Spiritual Unity/Albert Aylerアルバート・アイラーの代表曲として有名なゴーストを含むこのアルバムをジャズを聴き始めて36年目にして初めてちゃんとアルバム全体を通して聴きました。

作家の故「中上健次」の有名な(多分)エッセイに「破壊せよ、とアイラーは言った」と云う題の作品があります。
私は彼の小説は殆ど読んでいないのですが、このエッセイはタイトルが格好良いので繰り返し忘れた頃に読み返しています。

私が生まれて初めて、スイング・ジャーナルを買ったのは、確か1971年2月号だったと記憶するのですが、その時の表紙がアイラーだったのではと思います。

でも、そのアイラーなる人物が三島由起夫の自決日と同じ日に死んだと云うことを知ったのはもっと後になってからでした。

確かにアイラーの咆哮するようなテナーは、「破壊せよ!!」と言っているのかもしれませんが全く違うことを言っているのかも知れません。

或いは、酔いしれて単に吹いているだけなのかもしれません。
これだけは、本人に聞くまで分かりませんね。
でも既に本人は死んでいるので今となっては永遠の謎です。

でも、音楽と云うのはその時々の聴く者の置かれた状態で、聞こえ方が違ってくるのでこれを聴いていた当時の中上健次には「破壊せよ!!」と聞こえていたんでしょうね。