2012年01月05日

お散歩>鹿島鉄道代替BRT・平日朝の利用状況。

 そーゆーわけで鹿島鉄道は2007年にあえなく廃線となってしまったわけですが、平行道路の渋滞が激しく通勤通学時間帯に公共交通機関のバスの定時運行が確保できないという問題が生じ、公共交通機関の利用者が鹿島鉄道時代と比べて4割減るとかいうような惨状に。もろもろあった結果、廃線敷をバス専用道路化するというBRT(バス・ラピッド・トランジット)事業が行われました。バスを高速化し便利にしようというのが主旨で、かかった費用は10億円、やったことは廃線敷を道路にし、一般自動車がはいらないように遮断機を取り付け、待合室などを新設する、などでした。
 過去にも幾度かこのWeblogで話題を扱っています。以下。

(1) お散歩報告>鉄道の残像〜茨城県のばやい(2010年10月18日)
(2) 時事ネタ>鹿島鉄道BRTの評価(2011年01月21日)

 BRT事業の対象区間は石岡から四箇村までの間で(上記 (2) のページに地図あり)、このルートを使うバスは、鹿島鉄道の代替バスである「石岡〜(四箇村)〜常陸小川〜玉造町〜鉾田」のルートと、「石岡〜(四箇村)〜常陸小川〜茨城空港」のルート。それらのバスは「かしてつバス」と名づけられ、横におおきく「か」の文字を記した専用塗装のバスが投入されています。便数も、地方ローカルなバスとしては異様ともいえるくらいに多い。

 そのBRT事業ですが、まあハードウェアとかだけを見ていても評価はできないわけです。なので、平日朝の利用状況を見てきました。観察日は2011年12月15日木曜日。
 ま、時系列での様子とかは更新を待って見てくださいとしか言いようがないんですが、まあざっと、とりあえずのご報告。
 

s3p71841 - 2011/12/15 06:46
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
下り。6:50石岡駅発、8:00鉾田駅着の便。かしてつバスを待つ人々。
s3p71893 - 2011/12/15 07:14
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
下り。7:20石岡駅発、7:40小川駅着の便。客を乗せるかしてつバス。
s3p71920 - 2011/12/15 07:30
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
下り。7:32石岡駅発、7:52小川駅着の便。客扱い中のかしてつバス。
s3p71960 - 2011/12/15 07:51
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
下り。8:00石岡駅発、8:40玉造駅着の便。かしてつバスを待つ客。
s3p71989 - 2011/12/15 08:02
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
下り。 8:12石岡駅発、8:32着の便。かしてつバスを待つ人々。大半が学生。
 
 下り(石岡発)の便はこんな感じ。まあ、沿線の学校に行く学生・生徒さんがメインなのはしょうがないですね。最大乗車人数でも十人ちょっとでした。
 
s3p71858 - 2011/12/15 06:53
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
上り。5:45鉾田駅発、6:55石岡駅着の便。到着したかしてつバスから降りる人々。
s3p71884 - 2011/12/15 07:09
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
上り。6:50小川駅発、7:10石岡駅着の便。到着したかしてつバスと降車する客。
s3p71897 - 2011/12/15 07:18
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
上り。7:00小川駅発、7:20石岡駅着の便。到着したかしてつバスと降車する客。
s3p71913 - 2011/12/15 07:29
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
上り。6:50玉造町発、7:30石岡駅着の便。到着したかしてつバスと降車する客。
s3p71940 - 2011/12/15 07:44
鹿島鉄道跡BRT - 石岡バスターミナル
上り。6:35鉾田駅発、7:45石岡駅着の便。到着したかしてつバスと降車する客。
 
 上り(石岡着)の便はこんな感じ。メモ取ってなかったんでどの便だったか言明できないんですが、上りで二十名ちょい乗っていた便が1便あった以外はせいぜい十人前後。ただ、見た感じでは「一桁前半」とか「空気輸送」とかってのは、この時間帯にはなかったような。

 で、小川駅まで一往復、乗ってみることにしました。8:12石岡駅発、8:32着の便です。
 

s3p72007 - 2011/12/15 08:15
鹿島鉄道跡BRT - 車内
かしてつバス車内。学生さんがいっぱいいて、とりあえずほぼ席は埋まった状態。立っているひともいますが、座る席がないからというよりは、友人とのお喋りを優先とかそういう事情によるもので、着席定員を上回っているということではありません。
 
