自然エネルギーを考える川口市民の会

自然エネルギーを考える川口市民の会・第2回定期総会

2017年3月5日(日)13時開場、13時30分開会
川口駅東口・キュポラM4F・パートナーステーション第2、第3会議室

プログラム

 1、記念講演

   「6年目の福島から、どうみるか?!」

   三浦広志さん(NPO法人・野馬土代表理事)...

 2、総会 

※ 総会終了後15時50分~16時40分くらいで懇親会を予定していま
  す。
※ どなたでも参加できます。講演会のみ、総会のみの参加もOKです。

連絡先:080-3414-1441(守谷)

2017年年明け早々の18日(日)に当会主催の「日本と原発・4年後」の映画上映会が開催されました。ご来場いただきました皆様、誠にありがとうございました。 

正月休み明けの成人の日を含めた3連休の真ん中の日に当たる日程で、しかも、天気が崩れるとの予報が出ていたため、何人くらいお越しいただけるか心配しておりましたが、1回目は座席が足りなくなるほどの人数、2回目はほぼ満席状態と沢山の方がお越しくださいました。また、2時間18分と言う長編映画にもかかわらず途中退される方も無くみなさん真剣に観てくださっていました。本当に感謝感激でした。 

福島原発の事故からもうすぐまる6年となる中、事故の収束もできていない、被害者への賠償、避難者への支援の打ち切り、放射線量が高い地域への帰還奨励。そんな中で次々と再稼働される原発。さらには、原発事故の事がメディアで扱われることが少なくなり、世間の記憶から忘れ去られつつある現状に危機感を覚える昨今。「日本と原発・4年後」のような原発事故について時系列的にまとめられ、又、被害者の声や原発の危険性などをわかりやすく伝えられている映画を観て、考えることはとても有意義なことだと思います。 

今回の上映会に向けて知り合いや、つながりのある団体への宣伝活動を行い、多くの方がいらしてくださいましたが、驚いたのは、「日本と原発・4年後」の公式サイトに出していただいたネットの宣伝を見ていらしてくださった方が多くいたことです。また、大学生やこの映画を観てレポートを書くと言っていた中学生などの参加もありこの映画の上映会をやってよかったなあと感じています。ただ、今回の映画をご覧いただき参加者のみなさまご自身にとって原発に関していろいろ栄養になったことと存じます。そのご覧になって得た栄養を糧に当会にご入会いただき、ご一緒に活動していただくとか独自に原発事故や原発について、あるいは、自然エネルギーについての取り組み等、次の行動、取り組みを始めていただけたら幸いだと思います。

最後に今回の映画上映会では皆さんに映画をご覧になっての感想をアンケートという形でお寄せいただきました。その中からいくつかご紹介させていただきます。

【参加者からお寄せいただいた感想】

1、大変良かったと思います。身近に実家が南相馬の人がいたり、我が家の実家のある愛媛県今治市の島にも避難している家族がいるなど他人事ではない問題としてとらえてます。こういったドキュメントをなぜ大マスコミで扱えないのか、扱おうとしないのか、とにかく、多くの人に見てもらえるようにすべきだと思います。 

2、原発事故は人類を滅亡にみちびく、他の事故とは大違い。原発事故の費用は他の費用に比べ物にならないほど青天井。原発事故のこわさ、映画によっていろいろ知ることができました。多くの人々に伝えていきたいです。日本は原発の大きな墓場ですね。 

3、福島のことを思い出すことが少なくなっていました。自分の鈍感になった心に響きました。家族や友人と原発の話をもっとしていこうと思います。 

4、「原子力ムラ」の実態が大変よくわかりました。裁判にいつも負けていると感じていましたが、不起訴を起訴にしたりと、各地方裁判所は原発を差し止めにしていることを教えていただきました。前向きに作られた映画で元気が出ました。市民運動が大切なこともわかりました。 

5、3.11の震災当時、私は中学生で地震の大きさとニュースで報道される津波の様子が、とても怖かったのを今でも覚えています。その後、原発の事故が起こって、自分が今まで使ってきた電力が、たくさんの人の生活や命を奪う放射能を生み出すような危険なものだったということを知りました。「知らない」ということが本当に怖いことだと実感しました。映画を見て今も続く放射能被害の実態や「原子力ムラ」などという存在についてもっと多くの人(自分も含め)が知っていく必要があると思いました。これからも自分のこととして身近な仲間と一緒に原発の問題を考えていきたいです。 

6、やはり原発周辺10Kmの人を完全に追い出すということは本当に重大な問題であり、二度と起こってはならないことと再認識した。また、原子力発電が原子力ムラとして利益を上げることを目標とし、未来のエネルギーというのはうわべのことなのであれば、また、でないとしても実質的に持続可能かつ安全でないただ、民衆を苦しめるだけなのなら、それは、本当に原発は廃止されるべきであると思う。自然エネルギーにあそこまでの可能性があるなら、原発なしでもなんとかなるのではないかと考えました。 

