3.11 clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー 新潟 GOLDEN PIGS RED
今回のツアーは今までとは全然違う。
クラムボンがメジャーレーベルを離れて手売りで新譜を売るというツアーだ。
Twitterでなんとなくは理解してたつもりだったけど、20分くらい長々と説明してくれてより詳しく深いところまでわかって納得した。
今回のツアーは今までと違いライブ終了後にサイン会があり、開場時間前からライブハウスでCDのみ販売していてそこであらかじめ新譜を買い、当日のチケットを提示するとサイン会の参加券がもらえるシステムだった。
新譜の「モメント e.p.」は 昨年行われた日本武道館公演で限定販売された「Slight Slight」の別verも収録されてる5曲入りのミニアルバムで基本的には今ツアーの会場限定販売となっていてtropicalからのリリースで価格は税込み2500円。この値段設定をどう思うかを考えながら読んでほしい。
画像はオフィシャルサイトより
早めに会場に行ってCDを買い無事に早めの番号をゲット。
会場近くの中古レコードショップのキングコングでディグったり新潟名物のタレカツ丼を食べて時間を潰した。
時間になり会場に入場。
クラムボンのライブは安全なので出来るだけ前方中央に陣取った。
2列目中央あたり。
すぐに違和感に気付いた。
郁子の機材がまるで違う。
郁子といえば赤いNordだったのに。
そして見たことない機材とかやたら高そうなコードが。
モニタも変えた?
これについては後で説明があった。
暖簾はアルビレックス新潟のマスコットのアー、ルー、ビー(名前違うかも笑)がクラムボンのメンバーに見立てられて描かれてた。
そんなことを考えてたら開演した。
3.11という特別な日に新潟での1曲目はある鼓動だった。
直接震災のことを直接歌ってるわけではないけど震災の後にツアー中に作られた曲だ。
生きること、健やかな日常への祈りのような曲でMVもシンプルなんだけど凄い良い。
「あっ…」と会場にいる全員が一瞬で何かを察したのがわかった気がして1曲目にしてウルっときた。
ある鼓動 / クラムボン
水辺に咲いた 花を手向けて
強く強く 頷いてゆくの
止まった時が そっと動いて
閉じる心 乗せてゆくの
両手ひろげて good groovin’
まわれまわれよ good groovin’
内なるリズムはここに ある鼓動
ひとつひとつ受け入れて
どうにか今を過ごしてる
最果ての地で種をまく人
健やかな日を遠く願う人
両手ひろげて good groovin’
まわれまわれよ good groovin’
内なるリズムはここにある
光が降り注ぐように
ささやかな営みが途切れることなく続くように
両手ひろげて good groovin’
まわれまわれよ good groovin’
内なるリズムはここに ある鼓動
そして2、3曲目に演る曲の定番はなればなれで”いつもの”クラムボンのライブがスタートした。
3曲目にまさかのRe-メロウトロンだった。
Re-メロウトロンのあの映像は何回も見てたし実演が見れて嬉しかった。
普通の感想だけど凄かった。
クラムボン - Re-メロウトロン 【STUDIO LIVE】
そして最近のことについてライブのMCとは思えない長さで説明し始めた。
去年クラムボンは20周年というメモリアルイヤーを迎え、5年振りのオリジナルアルバム「triology」をリリースしてレコ発ツアーを行い、日本武道館でそのツアーを締めくくった。
いろんなことがひと段落ついた時に「この先何をやろうかな」と考えた時にいろんなことはほぼほぼやったなぁという気持ちになったらしい。
事務所を立ち上げて、スタジオも作った、カバーアルバムもライブアルバムも出したしモノラルとステレオの2枚組アルバムまで出した。
そう考えた時に1番やりたいことはどんどんピュアになってきて”良いモノをもっともっと作って 良いモノをお客さんにもっと安く 良いカタチで届けられたら”それくらいしか思い浮かばなかったらしい。
そしてソレをやるにはどうしたら良いかって考えた時に単純にお金の管理を自分たちで出来て尚且つそのお金を自分たちの機材だったりレコーディングだったりパッケージだったりに自由に使えてそれをパッと直接手から手へ渡せたら完璧だな〜ただそれだけだなぁって思ったらしい。
そしてそれをするにはどうしたら良いか突き詰めていくともはやメジャーというところにいる必要がないんじゃないかな〜ということを考え出したらしい。
そしてここからメジャーというところの仕組みの話が始まった。