 しかしその学生さんたちは東田中駅で降りてしまいました。茨城県立石岡商業高校の学生さんたちだったようです。
 
s3p72013 - 2011/12/15 08:19
鹿島鉄道跡BRT - 車内
かしてつバス車内。学生さんたちが降りていった。
s3p72016 - 2011/12/15 08:20
鹿島鉄道跡BRT - 車内
かしてつバス車内。まだわれわれ以外に一人だけ乗っていますけれども。
 
 われわれ以外にたったひとり乗っていた乗客も四箇村駅だったかどこかそこらへんで降りていってしまいました。まああと二人乗ってはいるけれど、この二人はレギュラーじゃないんで、事実上は完全な空気輸送状態。
 
s3p72031 - 2011/12/15 08:30
鹿島鉄道跡BRT - 車内
かしてつバス車内。そして誰もいなくなった。
 
 小川駅に到着(バス停名は「常陸小川駅」ではなく「小川駅」となっています)。バスはそのまま8:40小川駅発・9:00石岡駅着の便として折り返します。
 
s3p72040 - 2011/12/15 08:35
鹿島鉄道跡BRT - 小川駅バス停
駅前通り。いろいろ建物がなくなってすけてしまいました。タクシー屋の建物もなくなりました。
s3p72045 - 2011/12/15 08:37
鹿島鉄道跡BRT - 小川駅バス停
待合室。
s3p72049 - 2011/12/15 08:38
鹿島鉄道跡BRT - 小川駅バス停
待合室壁のかしてつバス応援団の壁画。
 
 かしてつバス上り。8:40小川駅発・9:00石岡駅着。
 
s3p72050 - 2011/12/15 08:39
鹿島鉄道跡BRT - 小川駅バス停
発車時、われわれ以外に客はいませんでした。以下、レギュラーではないうちら二人を除いた人数でカウントします。
s3p72057 - 2011/12/15 08:47
鹿島鉄道跡BRT - 新木ノ内バス停
お客さんがひとり乗ってきました。現在数1名。
s3p72061 - 2011/12/15 08:47
鹿島鉄道跡BRT - 玉里駅バス停
お客さんがもうおひとかた乗ってきました。現在数2名。
s3p72065 - 2011/12/15 08:50
鹿島鉄道跡BRT - 石岡玉里バス停
さらにもう一人乗ってこられて、現在数3名。
s3p72071 - 2011/12/15 08:53
鹿島鉄道跡BRT - 東田中バス停
もうひとり乗ってきて現在数4人。
s3p72074 - 2011/12/15 08:55
鹿島鉄道跡BRT - 大谷津南バス停
もうひとり乗ってきて現在数5人。
s3p72080 - 2011/12/15 08:56
鹿島鉄道跡BRT - 石岡南台バス停
石岡南台バス停でひとり降りて現在数4人。
s3p72083 - 2011/12/15 08:58
鹿島鉄道跡BRT - 石岡一高下バス停
石岡一高下バス停でひとり降りて石岡まで行ったのは3人。
 
 BRT化されたあとの2011年12月現在の状況は、いちばん多い便でも20人前後、その前後でも10人いけば多いほう、通勤通学時間帯をはずしてしまうと1桁前半から空気輸送が常態、という程度の乗客数でした。BRTでの速達化で公共交通機関の復権を目指したはいいけれど、10億円かけてこれじゃあねえ。鹿島鉄道の廃止やその後の状況を見てのあわてふためいてのBRT化は、個人的にはやはり「失敗」であったように感じられますが。
 まあ、いまさら何か言ってもせんないことですけど。

