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前々から思っていて、この会見を通して見て、再確認しましたが、イチローってものすごく国語能力が高いですよね。

自分のプレーについて細かに説明出来るところもそうですが、自分の身体性における部分までも言語化して説明出来るなんてのは、まあ、とてもとても誰にでも出来ることではありません。

若い人は知らないかもしれませんが、イチローは昔、「一本足打法」を用いてたんですね。

でも、徐々にスタイルを変化させてきて現在の形にたどり着いたわけですが、多分、その変化・変遷における理由も、イチローは全部、言語化出来るでしょうね。

スポーツなんてのは、特に子供の頃のスポーツなんてのは、バカでもアホでも何も考えていない子でも出来るし、勝てます。

だってね、「100mを速く走る」ってのは、子供の頃だったら持って生まれた天性の素質だけあれば、他に何の努力もなく勝てるわけです。

で、野球なりサッカーなりをやっている全国の少年・少女たちでも、最初にヒーローになるのは間違いなく身体能力の高い運動神経の発達している子でしょう。

だって、理由なんてなくなってボールを蹴れば、すごい飛ぶし、何も考えてなくたってバットを振れば全部ホームランになるわけですから。

ただ、数多いたであろう、そういう「素質だけの選手」の中で、最も頭を使って、対象について徹底的に思考し思索を重ね、あらゆる分析・判断・処理を重ねた結果、その全ての過程を自分の言葉として他者に伝える力を持っている本当に希少な数少ないアスリートであるように感じるんです。イチローさんには。


でね、会見はYouTubeで最初から最後まで全部見たわけですが、この文章を書くために、もう1回、会見の書き起こし文を読んでみたんですが、文章にされたものと比べてみると、やっぱり生のイチローさんの喋り方にはね、力がありますね。

文章にすると平坦になって、ザーッと流れてしまうところもありますが、あの顔と目と、あの声と、ユーモアを織り交ぜながら、相手の顔を見て、相手と向き合って語るあのコミュニケーション法は、人をひきつけずにはいられないと思いますね。

ちょっと話がズレますが、イチローや、サッカー選手だった中田英寿なんかは、ある時から、一切マスコミに対して「良い子ちゃんの顔」をふりまくことをやめて、突き放すような態度になっていきましたが、中田が最後までマスコミにはサービス精神を持たなかったのに対して、イチローはその辺のサービス精神はあるんですね。

ただ、この会見中でも普通に言ってましたが、「大きい声で言って下さい。」とか、目を見てないインタビュアーがいたのか、「聞いてらっしゃいます?」って言ったり、似たような質問をした人に、「それ、さっき答えたでしょ?完全に答えましたよね?」って言ったりと、決してマスコミ側に踊らされることはない。

オリンピックでメダルを取ったりすると、多くの場合、「今の気持ちを誰に伝えたいですか!」とかっていう全く意味不明の質問が定番として出てきますが、イチローには、「そういうクソみたいな質問は許さねえぞ!」っていう威厳があります。

威厳があるというか、「何ですか、その質問は?」ってことを、普通に言っちゃうからメディア側も控えているのでしょうがw

日本のスポーツ選手とマスコミの関係においては、選手は、「従順になるか?反抗するか?」のどちらかになることが非常に多く、まあ、「9:1」くらいで従順になっちゃうんですが、引退して監督やって解説をやったりするおっさんになったりすると、「まあ、それはそうだけど、簡単に言えることじゃないからねえ。」的に、マスコミをいなせる老練さを身につけていくことも多いわけですが、イチローレベルとは言わなくても、現役時代においても、普通に自分を表現して、イヤなものはイヤってことを笑顔で言える選手にも増えて欲しいと思っているわけです。

