昨日一昨日の土日で宝塚に遠征して、雪組公演「ロジェ/ロック・オン」を3回観劇、今朝帰ってきてシャワー浴びてちょっと寝たところでありますが、まあタイトル通りの感想であります。
タニがいなくなったあとの宝塚で、私の全ては彼の可愛い弟のチギに注がれていると言っても過言ではない。だからこそわけがわからん……うううううちの子が本当に3番手なんですか!?
3回観たのに正直あれは夢だったんじゃないかとまだ思ってる、信じられない、一人降りも、肩からたらーんと垂らすタイプとはいえ羽根も、全部全部嘘だったんじゃないかって思う。
いやそりゃねえ、以前からの諸々を鑑みるに順当にいけばそういうふうに昇格して当たり前なんだけどさ、実際そうなってみるとびっくりするしかないじゃない(笑)

まあそんなこんなでまずは「ロジェ」雑感。
正塚先生の作品はどれも正塚先生だから苦手という感想をよく見るけど、私は逆にだからこそ大好き。
暗めで地味でシリアスな雰囲気は大好物だし、ちょっと考える間をくれよと言いたくなるセリフ回しも、アンサンブル的に使われるものも含めてダンスの挟み方も好き。
多分ああいうのと相性がいいんだろうな、3回観たら眠くなるのは否定しないが。
とりあえずメインキャストの設定と人物相関図さえわかっていれば大丈夫だけど、ちょっと気を抜くとストーリーがわけわからんことになりそうなので注意。
要するに、プログラムと人物相関図は熟読しておくべしということです(笑)

ロジェのミズさんは家族を殺した男に復讐するためだけに刑事になり、いろんな組織を経験して今の地位にいるみたい。
彼のいちばんの協力者がマヤさんのバシュレ、ロジェの育ての親というだけでなく、ロジェと志を同じくして仇を追っかけてます。
リオンのキムとは昔からの知人でそこに熱い友情があるわけでもなく、レアのみなことにいたっては追っている人物が同じというだけの関係、レアは多少なり好意を持っているようだけど、ロジェの頭の中は仇のことしかないので恋愛要素も皆無、レディに向かって「殴るぞ」とまで言いますよあのひと。
ロジェが追っているシュミットはキタさん、なんというキタさんの無駄遣いw
シュミットという名前だけは早い段階から何度も出てくるのに、肝心のご本人登場が後半も後半というね……いやいいんです、キタさん輝いてるよ!
シュミットと関わってくるのがニワニワのゲルハルトと、チギのクラウス。
ニワニワはいつも通りナイスヒゲと今回は眼鏡、ついでに美人な奥さんと可愛い娘だけど、チギがもうね、とにかくかっこよかった!
サッカーボールの似合う少年だと思ってたのに、いつの間にかあんなに大きくなってたのね。
とまあこのあたりがメインに食い込んでくる人物なので、めんどくさければここまで押さえといていただければ(笑)
もっとまとめると、ミズみなこキムマヤさんひろみ先生コマせし子さきちゃんvsナガさんキタさんニワニワチギ、これで大丈夫、多分。
そんなこんなでひとりの男の24年間に渡る復讐劇の結末を描いた作品です。

ええと、正塚先生の作風だと思って観ればいろいろ大丈夫だと思います。私はすごく好きなんだけどね。
ストーリーを進めていく芝居チームとダンサーチームがあって、落ちがちな雰囲気を救うべく小笑い担当のコマがいて、そして初見だと混乱しがちというあたりがね。
好きなんだけどなあ、正塚先生(まだ言う)

ショー「ロック・オン」は、あれは……あれはすごいよ!幕開きで全部持ってかれるよ!
注目すべきはみんなの髪です。
あとプロローグは客席降りがあって、2階にも下級生ちゃんたちが来てくれます。とにかく盛り上がるプロローグで、日曜の公演は歓声がすごかった。
キムミミのピアノからジャズテイストが強くなって、中詰めもジャジーな感じ。
ジャズスキーなので大変満足であります。
その途中で挟まれるミズみなのダンスの見せ場、あのトロイメライのセンスには脱帽した。
銀橋を渡りながらトロイメライに乗せてミズさんが歌うんだけど、旋律に歌詞を乗っけてないのがこいつやりおるぞと。
めっちゃ踊ったあとのラストもトロイメライで、あの赤い花びらだか羽根だかが落ちてくる中にミズみなが立っているのが憎たらしいくらい好き。
中詰めのショータイムは日替わりでブルースとラテンがあるらしいのですが、私はブルースしか見てませんw日替わりじゃないじゃないか!
あと何回かは通えるので、ラテンもいつか見られたらいいなあ。
そして私のお気に入りの薔薇と孔雀、最初の弦楽器のエコーが神すぎる。
全体的にダークファンタジーな雰囲気で、サンホラに近いかなという……サンホラをよく知ってるわけじゃないけど。
なんですか、タメと呼吸とエロですか? まさにそんな感じでした。
ミズさんのうしろでひとり踊るチギに、あの子もその場所に立てるところまで来たのねえと感慨深く見ておりました。まあちょっとだけだけどね。
男役だけのロケットはさすがの迫力で、時間は短いのにあの満足感たるや!
なんというか、男役がああいうのをすると不思議なエロスを感じるというか、フェロモン的な何かが出ていると思うのですよ……。
ミズみなデュエダンからの大階段の黒燕尾は、こっちもロックテイスト。なんだろうあの、手拍子したくなるような黒燕尾。
大人数なので迫力もあり、宝塚らしくない黒燕尾は新鮮でかっこよかったです。
ほんのちょっとだけどミズキムだけになるところもあったりしてぐっときたし、そして雪組の群舞は歪みねぇなと再確認するのでありました。
フィナーレは白と黒、ぱっと見はすごくシンプルなんだけど、それなのに華やかで。
まあ私はここのチギで涙腺決壊しましたが……だって別にあれさ、ショーの中で明確に3番手ポジションだったわけじゃないのさ、あの子。
銀橋のセンターで踊ったり、立ち位置はキムの隣だったりでそれっぽくも見えたりしたけど、ショーの内容だけじゃあああの子が3番手なのねってはっきりわかるわけじゃないのに、いきなりフィナーレであんなんだったもんだから。
私がタニを好きになった時、タニはもうトップスターで、だから贔屓が昇格していくのをリアタイで見るのはこれが初めて。こういうことなんだな、宝塚で、特定の誰かを好きになるってのは。

なんか全然雑感じゃないけど、通おうと思えば私、チギのために何回だって通える。
あの子が本当に好きなんだなって実感した、そんな公演でした。
まあでも楽近くなったらミズさんを追っかけちゃうんだろうなあ……チギがチギがだけど、ミズさんの男役へのこだわりは尊敬する。素直にかっこいいと思えるもの。