11月2日放送の土曜ドラマ『少年寅次郎』第3話に さとこ役で登場した森七菜の演技は絶妙だったなぁ。


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 さとこは山形県の寒河江から東京に出てきて、寅次郎の家「くるまや」の裏にある印刷工場に住み込みで働いてる工員さんなんだけど、嵐の夜に部屋が水浸しになっちゃって、他の工員さん2人と一緒に「くるまや」で一晩だけ世話になることになった。

 その夜は、おいちゃん、おばちゃんを含めた寅次郎の家族と工員さんたちが、「くるまや」の二階で さとこが作った料理を食べながら夜を明かした。


 で、みんなで話してる時の、さとこの なんともいえない受け答えが たいそう良かった。
 方言が入っているせいもあるんだろうけど、あんなにおっとりとしてて照れ気味で、物腰の柔らかい素朴な感じは、なかなかそう簡単には出せないものだと思ったね。


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 実はこの時、中学生になっていた寅次郎(井上優吏)は、さとこに秘かな恋心を抱いてた。
 さとこの好物が自分と同じガンモドキだと聞いて
「俺といっしょだぁー!」
 と言って喜ぶし、ウナギも好きだと聞いた妹のさくら(野澤しおり)が
「お兄ちゃん、ウナギ釣りの名人だよ」
 と教えると、
「もーぉ、よせやぁい!」
 と たまたま隣にいた竜造おいちゃん(泉澤祐希)の肩を思いっきり叩いたりして、一人で照れている。


 でも話を聞くと、さとこは、うなぎ屋「うな芝」の千吉(尾上右近)という男のことが好きらしい。さとこが千吉から映画に誘われているとも聞いて、寅次郎は随分がっかりする。


 さあこのあと、さとこと千吉は上手くいくのか。そして寅次郎はどうする?


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 ちなみに寅次郎はこれより少し前、易者から「女難の相」が出ていると言われたばかりなんですよねぇ。中学生なのに、もう女難の相ですよ。
 「少年寅次郎」にして、もうすっかり後年の「寅さん」と同じようなことやってますから。笑
 そうすると、さとこは寅次郎にとっての "最初のマドンナ" ということになりますかね!?


 寅次郎の母・光子(井上真央)は、なんなら さとこと千吉の仲を取り持ってやってもいいと考えていたようですけど、どうやら千吉という男にはあまり良くない噂があるようで……。


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 時は昭和23年(1948年)の話。中学生になって寅次郎の役者も変わりました。
 この第3話には、寅次郎のことを「馬鹿」と言った父の平造(毎熊克哉)に向かって、
「お兄ちゃんは馬鹿じゃないよ。勉強ができないだけ」
 と さくらが言う場面もありました。
「どう違うんだい、それ?」
 と母に訊かれても
「わかんない」
 としか さくらは答えられないけど、寅次郎がこのあと大人になってからも多くの人たちに愛される理由は、きっとそのあたりにあるのかもしれませんね。

 まぁ女難はこれからも続くわけですけど…。


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 さとこを演じた森七菜は、大分県の出身で 2001年生まれの18歳。
 女優歴はまだ短いけれど、映画『天気の子』でヒロイン天野陽菜の声を演じたことでも知られています。