それが、多分、真っ当なジャーナリズムに近づく道に繋がるから。

だって、俺、「今の喜びを誰に伝えたいですか?」とか、一切聞きたくないもの。

なぜ、勝てたのか?何が勝因だったのか?なぜ、あそこでああいう判断をしたのか?なぜ、あそこで、あのプレーをしたのか?っていう理由を知りたい。



で、会見の中から。

イチローがメディアからの「引退後はどうするんですか?」っていう質問に、「人望がないから監督はない」って言ったことが話題になってました。

ただね、

──今日の試合でベンチに戻る際に菊池雄星選手が号泣していました。

 号泣中の号泣でした、アイツ。びっくりしました。それ見てこっちは笑ってましたけどね(会場笑)

──抱擁された時にどんな会話を。

 それはプライベートなんで。それは雄星がそれをお伝えするのはかまわないですけど、僕がお伝えすることではないですね。

──秘密ですか。

 それはそうでしょう。二人の会話だから。しかも、僕から声をかけているので。それをここで僕がこんなことを言いましたって。バカですよね。絶対に信頼されないもんね。それはダメです。

ここでね、どんな会話が交わされたのかはわかりません。

でも、プロポーズであるわけでもないし、チームメイト全員とハグをしていった流れの数秒の出来事なので、それほど長いやりとりがあったわけでもない。

言いたいことがあって考えていたとしても、別にその短い時間で、全部、言うこともないわけじゃないですか?

いくらでも、他に、時間あるんだしw

でねえ、多くのインタビューではこういうことを聞かれたりしますが、多くの場合、普通に「どういう会話があったのか?」ってことを普通に語ってしまいますよね。

私だって、誰かとの会話の内容をめっちゃブログに書いてますよw

許可を取ることは、ごく稀にはありますが、基本的に気にせずに書いてます。相手のプライバシーを侵害せず、マナー違反にならんだろう、ってことに関しては。

イチローと菊池雄星の間にどんな会話が成されたのかはわかりません。

実際に、菊池雄星に聞いてみたら、「結局、それ?w」ってことになるかもしれません。

でも、「プラベートなんで、それは言えない。」「それをここで僕がこんなことを言いましたって。バカですよね。絶対に信頼されないもんね。それはダメです。」ってことを堂々と言える人は、普段からずっと、そういうスタイルで生きているに決まっていて、特にイチローはそうしているに決まっているわけで、そんな人が、若い選手からの人望を得ないわけがないと思うんですね。

2回目のWBCの時も、中々結果が出なかったイチローの為に、「チームの皆で、イチローと同じ、靴下のところまでユニフォームをあげる格好をした」とかって話もあるじゃないですか?

1回目の優勝のビールかけの時だって、あれ、皆に好かれてなかったら、あんなことにならんって。




それと、イチローのTシャツ芸についても、質問が飛んでました。

知らない人もいると思いますが、球場入りする前に謎のTシャツで登場するってのが1つのお約束みたいになっていたんです。

私は個人的に、「寒いw」って思ってましたがw



──ユニークなTシャツに「もう限界」「もう無理」とか書いていますが、心情が表れているんでしょうか。

 そこは言うと急にやぼったくなるから、言わない方がいいんだよね。それは観る側の解釈だから。そう捉えれば、そう捉えることもできないし。全然関係ない可能性もあるし。それでいいんじゃないですか。

