2006年07月08日

紹介>湘南モノレールと千葉都市モノレール

 三菱サフェージュ式モノレールの2線です。それぞれ紹介しようかと思ったんだけど、いずれもたいして枚数がないし、同じ方法を採用しているにもかかわらず見事なくらい対照的な路線なんで、まとめて紹介しましょう。

 湘南モノレールは、大船と湘南江ノ島を結ぶ6.6キロで、1970年から1971年にかけて順次開業。全線が単線です。
 三菱サフェージュ式は、1964年に名古屋の東山動物園に設置された試験線が最初でしたが、これはまあ上野動物園モノレールみたいなもので、実用的なものだとは言いにくいレベルの試験線でした。湘南モノレールは実用化実験線みたいな位置づけで作られたもの。転轍機(ポイント)などもここに導入されたものが最初の実用化事例で、にもかかわらず全線単線で交換設備をいっぱい作るという、意欲的というか乱暴というか、かなり思い切った作り方とされました。
 まあ、開通年代が古いせいもありますが、その駅設備はかなり簡易なもので、訪問時にはバリアフリー設備などはほとんどありませんでした。ただ、モノレールの利点をフルに生かした路線であるとも言え、急勾配・急カーブを大胆に採用してます。日常的に使っているひとにとってはうれしくないかもしれませんが(=^_^;=)、まるでジェットコースターのような乗り心地は、けっこう楽しいものでもあります。
 で、全線単線であるにもかかわらず、交換駅ではガンガン交換をし、8本/時というけっこうな運転頻度となっていますね。地元の足として定着しているという意味でも、大成功事例でしょう。


湘南モノレール

 千葉都市モノレールは、湘南モノレールの成功を受けて千葉市に導入されたもので、1988年から1999年にかけて順次開通。1号線と2号線があり、総延長は15.2キロ。開通したはいいんですが、湘南モノレールの成功と比べると愕然とするしかないような大失敗大赤字路線となり、えらいこっちゃになっています。
 こちらは、全線複線であり、また駅設備も県都にみあったものにしようと思ったんでしょうか、むっちゃくっちゃ豪華な作り。まあ新しく作られたものですからバリアフリー対策などが完備しているのは当然かもしれませんが、そういうレベルじゃないくらい設備が豪華です。また、全線複線であるにもかかわらず運転頻度は湘南モノレールよりも大幅に低く(=^_^;=)、1号線と2号線が重なる千葉〜千葉みなとの間こそは最大14本/時・日中9本/時となっていますが、2号線の千葉〜千城台は日中6本/時、1号線の千葉〜県庁前にいたっては4本/時となっています。県庁の役人も定期補助とかで誘導しないと乗らないらしい。何をどうすればここまで失敗するのだかがよくわかりませんが、見事なくらいに失敗してます。


千葉都市モノレール

 いやあ。何をどうすればこんだけ鮮やかに成功と失敗が分かれるんでしょうかねえ。もう笑うしかないです(=^_^;=)。いやあ、基本的におれは、交通というのはある程度までは行政が保障すべきものであると思っているし、同じくある程度までは赤字になってもいいものだと思ってます。しかしこれを見ると、行政にまかせておいたらダメだわ、とも思うわけです。民間による自由競争制と行政による保障との間のちょうどいいバランスってのがどこにあるんだろうか。そんなことを考えてしまいますねえ。いやあ、それにしても、ほんっともう笑うっきゃないです(=^_^;=)。

 おまけ。
 県庁前駅は2面2線なんですが、そういうわけで閑散区間になってまして、片側のホームは使われていません。で、しばしば事業用車が止めてあります。モノレールの事業用車なんてあんまし見るチャンスがあるものじゃないでしょうから、ご興味のある方はどうぞ。

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 この記事には続編があります。
先日のお散歩>湘南モノレール(2009/05/21)

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この記事へのコメント
 豆知識。
 レイ・ブラッドベリ原作、フランソワ・トリュフォ監督の映画「Fahrenheit 451(華氏〜)」の冒頭シーン、主人公のモンターグ(オスカー・ウェルナー)が乗っている懸垂式モノレールは、フランスのオルレアンだかシャトーノフだかに作られたサフェージュ式の実験線。
 乗降シーンでは、床が割れて階段が降りるかたちになっていたが、これは非常用のものであったらしい。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年07月10日 04:18
TBありがとうございました

えらい昔の日記にTBがついたななぁとたどってみたら、恐れ多くもその筋では有名な方ではないですか(驚)

