私は推理ドラマとかの推理をするのは苦手で、
特に情報量が増えてくるともう、わからなくなって、
途中の過程はよくわからないまま、
最後に“ああ、この人のが犯人だったのか”とか。
『名探偵コナン 迷宮の十字路』のこの映画も、
結構、情報量が多かったです。
テレビアニメのほうは架空の街が舞台ですが、
今回の映画は実際の京都を舞台に、有名な京都の町並みや寺院などが出てきて、
そしてそれが物語り上の謎解きにも深く関わってくるような内容となっています。
スルーすれば別にそのままなのですが、
少し細かく追ってみることにしました。
先ずは回想シーンから。
夕暮れ時、どこかの寺。
桜の花の舞い散る木の下で、
赤い着物を着た小さな女の子が手まり歌を口ずさみながら、
鞠をついている。
まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき
し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
せきだ ちゃらちゃら うおのたな
ろくじょう ひっ ちょうとおりすぎ
はっちょう こえれば とうじみち
くじょうおおじでとどめさす ♪
そしてその光景を、女の子のすぐ近くに建つ寺の建物の格子戸の隙間から見つめる
一人の少年。
それから場面は変わって、東京西国立市。
夜中のとある神社の境内。
「遅いな、弁慶のヤツ・・・!」などと、
苛立ちを募らせながらたたずむ三人の男。
と、そこへ、
突如として現れた翁の能面を被った謎の着物姿の人物が、
一人の男に向かって遠間から矢を放ち、心臓を貫き、殺害。
さらに続け様、能面の男は腰の日本刀を抜いて他の二人も斬殺。
三人の殺害後、
能面の人物は三人がそれぞれ持っていた同じ「義経記」の本を拾うと、
そのまま暗闇の彼方へと姿を晦ましていった。
(寺のモデルは東京都立川市高松町の熊野神社の模様)
続いて深夜の大阪。
寝屋川市「たこ平」店内。
主人の備前平四郎(35)が、
やはり能面の人物に短刀で胸を刺されて死亡。
(ちなみにこの「たこ平」は、
寝屋川駅近くの「磯平」という実在の店がモデルとなっている模様。
しかし「磯平」さんのほうは、カニやフグなどの、
海鮮料理のお店となっているようです)
能面の人物は、また店内のカウンターの上に残されていた
「義経記」の本を持ち去って姿を消す。
そして、未明の京都。
東山区の「スナック・ジロー」にて、
駿河次(32)が、
またしても能面の人物に日本刀によって殺害され、
同じく「義経記」の本を持ち去って姿を消す。
それから数日後の東京警視庁。
京都府警の綾小路文麿警部、大阪府警の大滝悟郎警部らと共に、
合同記者会見をする目暮警部。
その会見の場で、殺害された被害者達は皆、
強盗団「源氏蛍」のメンバーだということが明かされる。
「源氏蛍」は平成3年頃から、
東京、京都、大阪を中心に、
有名な仏像や、美術品の窃盗を続けてきていた。
彼らの特徴は、
仲間たちが皆、義経の家来の名で呼ばれ、そして同じ「義経記」を所持していること。
首領が義経で、
以下、
弁慶、
駿河次郎
伊勢三郎
備前平四郎
亀井六郎
鷲尾七郎
片岡八郎の8人。
そして今回の殺人事件で、
駿河次郎
備前平四郎
亀井六郎
鷲尾七郎
片岡八郎の5人が殺害されて、
残るは、
義経
弁慶、
伊勢三郎の3人のみ。
しかしその3人の正体に関しては警察にもわからなかった。
再び舞台が変わって今度は京都。
京都駅のホームから降り立つ小五郎、蘭、コナン、園子の4人。
そしてタクシーを拾い、
やってきたのは「山能寺」なる寺。
(「山能寺」は架空の寺だが、モデルは世界遺産の京都醍醐寺)
小五郎らが寺の門をくぐると、中には、
山能寺の住職。円海(65歳)と、
山能寺の僧の竜円(34歳)、
それに山能寺の檀家の、
古美術商の桜正造(51歳)
能役者の水尾春太郎(33歳)、
古書店の店主の西条 大河(35歳)らが、
輪を作って話し込んでいた。
小五郎の存在に気が付くと、
僧の竜円が小五郎の下へと駆け寄って挨拶をした。
彼らは皆、同じ道場の剣道仲間でもあった。
小五郎に手紙を送ってこの山能寺に呼んだのは竜円だった。
それはある謎を解いて貰うため。
その謎とは、
この山能寺には12年に一度、開帳される本尊の薬師如来があり、
その一般公開が明々後日からと迫っていたのだが、
実はその本尊が盗まれてしまったのだという。
が、それが五日前になって突如、
寺の郵便受けに、指し出し人不明の便箋が送りつけられてきた。
中には手紙と、謎の絵が描かれた一枚の紙が内封され、
そしてその手紙には、
“この絵の謎を解けば、仏像の在り処が判る”との一文が記されていた。
それから場面が飛んで、
今度は駿河次が殺害された京都東山区の「スナック・ジロー」。
そしてその左隣の「酒処 ふく彩」店内から出てくる服部平次。
(モデルの場所は京都宮川町の「舞香」さんという、
舞妓さん体験をさせて貰えるお店)
しかし服部が店の外へと出たちょうどそのとき、
同じ道を歩いていた二人の着物姿の女性が、
自転車に乗っていた男に財布を奪われてしまう場面に遭遇。
服部が犯人から財布を奪い返すと、
犯人は自転車を残したまま逃走。
財布を奪われた女性は
宮川町でお茶屋を営む女将の山倉多恵(52歳)。
それと、
その山倉女将の お茶屋「桜屋」で働く、舞妓の千賀鈴(19歳)。
お礼を言って、名刺を差し出す二人。
関係ないですが、
「山倉多恵どす」という女将の言葉が、
「キャバクラ多恵どす」に聞こえるw
それとこの舞妓さんの背中の首筋のところなのですが、
独特の塗り残しの形をしています。
これが実際の、舞妓さんの白粉の塗り方だそうです。
【芸者の化粧の謎を解く|システム論アーカイブ論文編|永井俊哉】
それともう一つ、
千賀鈴さんの出した名刺。
これは「花名刺」というそうです。
【京の千社札/花名刺】
「花名刺」とは、「千社札」に舞妓や芸者さんが自分達の源氏名を書いて、
それを名刺代わりに渡すもので、
「千社札」というのは、
このようなもので、
江戸文字を使って書かれるのが特徴。
相撲の番付などで良く見かける、あの文字。
【江戸文字 - Wikipedia】
「籠文字」などとも言われるそうです。
【江戸文字の魅力4---「籠文字」 - 旧江戸美学研究会】
さて一方、その頃コナンは、
山能寺の仏像を盗んだのは盗賊団「源氏蛍」の仕業だと睨み、
服部の彼女、遠山和葉と一緒に京都見物にいく予定だとの蘭や園子と別れ、
一人、謎解きの調査へ京都の街へと出ることに。
特に「源氏蛍」の残されたメンバー、義経と弁慶の名が絡む五条大橋が怪しいとみて、
コナンは五条大橋へといく。
するとそこで何と、服部平次と遭遇。
いきなり竹刀でコナンに背後から斬り掛かる服部w
そしてそれを牛若丸のごとくに、
颯爽と後ろ飛びで避け、橋の欄干の上にジャンプして飛び乗るコナンw
(五条大橋は有名な、刀狩千本を目指す弁慶が、
後一本というところで、この五条大橋の上で若き義経と会い、
返り討ちにされたという場所。
しかし尋常唱歌の『牛若丸』では、この五条大橋が弁慶と牛若丸が
初めて出会った場所とされるのだが、
が、『義経記』では五条の大橋ではなく、
それは堀川小路から清水寺の間でのことだったなどと記されているらしい。
諸説あり)
服部は大阪寝屋川市のたこ焼き屋「たこ平」で殺された備前平四郎(35)とは
顔馴染みで、
服部は世話になった備前を殺した犯人を突き止めるため、
ここまでやってきたのだという。
実は服部は服部で備前平四郎が実は盗賊団「源氏蛍」の一員だっということを知り、
それで服部も京都が怪しいと、大阪から乗り込んできていたのだった。
それを聞いたコナンは、山能寺に送り付けられた、
例の絵を服部に見せる。
それから二人はさらに、
義経と弁慶に関わりありそうな場所を一緒に回っていくことにした。
先ずは義経と弁慶が出会ったとも言われる五条天神へ。
(『義経記』によれば、この場所が二人の初めての出会い場所だったとのこと)
次いで、弁慶の愛でていたという、
「弁慶石」のある京都市中京区三条通麩屋町へ。
さらに蹴上インクラインにある疎水公園へ。
そこには義経大日如来の石造が。
(疎水とは他の水源から水を引く目的で造られた水路のことで、
