「おい、俺を一体誰だと思っているのか」、
珍しく軍神が自身の存在を強い口調で鼓舞してきた。
相当な自信を感じさせる余裕の表情で。
「俺だけで充分だ、他を頼る必要も全く無い、お前はなぁ~」と、
自分を睨みつける。
右手に物騒そうな巨大な武器らしきものを握っているが、
それは数トンはあるだろうと思われる軍神よりも大きな金属製。
軽々持ち上げ、それを揺さ振りながら自分に対して不満気に語る。
こんなので叩かれたら木っ端微塵だ。
なのに突然に、自分は自分の意思では無く、
軍神の左脚くるぶしに内側から外に思いっきり足払いを掛けた。
自信満々の軍神の隙を捉えたのか、無意識に体が勝手に動いた。
軍神は微動だにせず、ニヤリとして、「いい勘をしてるな」と。
右脚に相当な荷重が掛かっているから、左脚は浮足立ってると思っていた。
しかし、行動に移す気は全く無かったが、条件反射的な行動だった。
満足そうな表情を見せてから素早く、くるっと背を向け大股で去って行った。
その際、自分は軍神の左脚の運びを注視し、観察し続けた。
やせ我慢してないかと疑って。