『HEIWA FieLDS Presents INOKI BOM-BA-YE 2012』
東京・両国国技館
[観衆]8778人(超満員)
◇第1試合◇
▼定アキラ闘魂十番勝負・第7弾/10分1本
○定アキラ
(6分47秒)
×那須晃太郎
※逆片エビ固め
◇第2試合◇
▼20分1本
○マスクド・ゲノムJr.
(4分47秒)
×紅白仮面
※卍固め
◇第3試合◇
▼IGFキックボクシングルールマッチ/ヘビー級(95.5kg〜104.5kg未満)/3分3R
○プリンス・アリ
(1R、1分43秒)
×角谷正義
※TKO
◇第4試合◇
▼30分1本
将軍岡本
○ケンドー・カシン
(4分28秒)
×ボブ・サップ
エリック・ハマー
※エビ固め
◇第5試合◇
▼IGF MMAルールマッチ/ヘビー級(93.0kg〜120.2kg未満)/5分3R
○ホーレス・グレイシー
(1R、2分00秒)
×川口雄介
※肩固め
◇第6試合◇
▼IGF MMAルールマッチ(77.1kg〜83.9kg未満)/5分3R
○ミノワマン
(1R、3分18秒)
×ボア・ブラトブズ
※ヒールホールド
◇第7試合◇
▼IGF MMAルールマッチ/オープンウェイト/5分3R
○石井慧
(3R終了)
×ティム・シルビア
※判定3-0
◇第8試合◇
▼IGF MMAルールマッチ/ヘビー級(93.0kg〜120.2kg未満)/5分3R
○ミルコ・クロコップ
(1R、1分18秒)
×鈴川真一
※腕ひしぎ逆十字固め
◇第9試合◇
▼IGFスペシャルタッグマッチ/45分1本
澤田敦士
○鈴木秀樹
(15分20秒)
×天田ヒロミ
レイ・セフォー
※ダブルアームスープレックス→片エビ固め
◇第10試合◇
▼時間無制限1本
○藤田和之
(8分27秒)
×小川直也
※レフェリーストップ
メインイベントは注目のシングル初対決が実現。IGF王者・藤田と柔道王・小川の闘魂継承者決定戦だ。
試合に先立ち、宮根誠司さんによる両者の控室レポートが上映された。藤田はインタビューを拒み、ピリピリ状態。小川も宮根さんから何を問われてもウォームアップに集中していたが、最後は「うるせぇんだよ、ゴチャゴチャ!」とブチギレ。宮根さんの首根っこをつかむと、控室から追い出した。
小川、藤田の順で入場し、いよいよ両者がリングにそろい踏み。田中ケロリングアナのコールが終わると、両者が近距離でにらみ合う。レフェリーを突き飛ばした小川が殴りかかり、ミドルキックを連発。藤田の顔色がいっそう険しくなった。
サブレフェリーも入って事態を収拾。ようやく開始のゴングが鳴った。まずは小川がローキックで探りを入れたが、藤田も距離を詰めてロープに押し込む。制止するレフェリーを突き飛ばした小川はミドルキックを連打し、倒れ込んだ藤田をサッカーボールキック連打で場外に蹴落とした。
追いかけた小川は場外でもミドルキックをお見舞い。「もう終わりかよ!?」と叫ぶ。リングに戻ると、場内を煽る。藤田が遅れて戻ってくると、ヘッドロックで小川を捕獲。突き放した小川がサッカーボールキックを繰り出したが、藤田もすぐさま立ち上がる。一気に距離を詰めてコーナーに押し込み、頭突きを打ち込む。藤田がブレークを無視すると、レフェリー総出で引き離した。
ならばと藤田は再びコーナーに押し込んだが、小川もフロントキックで突き放しにかかる。構わず藤田が組みついたが、小川は払い腰をさく裂。馬乗りになって殴りつけ、スリーパーで絡みついた。
藤田も必死にもがいて逃れたが、小川はサッカーボールキックを連発して追撃。藤田は再び場外に転げ落ちてしまう。その間、小川はオープンフィンガーグローブを外して素手に。エプロンに戻った藤田もオープンフィンガーグローブを脱ぎ、徹底抗戦の構えだ。ロープ越しに殴りかかった小川を突き放してリングに戻った。
右フックを連発した藤田はヒザ蹴りも連発し、小川をコーナーに追い込む。軽々と抱え上げ、スパインバスターで小川を叩きつける。雄叫びを上げて右のパンチを振り下ろしたが、小川が回避。ならばと藤田はサッカーボールキックで蹴り飛ばし、左右のパンチを連打。レフェリーが試合を止め、藤田のレフェリーストップ勝ちが告げられた。
場内から不満の声が漏れ、ブーイング。猪木がリングに上がると、藤田は「会長、何これ。あんたがこうしたわけ?」と迫る。「小川! IGFはてめぇら二人でやってろ!」と怒声を上げるとマイクを投げ捨て去っていった。
残った小川は「俺は納得いってないよ。何だ、これは。いつから弱腰になったんだ、IGFは!? ふざけんじゃねぇ!」と小川もマイクを投げ捨てて引き揚げた。