そもそもバンドとかが何でメジャーというところにいるのかというと、アーティストが出たての時はその名前を売らなきゃいけなくて、名前を売るには各メディアでの宣伝だったりCDショップとかの雑誌とかそういうところに営業するにはコネクションが必要になってきて、メジャーレーベルには圧倒的にそのチカラがあって、そういう宣伝とか盤の製作とかをしっかりしてくれるのがメジャーレーベルらしい。
でも今のクラムボンには”ソレ”が全員でカバー出来ることに気づいた。
自分たちのスタジオも持ってるからスタジオのノウハウもある、先日NHKのCoversに出演したのも郁子がリリーさんと飲んだ時に話の流れで決まったり、郁子はソロ仕事もCMのナレーションとか舞台音楽とかやってるし、大ちゃんはクラムボンのメンバー全員が卒業した専門学校のドラムの先生やってて、専門学校で映像流してくれたり図書館にDVDが置いてあったりするらしく生徒たちも勝手に先生がどんな人なのか調べてくれたり「フジロック行ったよ〜」とか「ライジング行くよ〜」とか声をかけられるらしい。
そんな感じで世代の違う子たちにも知ってもらえたりするし、ミトさんはもはやクラムボンの仕事と同じくらいアニメ関連の仕事が多いからアニメ雑誌とかにそういう記事が載るとその横にクラムボンの新譜だったりツアーの情報が掲載されるからその時点でプロモーションっていう大きい部分がほぼ成立しちゃってる。と。
音楽総合アカデミー学科 | 尚美ミュージックカレッジ専門学校
そして話はもっと深くお金の話へ。
まずCDが売れた時にアーティストはどのくらいのお金を手にすることが出来るのか。
そんな生々しい話から始まった。
ザックリと説明するとこんな割合らしい。
5の事務所はスケジュールとかスタッフとか給料とかそういう管理、4の流通はレコードショップとかのプロモーションだったりレビューだったり展開のPOPだったりそういうところに発生するお金、そしてアーティストのところに来るのはたったの1しかないということ。
それがインディーズになると10のメジャーレーベル分が丸々自分たちの手元に戻ってきてこの時点ですでに11倍。
ハードコアとかパンクバンドでもよくあるけど自分たちで事務所もやってるとさらに5が戻ってきてこの時点で16。16倍。これは大きい。
そして残りの4の流通のところも自分たちで管理したらどうなるだろうって考えたら20全部戻ってくるじゃないかってなって。
この20っていう数字がどのくらいの数字勝手ザックリ説明すると、「オリコン2位とか3位に入って、ゴールドディスク2枚獲れるくらいの枚数を売ったアーティストと、クラムボンが普段売ってるくらいの枚数を売った時に入ってくる金額とほぼほぼ同じくらいの金額がもらえることになる」と説明され聞いたことのないようなざわめきが起こった。笑
メジャーで豪華なパッケージとかこだわって作ろうとすると7,8000円くらいの値段にしなきゃいけなくなってくるけど、それも全部自分たちでやれば色々と融通が利いたりコストを振り分けられるから今回のモメントe.p.みたいにこだわったデザインの紙ジャケでCDを作っても2500円で抑えられる。と。
今回のEPも郁子が直接工場に行って交渉して全部手作業で作ったらしい。
だからこそCDを入れるところの形とか紙ジャケそのものの手触りまでこだわれた。と。
クラムボン新作の詳細、ジャケは原田郁子×篠原紙工の特殊仕様
メジャーレーベルだとどうしてもレコード会社と出版会社の横の繋がりもあるらしく紙ジャケにしてもアレは出来るけどこうゆうのは出来ないみたいな制約が生まれてくるらしい。
クラムボンはもはやインディーでもない。
自分たちの納得のいく機材で音で曲を作ったものを自分たちで盤にしてケースも全部作ってそれを自分たちの手でお客さんたち一人一人に直接手渡しできてサイン会までできて直接話も出来る。
だから機材とかケーブルとかマニアックな機材まで納得のいくものに惜しみなくお金を使える。と。
誰にも手を加えられることなく、クラムボンの手元に入ってくるけど別にそのお金で豪遊してるわけじゃなくて、良い作品を作るための、良い音を出すためのお金として使ってる。
昨年リリースした「triology」を作った時と今回のモメントe.p.の製作にかかった金額もほぼ同額くらいらしくそれくらい手は抜かない。むしろ隅々まで満足のできるモノが作れてるということは今まで以上に価値のある作品なのかもしれない。
そんな色んな思いのつまった作品を直接みんなに手渡しで届けられたら、それは誰もやったことない事だろうし最高だなと思った。と。
「直売。産地直送だよ。とにかく本当に良いものが出来たんだよって直接伝えたい」と郁子。
これで全部腑に落ちた。
ここまでが今回の会場限定ミニアルバム販売ツアーのあらましだそうです。
