<前回>
ヴェーレスンを出発し、大きな町ゴースハウンにやってきたエスキル。まずは一泊して、頼まれた荷物を届けにいこう。
天気のいい朝だ。
今日は荷物を届けるため、学院に行こう。
あの丘の上の砦のような建物が学院と聞いている。
荷物はラピスラズリ51包。
スワインハムのギルドで預かったもので、エンチャントに使われる貴重な品物だ。
学院の丘へは急な坂をのぼる。
お、アイアンゴーレムが警備してる。
厳重だなあ。
坂をのぼりきるともう学院内だ。
学生さんがいる。
「学院にラピスラズリの届け物があるんですが、どこへ行けばいいですか」
「文書館じゃないですか。よくわからないのでまた聞いてください」
のぼり、またのぼる。
石造りの寄宿舎が延々とつづく。
大きなオークのある中庭に出た。
どうやらここが学院の本部のようだ。
この町と海域を支配している政庁でもある。
「すみません、文書館へはどうやっていけばいいですか」
「この正面の階段をのぼったところが文書館です」
ありがとうございます。
おや、あそこにいるのはヴェーレスンからつれてきた黒猫じゃないか。
すっかりこの町に馴染んでいるようだ。
では中に入ろう。
文書館の中には教授らしき人がいた。
「スワインハムのギルドからのお届け物、ラピスラズリ51包です」
「長い道のり、ご苦労でしたね。ではついてきてください」
文書館に付属した階段塔をのぼる。
この町に来てからというもの、のぼってばかりだ。
「こちらです」
文書館の3階には大きな本棚とエンチャント台があった。
ここでさまざまなエンチャントが行われるのか……。
思わず見入ってしまった。
無事、商品を納入。
「輸送料は後日渡します。また取りにきてください」
「ええーーーーー」
どうもゴース海地域の人々は渋い商売をするようだ。
「そのかわりといってはなんですが、その立派な弓を修繕してさしあげましょう。おや、消滅の呪いがかかっている」
「海で釣れたものなんですが」
「これをもったままモンスターにやられると、弓は消滅してしまいます。気をつけてください」
そうですか……。
気をとりなおして文書館の屋上にのぼってみる。
学生たち、授業にも出ずにこんなところでさぼっている。
北側をのぞく。
埠頭がふたつもある。
でかい町だなあ。
でかい町だなあ。
こちらは西側。
おや、豚牧場の手前に妙に近く見える建物がある。
どうやら浮き島のようだが?
どうやら浮き島のようだが?
南側。
丘の上にのどかな農場が広がっている。
文書館を降りて、いろいろ回ってみる。
まずは中庭へ戻ろう。
中庭の木の上で瞑想してる老人がいる。
やはり学院の人は少し変わっている。
こっちにも人が……あっ、失礼しました。
ここはなんだろう。
ガラス瓶の看板がかかっている。
蒸留室だった。
ここでいろんなポーションが作られるらしい。
「どうも、こんにちは」
「ここでは主に耐火のポーションを生産しているよ。この学院はネザーにつながっているからね」
「ネザー?」
「溶岩と業火に満ちた異次元の辺土だ。あんたもそのうち行くことになるかもしれんな」
それはごめんこうむりたい。
蒸留室を出ると、さっき上から見た農場だ。
牛が脱走しているね。
こちらは薬草園。
各地で集められたいろんな花が咲いているようだ。
学生の寄宿舎ものぞいてみよう。
安い宿屋とあまりかわらないですね。
さて、ほかの用事もあるのでそろそろ退出しよう。
学院からおりてくると、さっき上で見た浮き島がちゃんと浮いているのがわかる。あそこにはいったい何があるんだろう。
少し低いところから町を見下ろす。
農家のおばさんが路地を歩いている。畑でもあるのかな。
こんな大きな町でも人々の暮らしは変わらない。
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