冷陰極管用インバータ回路の変遷の歴史をまとめると以下のようになる。

冷陰極管用インバータ回路の歴史

●電流共振型インバータ回路
定義:共振電流を検出してスイッチング動作をする自励型発振回路 (自励型発振回路とは帰還ループ内に共振回路を有するものをいう)

●電流共振型回路の電流検出手段

1.昇圧トランス一次巻線側で共振電流を検出するもの
共振電流検出手段1
(昇圧トランスを除いて)伝統的電流共振型回路である。力率は原理上最高であるが、共振回路のQが低い場合に暴走現象が起きる。さらに、トランスを小型化し過ぎて飽和した場合も暴走するのでどうしてもトランスを大きめにせざるを得ない。また、調光する際に駆動周波数が大きく変化するので嫌われている。
この方式を使用する場合にはこれらの暴走現象をどう抑えるかが重要なポイントになる。
ノートパソコン用としては保護回路内蔵の専用ICを開発することにより実用化されて広く普及した。

2.昇圧トランス二次側の共振コンデンサに流れる共振電流を検出するもの
共振電流検出手段2
周波数安定度抜群の回路である。力率は合格ラインであり、実用上は最高の共振電流検出方法と考えられる。FET式のスイッチング回路と相性が良い。

3.昇圧トランス二次側の巻線に流れる電流を検出するもの
共振電流検出手段3
両方の中間の性質を持った共振電流検出方式であり、二次側共振回路のQが低い場合でも暴走現象がない。
この共振電流位相検出方式はテスラコイルの駆動回路にも応用することができ、通常のテスラコイル駆動回路では観測できないアーク放電までもが観測できるほどの強力な放電が得られる。

●スイッチ・スナバ型の電流共振型インバータ回路
スイッチ・スナバ回路
電流検出手段2を応用して駆動回路を相補性のFETで構成したスイッチ・スナバ型の電流共振型インバータ回路。 電力変換効率は良好、周波数安定度は抜群、発熱が少なく、信頼性が高く、故障率が低く、その上回路が単純でローコストな冷陰極管用インバータ回路の最終提案と呼ぶにふさわしいインバータ回路である。調整も決して難しくない。むしろ、あまりにも簡単に動作するので拍子抜けするほどである。

●ハイサイドスイッチを使った電流共振型インバータ回路
current-basic
同じく、電流検出手段2を応用して構成したAC100V用の電流共振型インバータ回路である。
これらの回路の最大の特徴は、今まで冷陰極管駆動の際に最大の問題であった近接導体の寄生容量の変化によるインバータ回路の不安定動作などが一切ないことであり、寄生容量が変わって共振周波数が変わればそれを自動的に追いかけて最適な周波数で動作するようになっている。 Baxandall回路で失敗したら、ぜひこの回路で試してみてほしい。(ただし、この回路図ではICの補助電源回路は手抜きしている。)

AC100V用の実用的なインバータ回路はこちら→
 (日本語版