「レーム帝国」
西大陸の覇者
730年前レムス帝が打ち建て
211年前ペルディナウス帝の統治下で版図と最大のものとした。

伝説の存在に近い大黄牙帝国を除けば、
有史以来、この世界のもっとも「強く大きな国」であり続けている。

その、かつて敵対する強大なパルテビア帝国をも地に伏せしめた、
レーム帝国兵士幾万の槍が、

今、見えざる一枚の薄い魔法の防壁に阻まれて、

一歩も前へ進めずにいた。

レーム兵:ぐあッ!
うおお・・・
進め!!!

こんなはずが・・・
大レームの力が・・・
たかが魔導師の結界1枚に・・・!?

レーム兵:ぐわっ!!
一人の兵士が魔法の刃で切りつけられる。

マグノシュタット兵:魔導師様!
魔導師様:兵たちはまだ結界の中にいろ!
ここは私たちが守る!

レーム兵:なぜ守る!?
マグノシュタットは魔導師が非魔導師を差別し
虐待している国ではなかったのか?

モガメット:ちがう。
彼らもマグノシュタットの国民だ。

「魔導師の国」は魔導師が全てを司るかわりに、
国の全てを命がけで魔導師が守る!!

その覚悟でここに立っているのだ!

マイヤーズ:我らの兵士たちに、
指一本たりとも触れさせん!!

マグノシュタット兵:・・・・・・・!!
感激する兵士たち。

マグノシュタット兵:魔導師様!!  魔導師様!!
魔導師様!! 魔導師様!!
自ら矢面に立つ魔導師たちに兵士たちから大声援が起こる。

勝ち誇るモガメット。

シェヘラザード:・・・・・・
魔導師、魔導師、魔導師って・・・・・

そう・・・・
それがあなたたちの信条なのね、マタル・モガメット候・・・・・・・

やっぱり、私・・・・・・・

あなたのことが・・・・・
大きらい。
イラだつシェヘラザード。

シェヘラザード:イグナティウス、ネルヴァ。
大丈夫よ、
まだあなたたちの金属器は必要ない。

信じて・・・
レームの民の力を・・・

しかし戦況は未だレーム軍を魔導師たちが圧倒。
魔導師:第2陣前へ!!
第1陣は後退!
これだけの大魔法を使っては上級魔導師といえど
魔力はすぐに空になってしまう・・・・

魔導師:なに、大丈夫さ
この分じゃ やつら・・・・・・
第1防壁も破れずに撤退する・・・

・・・・・・?

なんだ?あれは・・・

上空から近づいてくる大きな影に気がつく魔導師たち。

現れたのは無数のレームの飛行船。
そして飛行船から結界に向けて上空からの爆撃が始まる。

ドカン
ズガアアン ガアアン
魔導師:!?
未知の兵器に驚き慌てる魔導師たち。

魔導師:イレーヌ様、なんでしょう あれは!?
イレーヌ:1型魔法・・・
いや、もっと複雑な・・・!?
それもかなり強力な「魔法」だ!!

魔導師:どうなっているんだ!?
レームにもあれほど強力な魔導師の兵団があったのか!?

モガメット:・・・・・・

シェヘラザード:いいえ、
これは「魔法」などではないわ・・・・・

-シェヘラザードの回想-
1年前 レーム帝国

イグナティウス:火薬兵器?

シェヘラザード:そう・・・
遠くない未来に起こる煌やマグノシュタットとの戦いに備えて・・・
研究を続けていたのがついに実を結んだ・・・

硝石、硫黄、緑礬などをつかって
自然には起こり得ない程の熱と爆風を起こせる・・・
つまり「超律魔法」と同等よ。

「火薬」これほどの「兵器」へ昇華させたのは、
まだレームをおいて他にはないでしょうね・・・

イグナティウス:すばらしい!
して、これはシェヘラザード様が「魔法」でお創りになったものか?