明治18年、琵琶湖の水を京都の宇治川まで引き込むため、
琵琶湖疎水という水路が作られた。
「疎水公園」はその途上、京都府京都市山科区に作られた公園。
【疏水 - Wikipedia】
【『山科疎水公園』 - 琵琶湖疏水のクチコミ by たびたびさん - フォートラベル】
一方、「インクライン」とは、傾斜鉄道などとも呼ばれ、
高低差の激しい傾斜の路面で貨物を運搬するために作られた
レールや機械装置のことをいう。
琵琶湖疎水は蹴上の山のところで高さ35メートルもの急勾配となり、
そのため水路では船で上り降りすることができず、
そこでその船をそこだけ上げ下げするため、
船のエレベーターとして作られたのが「蹴上インクライン」)
【京都インクラインと琵琶湖疏水 | 写真の中の明治・大正 - 国立国会図書館 ...】
さらに服部とコナンの二人は鞍馬寺へ。
鞍馬は牛若丸(源義経)が修行をした地として著名な場所。
が、そこまできたとき、
二人は不意に、バイクのヘルメットをかぶった謎の人物に弓矢で狙撃される。
コナンが犯人に気づいて服部は助かり、犯人はバイクで逃走。
バイクに乗って追いかける服部とコナン。
しかし犯人には逃げられてしまった。
その夜。
小五郎、
山能寺の僧の竜円、
古美術商の桜正造、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河らは、
京都千斗町の茶屋「桜屋」に皆で飲みにきていた。
彼ら前で舞妓の千賀鈴が舞を披露。
そこへ、
蘭、園子、和葉、コナン、服部もやってくる。
それからしばらくして、
近頃寝不足だから下の部屋で休ませてくれと、
古美術商の桜正造が席を外す。
9時になったら起こしてくれと。
さらに蘭、園子、和葉の三人は能役者の水尾春太郎の勧めで、
下の階で夜桜見物をするために出ていく。
部屋に残ったのは、
小五郎、
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河
コナン、
服部、
舞妓の千賀鈴と市佳代。
竜円は一度、トイレに席を外す。
次いでその竜円と入れ替わりで、今度は西条大河がトイレに部屋を出ていく。
さらにその後、水尾春太郎もトイレに。これは千賀鈴が一緒に付いていった。
芸者はそうするらしい。
そして古美術商の桜正造が起こしてくれと頼んだ9時になって、
女将の山倉が部屋まで桜正造を起こしにいくが、
しかしそこに桜正造の姿は無し。
女将が茶屋内を探すと、
何と桜正造は地下の納戸で仰向けになって倒れ、死亡していた。
鋭利な刃物で頚動脈を掻き切られていた。
犯人は桜正造が地下室にいったことを知っていた内部犯の可能性が高い。
桜正造が休みに下の階に下りていった後、部屋に残った
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河の三人は、
皆、一度トイレにいって席を外していた。
コナンは桜正造のズボンの右ポケットから、
たくさんの鍵がぶら下がったホルダーを回収。
そして服部と二人で桜の店「桜古美術店」へと出向く。
すると不法侵入したその家でコナンは、
「伊勢三郎」と書かれた礼の義経記の本を発見。
桜正造の正体はなんと、例の強盗団「源氏蛍」の一員だったのだ。
服部の推理では、犯人はおそらく
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河
舞妓の千賀鈴の誰か。
しかし桜を殺した凶器は未発見。
これもおそらくは、
犯人が地下の廊下奥のガラス窓から投げ捨てたのだろうと推察された。
茶屋のすぐ側には、みそぎ川という細い川が流れていた。
園子がそのみそぎ川に何かが投げ込まれる音を聞いたという。
しかし警察が捜索しても、
その川からは何も発見はされなかった。
共犯者が回収したとしても、当日の夜は月明かりがとても明るく、
人がその川まで取りに入れば、
一階で桜見物をしていた欄、園子、和葉たちに丸見えだった。
となると一体・・・?
その後、
和葉を後ろに乗せてバイクで夜道を走る服部。
しかしそのすぐ背後から、
例の鞍馬で服部とコナンを襲った犯人が、
再びバイクで襲い掛かってきた。
犯人はバイク上で器用に弓矢を使って狙撃をしてきた。
しかし弓は服部のバイクのミラーを破壊しただけで外れる。
逃げる犯人。追う服部。
ところが犯人はそれ以上は逃げず、
京都市下京区観喜寺町の梅小路公園でバイクを降りると、
逆にその公園内の林の茂みの中で
服部を迎えうった。
翁の能面を被り、両手には二本の木刀を持って服部の前に立ちはだかる犯人。
そしてその内、一本の木刀を服部の前に投げ出すと、
服部と一対一の決闘を挑み込んだ。
犯人は服部の木刀を跳ね飛ばし、
さらに持っていたナイフで服部の左肩の辺りを傷付け、
服部をピンチに陥れたが、
そこへ和葉が助けに入り、犯人は逃亡。
しかしそのときの犯人の不可解な行動として、
犯人は木刀二本は現場から回収して逃げ去ったが、
服部を傷つけたナイフのほうは置き去りに。
また、
服部が戦闘中に落とした巾着袋を拾おうとしたこと。
巾着袋には小さい水晶玉が入っていて、
それは服部が8年前の小さい頃に寺で見た、
鞠をつく赤い着物の女の子が消え去った跡に残していったものだった。
服部はそのときの女の子を探すため、その子を自分の初恋の女の子だと称し、
自分が西の高校生探偵として有名になり、関西の人気雑誌に取り上げられた際、
彼女の手掛かりとして、
寺で拾った水晶玉を一緒に記事に載せて貰っていた。
後にナイフのほうは、桜殺しに使われた凶器と同じ物であると判明。
病院で傷の手当を受けた服部は、
その翌日、すぐにコナンと一緒に能役者の水尾春太郎の邸宅へと向かった。
アリバイを聞くためだったが、
ちょうどそこには山能寺の僧の竜円と、古書店の店主の西条大河らも
一緒にいた。
水尾は桜が殺害された晩の後、
すぐに自分の家へと帰ったという。
ただし服部が襲われた時間の、確かなアリバイを証明してくれる
人物はいなかった。
西条も同様に、寺町通りにある自分の古書店の2階でずっと一人だったと。
独身なのでアリバイを証明してくれるような人も無しと。
竜円も寺の本堂でお経を読んだ後、自室に戻ったが、
直接アリバイを証明する者はいないとのことだった。
次に、犯人が弓を使って暗殺を企ててきたということで、
服部は三人の弓道の経験の有無を質問。
水尾は能の、「紅葉狩り」の舞台では梓弓を使用するが、
本格的な弓道はやったことがないと回答。
梓弓とは神事などに使われるアズサの木で作られた弓のこと。
竜円もまた、梓弓の弦(げん)を鳴らして、
悪霊払いのマネごとをした経験があるくらいだと。
他では、桜殺害時にいた現場関係者で、
誰か弓を習っていたような人はいなかったかとの服部の質問に、
西条が「そういえばあのとき、やまくらが・・・」との発言を。
「やまくら?やまくらというと、
茶屋の女将の山倉はんのことでっか?」と、聞き返す服部だったが、
「あ、いや別に・・・」と、口をにごしてごまかす西条。
と、
そこへすっぴんの千賀鈴が登場。
しかし挨拶だけすますと、
やがて皆は解散して水尾の家から退出していった。
千賀鈴と共に帰る服部とコナン。
するとその帰り道に千賀鈴が、
「山能寺さんは六角通りどしたな。ここは恵比寿川通りどすさかい、
まる たけ えびす に おし おいけ、あね さん ろっかく・・・やから、
六つ目の筋どすな?」という言葉をつぶやく。
「まる たけ えびす に・・・」の歌は、
服部が小さいときに会った手まりの女の子が歌っていた歌だったが、
実はこの歌、
京都の町の通りを表した歌だったのだ。
【京都の通り名の唄】
まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき
し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
せきだ ちゃらちゃら うおのたな
ろくじょう ひっ ちょうとおりすぎ
はっちょう こえれば とうじみち
くじょうおおじでとどめさす ♪
この歌は、
京都の町の通りの、東西の道筋を表したもので、
一番のこの歌は、
丸太町通り~九条通りまで。
まる:丸太町通り
たけ:竹屋町通り
えびす:夷川通り
に:二条通り
