ぐらいんどこあせーるすまん

Sleep, Money, Food, and Extreme Music. かわいいテロライザー。

2019年12月にリリースされたものを紹介していきます。
画像はSpotify、Spotifyにページがない場合はBandcampへのリンクとなっています。



OATH OF CRUELTY / Summary Execution at Dawn   (Dark Descent Records)
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テキサス産デス/スラッシュメタルバンドの1st。デスメタルのサウンドと激速のスラッシュリフを組み合わせた音で、スラッシュ系グラインドバンドP.L.F.のメンバーが在籍しているというのも納得の内容。どちらかというと雰囲気はスラッシュメタル寄りで、ヴォーカルはブラック/スラッシュ系の吐き捨てタイプ。MERCILESSやINCUBUS~OPPROBRIUM、PROTECTOR、DEMOLITION HAMMERなどのデス/スラッシュ系が好きな方にオススメ。この芯の太いサウンドプロダクションは逆にスラッシュメタルではあまりないかもしれないとも思った。ブラスト時のヤケクソ感あるドラムスなど、テンションで押し通すタイプの激烈盤。



DAEMONIAC / Dwellers of Apocalypse   (Xtreem Music)
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イタリア産デスメタルバンドの2nd。HM-2系のスウェディッシュデス影響下のデスメタルをプレイ。最初のEPのころはHM-2というよりわざとチープなプロダクションにしているデスメタルという感じだったが、1stフルからこの路線に。それでも初期から一貫しているどこかドタバタとしたリズム感はそのままで、それが独特の味になっている。そこまで速くない鈍舞ブラストビートなど、派手にならない味わい深さを感じられてよいです。GOREMENTのカヴァーを収録。1stのころのEVOCATIONとか好きな方に。



VOMI NOIR / Les myasmes de la deliquescence   (B.O.G. Records)
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フランス産のゴアグラインド。PULMONARY FIBROSISのメンバー在籍。タイトな演奏のゴアグラインドでCRASH SYNDROMやREGURGITATEなどのファンにオススメ。CARCASS由来のノリの良いパートも盛り込まれているが、モッシュ系ではなく正統派グラインドに近いタイプです。露悪路線になりすぎないシリアスさのあるゴアグラインドで爽快に駆け抜ける内容でゴアというよりもグラインドコアファンにウケるかもしれない。一曲1分前後の23曲入り。



SULFURIC CAUTERY / Chainsaws Clogged With The Underdeveloped Brain Matter Of Xenophobes   (Goatgrind Records /.etc)
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USゴア/グラインドコアバンド。とにかくブラストビートがすごい。あらゆる速度のブラストビートを盛り込んだ内容で、世紀の名作であるLAST DAYS OF HUMANITYの3rdに迫るような強烈な一枚になっている。ギターリフも割とちゃんと作られてはいるのだが、耳に入ってくる音の大半はピッチシフターボーカルとブラストビート。ピッチの高いスネアで微妙に速度を変えつつグラヴィティブラストも交えて壮絶なブラスト浴を味わえる。LURID PANACEA、PULMONARY FIBROSIS、INOPEXIA、RAMIN KUNTOPOLKU、FOETOPSY、BRODEQUIN等の激速バンドが好きな方にオススメ。それと、MENTAL APRAXIAやMINDLY ROTTEN等の超速ブルータルデスメタルのファンにもオススメできる内容に思います。


IN HUMAN FORM / III   (I, Voidhanger Records)
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USマサチューセッツのプログレッシヴブラックメタルバンドの3rdフルアルバム。ブラックメタル化したATHEISTのような内容で、トレモロリフとブラストビートの組み合わせもあるものの基本はプログレッシブデス系のリフワークが前に出ている。20分前後の曲が2曲と7分のインタールード的ナンバーを挟んだ構成なのだけど、曲の長さを一切気にさせない演奏と曲構成が上手いです。バンド名通りDEATHの『Human』を意識しているようなサウンドで、SADISTやCYNICのファンも気に入るかも。バンド側のBandCampで買うとボーナストラックで2曲ライブ音源がついてくる。ライブでこれができるというのがやはりすごいと思う。
Bandcamp

参考

REAPER / Unholy Nordic Noise   (Iron Bonehead Productions)
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スウェーデン産ブラック/スピードメタルバンドの1st。初期VENOM~BATHORYから連なるスピードメタルを初期VENOMみたいな籠った音質でプレイしている。NWOBHM的要素よりもSLAYERの『Hell Awaits』~デス/ブラックメタル的トレモロリフの比率が多く、スピードメタルの要素を残したブラックメタルというのに近い。このタイプのバンドは本当にリフや曲の運びがキャッチーでとても聴きやすくて好きだと思った。ABIGAIL、MIDNIGHT、GEHENNAHなどのファンには絶対にオススメ。
CIANIDE / Unhumanized   (Hells Headbangers Records)
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USはシカゴ産のベテランドゥームデスメタルバンドのEP。遅いMASTERみたいな作風だった2011年の『God of Death』を思い出させる作品。CELTIC FROST由来のシンプルなリフでの遅いファストパートなどは近年のCIANIDEの流れを汲むもので、COFFINSが物凄く近いところに来ていると思う。独特のドゥーミーというかスラッジィな音作りは初期からのまま。3rdあたりのCOFFINSが好きな方には絶対にオススメ。
Bandcamp

参考

2019年の年間ベストアルバムです。
メタルと呼ばれているもの(一部のハードコア含む)やメタルに近いものの中から50枚選出しました。
下の方に行くにつれて順位が高くなっていきます。
今現時点(2019/12/30)での順位で、今後聴いていくにつれて変わっていくかもしれないものです。
さらに下にはEP、Split、デモ、ライブ盤、コンピの選出もあります。

アルバムジャケットの画像をクリックするとBandCampページに飛びます。
BandCampにページがない場合はSpotifyに飛びます。
それもない場合はどこにも飛びません。

この記事がなにかの参考になれば幸いです。





50.FUMING MOUTH / The Grand Descent   (Triple-B Records)
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POWER TRIPに代表されるスラッシュメタルへのアプローチ、WEEKEND NACHOSに代表されるパワーヴァイオレンスへのアプローチなど話題の中心に存在しているようなニュースクールハードコアシーンとその周辺による他ジャンルの再発見と踏み込みは今、オールドスクールデスメタルへと目を向けられているように思う。XIBALBAを筆頭にしたデスメタルへのアプローチが話題を呼んでいる中登場したFUMING MOUTHもまた、スウェーデンのデスメタルを思わせる尖ったプロダクションでのデスメタリックハードコアをプレイしていて、デスメタルとは別物とはっきり提示しつつ今後の流れを思わせる重要な作品に感じました。ジャケットはMariusz Lewandowski氏。


49.ESOTERIC / A Pyrrhic Existence   (Season of Mist)
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やはり2枚組で100分超えの大作フューネラルドゥーム(一曲目が28分弱ある)。幾層ものギターで包み込まれるような曲は優しい抱擁感を感じさせるもの。フューネラル云々というかアトモスフェリックドゥームとして素晴らしい貫録の作品。MOURNFUL CONGREGATIONとかEVOKENが好きな方はもちろん聴いてるだろうけどオススメです。