クラムボンに関わる人たちみんなが可能な限り納得のいく今現在の理想形が今現在のクラムボンなんだなぁというのが個人的な感想です。
なおかつそんなミニアルバムに収録されてる曲をココで演奏出来るんです。
視聴してみてください。そして気に入ったらアルバムを買ってください。
そう言って立て続けに新曲3曲を演った。
ライブのレポートに戻ります。
新曲を終えてクラムボンの新潟と言ったらこの曲という「バイタルサイン」をやってくれた。
というのも2004年の中越地震の時に瓦礫に閉じ込められていた子供が救出される様子を見ていたミトさんが「バイタルサイン異常なし」という言葉にインスパイアされて作った曲で、個人的にちゃんとクラムボンを聴くようになったキッカケでもある曲だった。
だからこの曲は新潟ではマストでやるし見てる側も演る側もきっと毎回特別なとっておきなそんな存在の曲だと思う。
「人と人との繋がり、それによって起こる奇蹟のような時間。音楽の力を信じる彼らの想いが、観るものの心に届くことを願っている」
とたゆたうというクラムボンのライブドキュメンタリーDVDの裏表紙に書いてある。
ちなみにここに中越沖地震って書いてあるけど中越地震の間違いです。
そんな曲を毎回新潟に奉納うするようにやってくれる。
そしてやはり毎回泣いてしまう。そんな感情が爆発しちゃう曲だ。
ぼくにも ゆずれないものが あるんだ
頼りないこの足取りで 確かな なにかを残してゆこう
そっとあなたには伝えたいから また ぼくは手を伸ばしてみる
ぬくもり つなぐ手
なんども 走って 転んで また走る
なんども くりかえす 立ちどまって すこし思う
あたらしい季節をゆく
たそがれが そっと肩をたたくから
この小さな息づかいも 遠い誰かにつながるように
懐かしい香りがした 忘れてたはずのことが 一瞬で
思い出す 呼び戻す 目が覚めて ハッとする
いまの気持ち この気持ち ゆずれないものを知る
不安と不安のその隙間に 何よりかえ難い 愛おしいくらし
そっと あなたには 伝えたいから また ぼくは手を伸ばしてみる
ぬくもりは 胸の奥で生きてるから
おわらない ぼくはまだ歩いてるよ
そして次の曲のyetではラストの1音のキメでスティングレイのヘッドを折り(折れ)、弦が全部切れた瞬間を見た。
鳥肌がたった。と同時にあーあって感じ。笑
そしてKANADE Danceとシカゴの人気定番曲で本編を締めくくった。
アンコールでもモメントe.p.に収録されてる新曲2曲という今回のツアーを象徴するようなアンコールだった。
フジロックも含めると10回近くクラムボンのライブは見てるけど、大好きなバンドなだからこそライブ後にサラウンドをやらなかったとか波よせて聴きたかったとか言っちゃうんだけど今回は不思議とそうゆう感情がなくて満足感と納得したからかスッキリ気持ちだった。
強いて言うなら星間飛行がライブで見てみたいかな。普段からライブでやってるのか知らないけど。
そして終演後にエントランスでサイン会が始まった。
バイタルサインのあの場所がある小千谷でいつかクラムボンのライブが見たい。そんな思いを込めて小千谷のお酒を直接渡した。
ミトさんには大森靖子さんのTOKYO BLACK HOLEの感想を、大ちゃんには彼女と彼女の猫の曲の話を、そして郁子から「大変目立っておりました」とニコっと笑いながら言われてただにやけるというキモさをオモテに出してしまった。笑
また新潟に来てください。ありがとうございました。と言ってお別れした。
大森靖子「TOKYO BLACK HOLE」MusicClip
彼女と彼女の猫 - Everything Flows -ED
大ちゃんに直接アニメの曲のEDのリリースのことを聞いたけど未定とのこと。
てかアイドルの物販の時より緊張したかもしれない。笑
CDを買う人、ライブに来る人、そんないわゆる固定客(ファン)を最優先に考えた結果なのかもしれないな。この満足感だもん。
この記事を本人たちが見てくれるだろうか。
誰かが見て何かを思って会場へ行くだろうか。
何かのキッカケになれたらいいなぁと思います。
だからこそ積極的に備忘録を書いていきますよこれからも。
haradaikuko@ooo195ooo2016年3月11日は新潟でした。一緒に過ごせた皆さん、ありがとう。それぞれの、あの日。あれから。何度もこみあげる瞬間があった。バイタルの後にはやはり、にーがたーーと叫んでしまった。外に出たら雪。 https://t.co/tvaggQNilt
2016/03/16 18:11:55
haradaikuko@ooo195oooサイン会で、去年かわいい手紙をくれた奏太くん →