おし:押小路通り
おいけ:御池通り
あね:姉小路通り
さん:三条通り
ろっかく:六角通り
たこ:蛸薬師通り
にしき:錦小路通り
し:四条通り
あや:綾小路通り
ぶっ:仏光寺通り
たか:高辻通り
まつ:松原通り
まん:万寿寺通り
ごじょう:五条通り
せきだ:雪駄屋町通り
ちゃらちゃら:鍵屋町通り
うおのたな:魚の棚通り
ろくじょう:六条通り
しちじょう:七条通り
はち:八条通り
くじょう:九条通り
そしてもう一つ、
南北に入る道筋を表した、
てら ごこ ふや とみ やなぎ さかい
たか あい ひがし くるまやちょう
からす りょうがえ むろ ころも
しんまち かまんざ にし おがわ
あぶら さめないで ほりかわのみず
よしや いの くろ おおみやへ
まつ ひぐらしに ちえこういん
じょうふく せんぼん はてはにしじん ♪
てら:寺町通り
ごこ:御幸町通り
ふや:麩屋町通り
とみ:富小路通り
やなぎ:柳馬場通り
さかい:堺町通り
たか:高倉通り
あい:間之町通り
ひがし:東洞院通り
くるまやちょう:車屋町通り
からす:烏丸通り
りょうがえ:両替町通り
むろ:室町通り
ころも:衣棚通り
しんまち:新町通り
かまんざ:釜座通り
にし:西洞院通り
おがわ:小川通り
あぶら:油小路通り
さめない:醒ヶ井通り
ほりかわ:堀川通り
よしや:葭屋町通り
いの:猪熊通り
くろ:黒門通り
おおみや:大宮通り
まつ:松屋町通り
ひぐらし:日暮通り
ちえこういん:智恵光院通り
じょうふく:浄福寺通り
せんぼん:千本通り
と、
このような具合に。
【京都 通り名 数え歌 まるたけえびす】
が、
とするとこの歌を知っている千賀鈴が、服部の探してした女の子・・・?
しかしこの歌は京都の人間なら大抵は知っている歌。
さらにいえば、
服部の記憶では、その女の子は、
「あね さん ろっかく」のところを、
「よめ さん ろっかく」と歌っていたという。
すると今度はそこへ、
阿笠博士、灰原、歩美、光彦の四人が合流。
博士のクイズに答えたプレゼントとして、連れてきて貰ったとのこと。
しかし元太が迷子に。
元太の胸に付けたバッジから発信される電波を頼りに、
コナンのメガネレーダーで探すことに。
すると元太を無事、京都市中京区の六角堂で発見。
(六角堂は天台宗系の仏教寺院で、正式な名称は「頂法寺」。
本道の形が正六角形なので、そのように呼ばれるようになったとのこと)
しかし探し出した元太の持っていたペットボトルのジュースを見て、
服部とコナンはあることに閃く。
そのとき警視庁では、
目暮十三警部、佐藤美和子刑事、高木刑事の三人が、
東京で殺された「源氏蛍」の三人のメンバーが残した遺留品を調べていて、
そこでふと、目暮がある考えに行き着く。
三人はそれぞれ同じガラと模様の、帽子、襟巻、手袋を身に付けていたが、
それを三人がバラバラに着用していた。
一人で同じ物ならわかるが、何故、三人でバラバラに・・・?
それは詰まり、それらの衣類が首領の義経から、
弁慶以下に死後の形見分けとして、
メンバーの一人一人に分け与えられた物だったのではないかと。
すなわち首領の弁慶は、既にもう死んでしまっているのではないかと、
目暮はそう推理をして、京都にいる小五郎達にも連絡を入れた。
するとそれを聞いた小五郎は、遂に犯人を突き止め、
一同を集めて謎解きを開始。
犯人は一体誰なのか?と、いぶかしがる一同に、
小五郎は大見得を切って答えた。
「桜氏を殺害した犯人、それは千賀鈴さん。あなただ!」と。
千賀鈴が桜や「源氏蛍」のメンバーを殺害した動機。
それは父親を殺された恨みによる犯行。
千賀鈴の父親、それが即ち「源氏蛍」の首領の義経だと。
そして今一人、千賀鈴の共犯者として京都府警の綾小路を指差し、
「おじゃる警部!あなたが千賀鈴さんの共犯者にして、
強盗団「源氏蛍」のメンバー№2の弁慶だ!」とも。
千賀鈴は幼い頃に未婚の母と死別し、山倉に育てられていた。
しかし本当の親だと思われる者から、
ずっと正体を隠したまま養育費の送金が行われていた。
だが白鳥刑事が調べた結果、
三ヶ月前からは何故か、その送金が途絶えてしまっているということだった。
何故、千賀鈴への送金が不意に途絶えたてしまったのか、
小五郎はそれを、
首領の義経が、そのときに他のメンバー達から殺害されてしまったから、
だからそこで千賀鈴への送金も途絶えたのだと推理した。
そして桜が殺された事件当日。
千賀鈴は桜を殺害した後、
凶器を綾小路が常にポケットに入れて連れ歩いていたリスの背中に括り付け、
それを茶屋の地下の奥の窓から投げ捨てたのだと。
綾小路が事件現場の捜査に乗り入れたとき、リスは何故か連れていなかった。
また千賀鈴の、
彼女が左手の親指の上の部分に付けていた絆創膏の傷。
この場所は弓道用語で「やまくら」といい、
そしてここは弓道の初心者が良く付ける傷なのだという。
しかしそれはあくまで初心者に限られた話で、
果たしてそんな初心者の千賀鈴に、相手を射殺すほどの腕前があったのどうか、
非常に怪しいところだった。
が・・・、
そんな小五郎と千賀鈴のやり取りを聞いているうち、
服部とコナンは真犯人の正体が誰だかわかってしまった。
さらにコナンは山能寺に送り付けられた、
絵の謎についても解明。
先ず東西の通り。
絵の階段の5段目が五条通りになって、
4段目が四条通りに、
そして3段目と2段目の間の階段が、
三条通りと二条通りの間のお池通りに。
同じ段に書かれたどんぐりの絵。
それは“どんぐりころころどんぐりこ。お池にはまってさあ大変♪”の、
歌の内容がヒントになっていた。
次に南北の通り。
絵に描かれたすみれの花。
これも春の小川の歌から、
“春の小川は、さらさら行くよ。岸のすみれや、れんげの花に♪”で、
小川通りを指し、
天狗はからす天狗から、烏丸通り、
富士山は、富の字から富小路通りを指すと。
どじょうの絵はどじょうを使った料理で有名な柳川鍋を表し、
それから柳馬場通りを指す。
ニワトリの絵は、西の方角。酉→西で、西洞院通り。
セミは油ゼミから、油小路通り。
金魚の絵は金魚のエサの麩を示し、麩屋長通り。
そしてそれらの示すポイントを線で結んでみる。
すると・・・、
現れたのは「王」の文字。
が、
絵にはまだ、謎の黒い点が一ヶ所。
しかし点を加えることで、
地図は「王」の字から「玉」の字へと変化。
しかもその点が指し示していた箇所が、
「仏光寺」なる寺。
(仏光寺は実在の京都府京都市下京区にある真宗佛光寺派の本山、佛光寺)
服部とコナンは、急いで仏光寺へと向かった。
コナンの推理はこう。
先ず八年前。
強盗団「源氏蛍」が山能寺から秘仏の本尊を奪う。
しかしその途中、境内に、
仏像の眉間に嵌めてあった白毫の水晶玉が外れて落ちてしまう。
白毫とは仏様の像の眉間に付いている小さなボッチ。
あれは実は白い毛なのだが、光を放ち世界を照らすものとされ、
仏像では多くその白毫に、
水晶や真珠などの宝石を嵌め込んで表していたという。
それが外れて、山能寺の境内に落ちた。
服部が拾ったのは、その白毫の水晶だったのだ。
同じ八年前。
服部が手まり歌の赤い着物の女の子をみたのは、
山能寺だった。
後で気付いた首領が手下に寺まで戻って探しにいかせたが、
そのときにちょうど犯人が、
服部がその山能寺で白毫の水晶を拾うところを目撃。
そのときは犯人は服部少年を捕まえられずに見失ってしまったが、
その八年後、
犯人は服部がその白毫の水晶を、巾着袋に入れて大事に持ち歩いているとの
雑誌を記事を目撃。
それで犯人は執拗に服部ばかりを付け狙い、
落とした巾着袋を回収しようとしたと。
同じ時期、
強盗団「源氏蛍」の首領が危篤に陥り、
自らの死期を悟った首領は山能寺から奪った本尊を別の場所へと隠し、
またその場所の謎掛けをした絵を子分達にそれぞれ配って渡し、
謎を解いた者を次の首領にするとの遺言を残す。
しかし弟子達の中で伊勢三郎こと桜正造は、
彼が盗品の密売ルートを一手に握っていたため、
欲をだして№2の弁慶を誘い、
他のメンバーを全て殺して宝を二人で山分けにしようと持ち掛けた。
そしてその一方で絵の謎解きのために、
東京から有名探偵の毛利小五郎を呼び出すということに。
だが桜も殺され、
遂に残ったのは弁慶一人。
果たしてその弁慶の正体は・・・・・!?