48.DISENTOMB / The Decaying Light   (Unique Leader Records)
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カッチリとした音作りにして他バンドとの差別化があまり図られない印象のブルータルデスメタルにおいて、このバンドはオーガニックな音作りをしているのが魅力的。DISGORGE風のブルータルデスフレーズを中心としながらブラックメタル的アルペジオでの味付けなどが凄く光っているし飽きさせない工夫に満ちている。去年のBURIAL INVOCATIONはあくまでオールドスクールだったがこちらはブルータルデス、今の時代の面白さが出ていると思う。


47.NOCTURNUS AD / Paradox   (Profound Lore)
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BLOOD INCANTATIONの登場でTIMEGHOULはじめコズミックデスメタルが再評価されてきているが、宇宙的デスメタルと言えばNOCTURNUSだった。NOCTURNUS ADという名前ではあるがこれは完全にあのNOCTURNUSの音で、この演奏のバランスを聴いているとPOSSESSEDの延長線上でもあるのがよくわかってくる。巧いギターにそこまで上手いわけではないドラムと、この作品に関してはあまりデス声になってないヴォーカルになんとなく微妙に音が悪いのも最高。全デスメタルヘッズ感涙ものです。


46.HAUNTER / Sacramental Death Qualia   (I, Voidhanger Records)
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テキサス出身のブラックメタルバンドの2nd。OPETHをDEATHSPELL OMEGAや一時期のKRALLICEで味付けしたようなプログレッシブなブラックメタルをやっている。メロディアスというよりは混沌としているのだけど聴きやすく、こういうのが激情ハードコア界隈から出てくるというのに面白みを感じさせられてやまない。


45.ENCOFFINIZED / Chambers of Deprivation   (Maggot Stomp)
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カリフォルニア出身のデスメタルバンドの1st。表打ちのブラストやlowガテラルボーカル、CARCASS的なノリの良さがあるリフはUNDERGANGを思い起こさせるが、北欧とはまた違った腐敗の仕方をしているのでもっとアメリカ的な空気感がある。スネアがスナッピーを外してるようにカンカン言ってるので昔のゴアグラインドを思わせるところもある。Maggot Stompは今後注目していきたいと思った。


44.CATTLE DECAPITATION / Death Atlas   (Metal Blade Records)
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元ゴアメタル、現在はプログレッシブグラインド的な環境保護&動物愛護デスメタルバンドの4年ぶりの新作。12年作のアルバムが一つの到達点で、そこから派生するような作品なのだけど未だに似ているバンドがほぼいない。今作は高速パートでのブラックメタル的なメロディアスなフレーズが冴えていて、あの汚いクリーンヴォーカルも健在で前作、前々作が好きな人にはやはりマスト。


43.NILE / Vile Nilotic Rites   (Nuclear Blast)
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エジプト系デスメタルのメンバーチェンジを経ての4年ぶりの新作。Dallas Toler-Wadeが抜けてどうするのかと思ったけどKarl SandersとGeorge Kolliasがいれば4th以降のあのサウンドに変化があるわけもなく安心できる内容になっている。BrianのDallasに寄せつつDallasよりも少しハードコア的な声質は淡泊な印象を少し晴らしてくれてこれもこれで良い。HATE ETERNALみたいにブルータルデスまで行かないデスメタルとして絶妙な立ち位置。


42.PISSGRAVE / Posthumous Humiliation   (Profound Lore)
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今時こんな死体ジャケやるんかみたいな感じなのか、やたらバズってしまったPISSGRAVE。前作はもっとデスメタル寄りの音でピッチシフト一人デュアルヴォーカルもありFLESH GRINDERとか昔の中南米ゴアメタルみたいだなと思っていたのだけど、今作はもう崩壊寸前のウォーブラックに接近してて野蛮。目指すところとして完璧すぎるプロダクションだった前作より音割れ気味なのも、相変わらずのアー写もいろいろ意図するところが見えて面白い。こういうアブない香りは90年代後半~ゼロ年代前半的で、やはりリバイバルの流れなのかと今後に恐ろしくも期待。


41.GATECREEPER / Deserted   (Relapse Records)
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(ニュースクール)ハードコアをベースにしたスウェディッシュデスメタル風スタイルで、速さにこだわらないスタイルが渋い。密度の高くないリフ構成で起伏も少なく進んで行く曲調ははっきり言って地味にもほどがあるのだけど、妙に聴きやすくてリピートしてしまう。一時期のGRAVEを思い起こさせる作品で、派手じゃないが良い。


40.BARONESS / Gold & Grey   (Abraxan Hymns)
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前作「Purple」がその名の通り1st+2ndみたいなメロディックスラッジ/ストーナーだったのに対して今作はまた3rdっぽいのかなと思ったらそれは違った。メロディアスなロックナンバーで構成されたキャッチーな作品なのだけど、新しい試みも多くて実験的でもある。これまでの集大成のような自信と貫禄のある作品かつ野心に溢れた作品。


39.SPIRIT ADRIFT / Divided by Darkness   (20 Buck Spin)
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GATECREEPERのNate Garrettがやっているドゥーム/ヘヴィメタルバンドの2年ぶり3rdフル。PALLBEARERやKHEMMISに近いメロディアスなドゥームメタルだったが、今回はエピックなヘヴィメタルの要素が強く出ている。80年代みたいって思うようなベースラインが出てきたりとか、デスメタルやハードコア出発のこういう界隈はメタル愛にも満ちていると思った。


38.PELICAN / Nighttime Stories   (Southern Lord Recordings)
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イリノイ州出身のアトモスフェリックスラッジバンドの6年ぶりの新作。前身バンドであるTUSKを思わせるようなフレーズが所々顔を覗かせていて、ブラストビートにブラックメタル風リフを乗せる曲などがストーナー/スラッジ的サウンドに溶け込んでいて巧いと思った。インストであるが故の落ち着くようなドープな感触でじっくりと聴き浸ることができる作品。


37.DEVIL MASTER / Satan Spits on Children of Light   (Relapse Records)
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日本のハードコアに多大な影響を受けたと公言する分類上ではブラックメタルやハードコアになるバンドの1st。以前の音源で見せたサイケすぎる音の80年代的地下空気感が少し現代的なパワーにアップデートされていて迫力が増していて好印象。曲の流れでハッとさせる巧さがあって良いです。ジャパニーズハードコアのアブない部分みたいなのもちゃんとあるので方向性は違うけどINTEGRITYとか好きな方にも。


36.IDLE HANDS / Mana   (Eisenwald)
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今一番アツい地、ポートランド/オレゴンのゴシックメタル/ロックバンドの1st。片方のギターが歪んでて片方がクリーントーンになっているのを基本としていて面白い。物凄くタイトなドラムスが素晴らしくて、一瞬入るブラストビートの自然さとかに心奪われてしまった。淡々としたヴォーカルもらしくて良い。


35.NUMENOREAN / Adore   (Season of Mist)
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ポストブラックメタルを基本にしつつ、あまりそこにはそぐわないようなモダンな要素を入れてきていて、これは攻めてるなと感じました。なんだかモダンになった後の北欧メロデスみたいな雰囲気も醸し出し始めて、それも再評価されていくのかなみたいな。クリーントーンのパートが美しくて、これを推し進めて行ってもいいと思う。


