2011年04月06日

お散歩>茨城の震災被災地域に、野次馬に行ってきた

 いやまあ「お前、もの言いにもうちょっと気をつけれや」とかいう罵声が飛んできそうなタイトルではございますが。しかし「視察」とかじゃないしなあ、視察っていうと有益なアウトプットを求めて行うもので、やっぱ単に野次馬に行っただけですとか自嘲気味に言っておいた方がいいだろうなあって思うわけで。

 野次馬に行った範囲は県央あたりまで。
 個々の状況は、写真整理が終わってから、個別にもうちょっと詳しく報告しようと思います。とり急ぎざーっと見てきた範囲の報告ということでまとめてみました。



 まずは鹿島鉄道。
 すでに廃線になっていますが、「たとえ存続していたとしても、この震災で『復旧不能』として突然死しても不思議はないくらいの被害状況」という話で、気になって見てきました。
 かなりの部分で路盤が損傷を受けている感じ。巴川から鉾田にかけては低湿地帯ということもあって、液状化や路盤の移動が発生したようでした。特に巴川の前後は、巴川橋梁が前後の地面とは違う動き方をしたらしくて、鉾田側は引っ張られ石岡側は押し出されて、線路ぐっちゃぐちゃです。
 鉾田駅も液状化をくらっていたようで、ホームが陥没しレールが捻じ曲がっていました。なんか液状化の直撃を受けて、地震直後にはバスが地面にめりこんで動けなくなっていたとのことです。


玉造町〜榎本。右側が鹿島鉄道の築堤。
 

巴川橋梁の石岡側。
 

鉾田駅跡。

 ほっとパーク鉾田の鹿島鉄道保存車
 鹿島鉄道の車輌のうち、キハ601とKR505の2輌が、鉾田市の施設「ほっとパーク鉾田」で保存されていました。ところがその「ほっとパーク鉾田」が、低湿地帯に作られた施設だったため、もろに液状化の被害をくらい、保存車のレールが沈み込み、車輌が傾いてしまいました。
 まあ転倒とかしていたら、せっかく保存されたのに解体ということになってしまっていた可能性もあったのですが、幸い転倒は免れました。ただ、これから修復はけっこうたいへんそうです。
 今後の詳しいことは「鉾田駅保存会」のWebページあるいはWeblogを見ていただければと思います。せっかく保存された車輌ですし、こちらにもご支援をご検討いただけるとありがたく存じます。


KR505とキハ601。
 

KR505とキハ601。

 鹿島臨海鉄道。茨城県沖震源域にほぼ平行して走っていたこともあって、全線で甚大な被害を受けているようです。
 見た範囲で最大の被害だったのは大洋北浦湖畔の築堤で、数十メートルの範囲で崩落していました。平行して流れていた小川をせき止めて震生湖ができておりました。
 また、大洗鹿島線は高規格路線ということもあって踏切はなく跨道橋などで道路と交叉しているのですが、橋梁部とそれ以外との沈降が食い違っており、線路が波打つという現象が全線で発生しているようです。


北浦湖畔〜大洋の築堤。
 

北浦湖畔〜大洋の築堤。
 

北浦湖畔〜大洋の跨道橋。

 ひたちなか海浜鉄道。
 こちらも築堤などが大きな被害を受けています。また、金上〜中根の河岸段丘部から氾濫原に下る部分の途中にあったため池が決壊し、築堤を押し流してしまっています。まあ、規模としてはここの被害がいちばん大きい感じでしょうか。
 なんだかよくわからないんですが、その崩落部がお散歩コースになってまして、やたらいっぱい人が歩いていたんですよね(=^_^;=)。最初は会社のひとが復旧工事のための見回りでもしているんだろうかと思ったのですが、それにしては服装もばらばらで老若男女が入り乱れている。そのうちに犬まで歩いてきたりして。
 なんだかんだ震災も日常に取り込まれつつあるということなんでしょうね。ある意味、正しいたくましさ、という感じもしましたけど、そのうち歩いてて穴ぼことかに落ちて怪我するやつとかが出てくるんでないかという心配もあったりなんかして。まあそれこそ「自己責任」で切り捨てちゃっていいような気もしますけれども(=^_^;=)。