2016/03/16 18:27:44
https://t.co/b2pWO1scQg に会えました。今年は3人分のお守りをつくってきてくれたよ。くーーっ、だいじにします。いつか日本一になれるよう、がんばるね。 https://t.co/URxolO9lUj
haradaikuko@ooo195ooo御当地ノレン 新潟篇 https://t.co/PN0bTgfjdi
2016/03/16 18:35:20
伊藤 大助@daisukebon新潟ありがとうございました(._.) https://t.co/4wRBSxfd2y
2016/03/11 22:01:09
tropical_info@tropical_info【clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー】17本目新潟GOLDEN PIGS REDありがとうございました!次は3/17東京 新代田FEVERでお会いしましょう! https://t.co/5UAhbRFdT6
2016/03/12 20:57:09
clammbon(クラムボン)20周年@clammbon_20th【clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー】17本目新潟GOLDEN PIGS REDありがとうございました!次は3/17東京 新代田FEVERでお会いしましょう! https://t.co/WTlbyknmQI
2016/03/12 21:00:47
mito@micromicrophone改めて。現在行われている『clammbon 2016 mini album 会場限定販売ツアー』にて、iOSアプリのマルチカメラ・ライヴ動画サービス《VIDEO Clipper》の開始記念コラボ企画が決定しました。
2016/03/17 00:48:23
https://t.co/ZitRxp34kJ
mito@micromicrophone10年以上前からクラムボンが行ってきた「ファンがよりバンドと密接になって、活動を盛り上げていく」という理念に、今回の企画はとっても寄り添っていま す。《テープツリー》活動からずっと思っている、音源を使ったコミュニケーションの可能性が、ここからより広がっていけたら幸いです。
2016/03/17 00:49:05
mito@micromicrophoneこの企画で僕らと僕らの音楽を愛してくれるファンの皆様、そしてそれ以外から得られるレスポンスを受けて、みなさんと「今よりもっと面白い音楽の楽しみ方」を提案できたらと思います。当日、新代田FEVERではサイン会もあります。直接僕らにその意見を言えます。遠慮なくおっしゃってください。
2016/03/17 00:59:16
mito@micromicrophone何か、新しい形を作りたいんです。お互い、気を億するコトなく立ち向かいましょう。僕らも、それに応えるよう頑張ります。
2016/03/17 01:01:01
こんな企画もこれから始まる。
新しいことを面白いことをファンと一緒に探していく、そういうことだろう。
撮影録音OKにしたりアイドルみたいにチェキ売れば良いのになって思ってたからこれは凄い面白いことになるだろうなって思った。
※アイドル現場の書きかけの記事が4件ほど溜まってるんですがクラムボンの記事だけはできるだけ早くアップしなきゃという謎の使命感があったので最優先で書きました。笑
mito@micromicrophone↓今の僕らが行っている『会場限定販売ツアー』をここまで分かり易くレポートしていただけるとは…。完璧とも言うべきレビュー。ツアーに行けない方もこれを読んでいただければ、僕らのやりたいことが分かっていただけるかもしれません。ねこりゅうじさん、本当にありがとうございます。
2016/03/18 04:30:28
ねこりゅうじ@nekoryujiブログコウシン。メジャーのCDのお金の流れとかも聞いたままを書きました。 #クラムボン FFMc : 3.11という日に新潟でクラムボン。 https://t.co/4XqePyojUQ https://t.co/6lCYzxYbIY
2016/03/18 01:56:34
なななななんとクラムボンのミトさん本人に読んでもらえた上にRTされただけじゃなく最大級に褒めてもらえてマジで泣きそうです。
郁子にも
大ちゃんにも届きました。
たくさんのRTとふぁぼだけじゃなく共感とか感謝のリプとか引用ツイートにシェア、ありがとうございました。
何かのキッカケになれた気がしました。
そういうことだったのかと腑に落ちてくれた人がいてくれて本当に良かった。
コメント