仏光寺にまでやってきた服部とコナン。
仏光寺には何もなかったが、二人はその寺の正門の側で
「玉龍寺跡」と書かれた石碑を発見する。
盗まれた仏像の在り処はその玉龍寺だ。
(玉竜寺は架空の寺だが、世界遺産の任和寺をモデルに描かれている模様)
が、
そこに犯人から服部に、
服部の彼女の和葉を預かったとの電話が入る。
警察には知らせず、一時間後に一人で鞍馬山の玉龍寺まで来いとの指示。
だがその電話連絡を受け取った直後、
怪我の身で無理をしていた服部が、体調を崩して倒れてしまう。
夜になり、
玉龍寺内でたくさんのかがり火を焚き、
和葉を人質に服部を待ち受ける弁慶。
服部は一人で、白毫の水晶を手に持って弁慶の前へと現れた。
服部はさらに、
弁慶に対し、桜殺害のトリックを暴いて説明してみせる。
犯人は桜を殺した後、
凶器のナイフをどこに隠したのか?
犯人は、凶器のナイフを用意していたペットボトルに
GPS付きの端末と一緒に入れ、
それをフタを閉めて窓から茶屋のすぐ側を流れるみそぎ川へと投入。
そして後から位置を確認して回収。
そのまま服部を襲撃したと。
服部を襲った後、凶器のナイフをわざと残していったのも、
真犯人はお茶屋から短刀を持って逃げた誰かだと思わせるため。
服部に全ての謎を解き明かされ、
弁慶は仮面を脱いで正体を現した。
真犯人はこの男。
服部が怪しいと思ったのは、
彼が自分が弓道をやっていることを隠そうとしたこと。
弓道初心者の千賀鈴が水尾卓までやってきた際にしていた、
独特な正座な座り方。
正座する前に、少し片方の足を引いて座る座り方。
これは「半足を引く」といって、
弓道をする人達が癖でたまにやってしまう座り方だった。
それをうっかり服部達の前でやっていたのだ。
さらに「やまくら」と言い掛けたあの言葉。
あれは別に女将の山倉のこと言っていたのではなく、
千賀鈴がしていたケガのことを思い出して、
つい口走ってしまった言葉だったのだ。
やまくらとは弓を引くときに矢を載せる、
左手親指甲の第二間接の上の部分。
つまり本当は「そう言えば、やまくらをケガしてはりますよ。千賀鈴は」と、
そう言おうとして、
慌てて口を噤んだのだ。
さらに、弓道を習っている人間なら、
弓の弦のことを「弦(げん)」とは呼ばずに「弦(つる)」と言う。
竜円は水尾邸で、「弦(げん)」と言っていた。
竜円は弓道の経験者ではない。
そして仲間だった桜が殺された理由。
それは弁慶が自分で盗品の密売ルートを確保できたからだった。
「今はインターネットって、便利なものがあるから」と。
そして弁慶がその他のメンバーまで全員を殺害するに至った理由。
それは・・・、
「俺は本当は弁慶なんて嫌いだったんだ!
俺は弁慶じゃなく、義経になりたかったんだ!」と。
う~ん・・・w
弁慶はたまたま京都に「義経流」なる剣道の古い流派を知り、
独学でマスターし、
二年前に遂に、自ら「義経流」の後継者として名乗りを上げる。
そういえば茶屋の席でも彼は、
“「義経記」は弁慶が主役みたいで義経が地味だから嫌いだ”とか言っていました。
また、独り占めにした盗品の宝は新道場の建築費用に充てるつもりだとのことw
いや~、
しかしこの犯人の動機当ては、
推理の得意な人でも、かなり難しいのではないでしょうか。
脚本は古内一成さんですが、
古内さんの書かれる犯人達の殺害の動機って、
すごい極端なんですよねw
映画第一作『時計じかけの摩天楼』の犯人の動機が、
自分が作った建築物が完全なシンメトリーにできなかったからという理由で、
映画第二作『14番目の標的』では、
交通事故で障害を負わされ仕事を続けられなくなって、その復讐のため。
それはいいのですが、
直接事故で、自分に障害を負わせた相手だけでなく、
ついでに気に入らないヤツもみんなまとめて殺してしまえだとかw
ストレスも障害を生む一因になりうるとか医者に説明され、
それでみんな殺そうとします。
そして映画第五作『天国へのカウントダウン』。これもすごいです。
富士山の絵を描いていたら、目の前にメチャクチャ高い高層ビルを建てられて、
それが許せなかったとか。
けどそれなら良く良く考えて、
そのビルの高いところに自分も入居させて貰えば良かったのではないかと、
そんなふうにも思ってしまうのですがw
さて、そして最後は真犯人との格闘です。
蘭ねーちゃんも駆けつけます。
相変わらず強いです。
コナン君もサッカボールシュートで犯人を倒す手助けをするとともに、
遂に盗まれた山能寺の仏像の在り処を突き止めます。
ヒントは絵の謎を解いて明らかとなった「玉」の字でした。
ちなみ千賀鈴の父親の正体ですが、
実は千賀鈴自身が誰かわかっていて、自分でもう送金はしなくていいと言って
止めてもらったとのこと。
ミスリードでした。
しかし自分なんかはもう、推理には全然付いていけないですね。
何だかんだで作者が自由に犯人を決められますし、
だからストーリー上、どの人物が犯人だったら最も意外か?とか、
そっちの面から考えたほうが、
結構、当たる確立が高かったりもします。
それと、この映画の聖地巡礼をなさっている方がいました。
【迷宮の十字路 聖地巡礼の旅① - オマニッキ!】
【聖地巡礼:名探偵コナン 迷宮の十字路編 - FC2】
特に情報量が増えてくるともう、わからなくなって、
途中の過程はよくわからないまま、
最後に“ああ、この人のが犯人だったのか”とか。
『名探偵コナン 迷宮の十字路』のこの映画も、
結構、情報量が多かったです。
テレビアニメのほうは架空の街が舞台ですが、
今回の映画は実際の京都を舞台に、有名な京都の町並みや寺院などが出てきて、
そしてそれが物語り上の謎解きにも深く関わってくるような内容となっています。
スルーすれば別にそのままなのですが、
少し細かく追ってみることにしました。
先ずは回想シーンから。
夕暮れ時、どこかの寺。
桜の花の舞い散る木の下で、
赤い着物を着た小さな女の子が手まり歌を口ずさみながら、
鞠をついている。
まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき
し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
せきだ ちゃらちゃら うおのたな
ろくじょう ひっ ちょうとおりすぎ
はっちょう こえれば とうじみち
くじょうおおじでとどめさす ♪
そしてその光景を、女の子のすぐ近くに建つ寺の建物の格子戸の隙間から見つめる
一人の少年。
それから場面は変わって、東京西国立市。
夜中のとある神社の境内。
「遅いな、弁慶のヤツ・・・!」などと、
苛立ちを募らせながらたたずむ三人の男。
と、そこへ、
突如として現れた翁の能面を被った謎の着物姿の人物が、
一人の男に向かって遠間から矢を放ち、心臓を貫き、殺害。
さらに続け様、能面の男は腰の日本刀を抜いて他の二人も斬殺。
三人の殺害後、
能面の人物は三人がそれぞれ持っていた同じ「義経記」の本を拾うと、
そのまま暗闇の彼方へと姿を晦ましていった。
(寺のモデルは東京都立川市高松町の熊野神社の模様)
続いて深夜の大阪。
寝屋川市「たこ平」店内。
主人の備前平四郎(35)が、
やはり能面の人物に短刀で胸を刺されて死亡。
(ちなみにこの「たこ平」は、
寝屋川駅近くの「磯平」という実在の店がモデルとなっている模様。
しかし「磯平」さんのほうは、カニやフグなどの、
海鮮料理のお店となっているようです)