34.VASTUM / Orificial Purge   (20 Buck Spin)
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カリフォルニアのデスメタルバンドの4年ぶりの4th。BOLT THROWERとINCANTATION通過後の邪悪デスメタルということでFETIDにも近いものを感じる。そこにちょっとブラックメタル的な耽美さを加えていて独特の艶があって面白い。ドラムスはNECROT、MORTUOUS、ATRAMENTのChad Gailey。他、NECROT、HAMMERS OF MISFORTUNE、ACEPHALIX、ULTHAR等のメンバーがいてアツい。


33.ABIGAIL WILLIAMS / Walk Beyond the Dark   (Blood Music)
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元々メタルコア界隈だった気がするUSブラックメタルバンド(Ken Sorceronの一人プロジェクトにゲストミュージシャンを迎えている)。荘厳だが温かさもある雰囲気は今の時代のUSブラックならではで、ファストパート以外のパートも惹き込ませる。繊細なタッチで叩き分けるMike Heller(MALIGNANCY、FEAR FACTORY、RAVEN)のドラムスが良くて、普通にブラストビート叩いてるだけで美しいと思ったりする。ジャケットはMariusz Lewandowski氏。


32.CARCINOID / Metastatic Declination   (Memento Mori/Blood Harvest)
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COFFINSの新譜やCIANIDEなんかに近い、CELTIC FROST由来のシンプルなリフで構成されたオーストラリア産ドゥームデスメタル。デモ音源みたいなロウな音作りはCRYPTIC BROODの手法に近いものがあり、グラインド的ブラストビートなど曲的にも目指すところが似ている(けど明らかに違う)と感じた。派手さがないのが売りで、AUTOPSY、DELIRIUM、DIVINE EVEなんかのファンにもオススメ。


31.WHITE WARD / Love Exchange Failure   (Debemur Morti Productions)
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オシャレなブラックメタルかなと思ったら本当にそういう雰囲気を上手く出していて凄い。ムーディなジャズパートからのブラックメタルパートという感じ。トレモロリフの嵐の中で鳴っているのがたまにジャズ的に動き出すベースで、これが独特のうねりを出している。ポストブラックというジャンルは(このバンドはかなり正統派寄りだが)あまりにも広いなと思った作品。


30.CLOAK / The Burning Dawn   (Season of Mist)
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ブラックメタル/ロックとMetal Archivesにあるが、3rd以降のTRIBULATIONがWATAINのようなブラックメタルに近くなったようなサウンド。ハードロック寄りヘヴィメタルみたいなギターハーモニーで聴かせるところもあって、リズムもわかりやすくノリが良い。アメリカのバンドなのにかなり北欧っぽいです。昔のOPETHのファンにもオススメできるかも。


29.LURID PANACEA / The Insidious Poisons   (Independent/P2)
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PULMONARY FIBROSISやINOPEXIAを超えるかのようなブラストの速さ。FOETOPSY時代のJon Engmanに匹敵するくらいで、おそらくグラヴィティブラストを使っているところもあるのだろうがそれでないとこでも速い。でも一番の聴きどころはそこに乗るリフが速さに完璧についてきていて、ブラストに負けないキラーリフの応酬ということでリフの無駄遣いと言えるほど凄い。DISENTOMB、INCINERATEDのメンバー在籍のゴアグラインド/ブルータルデスメタル。


28.WITCH VOMIT / Buried Deep in a Bottomless Grave   (20 Buck Spin)
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オレゴンのTORTURE RACKのメンバーが在籍するデスメタルバンドの2nd。BOLT THROWERっぽくなったINCANTATIONという形容があってるかはわからないけど、今のデスメタルのスタンダードがこういう音な気がする。鈍い印象のあるドラムの遅い高速パートはウォーブラックを思わせるところもあって野蛮な雰囲気満点。PHRENELITHとか好きな人にオススメ。


27.MARTYRDOD / Hexhammaren   (Southern Lord Recordings)
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スウェーデン産叙情クラストハードコアバンド。名作「Elddop」ほどあからさまではなくとも北欧叙情フレーズをリフに組み込んでいて、リードギターもふんだんに使うメロディアスなハードコアは健在。チューニングの低めなドラムの音がつかめなくて最初は困惑したけど、元々クラストってこういう音を使うよなと思ったらこれは良いと思ってきた。


26.DEIPHAGO / I, the Devil   (Hells Headbangers Records)
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Kurt Ballouがプロデュースのウォーブラックということで、どんなガチガチの音になるのだろうと思っていたら結局のところ何をやっているのか不明みたいな謎ブラックメタルになっていた。リフの構造もドラムのパターンも奇をてらいすぎたような意味不明な奇天烈さで、そもそもこれがサタニックなのかどうかすらわからない。Kurt Ballouがプロデュースしても何がナンだかわからない作品になるのだからもはや誰がプロデュースしてもずっとわからないんだろう。ギターソロがCARCASSの1stみたいで強烈。


25.KRYPTS / Cadaver Circulation   (Dark Descent Records)
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フィンランドのデスメタルバンドの3rd。フューネラルドゥーム~ブラックメタル的な音遣いが前面に出ているが、それでもデスメタル(AUTOPSY~フィニッシュデス系)の域に留まっているのが特徴的。ブラスト~ミドルの行き来も絶妙。前作が気に入った人なら絶対オススメで、毛色は違うがANATOMIAが好きな人も気に入るはず。デスメタルにおけるフィンランドはスウェーデンやデンマークに負けず劣らず最前線だ。


24.TORCHE / Admission   (Relapse Records)
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FLOORやSHITSTORMのメンバーによるスラッジメタルバンドの4年ぶり5th。前作ではそれまでのアップテンポ感を抑えてスラッジ感を強めていた内容だったが、今作ではまたメロディアスな方面に揺り戻しが来ているようで以前とは違った感触に。曲は短く戻っているけどメロディの感覚としてはポップというよりシューゲイズ的な浸るタイプの落ち着いた雰囲気に。酩酊感もしっかり持たせた強い歪みと併せて"ストーナーゲイズ"、"スラッジゲイズ"といった感じで、それでもやはりTORCHEなので今までのファンもFLOORのファンもKING WOMANなんかが好きな方にも。


23.CRYPTIC BROOD / Outcome of Obnoxious Science   (War Anthem Records)
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ANATOMIAとスプリットも出しているドイツのデスメタルバンドの2nd。前作はデモかと思うようなチープな音で衝撃だったが、今作も音の厚みは増していて重厚感はあるもののオーヴァーダブはおそらくなし。AUTOPSY直系のプレドゥームデスメタルは変わらず。ブラストビートの頻度が若干高く、グラインド感も出ていてやはり素晴らしい。


22.YELLOW EYES / Rare Field Ceiling   (Gilead Media)
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叙情的とはまた違うUSならではの高音弦多用ブラックメタルで、ポストブラックにはなり切っていない立ち位置。タイトにならない独特のドラミングが個性を引き立てていていい感じで、ライブ映像を見ても力技なのが面白い。前作よりもブラストパートが減っていて曲に起伏を持たせている気がする。メンバーが関わっているSANGUINE EAGLEやVANUMの新譜が好きな方は是非。


21.VENOM PRISON / Samsara   (Prosthetic Records)
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UKデスメタルの3年ぶりの2nd。CRYPTOPSYのような高貴なメロディアスさがあるリフが良い。重くノリやすいミドル~スローパートはハードコア的で、出自はそちら方面なのだろうけれど、根はデスメタルだ。見当違いかもしれないが何かに似てると思ったらデスメタルリフがMISERY INDEXっぽい。