──好きに楽しんでいただきたい。

 だってそういうものでしょう。いちいち言うと野暮ったいもんね。

──言わない方が粋であると。

 粋とは自分では言えないけど。言うと無粋であることは間違いないですよね。

この、やりとりね、「言葉とスタイル」を自分のものにしていないと、アドリブでパッと出てくるものではないですね。


「言うと野暮ったい」
→「言わない方が粋?」
→「粋とは自分では言えないが、言うと無粋」



っていう、即興の流れは、言葉を完全に自分のものとして使っていないと出来ることじゃあありません。

これもね、最初の国語力の話に戻りますが、昔、何かで聞きました。

「誰かの講演や、インタビュー、対談なんかを文字に起こして、何の手も加えずにそのまま文章にして本にして出せるような人というのは非常に少ない」ってこと。

でもね、イチローの会見の文字起こしは、そのまま何の問題もなく読めます。

よくある、(〇〇の意味)とか、(〇〇のこと)とか、(〇〇が△△であることを受けて、)とかっていう、編集側の注意書きが無くても、そのまま、読める。

それって、いかにちゃんと相手の質問を理解した上でそれに答えていて、で、その答えが、いかに論理的で整理された情報になっているか?ってことですね。

このイチローの会見はね、時代を代表する国民的英雄の言葉としても素晴らしいですが、

「自分の気持ちを自分の言葉で伝えること。そして、そこには喋り方や伝え方やユーモアや、相手にわかりやすく伝えるためのあらゆる方法論が必要である」

ってことを教えてくれる素晴らしいプレゼンの教材にもなると思います。



まだ、書きたいことはありますが、ちょっと長くなったので、またの機会に♪









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とりあえず、色々と書きたいことはあるんですが、それは、また。

この会見は野球に興味が無い人にとっても、大変、有用だと思います。






とりあえず、一言だけ。

政治家や芸能人、スポーツ選手なんかのスピーチや、講演、会見など色々ありますが、これほどまでに、聞いていて質の高いものは少ないと思います。





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さて、遂にイチローが引退を表明したようですね。


日経新聞より。
米大リーグ、マリナーズのイチロー(45)が21日、一線を退く考えを球団に伝えたことが分かった。日米通算ではピート・ローズ氏の大リーグ記録4256安打を上回る4367安打をマークした大打者が、ついにバットを置く。




私は、野球には全く詳しくないので、アレコレを語れるだけのモノは何も持ちあわせておりません。

ただ、「イチロー」という人が、同じ時代を生きている私達にとって、とてつもなく大きな存在であることはわかります。

これまでの「国民栄誉賞」の受賞者は以下の感じになっているそうです。

王貞治
古賀政男
長谷川一夫
植村直己
山下泰裕
衣笠祥雄
美空ひばり
千代の富士
藤山一郎
長谷川町子
服部良一
渥美清
吉田正
黒澤明
高橋尚子
遠藤実
森光子
森繁久彌
2011年なでしこジャパン
吉田沙保里
大鵬幸喜
長嶋茂雄
松井秀喜
伊調馨
羽生善治
井山裕太
羽生結弦



ただね、昭和50年生まれの私の超個人的な感覚からすると、「うん。この人に国民栄誉賞を与えて当然だよね!!」ってことを思えるのは、「千代の富士」「長嶋茂雄」「松井秀喜」だけです。

私の中の基準は、「特にその分野のファンやサポーターでもない一般の人と世間話をする中でも、その対象の人物の名前が出てくる人」ってもの。

そういう基準で考えるとね、その他の人の名前なんてのは、日常会話で出てくることはありません。

私はサッカーが好きですが、なでしこジャパンには全然興味はないし、彼女たちがW杯で優勝したことを知らない人なんていくらでもいるでしょう。

1番メジャーな澤さんの知名度だって、どれくらいのものかわかりません。


でもね、「イチロー」という人を知らない日本人というのは相当に少ないはず。

10歳以下、80歳以上の人ならわかりませんが、20歳以上60歳未満の人で、イチローという名前と顔が一致しない人は限りなく少ないはず。

彼の残した実績と、あふれる程の美しいプレーは、まさに、「国民的」と言っていいものだと思います。

「野球」という日本でトップクラスに人気のあるスポーツにおいて、これほどまでに凄まじい成績を残し、活躍して欲しいところで活躍し、そのスタイル、発する言葉、人格が、多くの人にリスペクトされる存在は、他には、サッカーが好きな私の贔屓目で言っても、カズさんくらいしか浮かびません。

イチローはスーパーです。

「今日はヒットがありませんでした。」ってことがニュースになる選手は、この先、出てくるのでしょうか?

野球の日本代表を「侍ジャパン」とか、サッカーの日本代表を「SAMURAI BLUE」とか言ったりしますが、実際の生の侍なんてものを一切見たこともない平成に生きる私達が、それでも、「この人は侍だ・・・。」ってことをDNAで感じられたのは、この人だけだったように思います。

侍。

武士。

そういう、凛とした魂の高潔さを体現して見せてくれた人。

イチローはスーパー。



お疲れ様でした。








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