会社の倉庫の中で不要な物の分別、片付け作業をしていた。
ここには不要になった古い機器、使われないであろう予備部品、備品等が多数保管されている。
突然、スーツ姿の男性二人女性一人の三人組が倉庫に入って来た。
何らかの依頼を受けた社外の人間のようだ。
自分の存在など目に入らない雰囲気で、倉庫内を見渡し何かを物色しているようだ。
「何かお探しですか?」と尋ねると、「地球儀」とだけ言う。
自分が地球儀?そんな物あったかなあ?と思った途端、
目の前に大きな地球儀が置かれているではないか。
地球儀を指差すと、三人は喜び勇んで地球儀に駆け寄る。
全く気が付かなかったが、白く埃まみれの小さい地球儀二つも、
すぐ横の収納棚の上に置かれている。
三人は急に無邪気にはしゃぎ出し、小さい地球儀二つを手に持ちワイワイやっている。
何らかの職務でここを訪れたと言うよりは、地球儀を見る為に観光、行楽に来たような雰囲気だ。
自分が、「地球儀回収に来た業者さんですか?」と尋ねたが無反応だった。
何だろうこいつらは、不愉快な感情が湧いてくる。
次第に怒りの感情に変わり、自分のダークな部分と言うか短気な気性が
出てきて、「こいつら、この場でぶちのめしてやろうか」と、心で呟いた。
すると一人が、「大きなかぶを引っこ抜いてしまうと、大きな穴だけが残るんですよ」と言う。
「どうも御親切に探してくれて感謝します」と、三人は軽く会釈をして倉庫を出て行った。
三人を見送った後、再び地球儀に目をやると、それは地球儀では無く、
太い電線を巻いた木製のリールと、100v電源コードリール二つだった。