能面の人物は、また店内のカウンターの上に残されていた
「義経記」の本を持ち去って姿を消す。
そして、未明の京都。
東山区の「スナック・ジロー」にて、
駿河次(32)が、
またしても能面の人物に日本刀によって殺害され、
同じく「義経記」の本を持ち去って姿を消す。
それから数日後の東京警視庁。
京都府警の綾小路文麿警部、大阪府警の大滝悟郎警部らと共に、
合同記者会見をする目暮警部。
その会見の場で、殺害された被害者達は皆、
強盗団「源氏蛍」のメンバーだということが明かされる。
「源氏蛍」は平成3年頃から、
東京、京都、大阪を中心に、
有名な仏像や、美術品の窃盗を続けてきていた。
彼らの特徴は、
仲間たちが皆、義経の家来の名で呼ばれ、そして同じ「義経記」を所持していること。
首領が義経で、
以下、
弁慶、
駿河次郎
伊勢三郎
備前平四郎
亀井六郎
鷲尾七郎
片岡八郎の8人。
そして今回の殺人事件で、
駿河次郎
備前平四郎
亀井六郎
鷲尾七郎
片岡八郎の5人が殺害されて、
残るは、
義経
弁慶、
伊勢三郎の3人のみ。
しかしその3人の正体に関しては警察にもわからなかった。
再び舞台が変わって今度は京都。
京都駅のホームから降り立つ小五郎、蘭、コナン、園子の4人。
そしてタクシーを拾い、
やってきたのは「山能寺」なる寺。
(「山能寺」は架空の寺だが、モデルは世界遺産の京都醍醐寺)
小五郎らが寺の門をくぐると、中には、
山能寺の住職。円海(65歳)と、
山能寺の僧の竜円(34歳)、
それに山能寺の檀家の、
古美術商の桜正造(51歳)
能役者の水尾春太郎(33歳)、
古書店の店主の西条 大河(35歳)らが、
輪を作って話し込んでいた。
小五郎の存在に気が付くと、
僧の竜円が小五郎の下へと駆け寄って挨拶をした。
彼らは皆、同じ道場の剣道仲間でもあった。
小五郎に手紙を送ってこの山能寺に呼んだのは竜円だった。
それはある謎を解いて貰うため。
その謎とは、
この山能寺には12年に一度、開帳される本尊の薬師如来があり、
その一般公開が明々後日からと迫っていたのだが、
実はその本尊が盗まれてしまったのだという。
が、それが五日前になって突如、
寺の郵便受けに、指し出し人不明の便箋が送りつけられてきた。
中には手紙と、謎の絵が描かれた一枚の紙が内封され、
そしてその手紙には、
“この絵の謎を解けば、仏像の在り処が判る”との一文が記されていた。
それから場面が飛んで、
今度は駿河次が殺害された京都東山区の「スナック・ジロー」。
そしてその左隣の「酒処 ふく彩」店内から出てくる服部平次。
(モデルの場所は京都宮川町の「舞香」さんという、
舞妓さん体験をさせて貰えるお店)
しかし服部が店の外へと出たちょうどそのとき、
同じ道を歩いていた二人の着物姿の女性が、
自転車に乗っていた男に財布を奪われてしまう場面に遭遇。
服部が犯人から財布を奪い返すと、
犯人は自転車を残したまま逃走。
財布を奪われた女性は
宮川町でお茶屋を営む女将の山倉多恵(52歳)。
それと、
その山倉女将の お茶屋「桜屋」で働く、舞妓の千賀鈴(19歳)。
お礼を言って、名刺を差し出す二人。
関係ないですが、
「山倉多恵どす」という女将の言葉が、
「キャバクラ多恵どす」に聞こえるw
それとこの舞妓さんの背中の首筋のところなのですが、
独特の塗り残しの形をしています。
これが実際の、舞妓さんの白粉の塗り方だそうです。
【芸者の化粧の謎を解く|システム論アーカイブ論文編|永井俊哉】
それともう一つ、
千賀鈴さんの出した名刺。
これは「花名刺」というそうです。
【京の千社札/花名刺】
「花名刺」とは、「千社札」に舞妓や芸者さんが自分達の源氏名を書いて、
それを名刺代わりに渡すもので、
「千社札」というのは、
このようなもので、
江戸文字を使って書かれるのが特徴。
相撲の番付などで良く見かける、あの文字。
【江戸文字 - Wikipedia】
「籠文字」などとも言われるそうです。
【江戸文字の魅力4---「籠文字」 - 旧江戸美学研究会】
さて一方、その頃コナンは、
山能寺の仏像を盗んだのは盗賊団「源氏蛍」の仕業だと睨み、
服部の彼女、遠山和葉と一緒に京都見物にいく予定だとの蘭や園子と別れ、
一人、謎解きの調査へ京都の街へと出ることに。
特に「源氏蛍」の残されたメンバー、義経と弁慶の名が絡む五条大橋が怪しいとみて、
コナンは五条大橋へといく。
するとそこで何と、服部平次と遭遇。
いきなり竹刀でコナンに背後から斬り掛かる服部w
そしてそれを牛若丸のごとくに、
颯爽と後ろ飛びで避け、橋の欄干の上にジャンプして飛び乗るコナンw
(五条大橋は有名な、刀狩千本を目指す弁慶が、
後一本というところで、この五条大橋の上で若き義経と会い、
返り討ちにされたという場所。
しかし尋常唱歌の『牛若丸』では、この五条大橋が弁慶と牛若丸が
初めて出会った場所とされるのだが、
が、『義経記』では五条の大橋ではなく、
それは堀川小路から清水寺の間でのことだったなどと記されているらしい。
諸説あり)
服部は大阪寝屋川市のたこ焼き屋「たこ平」で殺された備前平四郎(35)とは
顔馴染みで、
服部は世話になった備前を殺した犯人を突き止めるため、
ここまでやってきたのだという。
実は服部は服部で備前平四郎が実は盗賊団「源氏蛍」の一員だっということを知り、
それで服部も京都が怪しいと、大阪から乗り込んできていたのだった。
それを聞いたコナンは、山能寺に送り付けられた、
例の絵を服部に見せる。
それから二人はさらに、
義経と弁慶に関わりありそうな場所を一緒に回っていくことにした。
先ずは義経と弁慶が出会ったとも言われる五条天神へ。
(『義経記』によれば、この場所が二人の初めての出会い場所だったとのこと)
次いで、弁慶の愛でていたという、
「弁慶石」のある京都市中京区三条通麩屋町へ。
さらに蹴上インクラインにある疎水公園へ。
そこには義経大日如来の石造が。
(疎水とは他の水源から水を引く目的で造られた水路のことで、
明治18年、琵琶湖の水を京都の宇治川まで引き込むため、
琵琶湖疎水という水路が作られた。
「疎水公園」はその途上、京都府京都市山科区に作られた公園。
【疏水 - Wikipedia】
【『山科疎水公園』 - 琵琶湖疏水のクチコミ by たびたびさん - フォートラベル】
一方、「インクライン」とは、傾斜鉄道などとも呼ばれ、
高低差の激しい傾斜の路面で貨物を運搬するために作られた
レールや機械装置のことをいう。
琵琶湖疎水は蹴上の山のところで高さ35メートルもの急勾配となり、
そのため水路では船で上り降りすることができず、
そこでその船をそこだけ上げ下げするため、
船のエレベーターとして作られたのが「蹴上インクライン」)
【京都インクラインと琵琶湖疏水 | 写真の中の明治・大正 - 国立国会図書館 ...】
さらに服部とコナンの二人は鞍馬寺へ。
鞍馬は牛若丸(源義経)が修行をした地として著名な場所。
が、そこまできたとき、
二人は不意に、バイクのヘルメットをかぶった謎の人物に弓矢で狙撃される。
コナンが犯人に気づいて服部は助かり、犯人はバイクで逃走。
バイクに乗って追いかける服部とコナン。
しかし犯人には逃げられてしまった。
その夜。
小五郎、
山能寺の僧の竜円、
古美術商の桜正造、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河らは、
京都千斗町の茶屋「桜屋」に皆で飲みにきていた。
