殺人だと主張するが…

アントニイ・バークリーの作品がこうしてまた読めるとは。
しかも読者への挑戦を挟んだ本格だ。
毒殺事件というバークリーが何度か作品にしてきたテーマ。
ジョンの妻のアンジェラは病弱のかまってちゃんなのだが、この辺のくどいような人物描写はアイルズ名義にも通じる。

裁判シーンに多くのページがさかれており、法廷ものという感じもある。
ノンシリーズということで、果して誰が探偵役なのだろうという探偵探しも楽しめるのだが、割とストレートという感じか。
犯人を前にしての探偵役の一人多重解決は面白いのだが、その後の展開が著者らしいという感じだ。クイーンの代表作の終り方を連想した。
犯人像が印象的な作品で楽しめた。

喜国雅彦 本棚探偵の冒険

探偵小説好きの漫画家・喜国雅彦が古本について書いたエッセイをまとめたもの。
以前から名前は聞いていたので読んでみたいと思っていたが、なかなか機会がなかったので今回ようやく読んでみた。

江戸川乱歩邸で蔵の蔵書を京極夏彦や山口雅也と見学して感動する話から始まり、デパートの古書市めぐりなどなど、楽しく書かれていて面白かった。
二階堂黎人が著者の古本の先生だったようで、そういえば二階堂黎人のホームページで著者とのやりとりを読んだような覚えがある。

九十冊近い横溝正史の角川文庫を集める話や、ポケミスを一日でどれくらい店で発見できるかという、ポケミスマラソンなんていう企画は笑ってしまうくらい面白い。さすがに購入してるときりがないからチェックするだけの予定が、探していた本を見つけて購入しまくって荷物が多くなるなど、エピソードが楽しい。

本の函がそんなに貴重なものだとは思わなかったが、ないものは作るしかないと自作するのは凄い。何だか自分も作りたくなってくるから怖い。
豆本まで自分で作ってしまえるのだから大したものだ。

こういう本を読んでしまうと自分でも本を買いまくりたくなるから困る。以前は文庫を買っていたが、貧乏暮らしなので図書館を利用しまくっている身としてはムズムズしてくる。
鮎川哲也の長編は22作品中21作は文庫でそろえたのを今でもとってある。まだ復刊されないものもヤフオクで買ったりしたものだ。
あとは「白の恐怖」だけが文庫がない。実際に文庫では発行されていないのだからどうしようもない。
創元推理文庫か光文社文庫で出してくれるといいのだが。

非常に楽しめた本だったので、残りの3冊もいずれ読んでみたい。
ただ地元の図書館だと函が付いてないのが悲しいな。

リチャード・ニーリィ リッジウェイ家の女

ダイアンの描いた絵を見て退役軍人のクリスは彼女に声をかけてきた。お互い配偶者が悲惨な死に方をしていたことから親しくなっていくのだが…

昨年の9月頃だっただろうか、この作品が翻訳されて出版されるという情報を得たのは。
それから発売延期が何度も続き、ニーリィファンの折原一さんもツイッターで嘆いておられたのでやりとりしたりしていた。
一年待って発売されたら、その折原さんが解説を書くことになっていたのには苦笑してしまった。

著者の「オイディプスの報酬」では父と息子の確執が描かれたが、こちらは母と娘の関係がメインになっている。
絵心のあるダイアン・リッジウェイ。そして娘のジェニファー。フレッドという夫がダイアンに暴力を振るうようになり、ダイアンは身を守るために彼を傷つけることに。
その結果ジェニファーは母親を憎み、年頃になると家を出て連絡もとらなくなってしまう。
ダイアンはクリスと、ジェニファーはポールという株式仲買人と恋仲になっていた。
この四人がギクシャクしながら共同生活していく過程が、かなり長く描かれている。
過去の事件だけで新しいのは起こらないのかと思っていたが、4人のうちの1人の経歴が怪しくなってきて、ある人物が探偵役を勤めて身元調査をすることに。
この辺から話がきな臭くなってきて俄然面白くなってくる。やはりキャラが立っているとサスペンスは面白い。
事件が起こり内密に処理してしまおうとするのだが。

二度に渡る意外な展開が終盤に起こるので、その辺の意外性が楽しめた。

著者は経歴不詳だったそうだが、今回判明したことが解説で書かれている。
翻訳されているもので未読のものが4冊もあるので、そのうち読んでみよう。しかし3冊同時デビューだったというのは知らなかったので驚いた。
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