金上〜中根。築堤。
 

金上〜中根。ため池の崩落部分。
 

金上〜中根。ため池の崩落部分。

 常磐線。どぉすんだよ、みたいな被害を受けていましたが、猛烈なリソースの投入で着々と復旧が進んでいます。
 まずは土浦駅まで復旧し、その後2011年3月31日に勝田駅まで復旧。4月9日予定で高萩駅まで、4月下旬予定でいわき駅までが開通する予定とのことです。その先、いわき駅〜亘理駅は、駅の掲示によると「東電福島第一原発の事故により、被害調査が出来ず、復旧の見込みが立てられない」とのことで、未定となっています。
 この復旧未定区間ですけど、2006年の夏ツアーでまわった新地駅坂元駅浜吉田駅とかが含まれている区間なんですよねえ。新地駅なんて、被災後の写真を見ると、跨線橋しか残ってませんでしたからねえ。気がかりではあるんですが、さすがに見に行くのはちょっとなあって感じで。


土浦駅。節電のため停止中のエスカレータ。
 

休業中の駅弁店「ふく善分店」の売店。
 

那珂川橋梁北詰の築堤。突貫工事で修復されました。

 水郡線。しょーじき被災状況はよくわかりません。
 本線の常陸青柳駅安積永盛駅と、支線の上菅谷駅常陸太田駅の区間は4月中旬予定で復旧。ところが、水戸側の一区間の水戸駅〜常陸青柳だけが四月下旬にずれこむ予定。
 これは、その区間にある那珂川橋梁が被害を受けたため。たまたま隣に新橋梁の建設が進んでおり、旧橋梁の復旧は目指さずに新橋梁への切り替えを急ぐという方針で工事が進められています。


水戸〜常陸青柳。第四橋脚あたりが歪んだ旧那珂川橋梁。右が新しい那珂川橋梁。
 

付け替え工事のために集められた軌陸重機。常陸青柳駅で撮影。

 茨城県大洗町。津波被害もあったようで、見てきました。
 津波の被害は限定的だったようで、幸いにして海沿いの一部分にとどまったようです。ただ、津波のせいか地震のせいかはわかりませんが、港湾施設はそれなりに被害を受けたようで、漁港の岸壁はかなりの部分が崩落していました。


津波を受けてでんぐり返しをしている重機。
 

津波被災かどうか不明ですが、積み上げられた漁船。
 

地震でか津波でか不明ですが、崩落した岸壁。

 茨城県ひたちなか市那珂湊
 こちらも震災被害・津波被害を受けています。観光地としても有名だったお魚市場あたりは直撃。
 とはいえ、なんか穏やかな津波だったようで、港湾施設のフェンスも冠水した気配はあるものの倒されてはおらず、なんだかよくわからない感じ。復旧はそれなりに早く、すでに営業を再開した店舗も見受けられました。
 港湾施設はそれなりに被害を受けており、岸壁の一部は大きく崩落していました。


津波被害を受けたお魚市場の店舗。
 

津波被害を受けたお魚市場の店舗内部。
 

営業を再開した森田水産の店舗。
 

地震によるものか津波によるものか不明ですが、崩落した岸壁。

 その他のエリアの被災状況。

 北浦にかかる鹿行大橋。中央部数スパンが落橋。橋脚が2〜3本イっちゃって、橋桁が落ちたように見受けられました。まあ今風の橋ではないのですが、しかしそれほど古い橋にも見えないんですよねえ。


落橋した鹿行大橋。
 
 破損した神社の鳥居。他の神社でも石灯籠などがかなり落ちていましたし、墓地の墓石などもずいぶん落ちてました。墓石とかって、エポキシで貼り付けておくとかって、だめなんでしょうかね。