20.FALLS OF RAUROS / Patterns in Mythology   (Gilead Media)
770631
US産ブラックメタルバンドの5th。欧州ではないバンドながら勇壮なメロディを聴かせるブラックメタル。3rdあたりのKRALLICE的なトレモロギターにフォークブラック的メロディが乗るスタイルで、スローパートでの旋律がとても良かったです。PANOPTICONとかとは目指す音は違うが、そういうのが好きな方にオススメかも。


19.FULL OF HELL / Weeping Choir   (Relapse Records)
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ノイズ込みグラインド/パワーヴァイオレンスバンドのRelapseに移籍しての4th。溢れるアイデアを無理やり濃縮して逆にキャッチーにしてしまった前作から、今作は溢れたままほったらかしにしたような拡散する音の洪水。ノイズ要素が戻ってきているが、デスメタルやスラッジメタルも飲み込んだ特濃ハイテンショングラインドは前作好きな人はやっぱりマスト。Lingua Ignotaらがゲスト参加。


18.SAINT VITUS / Saint Vitus   (Season of Mist)
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ドゥームメタル重鎮の、1stアルバムと同じセルフタイトルでの新作。ヴォーカルがWinoからScott Reagersに戻っているが、このギターの音さえ鳴っていれば何も変わりはないってぐらいのSAINT VITUS節。ドラムの音が80年代みたいな湿った音でとても耳心地がいい。


17.NOISEM / Cease to Exist   (20 Buck Spin)
756644
スラッシュグラインドバンド20 Buck Spin移籍作。フル16分刻みリフにブラストビートを乗せる、FULL OF HELLとはまた別の手法のハイテンショングラインド。これはブラストビートの入ったクロスオーバー寄りスラッシュメタルとして聴いてもいいかもしれない。P.L.F.とかよりもっとスラッシュメタルなのでそういう速いの大好きな方に。


16.MIZMOR / Cairn   (Gilead Media)
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ブラックメタルとドローンメタルをつなぐ一人プロジェクト。重厚さの希薄な速いブラックメタルパートと遅いグルーヴのある重いドゥームパートを両立させるのが巧い。2曲目のドローンドゥームナンバーもブラックメタルの延長線上にあるのがわかって、他にはない特殊な酩酊感がむしろキャッチーとさえ思うほどの傑作だった。ジャケットはMariusz Lewandowski氏。


15.IMMORTAL BIRD / Thrive on Neglect   (20 Buck Spin)
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GORGUTSやDEATHSPELL OMEGAをグラインドにしたみたいなブラックメタルなのだけど、ブラッケンドなカオティックハードコアのような肉厚さもある。特殊奏法みたいなカオティックなフレーズの応酬がとても良い。目まぐるしくもキャッチーで聴かせどころを押さえているし、リフのバリエーションが多くて飽きさせない。スラッジ由来のうねりもある。


14.FETID / Steeping Corporeal Mess   (20 Buck Spin)
771740
デモが話題だったドゥーム寄りデスメタルバンドの1st。ドロドロの腐臭デスメタルをプレイしていて、20 Buck Spinからのリリースということもあり今年の上半期の目玉作品だった。このリフはINCANTATIONとは違うなと思ってたけど多分これはフィンランドのABHORRENCE(AMORPHISの前身的バンド)なんかの手法に近いと思った。USのバンドがフィンランドを下地にするというのが増えてきたように思う。


13.FALSE / Portent   (Gilead Media)
770691
1stが好評だったブラックメタルバンドの4年ぶり2nd。アルペジオやトレモロでメロディアスに彩るギターが、一本調子にならずに展開を変えていくリズムに乗るシンフォニックUSブラック。10分以上の長尺でも全く飽きさせない全編クライマックスのような内容なのに、奥で鳴っているシンセとギターの境界が違和感ないほどに融合するような控えめな密度の音で疲れさせずに聴かせるのが巧い。Gileadはハズレがないなということと流通がどうなってるのかわからないなと思わせてくれた作品。ジャケットはMariusz Lewandowski氏。


12.OSSUARIUM / Living Tomb   (20 Buck Spin)
749519
MORBID ANGELをdiSEMBOWELMENTにしたような邪悪デスから耽美ゴシックドゥームまでを網羅したドゥームデスメタル。IMMOLATION的ピッキングハーモニクスフレーズやBOLT THROWER的重戦車スローパートなどリフの幅が広く、それでいて世界観が一貫している。クリーントーンにブラストが乗るところなんかはSPECTRAL VOICEみたいだ。今年のドゥームデスの豊作ぶりを象徴する一枚。


11.EXHUMED / Horror   (Relapse Records)
791779
ゴアメタル代表格のバンドで、前作や前々作はかなりメロディアスだったが方向転換、完全にグラインドコアになっている。これだけ上手いドラマーがいながらモダンなスタイルではなく初期グラインドコアそのものになっているのが凄い。REPULSIONのオマージュというかそれ以外の何物でもないのだけど、詰め込み気味なヴォーカルをCARCASS的デュアルヴォーカルに落とし込んでいるのも上手くて流石。ディスクユニオンで流れていたときCRETINの新譜が出たのかと思った。


10.RINGWORM / Death Becomes My Voice   (Relapse Records)
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Relapseでは三作目のベテランハードコアバンド。基本的にはスラッシュメタル寄りのニュースクールハードコアなのだけど、前作で見せたブラックスラッシュ的な要素を強化して凄まじい勢いになっている。SKELETONWITCHもVENOMも飲み込んだような(しかしあからさまなブラックメタル要素はない)ハードコアという曲で、流れるように進んで行く展開に圧倒されっぱなし。絶妙なタイミングで挿入されるタイトなブラストビートがいい。PALMとか好きな人にオススメ。


9.WORMWITCH / Heaven That Dwells Within   (Prosthetic Records)
763069
ブラックメタル×クラストなのだけどクラストベースではなくブラックメタルベース。ブラックメタル、メロディックデスメタル、ネオクラストあたりのメロディアスなフレーズを全部盛り込んでいてそこにハードコア的な肉厚なリズムが乗る内容。AT THE GATESの去年作とかが好きな人にオススメ。トレモロリフに3連ツービートを乗せてくるところとかグッときてしまう。


8.OBSEQUIAE / The Palms of Sorrowed Kings   (20 Buck Spin)
799058
キャッスルメタルと称されるブラックメタルバンドの3rd。90年代メロデスかと思うぐらいの美メロの嵐なのだけど、メロデスとはまた違った陽の光が当たるような暖かさのあるフレーズがジャケの雰囲気にも合っている。高音弦フレーズを多用し、よく聴くとトレモロリフやブラストビートはそこまで積極的に用いていないのも曲の流れとしていい感じ。SUHNOPFERの新譜が気に入った方はこちらも気に入ると思う。


7.NO ONE KNOWS WHAT THE DEAD THINK / No One Knows What the Dead Think   (Willowtip Records)
798695
Jon Chang(GRIDLINK、ex-DISCORDANCE AXIS、HAYAINO DAISUKI)、Rob Marton(ex-DISCORDANCE AXIS)、Kyosuke Nakano(ABORT MASTICATION、ex-COHOL)による新バンド。DISCORDANCE AXISの近未来感を受け継いだ、GRIDLINKを通った後としても完璧なグラインドになっていて感動。激情的なフレーズもサイバーな雰囲気に合っていて名リフの宝庫だし、このままこういうのをまたどんどん作ってほしいと思った。完全復活ッ!みたいな。