彼ら前で舞妓の千賀鈴が舞を披露。
そこへ、
蘭、園子、和葉、コナン、服部もやってくる。
それからしばらくして、
近頃寝不足だから下の部屋で休ませてくれと、
古美術商の桜正造が席を外す。
9時になったら起こしてくれと。
さらに蘭、園子、和葉の三人は能役者の水尾春太郎の勧めで、
下の階で夜桜見物をするために出ていく。
部屋に残ったのは、
小五郎、
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河
コナン、
服部、
舞妓の千賀鈴と市佳代。
竜円は一度、トイレに席を外す。
次いでその竜円と入れ替わりで、今度は西条大河がトイレに部屋を出ていく。
さらにその後、水尾春太郎もトイレに。これは千賀鈴が一緒に付いていった。
芸者はそうするらしい。
そして古美術商の桜正造が起こしてくれと頼んだ9時になって、
女将の山倉が部屋まで桜正造を起こしにいくが、
しかしそこに桜正造の姿は無し。
女将が茶屋内を探すと、
何と桜正造は地下の納戸で仰向けになって倒れ、死亡していた。
鋭利な刃物で頚動脈を掻き切られていた。
犯人は桜正造が地下室にいったことを知っていた内部犯の可能性が高い。
桜正造が休みに下の階に下りていった後、部屋に残った
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河の三人は、
皆、一度トイレにいって席を外していた。
コナンは桜正造のズボンの右ポケットから、
たくさんの鍵がぶら下がったホルダーを回収。
そして服部と二人で桜の店「桜古美術店」へと出向く。
すると不法侵入したその家でコナンは、
「伊勢三郎」と書かれた礼の義経記の本を発見。
桜正造の正体はなんと、例の強盗団「源氏蛍」の一員だったのだ。
服部の推理では、犯人はおそらく
山能寺の僧の竜円、
能役者の水尾春太郎、
古書店の店主の西条大河
舞妓の千賀鈴の誰か。
しかし桜を殺した凶器は未発見。
これもおそらくは、
犯人が地下の廊下奥のガラス窓から投げ捨てたのだろうと推察された。
茶屋のすぐ側には、みそぎ川という細い川が流れていた。
園子がそのみそぎ川に何かが投げ込まれる音を聞いたという。
しかし警察が捜索しても、
その川からは何も発見はされなかった。
共犯者が回収したとしても、当日の夜は月明かりがとても明るく、
人がその川まで取りに入れば、
一階で桜見物をしていた欄、園子、和葉たちに丸見えだった。
となると一体・・・?
その後、
和葉を後ろに乗せてバイクで夜道を走る服部。
しかしそのすぐ背後から、
例の鞍馬で服部とコナンを襲った犯人が、
再びバイクで襲い掛かってきた。
犯人はバイク上で器用に弓矢を使って狙撃をしてきた。
しかし弓は服部のバイクのミラーを破壊しただけで外れる。
逃げる犯人。追う服部。
ところが犯人はそれ以上は逃げず、
京都市下京区観喜寺町の梅小路公園でバイクを降りると、
逆にその公園内の林の茂みの中で
服部を迎えうった。
翁の能面を被り、両手には二本の木刀を持って服部の前に立ちはだかる犯人。
そしてその内、一本の木刀を服部の前に投げ出すと、
服部と一対一の決闘を挑み込んだ。
犯人は服部の木刀を跳ね飛ばし、
さらに持っていたナイフで服部の左肩の辺りを傷付け、
服部をピンチに陥れたが、
そこへ和葉が助けに入り、犯人は逃亡。
しかしそのときの犯人の不可解な行動として、
犯人は木刀二本は現場から回収して逃げ去ったが、
服部を傷つけたナイフのほうは置き去りに。
また、
服部が戦闘中に落とした巾着袋を拾おうとしたこと。
巾着袋には小さい水晶玉が入っていて、
それは服部が8年前の小さい頃に寺で見た、
鞠をつく赤い着物の女の子が消え去った跡に残していったものだった。
服部はそのときの女の子を探すため、その子を自分の初恋の女の子だと称し、
自分が西の高校生探偵として有名になり、関西の人気雑誌に取り上げられた際、
彼女の手掛かりとして、
寺で拾った水晶玉を一緒に記事に載せて貰っていた。
後にナイフのほうは、桜殺しに使われた凶器と同じ物であると判明。
病院で傷の手当を受けた服部は、
その翌日、すぐにコナンと一緒に能役者の水尾春太郎の邸宅へと向かった。
アリバイを聞くためだったが、
ちょうどそこには山能寺の僧の竜円と、古書店の店主の西条大河らも
一緒にいた。
水尾は桜が殺害された晩の後、
すぐに自分の家へと帰ったという。
ただし服部が襲われた時間の、確かなアリバイを証明してくれる
人物はいなかった。
西条も同様に、寺町通りにある自分の古書店の2階でずっと一人だったと。
独身なのでアリバイを証明してくれるような人も無しと。
竜円も寺の本堂でお経を読んだ後、自室に戻ったが、
直接アリバイを証明する者はいないとのことだった。
次に、犯人が弓を使って暗殺を企ててきたということで、
服部は三人の弓道の経験の有無を質問。
水尾は能の、「紅葉狩り」の舞台では梓弓を使用するが、
本格的な弓道はやったことがないと回答。
梓弓とは神事などに使われるアズサの木で作られた弓のこと。
竜円もまた、梓弓の弦(げん)を鳴らして、
悪霊払いのマネごとをした経験があるくらいだと。
他では、桜殺害時にいた現場関係者で、
誰か弓を習っていたような人はいなかったかとの服部の質問に、
西条が「そういえばあのとき、やまくらが・・・」との発言を。
「やまくら?やまくらというと、
茶屋の女将の山倉はんのことでっか?」と、聞き返す服部だったが、
「あ、いや別に・・・」と、口をにごしてごまかす西条。
と、
そこへすっぴんの千賀鈴が登場。
しかし挨拶だけすますと、
やがて皆は解散して水尾の家から退出していった。
千賀鈴と共に帰る服部とコナン。
するとその帰り道に千賀鈴が、
「山能寺さんは六角通りどしたな。ここは恵比寿川通りどすさかい、
まる たけ えびす に おし おいけ、あね さん ろっかく・・・やから、
六つ目の筋どすな?」という言葉をつぶやく。
「まる たけ えびす に・・・」の歌は、
服部が小さいときに会った手まりの女の子が歌っていた歌だったが、
実はこの歌、
京都の町の通りを表した歌だったのだ。
【京都の通り名の唄】
まる たけ えびす に おし おいけ
あね さん ろっかく たこ にしき
し あや ぶっ たか まつ まん ごじょう
せきだ ちゃらちゃら うおのたな
ろくじょう ひっ ちょうとおりすぎ
はっちょう こえれば とうじみち
くじょうおおじでとどめさす ♪
この歌は、
京都の町の通りの、東西の道筋を表したもので、
一番のこの歌は、
丸太町通り~九条通りまで。
まる:丸太町通り
たけ:竹屋町通り
えびす:夷川通り
に:二条通り
おし:押小路通り
おいけ:御池通り
あね:姉小路通り
さん:三条通り
ろっかく:六角通り
たこ:蛸薬師通り
にしき:錦小路通り
し:四条通り
あや:綾小路通り
ぶっ:仏光寺通り
たか:高辻通り
まつ:松原通り
まん:万寿寺通り
ごじょう:五条通り
せきだ:雪駄屋町通り
ちゃらちゃら:鍵屋町通り
うおのたな:魚の棚通り
ろくじょう:六条通り
しちじょう:七条通り
はち:八条通り
くじょう:九条通り
そしてもう一つ、
南北に入る道筋を表した、
てら ごこ ふや とみ やなぎ さかい
たか あい ひがし くるまやちょう
からす りょうがえ むろ ころも
しんまち かまんざ にし おがわ
あぶら さめないで ほりかわのみず
よしや いの くろ おおみやへ
まつ ひぐらしに ちえこういん
