もう、何年も前にメインマシンとして使っていたノートパソコンを久々に立ち上げてみた。
なんだか色々と警告が表示されるが、そんなもん無視でブラウザを立ち上げネットに繋いだ。

パソコンの起動時に長々と時間がかかるのにも驚いたが、ネットの表示速度の遅さも驚きった。たしか、このパソコンを購入したばかりの頃は、なんて快適さなのかと感激した記憶があるのだが…

取り敢えず、ブラウザにブックマークされたサイトやらブログを見てみることにした。

うわ、懐かしいな。
周囲からは「姫」と呼ばれていたオバちゃんのブログが残っていた。神奈川県内を中心に活動するグルメブロガーだ。生まれて初めてオフ会というのに参加させて貰ったっけな。
ああ、でも、1年ほど前で更新が途絶えている。

そうそう、あれは2度目のオフ会に参加したときのことだった。当時の僕は「ガラムマサラ探検隊」という、まっこと小ちゃなホームページを運営していた。ターゲットはケータイメディアであって、カレーが大好き過ぎる僕がアチコチの店舗を訪れては、料理にコッソリとカレー粉やガラムマサラをかけて食うという非常にゲスな内容であった。

そんな僕が、どうしてか姫から再びオフ会の誘いを受けたのだ。

待ち合わせの場に登場したメンバーは、姫を先頭に4人。初めてのオフ会では店を貸し切り様な勢いであったのに対し、店のキャパの都合から、選りすぐりの少数精鋭部隊を結成したとのことであった。

会場は、マイナー路線の中でも、さらにマイナーな駅から徒歩で30分ほど歩いた場所であった。ブログでは、完璧にインドアライフなイメージの姫であったが、実際は中々の健脚であった。

『こんな隠れ家的な小さな店でも、この塩ラーメンのスープは、間違いなく県内では至高の味わいよ!!いえ、日本全国を対象にしても…』

隠れ家的な小さな店というか、ラーメン屋ですらない。店内はカウンターのみで椅子すらも置かれていない。
隣は昔ながらな様子の酒屋で…ってか、酒屋の一部を仕切った立呑スペース。今風にいうとイートインスペース。

『それでは、お願いします!』

姫がカウンターの奥にある厨房らしき場所にいる婆ちゃんに声をかける。

『はい、はい、ちょっ待って下さいね』
と料理人の婆ちゃんが応える。

狭いスペースに、いくつもの香味野菜を想起させる複雑な香りが漂い始める。

しばらく待って、ことん、ことん、人数分のドンブリがカウンターに置かれた。

自分のドンブリを前にして中を観察すると、丁寧に盛り付けられたことがわかる。

少し白濁しているが澄んだスープは若干だが緑色に見える。

具材は、薄いチャーシュー、半玉、ワカメとモヤシ、それにコーンが数粒のって、あと、白い摺り胡麻が振りかけられていた。白い摺り胡麻が…

丁寧に盛り付けられているけど…
とても馴染みのある香りなんですけど…

レンゲがなかったので、両手でドンブリを持ち上げ、縁からスープを口に含んだ。

これって、もしかして…

ドンブリをカウンター上に戻し、箸を手に取り麺をすする。

うん、フライ麺独特の香ばしさが…
これって、やっぱり…

他の参加メンバー達の顔をみると、なんだか気まずそうな表情を浮かべながら、さっと目を逸らされてしまった。

おい、この選りすぐりな少数精鋭部隊の中に勇者はいないのか! 


……

昨日の晩から、無性にサッポロ一番の塩が食べたいのですが。
こんなときって、別の食べ物で記事を書く気にならないよな。

◆次回予告


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