6.DEVOURMENT / Obscene Majesty   (Relapse Records)
782730
スラミングデスメタルの大御所の5th。前作はEric Parkのドラミングを活かしたノリの良いキャッチーな作風でオールドスクール的でもあったが、オリジナルドラマーBrad Fincherが戻っての今作はまた違う方向へ回帰している。カッチリとまとめない強烈なダウンチューニングに伴う這いずるような感触は、90年代の定義化される前の境界線が曖昧だった頃のブルータルデスメタルを思い起こさせる。リズム構成は1stの頃に凄く近いが色々とアップデートされていてまた別のものになっていて、ソリッドではなく邪悪な印象が強くなっている。バスドラムがかき消されるぐらいの低音も、地獄系デスメタルみたいで引きずる重さが良い感じ。


5.CEREBRAL ROT / Odious Descent into Decay   (20 Buck Spin)
781573
FETIDのメンバーも在籍するデスメタルバンドの1st。ドゥームデスかなと思ったらどちらかというと初期CARCASS的で、ミドルテンポのノリのよさが絶妙なグルーム感を醸し出しています。ここまでゴア的なリフながらゴアグラインドにはならずデスメタルになっているのが面白くてもしやこれもフィンランド的なのかとか思ったりもする。そう考えるとDEMILICHっぽさも感じられてきて面白い。ドラムの絶妙なヘタウマさも味わい深い作品。


4.COFFINS / Beyond the Circular Demise   (Relapse Records)
789523
東京ドゥームデスメタルの6年ぶり5th。元々WINTER的な激遅デスメタルだったが、クラスト的Dビートを前面に押し出すようになっての今作はより曲にバラエティを持たせ、COFFINSがそのリフをやるの!?みたいな驚きも。ブラストビートを隠し味的に使いつつ今作はリズムの幅が広がって、痒い所に手が届くようなノリやすさと引きずるようなドゥームパートがより際立つ内容に。ステンチクラストを裏テーマにということもあって、やはり間で考えさせるようなロウかつダーティでカッチリ収まらない音作りが魅力的。


3.MORTIFERUM / Disgorged from Psychotic Depths   (Profound Lore)
791617
デモが話題だったカナダ産ドゥームデスメタルの1st。FUNEBREをRIPPIKOULUにしてDEMILICHをまぶした感じの超フィニッシュデスドゥームサウンドでじわじわと侵食するデスメタル。今のデスメタルの流れとして先ずAUTOPSYがあって、その後のINCANTATIONやスウェーデンの流行の次はフィンランドなんだなと思わせられる決定打的アルバムな気がする。ドロンドロンになっている濃密盤なので、INNUMERABLE FORMSやSPECTRAL VOICE、昔のCOFFINSなんかが好きな人は絶対にチェックしたほうがいいです。腹八分目的な隙間を作る絶妙な音作りもいい。


2.BLOOD INCANTATION / Hidden History of the Human Race   (Dark Descent Records/Century Media Records)
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コロラド州デンヴァーの超話題デスメタルバンドの満を持しての2nd。メンバーのうち3人はSPECTRAL VOICEで、他にも注目のバンドを続々と動かしている人たち。今作はTIMEGHOULというより、今最も再評価の波が来ているフィニッシュカルトデスメタルバンドDEMILICHの影響が強く出たコズミックデスメタル。アナログレコーディングにこだわった音響は90年代的な味わい深さに満ちていて聴き疲れしないので何度もリピートしたくなる作品。最後の18分にも及ぶ大曲は先述のDEMILICH的不定形リフで味付けしつつMORBID ANGELやIMMOLATIONを強く意識した様なリフワークが中心となっていて、中盤にはDEATHへの明らかなオマージュも見られる。デスメタルを発掘し再評価しつつ溶かし合わせ、独自の世界観へ落とし込んでいるこのバンドがもしも「持ち上げられすぎ」なのであれば、それはむしろ良いことのようにも思える。このような作品をもとにデスメタルを発掘していく人が増えてほしい。


1.TOMB MOLD / Planetary Clairvoyance   (20 Buck Spin)
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おそらく今年最も注目されていたアルバムの一つ。前作にあったAUTOPSY感やグラインド感は少し減退し、北欧由来(特にフィンランド)の暗さやブルータルデスメタル的なフレーズが増えている。物凄く冷たい感触があって、今の時代の流れ的にもDEMILICHやADRAMELECHの影響がかなり出ているのかも。無機質というかわりと硬質なリフはテクニカルデス×BOLT THROWERというような不思議な配合とも思えるし、これはやはりCONVULSE的な闇黒北欧デスメタルのようなものも感じる。ROTTREVOREなどが好きな方にもオススメ。サウンドプロダクションも間を作る音作りになっていて、これもドラムスの音が良いです。今年の20 Buck Spinのデスメタル方面への異様な盛り上がりを象徴する一枚。いかにフィンランドのデスメタルが再評価されているのかもよくわかるし、フィニッシュデスはデスメタルマニアのたどり着く一番の魔境だと思っているから嬉しい。
現在デスメタルは最も盛り上がりを見せているジャンルの一つで、一時期90年代スタイルのデスメタルがほぼ無視されていたのが嘘のようだった。そしてそれは数年前くらいから着実に日本でも流れが来ていると思っていたけれど、その前はてんで話題にならなかったように思う。もしかしたら今も一部だけで騒がれてるのかもしれないけど、それはもしかしたら海外でもそうなのかも。流れがAUTOPSY~INCANTATION~DEMILICHと変わっていっているのも面白くて、そう考えるとAUTOPSYの再結成がきっかけだったのかなとは思う。ブルータルデスもオールドスクールデスも、そしてメロディックデス、テクニカルデスも混在したシーンになっていけば面白いと思うし、そうなっていっている気がする。



次点


POSSESSED / Revelations of Oblivion   (Nuclear Blast)
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POSSESSEDに何を期待しているかというのに見事に答えてくれたアルバム。ヘタウマのところではなく。ブラストを本格的には用いず、スラッシュメタルと境目が曖昧だった初期型デスメタルを完璧に再現。ちゃんと由来のわからない字余りパートもやっていて嬉しい。


THE GREAT OLD ONES / Cosmicism   (Season of Mist)
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フランスのラブクラフティアンポストブラック。メロディアスかつ壮大なトレモロの洪水で凄まじい勢い。ブラストに突入した時の高揚感が凄くて、WOLVES IN THE THRONE ROOMとかよりはかなり迫力重視だと思う。他の今年のブラックメタル勢と比べて柔らかな感触ではない音圧でのカタルシス。


SUNN O))) / Life Metal   (Southern Lord Recordings)
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ドローンドゥームメタルの大御所の今年出た新譜のうち1枚目。低音ギタードローンを反復するだけの内容なのにこれだけ飽きさせないのは驚異的という他ない。Life Metalとは言い得て妙で、確かに暖かく包み込むような雰囲気がある。ドローン方面をもっと掘ってみようと思った。