じょうふく せんぼん はてはにしじん ♪
てら:寺町通り
ごこ:御幸町通り
ふや:麩屋町通り
とみ:富小路通り
やなぎ:柳馬場通り
さかい:堺町通り
たか:高倉通り
あい:間之町通り
ひがし:東洞院通り
くるまやちょう:車屋町通り
からす:烏丸通り
りょうがえ:両替町通り
むろ:室町通り
ころも:衣棚通り
しんまち:新町通り
かまんざ:釜座通り
にし:西洞院通り
おがわ:小川通り
あぶら:油小路通り
さめない:醒ヶ井通り
ほりかわ:堀川通り
よしや:葭屋町通り
いの:猪熊通り
くろ:黒門通り
おおみや:大宮通り
まつ:松屋町通り
ひぐらし:日暮通り
ちえこういん:智恵光院通り
じょうふく:浄福寺通り
せんぼん:千本通り
と、
このような具合に。
【京都 通り名 数え歌 まるたけえびす】
が、
とするとこの歌を知っている千賀鈴が、服部の探してした女の子・・・?
しかしこの歌は京都の人間なら大抵は知っている歌。
さらにいえば、
服部の記憶では、その女の子は、
「あね さん ろっかく」のところを、
「よめ さん ろっかく」と歌っていたという。
すると今度はそこへ、
阿笠博士、灰原、歩美、光彦の四人が合流。
博士のクイズに答えたプレゼントとして、連れてきて貰ったとのこと。
しかし元太が迷子に。
元太の胸に付けたバッジから発信される電波を頼りに、
コナンのメガネレーダーで探すことに。
すると元太を無事、京都市中京区の六角堂で発見。
(六角堂は天台宗系の仏教寺院で、正式な名称は「頂法寺」。
本道の形が正六角形なので、そのように呼ばれるようになったとのこと)
しかし探し出した元太の持っていたペットボトルのジュースを見て、
服部とコナンはあることに閃く。
そのとき警視庁では、
目暮十三警部、佐藤美和子刑事、高木刑事の三人が、
東京で殺された「源氏蛍」の三人のメンバーが残した遺留品を調べていて、
そこでふと、目暮がある考えに行き着く。
三人はそれぞれ同じガラと模様の、帽子、襟巻、手袋を身に付けていたが、
それを三人がバラバラに着用していた。
一人で同じ物ならわかるが、何故、三人でバラバラに・・・?
それは詰まり、それらの衣類が首領の義経から、
弁慶以下に死後の形見分けとして、
メンバーの一人一人に分け与えられた物だったのではないかと。
すなわち首領の弁慶は、既にもう死んでしまっているのではないかと、
目暮はそう推理をして、京都にいる小五郎達にも連絡を入れた。
するとそれを聞いた小五郎は、遂に犯人を突き止め、
一同を集めて謎解きを開始。
犯人は一体誰なのか?と、いぶかしがる一同に、
小五郎は大見得を切って答えた。
「桜氏を殺害した犯人、それは千賀鈴さん。あなただ!」と。
千賀鈴が桜や「源氏蛍」のメンバーを殺害した動機。
それは父親を殺された恨みによる犯行。
千賀鈴の父親、それが即ち「源氏蛍」の首領の義経だと。
そして今一人、千賀鈴の共犯者として京都府警の綾小路を指差し、
「おじゃる警部!あなたが千賀鈴さんの共犯者にして、
強盗団「源氏蛍」のメンバー№2の弁慶だ!」とも。
千賀鈴は幼い頃に未婚の母と死別し、山倉に育てられていた。
しかし本当の親だと思われる者から、
ずっと正体を隠したまま養育費の送金が行われていた。
だが白鳥刑事が調べた結果、
三ヶ月前からは何故か、その送金が途絶えてしまっているということだった。
何故、千賀鈴への送金が不意に途絶えたてしまったのか、
小五郎はそれを、
首領の義経が、そのときに他のメンバー達から殺害されてしまったから、
だからそこで千賀鈴への送金も途絶えたのだと推理した。
そして桜が殺された事件当日。
千賀鈴は桜を殺害した後、
凶器を綾小路が常にポケットに入れて連れ歩いていたリスの背中に括り付け、
それを茶屋の地下の奥の窓から投げ捨てたのだと。
綾小路が事件現場の捜査に乗り入れたとき、リスは何故か連れていなかった。
また千賀鈴の、
彼女が左手の親指の上の部分に付けていた絆創膏の傷。
この場所は弓道用語で「やまくら」といい、
そしてここは弓道の初心者が良く付ける傷なのだという。
しかしそれはあくまで初心者に限られた話で、
果たしてそんな初心者の千賀鈴に、相手を射殺すほどの腕前があったのどうか、
非常に怪しいところだった。
が・・・、
そんな小五郎と千賀鈴のやり取りを聞いているうち、
服部とコナンは真犯人の正体が誰だかわかってしまった。
さらにコナンは山能寺に送り付けられた、
絵の謎についても解明。
先ず東西の通り。
絵の階段の5段目が五条通りになって、
4段目が四条通りに、
そして3段目と2段目の間の階段が、
三条通りと二条通りの間のお池通りに。
同じ段に書かれたどんぐりの絵。
それは“どんぐりころころどんぐりこ。お池にはまってさあ大変♪”の、
歌の内容がヒントになっていた。
次に南北の通り。
絵に描かれたすみれの花。
これも春の小川の歌から、
“春の小川は、さらさら行くよ。岸のすみれや、れんげの花に♪”で、
小川通りを指し、
天狗はからす天狗から、烏丸通り、
富士山は、富の字から富小路通りを指すと。
どじょうの絵はどじょうを使った料理で有名な柳川鍋を表し、
それから柳馬場通りを指す。
ニワトリの絵は、西の方角。酉→西で、西洞院通り。
セミは油ゼミから、油小路通り。
金魚の絵は金魚のエサの麩を示し、麩屋長通り。
そしてそれらの示すポイントを線で結んでみる。
すると・・・、
現れたのは「王」の文字。
が、
絵にはまだ、謎の黒い点が一ヶ所。
しかし点を加えることで、
地図は「王」の字から「玉」の字へと変化。
しかもその点が指し示していた箇所が、
「仏光寺」なる寺。
(仏光寺は実在の京都府京都市下京区にある真宗佛光寺派の本山、佛光寺)
服部とコナンは、急いで仏光寺へと向かった。
コナンの推理はこう。
先ず八年前。
強盗団「源氏蛍」が山能寺から秘仏の本尊を奪う。
しかしその途中、境内に、
仏像の眉間に嵌めてあった白毫の水晶玉が外れて落ちてしまう。
白毫とは仏様の像の眉間に付いている小さなボッチ。
あれは実は白い毛なのだが、光を放ち世界を照らすものとされ、
仏像では多くその白毫に、
水晶や真珠などの宝石を嵌め込んで表していたという。
それが外れて、山能寺の境内に落ちた。
服部が拾ったのは、その白毫の水晶だったのだ。
同じ八年前。
服部が手まり歌の赤い着物の女の子をみたのは、
山能寺だった。
後で気付いた首領が手下に寺まで戻って探しにいかせたが、
そのときにちょうど犯人が、
服部がその山能寺で白毫の水晶を拾うところを目撃。
そのときは犯人は服部少年を捕まえられずに見失ってしまったが、
その八年後、
犯人は服部がその白毫の水晶を、巾着袋に入れて大事に持ち歩いているとの
雑誌を記事を目撃。
それで犯人は執拗に服部ばかりを付け狙い、
落とした巾着袋を回収しようとしたと。
同じ時期、
強盗団「源氏蛍」の首領が危篤に陥り、
自らの死期を悟った首領は山能寺から奪った本尊を別の場所へと隠し、
またその場所の謎掛けをした絵を子分達にそれぞれ配って渡し、
謎を解いた者を次の首領にするとの遺言を残す。
しかし弟子達の中で伊勢三郎こと桜正造は、
彼が盗品の密売ルートを一手に握っていたため、
欲をだして№2の弁慶を誘い、
他のメンバーを全て殺して宝を二人で山分けにしようと持ち掛けた。
そしてその一方で絵の謎解きのために、
東京から有名探偵の毛利小五郎を呼び出すということに。
だが桜も殺され、
遂に残ったのは弁慶一人。
果たしてその弁慶の正体は・・・・・!?