シェヘラザード:私は何もしていない・・・
これはれっきとした・・・
レームの人間たちが考案し、改良を重ねて生み出した「科学」の力よ。

イグナティウス:・・・・・・
戸惑うイグナティウス。

シェヘラザード:・・・・・・
そんな顔しないでイグナティウス。
言いたいことはわかってる・・・

なぜ、レームも煌やマグノシュタットのように・・・
もっと金属器や魔法道具の力で戦をしたり、
国を発展させたりしないのかと・・・

それはできる・・・
でもしない。

レームの民は自分の足で歩いていける。

イグナティウス:!!
シェヘラザードの言葉にハッするイグナティウス。
-回想終わり-

イグナティウス:シェヘラザード様は、我々にこうおっしゃっておられるのだ・・・・・

”世界の異変”うずまく今の時代に、
魔法の力で不自然に、国を発展させることもできる。
しかし、あえて「任せる」と・・・・

自国のあり方を、
自分たちの生き方を、
自らの手で掴み取れ、
導き出せと・・・・・・・

だからレームの民は、
我々は、
自らを誇りに思える。

さらに投擲機を準備するレーム軍。
レーム兵:レームの意地を見せてやれ!!

今度は地上から投擲機での爆撃が始まる。

魔導師:やつら、こんなものを作っていたのか!?

空からも地面からも・・・・
何をしている早く打ち落とせ!!

容赦ない爆撃の雨の中ついに
ピキッ
ピキッピキッ
結界に亀裂が入りだす。

モガメット:!?
何!?

なぜだ・・・
こんなことが・・・・・・・
できるはずがない・・・

「非魔導師」とは・・・
魔導師に管理されるだけの・・・
無能で野卑な・・・!?狼狽するモガメット。

シェヘラザード:モガメット候・・・
あなたは間違ってる。

みんな自分たちだけで生きていける。

魔導師なんかいなくったって・・・

自分の頭で考えて・・・・・・
より良い道を模索しながら進化していける。

それで時に間違うこともある。
悲しい道を選び迷ってしまう時代もある・・・

でもそれの・・・
どこがいけないの!?

人が野蛮な気持ちになってはいけないの?

間違えて、傷ついて
それでも前へ進めばいい。

自分の力で・・・

自分の足で・・・

飛行船から爆薬付の矢を構えるレームの兵士。
レーム兵:いけっ!!

己を信じる「個」の集積。

絶え間なく紡ぎ上げてきた「人」の力の集合体。

それが・・・

「レーム帝国」だ!!!!

レームの爆弾攻撃によってついに破られるマグノシュタット第1の結界。

愕然とするモガメットはじめ、魔導師たち。

レーム兵:やっ・・・
やった!!

うおお
ざまあみろ!!
歓喜するレーム兵たち。

結界が破れたぞ!
全軍進めーっ!!
そしてマグノシュタット市街へ向けての進軍が始まる。

シェヘラザード:モガメット候・・・
あなたの国の民はかわいそう。

魔導師たちに全てを任せ、
守られて飼い殺されて・・・

自信がない。

自分で戦うことを放棄している。
依存している・・・・・

マグノシュタット兵:ああっ 魔導師様。
一体どうすれば!?

魔導師様、助けてください!うろたえるマグノシュタット兵たち。

マグノシュタット市街地
マグノシュタット一般市民女性:大丈夫、今回もどうせ魔導師たちがなんとかしてくれるわ!
と子供をあやす母親。
マグノシュタット一般市民男性:彼らは俺たちなんかとは全然違うんだ・・・・


5等許可区

5等民たち:・・・?
見張りの魔導師たちが騒がしいね・・・
外で何かあったのかしら・・・?

さあ・・・でも・・・
私たちには関係のないことだよ・・・


戦場では
魔導師様!!! 魔導師様!!!
魔導師様!!! 魔導師様!!!
どうしたらいいのかわからず兵士たちが魔導師立ちに追いすがる。

その様子を見て勝ち誇るシェヘラザード。

だが
モガメット:そうだ・・・
何十万という命が依存している・・・・・・・と笑うモガメット。

モガメット:だが・・・・・・・ 

これこそが魔導師の国のあり方だ!
その全てを背負って魔導師は立っていられる!!

そして我々の作り出した「力」で、

お前たちに勝てる・・・

果たしてモガメットの秘策とは!?
マギ MAGI ネタバレ 170話へ続く