スプリット TOP3

3.WOJCZECH/COMPLETED EXPOSITION / Progress And Harmony Rewind   (Regurgitated Semen Records)
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WOJCZECHはパワーヴァイオレンスとグラインドの中間のような音で3種類くらいのヴォーカルを切り替えるのが特徴的。でもこの盤の凄いのはCOMPLETED EXPOSITIONで、音量がそもそも違うんじゃないかと思うくらいの勢いの凄まじいパワーヴァイオレンスをやっている。今年はパワーヴァイオレンスをあまり聴いてないが、これは素晴らしいと思うしもっと掘るべきかもしれない。


2.CATAPLEXY/MIASMA DEATH / The Goddess ov Darkness and Sleep.... / "孵 / 海"   (Zero Dimensional Records)
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日本のブラックメタル分割盤。CATAPLEXYはSECOND TO NONEのメンバーも在籍する大御所で、フィンランドあたりのブラックメタルを今回はUSブラック的にしたサウンドでやはり素晴らしい。MIASMA DEATHはZOMBIE RITUALのメンバーが在籍するバンドで、ドゥームブラックとでもいうべきサウンドになっている。ブラックメタル的な空気感を軸にしつつ、確か当初はGOATLORDとかを参考にしていたと思う厭世的な音でこちらも凄く好きです。


1.PRIMITIVE MAN/HELL / Primitive Man / Hell   (Translation Loss Records)
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物凄い地獄スプリットをイメージしていたら適度にキャッチーで驚いた。PRIMITIVE MANはブラストビートも交えつつのそこまで長くない曲で、ノイズ要素は少な目で聴きやすい且つ殺伐スラッジ。HELLは一人ドローンスラッジで、この曲はスラッジ的な揺らぎが強くて心地よく浸れる。もう一度聴こうと思わせられたりする絶妙な尺に収められてる美味い分割盤です。酔える。





EP TOP3


3.DOLD VORDE ENS NAVN / Gjengangere i hjertets mørke    (Soulseller Records)
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DODHEIMSGARD、VED BUENS ENDE...、元ULVERのメンバーらによるブラックメタルバンドの初音源。一曲目がインダストリアル寄りなリズムとリフの曲だが、二曲目以降はノルウェー流のちょっと変だけど王道なプリミティブブラックメタル。ブラックメタルの王道からは離れたヘンなヴォーカルも味があっていい。狂った紳士みたいな。


2.FATHER BEFOULED / Holy Rotten Blood   (Dark Descent Records)
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ENCOFFINATIONのメンバーが在籍するデスメタルバンド。INCANTATIONを北欧デスメタルのような重たく黒く荒涼としたサウンドにしたようなスタイル。INCANTATIONはもちろん、CONVULSEやDEMIGODが好きな方にもオススメ。これぞDark Descent印だと思わせられる作品。


1.PHOBOCOSM / Everlasting Void   (Dark Descent Records)
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IMMOLATIONの4th以降を少しシンプルにしたようなデスメタルで、ブラックメタル的な響きもあるサウンド。Ross Dolanのようなガテラルと、裏打ちのブラストが良いです。2曲目はIMMOLATIONの『Here in After』のカヴァーで、これが完コピで凄い。96年にこの曲を書くというのも凄いなと改めて思わされる変則的な曲展開をじっくり堪能し直すことができて面白かった。





デモ TOP5

5.CHAOTIAN / Festering Carcinolith   (Extremely Rotten Productions)
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デンマークのデスメタルバンドの2ndデモ。デンマークのデスメタルシーンの勢いを感じさせる、フィンランド由来のグルーミー邪悪サウンドで良い。PHRENELITH、WORMRIDDENが好きな方や、ABHORRENCE、FUNEBREが好きな方にオススメの北欧デスメタル。


4.FROZEN SOUL / Encased In Ice   (Maggot Stomp)
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テキサスのデスメタル。ボーカルの感じからしてUKデスメタルを思い起こさせるが、MORTICIANの『Witches Coven』をやっている。そう考えると遅いパートのリフなんかは完全にMORTICIANに聴こえてくるし、邪悪なファストパートもそう聴こえてくる。BOLT THROWERとMORTICIANが合わさった感じでとても良い。


3.SANGUISUGABOGG / Pornographic Seizures   (Maggot Stomp)
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USはオハイオのデスメタルバンド。AUTOPSYみたいなメロディだがどちらかというとスウェーデン~フィンランドのデスメタルに近い(フィンランド寄り)。ピッチの高いスネアと手数の多さが心地いいドラムが素晴らしくて、ゴアグラインドみたいなもっさり2ビートもいい。


2.TORSO / Demonic Vomiting   (Me Saco un Ojo Records)
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フィンランドのTORSOFUCKのメンバーが中心となっているデスメタルバンド。遅いパートのリフはスラミングデスメタル的だが、ドラムパターンや速いパートでの腐臭感は初期デスメタル的。90年代のブルータルデスメタルと所謂オールドスクールデスメタルがまだ不可分だったころの空気を漂わせていて凄くいい。


1.MALIGNANT ALTAR / Retribution of Jealous Gods   (Maggot Stomp)
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Dobber Beverly(INSECT WARFARE、OCEANS OF SLUMBER、WARMASTER)が在籍し、その人脈によるデスメタルバンド。とにかくDobberのドラムが凄い。地味になりがちな曲調を、ものすごく手数の多いドラムで彩っている。この界隈で一番上手いドラマーではと思っているだけに今後に期待が高まります。曲はBOLT THROWERを腐敗させた感じで、一瞬入るブラストパートが堪らない。





Live盤

INTERNAL ROT / Hack Session   (Blastasfuk Grindcore)
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オーストラリアの激烈グラインドコアバンド。表打ちなのかどうかよくわからない激速ブラストビートがここでも凄い。意外とカオティックなリフをやっている印象だけど、とにかく勢いで押し切るところがいいです。FACELESS BURIAL、AGENT OF ABHORRENCE、CONTAMINATED、THE BORKENLAYNEのメンバーが関わっている。





コンピレーション

PROPHECY OF DOOM / Retrospective 1988-1991   (Boss Tuneage)
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NAPALM DEATHに参加してたというとわかりやすいJim Whitelyが在籍するクラストグラインドバンドの待望の音源集。クラスト~グラインド~ドゥームデスを繋ぐ非常に重要な立ち位置のバンドで、1stフルが聴けるというのだけでも素晴らしい再発。同時期に出た1stデモ(この盤には収録されていない)の再発もマスト。


UNBIASED / Grinding Reactor   (Tower of Puzzle Records)
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東京で最初期のグラインドコアバンドの音源集。これを待ち望む人は多かったはずで、UNHOLY GRAVEなんかよりも早かったのではないかと思う。NAPALM DEATHから正当な影響を受けたピュアグラインドで凄いのですが、物凄く個人的なことだと自分の立場や影響などいろんな人脈を感じられて、詳細なバイオグラフィーなど本当に貴重だと思います。


INSECT WARFARE / Entomological Siege 2004/2009   (F.O.A.D. Records)
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「World Extermination」以前の作品は聴いてなかったので嬉しいコンピレーションでした。2004年から2009年までの音源をまとめたもので、2CD+DVDと4LP+DVDの2バージョンがある。あの衝撃のセルフタイトル作まで網羅した圧巻の激速グラインド絵巻で、その中でもリフをちゃんと作ってたんだなとかいろいろ発見がある2000年代グラインドコアのマスターピース。