噂にはかねがね聞いておりましたが、すごい情報量ですね

今後、何かあったら参考にさせていただきます
Posted by 紺主任 at 2006年07月30日 14:24
 紺主任さんいらっしゃいませ、内気で小心で存在感のない無名なコモノの猫が好き♪です(=^_^;=)。
 いやあ、記事書くときに検索してネタ拾いもしてついでにトラックバックもしてたりします。あと、blogってフロー情報の傾向が強いんですけど、ストックもされているんで、そういうのも大事にしようよみたいな。
 さて千葉都市モノレールですけど、いやあ・・・なんかこうバブル期というか、鉄腕アトム世代がレトロヒューチャーへのノスタルジーを具現化しようとして作ってみましたみたいな感じがするわけで。「特筆すべきもの」ではあると思うんですよね。「特筆すべきおばか」なのが残念だが(=^_^;=)。
 別段悪いもんでもないと思うのだが、細かい詰めが甘かったというか、何をどうすりゃこうなるのかはやっぱじっくり考えてみる価値があるような気がします。いやもうほんと、おねげーしますよお代官さまという感じで(ためいき)。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年07月30日 14:48
TBありがとうございました。私も同様に古い記事にTBがついたなあと思って見たらビックリの一人です。
千葉モノレールの県庁前行きの路線はもはや利用の見込みが全くないのですが、先の市議会で延伸が決定し、120億円の税金が投入されることになりました。
傷口をさらに増やしてどうするんだと…
Posted by くまがい at 2006年07月30日 17:49
 くまがいさん、いらっしゃいませ。
 いやあ、千葉市と千葉県があんだけ盛大に債務の押し付け合戦をやっているにもかかわらずまだ延長案が力を失わない理由がよーわからんです。
 千葉都市モノレール、「設備に金をかけすぎ」「ルートや需要予測がむちゃくちゃ」をはじめとして、最初のところからもうつっこみどころが山ほどあるんですが、あまりに問題がありすぎていったいどこが失敗の決定的な原因なのかがわかんなくなっちゃってますね。まあ、原因を10個並べろとか言われたらそんなにむずかしくないような気もしますけど。
 ああいう大失敗を平然とやられちゃうと、他の都市交通改善政策とかにも悪影響があるのは必至なんで、そういう意味でも実に困ったものです。あ〜あ。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年07月30日 20:37
始めまして。トラバありがとうございました。

本当に千葉モノレールはこれ以上ない失敗例ですよね。私の記事の本文にも書きましたが、千葉県内の製鉄会社に配慮して懸垂式モノレールの建設を決めたという話が、まことしやかに地元に伝わっているあたり、しかも延伸計画まで動いているあたり、怪しい臭いがぷんぷんします。
結局、この問題は、公共事業を実施するのに、当該事業が本当に必要なのかをきちんと検証しないから生じたのだと思います。最近、公共事業は悪の権化のように言われていますが、それでは問題は解決しません。
Posted by さすらいの8143 at 2006年07月31日 20:06
 さすらいの8143さん、いらっしゃいませ。
 や〜、おれは新交通システムと呼ばれるものについては全体に冷たいんですが、まあその中では懸垂式モノレールは比較的マシなんじゃないかと思ってます。千葉の失敗はサフェージュ式の是非よりもっと根本的な政策問題でしょうね。
 8143さんのblogにもあったように高所恐怖症にとってつらいというのはありなんですが、そもそもなんであんなに高いところに作るんだろうか。ゴムタイア系は勾配には強いし、懸垂式は床下にモノがないんで、駅では地表まで下げてバリアフリーにするとかいった手はありだと思うんです。千葉都市は、ほんっと何も考えずに作った見本みたいな気がします。
 県都なんですからねえ、それなりにちゃんとした交通機関を作るのならばニーズはあると思うんですけどねえ。なんであんなんなっちゃうんだろう。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年07月31日 21:16
はじめまして、流れ流れてきました。
自分は、湘南モノレール沿線に住んでいますが、あまり利用していません。
こちらの写真では、駅(天神下)の道が、
空いてるように見えますが、
日中は、いつも渋滞しています。あと、観光地江ノ島まで行っているのも大きいですね。
渋滞を下に見下ろしながら、あっという間に走っていく姿を見ると、
下ではまってるのが馬鹿らしくなってきます。
 
余談ですが、湘南モノレールの下の道は、
今は、一般道になりましたが、
元、日本で最初の有料道路だったそうです。
(元、京浜急行有料道路)
 
失礼しました。
Posted by ROAD at 2006年08月04日 00:07
TBありがとうございました。
ここのところ、仕事の打合せで鎌倉方面良くお邪魔させて頂いております。
湘南モノレール・・・なかなかのスリルライドですよね。
乗るたびにドキドキしちゃいます。
Posted by うろちい at 2006年08月05日 09:22
 ROADさんいらっしゃいませ。
 下の道路が有料だった時代に、ひとの車に乗せてもらって、夜間の無料時間帯に通ったことがあるような記憶があります。もしかすると無料化されたあとだがまだゲートが残っていた時期の話だったかもしれません。
 車の件は、なるべく車が写らないようにタイミングを取って写真を撮るクセが裏目に出ましたねえ。確かにこの写真では車がいっぱいいても問題なかったような気がします。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年08月06日 00:27
 うろちいさん、いらっしゃいませ。
 そうなんですよね、まあ幾度目かになりますと慣れてしまうのですが、最初に乗ったときはけっこうカンドーしました(おれはね)。嫌う人は嫌うだろうなあと思うくらいのスリルライドでした。線形考えたやつはどういう狙いだったんだろうなあ、それとも何も考えていなかったんだろうか(=^_^;=)。
Posted by 猫が好き♪ at 2006年08月06日 00:29
 
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