みなさま、アンケート回答ご協力ありがとうございました。

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26日(土)朝7時半過ぎに蕨駅をスタート、車3台を連ねて一路、小川町へ。参加者は主催の自然エネルギーを考える川口市民の会の他、ダイオキシン問題を考える市民の会、川口市民環境会議、荒川夢クラブと日ごろから環境問題に取り組んでいる14名。川口市議会の民進党、共産党の議員さんも参加されました。

目的地到着は10時すぎ、10年前の2007年、小川町の有機農家が中心となって運営するバイオガスプラントです。52年ぶりとかいう11月の積雪のあと、冷蔵庫のような寒さでしたが、代表を務める桑原衛さんの温かい人柄が伝わってくるお話にすっかり魅了されて、参加者一同、たくさんのお土産と勇気を持ち帰ることができました。

今回、私たちがこの現地見学を企画した目的は、川口市で焼却処分されている生ゴミを何とか有効利用できないか、まるで水を燃やすような愚行を止めていくヒント探しでした。その先行事例としての小川町のバイオガスプラント視察のようすを簡単に報告したいと思います。

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NPO「ふうど」が運営するバイオガスプラント(小川町)


バイオガスプラントのはじまり

小川町は紙漉きや建具、酒造りなどで知られる人口37,000人ほどの小さな町です。古くから江戸から秩父に通じる交通の要所として商業が盛んでしたが、周囲は田んぼや畑の農村風景が広がり、背後には里山が連なってなんとも心を和ませてくれます。

桑原さんによると、かつて盛んであった畜産が衰退し、そのために堆肥づくりができなくなったことが生ゴミ再利用のきっかけだといいます。

小川町は日本で最も早い時期に有機農業に取り組みはじめた町です。金子美登さんはその先駆者であり、桑原さんもその志しを慕う担い手の一人です。でも堆肥を作ろうにも肝心の家畜が出す糞尿が手に入らない。ではどうやって有機肥料を確保するのか。

そこで目をつけたのが生ゴミでした。都市化が進むなかで生ゴミに事欠くことはありません。焼却処分される生ゴミをなんとか活用できないか、20年ほど前にはじまったそんな願いが今、バイオガスプラントに結実しています。

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NPO「ふうど」代表の桑原衛さん。分かりやすい説明をしてくださった。




バイオガスプラント実現の経緯

桑原さんたちのアイディア実現には、小川町の環境基本計画の方針と深く結びついてきたといいます。行政と町民の主体的な動きがつかず離れずの自立性を基礎に展開してきたようです。

町の基本計画の1分科会である「ごみ減量・循環型社会」に集った委員から、ゴミの減量化と有効利用にバイオガスプラントが有効という話が立ち上がり、その提案を受けて町と委員で実証実験がはじまりました。生ゴミの回収と運搬は町の職員が対応し、実験用のバイオガスプラントへの生ゴミ投入は委員が、という具合に、町が町民の提案を支援しながら、あなた任せにせず、役割分担していく姿勢はこの運動を根底で支えるなと思いました。

このような経緯を経て桑原さんはバイオガスの専門家や有機農家の仲間とともに「NPOふうど」(特定非営利活動法人・小川町風土活用センター)を立ち上げ、その趣旨に共感してくれた集合住宅に暮らす多くの世帯から生ゴミ拠出の協力をえることで、一挙にバイオガスプラント実現の道が開けたようです。

建屋やプラントの建設費用800万円は町民からの出資金が400万円、残りの400万円はAP bank(小林武史、坂本龍一、桜井和寿がたち上げたNPOバンク)からの融資です。町からの補助金はありません。

運営費は生ゴミの焼却コストの節約分として町が支払ってくれる代金(32/kg)と農家が購入してくれる液肥代が主な収入源です。液肥の販売が採算面では重要なようです。支出は生ゴミ収集や液肥配送などの輸送費、エリアは小さい方が良いようです。

運営開始から10年、収支はとんとんといいます。融資を受けた400万円も完済し、出資金も無事返済されるといいます。

 

バイオガスプラントを支えるもの

現在、バイオバスプラントが処理するのは、1日約100kgの生ゴミです。液肥は5001,000円、有機農家だけでなく一般農家も購入してくれるそうです。この液肥は大変に良質な肥料で、同じ野菜でも液肥を使うと味や風味、大きさまで全く違うといいます。野菜の質で勝負できるというのです。メタンガスは無料で家庭用の燃料に使えわれますが、ホンダ技研の協力によってコジェネを導入、共同研究をしています。自家発電(屋根には太陽光パネル設置)によって施設内の電源に利用され、熱利用や給湯、売電もできるそうです。