今年はデスメタルが本格的に盛り上がっているのを確認できた年で、去年も盛り上がってたけどここ日本でも一気に広まったと思う。去年はDark Descentが凄いのをいっぱい出していたが、今年はおとなしくて、20 Buck Spinがとにかくデスメタルを本気でリリースしてて周りのデスメタルヘッズの間で話題になっていた。
でもその間もブラックメタルも様々な傑作がリリースされていて、そちらはやはり自由度が高くて元気だなと思った。もはやよくわからないリリースもあって、大量だけど取りこぼしているのは今後ゆっくり聴いていこうと思いました。でもデスメタルがここまで自由度が高いかというとどうなのかな、と思ったりも。パワーヴァイオレンスの話をめっきり聞かなくなった気がするけどデスメタルは続いてほしい。
デスメタルの流行的にはINCANTATION系やスウェディッシュデス系のバンドよりもとにかくフィニッシュデス系ドゥーム寄りデスが多かった印象。勝手にそう思ってるだけかもしれませんが。
今の海外メディアでの取り上げられ方を見ると、向こうはデスメタルもブラックメタルもドゥームメタルもグラインドコアもスクリーモも正統派もパワーメタルも聴けて当たり前になっているというか、まぁこれはもう10年前からそうなんだけども。当然聴きますよねみたいな。でもBandCampのコレクションに加えている人の少なさを考えると向こうもアンダーグラウンドの人口はそこまで多くないのかなと思ったり、実際はめちゃ多いのでしょうけどバンドのメンバー被りを考えてもそう思ったりして。
それと今年の作品を聴いてかなり気になったのが、音圧に頼らない、というより音に隙間を作って音圧を上げすぎないようにしているバンドが増えたように思うこと。これは個人的には歓迎できることで、元々90年代やそれ以前の作品を好んで聴いていた自分としては聴きやすいし、個々の味が出せるのは凄くいいと思いました。もうバキバキな音しか聴けないのかと思ってた時期があっただけに。特にアンダーグラウンドでそういう傾向がある気がしてて、メジャー寄りなバンドは割と今まで通り音圧は強いのがありました。2000年代は録音技術の進歩でめちゃめちゃヘヴィにできる!ってなってたけど今はわびさびも大事だよねってことなんだろうか。興味深いです。
そして今年はこのリスト以外にも素晴らしい作品が多かった。自分の観測範囲だけでもこれなんだから凄いんだろう。
来年も早速注目のリリースが控えていて楽しみです。



2018年の年間ベスト



ここまでお読みいただきありがとうございました。

VASTUM/SPECTRAL VOICE / Vastum / Spectral Voice
(Dark Descent Records)

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現行デスメタル最注目株の2バンドによるスプリット。VASTUMはクラスト系を通過しているような質感でドゥームデス寄りの音をプレイしています。BOLT THROWERの延長線上にいるようなリフワークと刺々しさが心地よい一曲。SPECTRAL VOICEはdiSEMBOWELMENT直系という触れ込みが大きいですが、この曲はBOLT THROWER的な遅い16分リフがたまらない内容。悲哀のメロディもしっかり盛り込まれていて、両バンドの目指す音の違いと同じところを良く味わえる良きスプリットになっています。


SKELETHAL/CADAVERIC FUMES / Heirs of Hideous Secrecies
(Hells Headbangers Records)

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CADAVERIC FUMESはAUTOPSYを科学変容させたようなロウかつサイケな演奏で奇怪な音。ロウな音作りや微妙に怪しい演奏など、初期デスメタルの未完成な雰囲気をどう作るかに主眼を置いている気がします。ノルウェーのDISKORDあたりが好きな方にオススメできるのではないかと思います。SKELETHALはスウェディッシュデスウォーシップな内容。ENTOMBEDに代表されるようなHM-2バズソウデスメタルが聴けます。非テクニカルな2ビート主体でノリの良い雰囲気はENTOMBED~DISMEMBERあたりのヘタウマから生まれる激渋グルーヴを感じる内容。現行デスメタルの一番渋いところを突いてくるスプリットです。


PRIMITIVEMAN/UNEARTHLY TRANCE / Primitive Man / Unearthly trance
(Relapse Records)

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PRIMITIVE MANはアルバムよりさらに地獄の情け容赦ないノイズドローンスラッジ曲を収録。完全にノイズに移行しているわけでもない塩梅でバンド編成の旨さを残しています。UNEARTHLY TRANCEはこれもまたノイズの香り付けがある殺伐とした出来に。PRIMITIVE MANに寄せたような、ブラックメタル通過後のフレーズをまぶしてあったりなど。全体的にリズムもPRIMITIVE MANを意識している感じもする内容です。「重さ」よりも「殺伐さ」を求める人向けの地獄盤。


INTEGRITY/KRIEG / Integrity / Krieg
(Relapse Records)

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INTEGRITYはニュースクール系に分類されつつも、クラスト感、スラッジ感、日本のハードコア感を出しつつ、若干ブラックメタルにも寄っている愛に溢れる曲は爽快なもの。激ヤバすぎなカヴァーも収録。KRIEGはUSブラックメタルで、スタジオ録音2曲とライブ録音1曲収録。デプレッシブに寄り過ぎずプリミティブでミドルテンポのブラックメタルで刺々しい音作りが特徴的。あまり接点がなさそうで微妙にリンクしあう絶妙なスプリットで、IRON REAGANとGATECREEPERのスプリットなどRelapseはよく考えて作っているなと思わされました。


WINDHAND/SATAN'S SATYRS / Windhand / Satan's Satyrs
(Relapse Records)

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ELECTRIC WIZARDを更にサイケデリックにしたような趣のあるサウンドで、展開で魅せていくスラッジとは異なる、酩酊感を楽しむような内容。女性ヴォーカルのオカルティックな響きやタメのあるドラムで、ストーナードゥームが好きな人には圧倒的な魅力を感じられるであろう期待通りのサウンド。SATAN'S SATYRSはメタルパンク系ストーナーメタル。軽快な音作りと演奏でドゥーム/ストーナー由来の煙たさを含んだ音で、THE SHRINEがもっとメタルに寄った感じの印象も。これも組み合わせが巧いスプリットです。


ANATOMIA/CRYPTIC BROOD / Infectious Decay
(Lycanthropic Chants/Obliteration Records)

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AUTOPSY崇拝2バンドによるスプリット。ANATOMIAはAUTOPSYをさらにドゥーミーにしてDIVINE EVEに近づけたような曲を収録。フルアルバムでの強烈に遅い曲ではなく、軽快な疾走もある曲を持ってきていて、続くCRYPTIC BROODに巧くつながる内容です。CRYPTIC BROODはもっとロウな音で、ドラムの独特のリズム感(走るところ多数)がよりAUTOPSYらしさを引き立てています。リズムが安定してドッシリしたANATOMIAと聴き比べると個性が出ていて面白いところ。音作り的にも重苦しさにはそこまでこだわらない内容ですが、やはりプレドゥームデスの香りが漂う極上のデスメタル。CDバージョンはObliteration Recordから。


KRUELTY/MIRRORS/UNIVERSE LAST A WARD / Counterfeit Killers Syndicate
(CKS Productions)

