WOMマーケティングを考える。


まず、19日のWOMマーケティング研究会に出てみて、いろいろな立場の人の意見を聞くことができたことは自分にとってプラスになった。

そこで出ていた「WOMマーケティングの課題」を自分なりに大きく3つに分けて考えてみる。

※ここでは「クチコミ」をWeb上での可視化されたクチコミに限定して考える。もちろん世に存在する「クチコミ」はWeb以外にも多く存在するが、私の力不足ゆえ、そこまで議論の幅をもたせてしまうと収拾がつかなくなるので。


大きく3つに課題(問題)を以下にまとめてみる。

1.(クチコミ情報の)受け手の問題

2.(クチコミ情報の)発信者の問題

3.クチコミを(マーケティングの一手法として)利用する側の問題



1の問題は、「そもそも情報を鵜呑みにするな」「すべての情報は、まず疑え」という生活者側への啓蒙・教育が必要になってくる話だ。
これは、徹底することは困難である。また、疑うことを前提にすると「何を信じたらよいのか」がわからなくなってしまうことも考えられる。ただ、情報の一側面だけで全体を判断することは危険だということは、伝えていかなければならない。

2の問題は、「小遣い稼ぎのためだけに記事を書くポリシーのないブロガーの存在」「コピペのよいしょ記事を書くことに罪悪感をもたないリテラシーの低いブロガーの存在」また、「CGM分析を阻害するスパムブログを生んでいる環境の問題」の話だ。
ペイパーポストのようなサービスが存在する以上、小遣い稼ぎ=ブログ記事と捉えるブロガーが存在しても仕方がない。また、一般のブロガーは「素人のもの書き」である以上、よいしょ記事を書くことに罪悪感はもたないことも仕方がないことかもしれない。スパムブログは、そもそもなぜそのようなことをするのかを私自身理解していないので、ノーコメント。とにかく、表現の自由がある以上、この問題は存在し続ける。

そもそも「プロフェッショナル」を相手に仕事をしていればその取引に「お金」を挟んでもよいが「アマチュア」相手に「お金」で取引をしようとすること自体、今一度考えなければならないことではないだろうか(オグルヴィ師匠のコトバ 2009.03.20参照)。

3の問題は、「クチコミマーケティングで儲けようとする企業の存在」「意図的に情報を操作しようとする企業の問題」また、「自身の正体、情報の出所を偽ることで(問題が発覚したときに)生活者の信頼を失う『ステルスマーケティング』の存在」の話だ。
この問題を解決するために「クチコミを仕掛ける側に対してのガイドライン」の作成をすることは非常に有効である。私も「仕掛ける側になりうる立場の人間」として個人の倫理観だけでなく、業界のガイドラインが存在するといい方向に向かうのではないか、という思いはある。


私個人、特に問題として大きく捉えているのが2(発信者の問題)である。

ブロガーは言ってしまえば一個人のアマチュアライターである。

※一部メディア並みに影響力をもったブロガーも存在するが、その方々は別として考える。

であるが故、プロの記者やライター、または番組制作者と話をするケースとは全く別物であることを「クチコミを仕掛ける側」は認識しなければならない。

プロフェッショナルであれば、情報の公平性を保とうとするし、裏どりもする。

また、万が一問題が起きたときは厳しく糾弾されるので情報に責任をもつ。

そのような姿勢で情報を扱っている「プロ」と、ブロガーを同じ扱いにしてはならないというのが私個人の意見だ。

プロとプロとの仕事の取引は、今までのとおりのPR会社や広告会社、マーケティング会社のやり方を踏襲すればよい。

ただし、これがプロとアマとの仕事の進め方となると勝手が違う。それだけは忘れてはならない。

そして、忘れてはならないのは「クチコミを仕掛ける側」の人間である。