リングに残った猪木は「てめぇらが怒るのが遅すぎんだ! 10年前にこれぐらい怒ってみろ! そしたら天下獲れたんだ!!」と怒髪天。「チンタラ生きて(プロレス)人生無駄にしやがって。それぐらい怒れば天下獲れたんだ。まぁ今からでも遅くない。怒ってくれ。これから世界から強豪がやってくる。それらを迎え撃たなきゃいけない。選手をケガさせることが俺の目的じゃない。それぐらいの根性で試合してくれ!」と自論を説いた。
だが、場内の罵声はやまない。構わず猪木は「ということで2012年も紅白が始まりました」と続けたが、場内はまたもブーイング。構わず猪木は「選手たちも殺し合う理由はない」とキッパリ。かき消すように場内は「もう一回」コールの大合唱だ。鬼の形相となった猪木は「お客も怒れ! それぐらい怒ったら日本も変わるんだ! いいかい! 誰も本当に怒ってない。こんな政治でいいのかよ!? それぐらいの怒りがあったら俺が全部受け止めてやるよ」と声を荒らげた。
最後に猪木は「今年もあと何時間もありません。本当はみんな一緒になって、去年はさいたまアリーナでやりました。それぞれの方向性が違う。今回も大事なスポンサーが応援してくれました。最後に…」と続けたが、場内からはまたも「もう一回!」コールが発生。激怒した猪木は「このヤロー! かかってこい! 俺が受けてやる! こいこい、コノヤロー!」と観客をも挑発。無理やり締めるように「いくぞー! 1、2、3、ダァー!」を叫んで両国大会の幕が下りた。
【藤田の話】
「なんだ、これ? なんだ、これ? なに、これ? どうせ絵を描いているのは会長だろ。なんだよ、あれ? そもそもレスリングができねえじゃねえかよ。やる気なんかねえじゃん、アイツ。なんだよ、お前。くだらねえ。いつまでお前、くだらねえことやってるんだよ。『平和だ、平和だ』ってぬかしてよ。あっちにもこっちにも火を点けてよ、戦争始まったら平和だって、お前、都合よくねえか? 一番の戦争って言えばアントニオ猪木、あんたじゃねえかよ。ふざけんじゃねえよ。人をバカにしやがって、この野郎。知るかIGFなんか。くだらねえ。こんなことやってよ。だから成長がねえんだよ。悔しくて涙が出てくる。くだらねえ、何がIGFだ、バカ。小川と2人で一生やってろ。(控え室に入る手前で)もう2度とやらねえよ。終わりだ」
【小川の話】
「(今の率直な心境は?)
何なんだ、IGFは。なんで終わったのか、さっぱり分からねえ。そもそも俺は呼ばれて来たんだよ。何かを求められて来たんだ。黒幕が誰か分かるだろ、そんなもん。なのになんだ。仕掛ける側なのに裏切られた気分だよ。納得いかねえな、本当に。
(藤田もかなり感情が高ぶっていたが?)
アイツが一番苦しんでんだろ。ざまあみろ。俺が普通に来て、試合をするわけねえだろ。ふざけんじゃねえ。
(リングサイドに猪木の姿はなかったが、思うところはある?)
いや、全然。俺は言われたことをやるだけ。猪木さんに手伝ってもらうわけじゃないし。やる時は俺はやるよ。この手でやるよ。まあ、とりあえず藤田をぶっ殺すのは失敗したけど、レフェリーはなんだ、あれは。試合を邪魔しやがって。レフェリーは1人で十分だよ。プロレスだぞ? 5、6人もわんさか来やがって。恥ずかしいよ。初めてだよ、そんなレフェリーがぞろぞろぞろぞろ…。何のためにいるんだよ。いらねえ、いらねえ。ノーレフェリーでいいって言っているぐらいなのに、なんだあれは。ふざけんじゃねえよ。ああ、思い出したらむかついてくるな。で、気がつけばなんか終わってるしよ。何しに来たんだ、一体。
(もう一度藤田と試合をしたいという気持ちは?)
もう一度? 藤田? ふざけんじゃねえよ。なんでアイツが俺と同等になんなきゃいけねえんだよ。今日の試合で分かったろ。どっちが迫力が上か。確かにやられたよ。レフェリーに止められたよ。いいのかよ? プロレスはこんなもんで。総合格闘技とかわけの分からねえヤツと一緒にやってるから、ゴチャゴチャしちゃうんだよ。プロレスがありきなんだよ。メインがプロレスなんだよ。全部プロレスルールにすりゃいいんだよ。プロレスのリングに総合格闘技のヤツが来たんだから、みんなプロレスのルールに従ってやれ。なんだアイツらは。総合格闘技をやる時は『プロレスのルールとは』とか言いつつ、お前らが上がってんじゃねえか。おかしい話だよ。俺はずっと言ってきたぞ。プロレスラーとして出て、プロレスラーとしてやっているって。アイツらが合わせるべきなんだよ。なんで俺らが合わせなきゃいけねえんだよ。おかしいよ。他になんかねえか。くだらねえ質問をするんじゃねえぞ。
(その後、テレビの取材で来ていた宮根アナが質問を始める)
(途中でグローブを外したのはどういうことなんですか?)