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UNIVERS LAST A WORDは収録バンドの中でも所謂メタルコアに最も近い内容。デスメタルライクな北欧メロディアスリフも飛び出すハードコアサウンドに日本語詞が載るスタイル。KRUELTYはBOLT THROWERやCONVULSEをドロドロに煮詰めて極悪ハードコアに落とし込んだような泥沼サウンド。ビートダウンハードコアというよりもデスメタル的なラフさが強く、過剰に鳴らないバスドラムの音やハウリングも含めて異彩を放つ興味深い音です。MIRRORSはビートダウンハードコア寄りのデスコアで、KRUELTYとの対比が面白いカッチリさがあります。現代のメタリック/ニュースクールハードコアの3つの側面を照らした意義深いスプリット。


BLINDSIDE/NO ZODIAC / Blindside / No Zodiac
(Militia)

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BLINDSIDEはデスメタリックな質感のあるモッシュパートを仕込みつつの疾走感ある曲をプレイ。それに対しNO ZODIACはだるんだるんにチューニングを落としたブルータルデスメタルちっくなハードコアで、あくまで走るところに重きを置いているBLIND SIDEとの違いがよく出ています。カッチリまとまったBLINDSIDEとは異なりNO ZODIACはブルータルに仕上げつつもラフな感触があるのが特徴的。その目指す音の違いがS.O.DのカバーとALICE IN CHAINSのカバーというチョイスにも表れているのではないかというのが面白いところ。ハードコアを通じてそのルーツと行き先(オールドスクール/ニュースクール両方のデスメタルなど)を考えるにあたって興味深い一枚。


STARKWEATHER/CONCEALMENT / Starkweather / Concealment
(Translation Loss Records)

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ベテランメタリックハードコアバンドのSTARKWEATHERとテクニカルデスメタルバンドCONCEALMENTのスプリット。STARKWEATHERは様々なヴォーカルスタイルを使い分け、29分もの楽曲に色を持たせているのが素晴らしい。メタルコアというよりもスラッジ~初期ニュースクールという感じの粘りのある絶妙な演奏も酩酊感を引き立てています。CONCEALMENTはブラックメタル的高音アルペジオリフを交えたテクニカルデスをプレイ。こちらもカッチリしすぎず柔らかな感触が聴き疲れを感じさせない19分。組み合わせの上手さと演奏の味の深さを堪能できるスプリットです。INTEGRITYなんかが好きな人にオススメ。





2019年2月のおすすめ

2018年12月のおすすめ


もう12月になるところですね。
令和になったというのに何も投稿していませんが、これから少しづつ投稿し始めていこうと思います。
今月のおすすめなどは更新していない分も、遅くはなるかもしれませんがしっかりと書いていきますのでよろしくお願いします。

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たまにコミティアに出ています、年に一回ぐらい合同誌に出す程度ですが。

今やっているCAASSIMOLARなどのバンドもよろしくお願いいたします。

雑記も書いたほうが面白いのかな?ややこしくなるかな?なども考えています。それをやるなら別の場所がいいかなとか。ゲームの感想、漫画の感想もまた書くか?とか。もっと誰もやってないような記事をやったほうがいいかなともいろいろ考えております。

というわけで今後ともよろしくお願いいたします。
The Revolution will not be televised, because the Revolution will not be.

HIRAX  @True Thrash Fest 2018
RAZOR  @True Thrash Fest 2018
BLOOD FEAST  @True Thrash Fest 2018
MASTODON  @SummerSonic2018
SACRIFICE  @True Thrash Fest 2018
ALL OUT WAR  @Blood Axe Festival
SLEEP  @恵比寿LiquidRoom
TANKARD  @True Thrash Fest 2018
AT WAR  @True Thrash Fest 2018
DRAWN AND QUARTERED  @西横浜ElPuente
CONVULSE  @浅草デスフェスト2018後夜祭
ヤなことそっとミュート  @アイドル横丁夏まつり2018
GORGOROTH  @渋谷
TAAKE  @渋谷Cyclone
ENSLAVED  @TSUTAYA O-Nest
MEAT SPREADER  @浅草デスフェスト2018
INTESTINE BAALISM  @浅草デスフェスト2018
SEDEM MINUT STRACHU  @阿佐ヶ谷Zot
MELT-BANANA  @東高円寺二万電圧
i☆Ris  @Tokyo Idol Festival 2018
GALVANIZER  @浅草デスフェスト
女王蜂  @Midnight Sonic
水曜日のカンパネラ  @Midnight Sonic
BiSH  @SummerSonic2018
DESTRUCTION  @目黒
LADYBABY  @アイドル横丁夏まつり



番外編


シンフォギアライブ2018
調がDraft Folder歌い始めた瞬間!と切歌が調にキスしたように見えた瞬間。実際どうだったんだろう。

み~んなでキラッとプリティーライブ2018
ドロマゲドン・ひの新曲も良かったけど(凄いイベントだった…)、メルティックスター完全優勝ですごい。

アニメJAM2018
芹澤優!めざせポケモンマスターはなかなか感慨深いものがあった…21年か…。





今年はもうTrue Thrash Festが優勝です。あんな面子でやるフェスって世界中見てもなかなかないのでは。スラッシュメタルが好きで本当に良かったと思える最高の3日間でした。HIRAXが『Hate, Fear and Power』やったとき泣きそうになりました。Katonのパフォーマンスが頭から離れないし。BLOOD FEASTはアルバムだとなにやってんだか全然わかんないけどライブは凄い。
MASTODONは音が鳴った瞬間からずっと釘付けで立ち尽くしてしまった。凄すぎる。サマソニはさユりとQUEENS OF THE STONE AGEも良かった。
夏フェスはサマソニ、アイドル横丁夏まつり、TIF、@JAM EXPO行ったけどどれもよかった。アイドルの現場に行くっていうのが今年で初めてなので、そういう意味で最初の現場だったtipToe.、おやすみホログラム、ヤなことそっとミュート、amiinAのライブは凄く心に残ってる。・・・・・・・・・がMASSACREのカバーやったときとかも。
あとは念願のALL OUT WAR(『Soaked In Torment』で始まるなんてずるすぎる)、SLEEPも凄く良かった。SLEEPいきなり『Dopesmoker』だし。
そして一時期塞ぎつつあったメタルへの壁というかトンネルを打ち崩してくれたDRAWN AND QUARTEREDがやっぱり印象的。感動してしまった。そもそも10年前から知ってはいたけど来るなんて思わないでしょ。メンバーの見た目がデスメタル以外絶対あり得ない強面で最高すぎる。特にギタリストのKellyさん、超デスメタル。ベーシストはINTESTINE BAALISMのとき隣にいてめっちゃ盛り上がってたし。ドラマーはなんか超アピールしてきて面白すぎて地味目なバンドの印象を取っ払ってくれたし。浅草デスフェストも最高です。
フェスにしろアニソンイベントにしろ、これはコミティアに通ったり年間ベストをやったり漫画雑誌読んだりしてるのもそうなのだけど、最先端、最新のところに今自分が参加している!感を欲していることが分かったので積極的に参加することにしました。そういうライブ感。いままでちょっと斜に構えてたところがあったけど、そういうのって楽しいよね実際。みたいな。実際楽しいので参加して正解でした。
今年はそんな感じです。

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