仏光寺にまでやってきた服部とコナン。
仏光寺には何もなかったが、二人はその寺の正門の側で
「玉龍寺跡」と書かれた石碑を発見する。
盗まれた仏像の在り処はその玉龍寺だ。
(玉竜寺は架空の寺だが、世界遺産の任和寺をモデルに描かれている模様)
が、
そこに犯人から服部に、
服部の彼女の和葉を預かったとの電話が入る。
警察には知らせず、一時間後に一人で鞍馬山の玉龍寺まで来いとの指示。
だがその電話連絡を受け取った直後、
怪我の身で無理をしていた服部が、体調を崩して倒れてしまう。
夜になり、
玉龍寺内でたくさんのかがり火を焚き、
和葉を人質に服部を待ち受ける弁慶。
服部は一人で、白毫の水晶を手に持って弁慶の前へと現れた。
服部はさらに、
弁慶に対し、桜殺害のトリックを暴いて説明してみせる。
犯人は桜を殺した後、
凶器のナイフをどこに隠したのか?
犯人は、凶器のナイフを用意していたペットボトルに
GPS付きの端末と一緒に入れ、
それをフタを閉めて窓から茶屋のすぐ側を流れるみそぎ川へと投入。
そして後から位置を確認して回収。
そのまま服部を襲撃したと。
服部を襲った後、凶器のナイフをわざと残していったのも、
真犯人はお茶屋から短刀を持って逃げた誰かだと思わせるため。
服部に全ての謎を解き明かされ、
弁慶は仮面を脱いで正体を現した。
真犯人はこの男。
服部が怪しいと思ったのは、
彼が自分が弓道をやっていることを隠そうとしたこと。
弓道初心者の千賀鈴が水尾卓までやってきた際にしていた、
独特な正座な座り方。
正座する前に、少し片方の足を引いて座る座り方。
これは「半足を引く」といって、
弓道をする人達が癖でたまにやってしまう座り方だった。
それをうっかり服部達の前でやっていたのだ。
さらに「やまくら」と言い掛けたあの言葉。
あれは別に女将の山倉のこと言っていたのではなく、
千賀鈴がしていたケガのことを思い出して、
つい口走ってしまった言葉だったのだ。
やまくらとは弓を引くときに矢を載せる、
左手親指甲の第二間接の上の部分。
つまり本当は「そう言えば、やまくらをケガしてはりますよ。千賀鈴は」と、
そう言おうとして、
慌てて口を噤んだのだ。
さらに、弓道を習っている人間なら、
弓の弦のことを「弦(げん)」とは呼ばずに「弦(つる)」と言う。
竜円は水尾邸で、「弦(げん)」と言っていた。
竜円は弓道の経験者ではない。
そして仲間だった桜が殺された理由。
それは弁慶が自分で盗品の密売ルートを確保できたからだった。
「今はインターネットって、便利なものがあるから」と。
そして弁慶がその他のメンバーまで全員を殺害するに至った理由。
それは・・・、
「俺は本当は弁慶なんて嫌いだったんだ!
俺は弁慶じゃなく、義経になりたかったんだ!」と。
う~ん・・・w
弁慶はたまたま京都に「義経流」なる剣道の古い流派を知り、
独学でマスターし、
二年前に遂に、自ら「義経流」の後継者として名乗りを上げる。
そういえば茶屋の席でも彼は、
“「義経記」は弁慶が主役みたいで義経が地味だから嫌いだ”とか言っていました。
また、独り占めにした盗品の宝は新道場の建築費用に充てるつもりだとのことw
いや~、
しかしこの犯人の動機当ては、
推理の得意な人でも、かなり難しいのではないでしょうか。
脚本は古内一成さんですが、
古内さんの書かれる犯人達の殺害の動機って、
すごい極端なんですよねw
映画第一作『時計じかけの摩天楼』の犯人の動機が、
自分が作った建築物が完全なシンメトリーにできなかったからという理由で、
映画第二作『14番目の標的』では、
交通事故で障害を負わされ仕事を続けられなくなって、その復讐のため。
それはいいのですが、
直接事故で、自分に障害を負わせた相手だけでなく、
ついでに気に入らないヤツもみんなまとめて殺してしまえだとかw
ストレスも障害を生む一因になりうるとか医者に説明され、
それでみんな殺そうとします。
そして映画第五作『天国へのカウントダウン』。これもすごいです。
富士山の絵を描いていたら、目の前にメチャクチャ高い高層ビルを建てられて、
それが許せなかったとか。
けどそれなら良く良く考えて、
そのビルの高いところに自分も入居させて貰えば良かったのではないかと、
そんなふうにも思ってしまうのですがw
さて、そして最後は真犯人との格闘です。
蘭ねーちゃんも駆けつけます。
相変わらず強いです。
コナン君もサッカボールシュートで犯人を倒す手助けをするとともに、
遂に盗まれた山能寺の仏像の在り処を突き止めます。
ヒントは絵の謎を解いて明らかとなった「玉」の字でした。
ちなみ千賀鈴の父親の正体ですが、
実は千賀鈴自身が誰かわかっていて、自分でもう送金はしなくていいと言って
止めてもらったとのこと。
ミスリードでした。
しかし自分なんかはもう、推理には全然付いていけないですね。
何だかんだで作者が自由に犯人を決められますし、
だからストーリー上、どの人物が犯人だったら最も意外か?とか、
そっちの面から考えたほうが、
結構、当たる確立が高かったりもします。
それと、この映画の聖地巡礼をなさっている方がいました。
【迷宮の十字路 聖地巡礼の旅① - オマニッキ!】
【聖地巡礼:名探偵コナン 迷宮の十字路編 - FC2】
コメント
コメントする