アイツがやって来ないんだよ。あくまでもプロレスやろう、プロレスやろうとするから。見てて分かるだろ? 構えねえじゃねえか。構えないヤツとどうやってやるんだよ。俺だってプライドはあるよ。ノーガードのヤツを打てるわけねえだろ。俺の方が上だと思ってるからだよ。そんな同等のルールでいいんだよ。だから脱いだんだよ。
(打ってこいと言った藤田さんは打ってきました?)
打ってきたよ、最後はな。最後だけだよ。甘いよ、アイツは。
(今回は小川さんが負けたという判定なんですが、まったく納得がいってない?)
当たり前だろ。初めてだよ、こんなの。いきなりレフェリーストップなんて。何度も言ってるけど、総合格闘技と一緒にしてるからおかしくなるんだって言うんだよ。あんなレフェリーがいっぱいいたのは初めてだろ。
(猪木会長に言いたいことは?)
呼んでおいて、仕掛けさせておいて、最後は止めさせる。なんだ俺は一体。分かるか? 呼ばれたんだよ、俺は。求められてるんだよ。やりました。なんで止められるの?
(なんで藤田選手は来なかったんですか?)
知るか、そんなもん。くだらねえ質問をするなって言ってるだろ。(宮根アナの首を掴んで詰め寄り、押し問答をすると)チョコチョコチョコチョコチョコと。何しに来たんだよ! くだらねえ質問をするんじゃねえぞ。
(再戦は無いんですか?)
望まれればやるよ。客に望まれればやるよ。当たり前だ。客が望まなかったらやらねえよ。
(僕らは望んでます)
やるしかねえよ、望んでるなら。帰るぞ」
【猪木の話】
「(大会を総括すると?)
総括はリングで喋ったとおり。アイツらがそれだけの怒りを燃やすんなら、5年前、10年前に燃やしとけよ。今回は俺が言ったんじゃない。アイツらが言い出したんだ。俺が仕掛けたわけでもねえよって俺は感じるんですよ。本来、最初から反対してるじゃん、俺は。でも俺からすると、やる側も本当にやっと『怒りって何だ?』と。俺らは本当に人を殺しているいろんな場面にも行ってきて、首も斬られていて。今、何が本気で、何が真剣であるか。こんな甘っちょろい話には乗らねえよ。俺1人で勝負してやるよ。ただ、結果は結果でしょうがないじゃん。コイツらに殺し合いさせるわけにはいかないんだ。さっきもパキスタンの映像が出たけど、未だにペールワンの歯形が(腕に)あって。その思いがあったから今回も墓参りに行って。まあでも、彼らにとってそういう『この野郎』というのは全てに通じることで、リングの上だけの問題じゃなくて。人生観にも、あるいはみんなに対するメッセージでもあったり。こんな中途半端なあれは、俺は昔、何遍もやってきてるから。来るなら勝負に上がってこい。俺が受けてやらあって。リングの上に。不満ならば
よ。そこ
まで懸ける価値も…逆に言えば、選手たちを守ってやらないといけないという。俺は本当に矛盾しているかもしれないけど、そういう戦いをしながらも、守らなきゃいけない。
(客席の雰囲気も異様だったが?)
そうですね。だから、『怒ってみろよ、おめえら』って。そういうことを…別にケンカしろとかじゃなく、本当に若い人たちが知らないことを俺たちが身をもって見せるしかないし。今日来た観客はラッキーですよ。前から言っているように、『見たくないヤツは来るな』って言ってるだけで。そのぐらいのリングと観客席の力関係というかね。そういう意味では、今みたいな怒りがお客にも出てくれば。来年は本当に格闘ブームが、プロレスブームが起こる兆しかなと。皆さんがどう判断するか知りませんけどね。今一番、世の中で沈殿している…なんだか分からないけど、それを爆発させる。じゃあ、何に爆発したらいいんだって。だから、後になって冷静になれば。彼らもリングの上で興奮状態でいるし。彼らは俺にぶつけるしかねえじゃん、だって」
(プロレス/格闘技DXより)
--------------------------------------------------------------------------------------------
何かすげぇーーえらいことになっちゃってない?(笑)
結局、猪木・・・・藤田・・・・小川の三角関係ってのは、点の集まりで、線にならなかったのかな?
どうなんだろう・・・・見に行ったお客さんは納得させれなかった、不満タラタラ・・・・いや、そんなもんついて来るやつはついて来くればいい・・・・という強気なアントニオ猪木(笑)
しかし、あそこでブーイングしたファンは期待して会場に来ていたわけだからね・・・・微妙だな。
しかし、アントニオ猪木はどういう仕切直し方をするのでしょうか?
やっぱり、残念ながら、藤田も小川も闘魂伝承者ではなかったということかな(笑)