地震で貫が落ちたらしい大宮神社の鳥居。
 
 液状化被害。中空の浄化槽が液状化によって浮き上がって使えなくなっていました。いやさ、下水管・雨水管やマンホールなんかもそうなんですが、テレビ報道なんかでは「道路が沈んだ」みたいな言い方をすることが多いんですが、そうじゃなくて「中空物が浮き上がった」と表現すべきなんじゃないかと、おれは前からひっかかっているんですよねえ。まあメディアなんかどうせ間違いまくっているんでどうでもいいような気はしますが、「沈んだ」と「浮いた」ではぜんぜん違うだろうと。


液状化で浮き上がってしまった老人福祉施設障碍者福祉施設の浄化槽。



 最後に恒例のにゃんこーず。


 

 

 
 いやあ・・・。
 鹿島鉄道巴川駅のあったあたりで、液状化による噴砂現象が見られたんですよね。そしたらそこになんかが落ちてまして。猫のウンコ(=^_^;=)。
 通りかかった猫が、「お、いい砂場があるじゃありませんか」とか思わず便意を催してしちゃったんでしょうねえ。そのあまりに日常的な発想と行動様式に、なんかすげえ不意打ちをくらったような印象を受けてしまったのでございます。いや、いいんですけどね(=^_^;=)。

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この記事へのコメント
おはようございます。

自分、那珂湊は正月に行ったきりで、そろそろ禁断症状が出るか・・って矢先の震災でした。
だもんで、おさかな市場やひたちなか海浜鉄道のことが気になって仕方がなかったのですが、この写真を見て大体のところが把握出来ました。ありがとうございます。

随分とやられてしまった情景に思わず落涙ですが、しかし予想以上に早い復旧の様子なので安堵しています。

一番最後に登場する猫は、黒くて尻尾がボワンとしていて「おさむ系」ですね(笑
Posted by カメ at 2011年04月07日 07:08
悲惨な状況ですが、「かしてつ」が現役だったらさらに悲惨な大惨事があったかもしれず、それこそ、前にドラマで見た「ドクターヘリ」の出動だったかも・・・。

最後の、噴砂の上にあったモノの話にちょっと笑ってしまいました。


Posted by わら ☆ at 2011年04月07日 22:35
 カメさんどうも。
 那珂湊の詳報も出しておきましたので、あわせてごらんいただけると幸いです。津波に襲われたというので海岸沿いが瓦礫の山になっているかとも心配したのですが、そこまでの被害ではなかったようです。
Posted by 猫が好き♪ at 2011年04月18日 20:22
 わら☆ さんどうも。
 いやまあ確かに、いくつかの大規模な被災現場に、たまたま列車が通りかかっていたら、えらいこっちゃになっていた可能性はあって。ひたちなか海浜鉄道にせよ鹿島臨界鉄道にせよ鹿島鉄道にせよ。
 不幸中の幸いという面は、たしかにありましたね。

 ドクターヘリといえば、ほっとパーク鉾田でドクターヘリの訓練にでくわしたことがありました。
Posted by 猫が好き♪ at 2011年04月18日 20:24
とにかく大変だよ
Posted by ひでえよ at 2011年10月10日 13:52
 ひでえよ さん、いらっしゃいませ。

 もしかすると考えすぎのこちらの誤読なのかもしれませんが、「野次馬」という表現がひどい、ということであれば、お詫びします。直しませんけれども。
 なんていうか、「視察」とかいろいろ言い方はあると思うんですが、なんらかの公的なアウトプットとかをする予定があって見に行ったとか、そういうわけではないので、できればえらそうに聞こえるかもしれない言葉を使いたくないんですね。じゃあなにかというと、微妙に露悪的かもしれませんが、やっぱり「野次馬」がふさわしいだろうと。ある意味、自虐的な感覚から選んだ表現でもあります。

 被害の度合いでいうと、やっぱり宮城や福島の方が大きいし、メディアの報道もそちらに偏っているように思います。そんな中で、茨城県の被害だってシャレになんないんだぞ、ということを多少でも伝えることができればなあ、なんてことを考えております。ご容赦いただけると幸いです。
Posted by 猫が好き♪ at 2011年10月10日 21:35
 
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