生ゴミを提供するのは学校給食と、100世帯の参加住民です。参加住民にはその謝礼として「生ごみクーポン券」が発行されています。このプラントによる処理コストは12/kgなので、焼却コストの節約分32/kgとの差額20/kgが原資となります。一世帯が提供する生ゴミは年間およそ150kgとなるので、3,000円の地域マネーとして参加住民は、地元の新鮮な野菜と引き換えることができます。

生ゴミを資源化して、地域の住民と行政そしてNPO団体が連携して地域社会をつくっていく。この取り組みはこれからの地域社会のあり方に大きなヒントになるにちがいありません。


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バオイガスプラントの内部。下は発酵槽、風船にはメタンガスが貯まっている。


バイオガスプラントの仕組み

バイオガスプラントは木造の建物に収納されています。木材はじめほとんどの建設用材は地場のものを使っているそうです。お金はなるべく地域に還元する考えです。建物の大きさは幅が4m弱、奥行きは14mほどでの平屋建て。入り口付近にはポリバケツに入った生ゴミが並べてありました。学校給食の残菜と一般家庭からの生ゴミは、違いが一目でわかりました。まるで食材のような生ゴミにはちょっと驚かされましたが、同じものが川口市ではすべて焼却されていると考えるとぞっとします。生ゴミはかなりきちんと分別されていて、取り除かれたビニールのような不純物の量はわずかでした。

生ゴミはまずホッパーに入れて不純物をチェック、次に粉砕機で粉々にされます。貝殻や魚の骨くらいならばまず問題ないそうです。次の主発酵槽で発酵がはじまり、発生したメタンガスは風船のようなガス貯蔵槽に貯められ、一番奥に液肥が貯留されていきます。

できあがった液肥を見せていただくと、水の中に細かい発酵した生ゴミが混濁しているのがわかります。この液肥は窒素・リン酸・カリの他にミネラルやビタミンも含まれ、米や麦、野菜をおいしく育てます。ノートには購入された液肥がどのような用途に使われたのか、データがびっしり書き込まれていました。さすが有機農業の町、液肥が地域づくり大きく貢献しているようです。

 

バイオガスプラントと川口市

川口市という都市型の人口密集地と小川町には大きな違いがあります。はたして生ゴミ発酵施設のようなプラント建設は川口市では可能なのでしょうか? そんな疑問をもって施設を見学した第一印象は「あまり臭わない」ことでした。発酵過程からも、できあがった液肥からもほとんど臭いはしません。問題は生ゴミ自体の腐臭です。あえて言えば、生ゴミを投入するホッパー付近が臭う程度です。小川町のプラント付近は畑が広がるのびのび空間ですが、このプラント建設自体が周辺住民に影響を与えることは人口密集地の川口でもほとんども問題にならないでしょう。

では川口市では液肥は充分に活用できるのでしょうか。安行地区などは今も植木産業が盛んですが、どれほど需要があるのでしょうか。

桑原さんによると、液肥を無害化する施設の建設費はバイオガスプラント建設費の1.7倍といいます。液肥を地域の中でいかに有効利用できるか? これが何と言ってもポイントです。

この不安に対して桑原さんはペットボトルに入れて配布するのがよいと答えてくれました。学校菜園や家庭菜園、街路樹や花壇などがターゲットになりそうですが、ここは私たちが知恵を絞る番です。小さなバイオガスプラントをつくって学区規模くらいのエリアで地産地消できるような仕組みを考えていく必要性を感じました。

1時間半にわたって熱心に説明くださった桑原さんは、最後に同じ埼玉県民として、いろいろな連携ができたらという言葉をかけてくださいました。地域の抱える状況は違っても、生ゴミ再生利用は温暖化などグローバルな課題であるとともに、地域の活性化やコミュニティづくりにも関わることです。この言葉を励みに小川町に負けないような取り組みをしてゆきたいものです。(蒔田豊明記)

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記念撮影後、桑原さん推薦のレストラン「べりカフェ」で昼食。おいしかった!

 

(追記)川口市で液肥の需要がどれほどあるのか、これについて林恒男さんから具体的な提案を含む追記をいただきました。川口の地域調査、実態把握の大切さを改めて感じました。今後の運動の方向性として受け止めたいものです。

 

この安行地区等では、小規模であっても有機栽培などの農家さんもあり、一度現地調査する価値があると思います。

みどり課、公園課、グリーンセンターがどれほどの追肥を使っているか、総合的に調査し、更に給食センター(新郷or南平)からの排出量の調査も含め、地域の一般家庭への協力なども有効と考えます。(林恒男記)

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