 いちおうメモ書き。
 鉄道の廃止とバス代替に関しては、いくつかの異なる論点がとっちらかって扱われているように思います。大枠でいって「コストの問題」と「交通機関としての安定性の問題」になるのかなあ。
 バス代替によって交通機関を維持するためにかかるコストは確かに安くなる場合が多いのだろうと思う。それと同時に、バス代替によって、減便や路線廃止が更に楽になるということもある。で、この2つの要素はそもそも全く別の要素のはずなんだけど、現実には必ずセットでやってくる。つまり、「鉄道の廃止とバス代替化」というのは、公共交通機関の安楽死のためのプロセスとして位置づけられてしまっている、ということです。
 別に鉄道を廃止しやすくするために助力する気なんか全くもってないけれども、それはとにかくとして、公共交通機関の維持という観点からすれば「バス代替によってコストを削減しつつ、しかし減便や路線廃止がしやすくはならないようにする」といった縛りをかけることができれば、だいぶ状況は違ってくるような気がする。まあ、それでも「ランドマークが地図から消える」という問題をはじめとして、鉄道がなくなることによるマイナスっていろいろあるんだけどね。
 率直なところ、この鹿島鉄道の廃止とBRT化というのは、コストパフォーマンスとしていかがなものかという感じはした。選択として失敗だったんじゃないか、とも思う。しかし現実問題、10億かけちったわけでしょう。そしたら、路線の廃止や減便はしにくいはずで、あの「無駄金10億円」がその「縛りをかける理由」として機能するかどうかというあたりに、個人的な興味は移りつつあるかな、とか。

 しっかしなあ。実際に「平日朝の通勤通学時間帯」を見てみて、やっぱ呆然とせざるを得ないような状況なわけで。平日の朝なんだぜ、通勤通学時間帯なんだぜ、それで、こうなんだぜ。鹿島鉄道の廃止からBRT化によるカンフルまでかなりのタイムラグがあったにせよ、なんだってバスってこんなに機能しないかなぁ、みたいな疑問ってやっぱしあったりするわけよ。
 個人的には、最近自宅周りでけっこうバスを使ってたりするんで(って必要最低限の路線しか把握していないんだけどさ)、まあ慣れればそれなりに使えるものだとかいうイメージも持ちつつあったりしたところだったので、ここまで鹿島鉄道代替バスが機能していないというのは、ちょっと想像していなかったんです。



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この記事へのコメント
BRTというのですか? 東北に行った時車から見て、先の博物館に行ったら、鉄道開通時の記録映像が流れてました。
CATVで「ある機関助士」という短編記録映画やってました。1963年、企画が国鉄で、解説によると上野水戸間の「みちのく」の助士の一日を描いた、という映画のようです。
千波湖の立体交差もうあったのか、とか、取手から先の電化はまだか、とか、夕方の取手我孫子のホーム上の通勤客とこの音楽は何なんだ、とか、マニアックな一編でした。
Posted by 仕事中の at 2012年01月09日 10:49
白棚線跡のようです。
Posted by 仕事中の at 2012年01月09日 11:02
3連投、ご容赦を、散乱するのも何なので。
機関助士、有名な映画なんですね。その世界では。今ならユーチューブで見られます。
Posted by 仕事中の at 2012年01月10日 19:19
 仕事中の さんどうも。
 まあなんだね、BRTというと新しいもののように聞こえますが、似たようなものは昔からありました。バス専用道路を使えば、渋滞に巻き込まれることはなくなりますから定時運行は可能になりますし。まあ、どういうメリットがあると思ってバス専用道路を作ったのかわかんないケースもありましたが。白棚線が有名ですけど、他にも仙北鉄道の跡とかもバス専用道路になっていました。
 今回のやつは、そのバス専用道路が地方自治体管轄になっているというあたりが、多少新しいかもしれません。専用道路をバス会社が持つと固定資産税とかがかかってきてしまうため経費がばかにならないのですが、鹿島鉄道の跡地については市が買収し、市道扱いとしているようです。鉄道ならば「上下分離方式(線路は行政が負担、運行のみを鉄道会社が行う)」というやつに近い。その分バスの側の採算性は向上していますが、「だったら鉄道のまま上下分離方式にすりゃよかったんでないの」というツッコミはもちろんあり。
 いずれにせよ、この利用状況では、成功とはとても言えませんねえ。鹿島鉄道の廃止まで含めて、政策判断を間違え、間違ったままそれを糊塗しようとして傷口を広げているようにしか見えません。まあ、今後どうころぶかは、経過観察をしてみてもいいかもしれませんが。
Posted by 猫が好き♪ at 2012年01月11日 20:36
 
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